【お酒】551.春鶯囀 カップ [19.山梨県の酒]
株式会社萬屋醸造店
山梨県南巨摩郡富士川町青柳町1202-1
(以上、カップの印刷事項より転記)
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15.0度以上16.0度未満
NET.180ml
(以上、フタより転記)
酒銘について触れる前に、このお酒のカップには、富嶽三十六景のうちの一枚が印刷されていることをご紹介しておきます。
どうやらこの絵は、甲州石班澤(こうしゅうかじかざわ)のようですね。
それでは、酒銘を紹介させていただきます。
“春鶯囀”と書いて、“しゅんのうてん”と読むそうです。
あたしゃ、読めませんでしたよ。
この名前について、ある居酒屋探訪家が書いた書籍では「「春の鶯(うぐいす)の囀(さえず)り」とは詩的な名だ。」と紹介されていました(※1)。
たしかにそのとおりのようで、蔵元さんのWebsiteでは、蔵元さんの六代目ご当主が与謝野鉄幹・晶子夫妻と親交があって、夫妻が山梨へ来た際に詠んだ歌の中からつけたのだとか。
そういえば、最近、「ハワイのうぐいすは、“ホーホケキョ”と鳴かない」という記事を読みましたよ。
なんでも、うぐいすのオスは春の繁殖期に縄張りを張ってメスを呼ぶために“ホーホケキョ”と鳴くそうですが、ハワイでは一年中縄張りが固定化していてオス同士の競争がないので、鳴く必要がないのだとか。
決して全ての男がそうだとは言いませんが、人間も結婚してしまうと、いろいろと劣化なさっちゃう御仁が多いようで…。
(オマエだって、毎日酒飲んで変なブログを書けるような楽な生活をしているから、アタマが劣化しているじゃねぇか!)
くだらないことを言うのはこのくらいにして、今日はこの詩的な名前のお酒をいただきたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
このお酒ですが、色はほとんど目立ちません。
うまみは淡めです。
ひかえめながらも、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)をほんのりと感じます。
それでいて、苦みや雑味は感じませんでした。
酸味はひかえめです。
さわやかさを少し感じる程度です。
甘みはややはっきりしています。
ベトつかないさらっとした甘みです。
さらっとした甘みがうまみと酸味とをよくまとめている、淡麗旨口のおいしいお酒でした。
淡いながらも酒臭い(←ほめ言葉です)うまみと、ひかえめながらもさわやかな酸味とが、甘みとよく合っていると思います。
春の鶯の囀りのように、甘美でさわやかなお酒でした。
(※1)太田和彦『居酒屋百名山』p.225(2013.5 新潮文庫 原典は2010.2刊行)
春鶯囀はカップ酒も造っているんですね。
純米の鷹座巣をぬる燗で飲んだことがあります。
ふわりとした酒だったように思います。
skekhtehuacsoさんのコメントを読むと、似たような味わいなのかもしれませんね。
by yoshida (2015-05-12 16:12)
yoshidaさん、コメントありがとうございます。
普通酒はおいしかったので、ぜひとも純米酒も飲み比べてみたいところです。
今度山梨へ出かけた際には、少量瓶があるかどうか探してみます。
by skekhtehuacso (2015-05-12 22:12)