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【お酒】854.桑乃都(くわのみやこ) 上撰 カップ [13.東京都の酒]

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有限会社小澤酒造場A
東京都八王子市八木町2-15

アルコール分15度以上16度未満
原材料名/米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




八王子市に本社を置く蔵元さんが造るお酒です。
社名のあとの“A”が気になるところです。
どこか別の場所に蔵があるのか、あるいは自醸していないのでしょうか?
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ま、そんなこと、おいしければどうでもいいんですけれどね。


ところで、“桑乃都”という酒銘について、文献では以下のように紹介されておりました。
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八王子はかつて桑都と呼ばれ、生糸の集散地で絹織業も盛んだった。酒名はそれに由来する。」(※1)

この“桑都”の意味ついて、別の文献では以下のように解説しておりました。
 山間部や丘陵地は田畑より桑の適作地であり、八王子も農村部の副業として室町期より桑が植樹されていたという。江戸中期には養蚕・製糸・絹織物の産地として全国的にも知られていた。
  安政5年(1858)に外国との通商条約が結ばれ、翌年に横浜の開港をみるが、お茶と共に生糸は重要な輸出品であり、信州・秩父・甲州を始め、各産地から横浜への足場の良い八王子が生糸の集積場となった。」(※2)

かつての八王子は、単に生糸や織物の一産地というだけではなく、横浜の港へ出荷するために、周辺各地から輸出用生糸が集められるところだったのですね。
江戸時代の開国から昭和中期くらいまで(?)は生糸は重要な輸出品だったわけですから、その集積地であった八王子はさぞや栄えていたことでしょう。
その勢いは、まさに“桑都”と呼ぶにふさわしいものだったのかもしれません。


今日は、そんな八王子の輝かしい歴史をその名にいただくこのお酒をいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、あまり目立たないくらいでした。
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口に含んで喉を通すと、ウィスキーのような香りをわずかに感じます。

うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、渋みが少しはっきりしています。
しかしキレがよく、透明感すら感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさはほとんどないみたいですが、さわやかさがはっきりしています。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとつかない、さらっとした甘みです。

うまみがしっかりしているが透明感とさわやかさとを感じる、やや濃醇で旨口のお酒でした。
独特の香りと渋みとが、ちょっと気になるかもしれません。
それでもキレのよさとさわやかさとのおかげで、重さは和らいでいるみたいでした。



(※1)津波克明『ぶらり地酒紀行-関東の酒蔵御案内』p.44(1996.5 けやき出版)
(※2)峯成子『八王子市に残存する養蚕農家について-その1 滝山街道周辺-』p.47(東京家政学院大学紀要 第34号 p.47-66 1994.7)

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