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【お酒】888.石陽日本海 上撰 カップ [32.島根県の酒]

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日本海酒造株式会社
島根県浜田市三隅町湊浦80

原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
アルコール分 15度
180ml詰
(以上、フタより転記)




日本海酒造さんのお酒は、かつて石陽日本海の佳撰カップ(普通酒)をいただいております。
今日いただくこのお酒も普通酒ですが、こちらは上撰です。

“佳撰と上撰との関係は、かつての級別制度下における二級酒と一級酒とのそれに相当するものである。”
と、これまで漫然と書いてまいりました。
ですが、ここで一度、文献の記述を確認しておこうと思います。

小印(こじるし)

 清酒製造業者が生産品の区別をつけるためとか、特殊商品であることを表現するために、主銘柄の上につける語を小印という。例えば金冠〇〇とか黒松〇〇とかの金冠、黒松は小印である。また、平成4年4月に級別がすべて廃止となって、級別にかわる商品ランクの表示として、特撰(とくせん)・上撰(じょうせん)・佳撰(かせん)などの呼称で表示するようになった。この呼称は大手メーカーが中心となって決めたもので、公的な呼称ではないため、全国統一の呼称ではない。このような呼称表示も小印になる。」(※1)

佳撰/上撰の表示は、大手メーカーの格付けに倣って普及したものであって公的な呼称ではないが、その由来はかつての級別制度にあることがわかりました。


そんなかつての一級酒に相当すると思われるこの上撰ですが、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
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しかし、酸味料は添加されていないみたいです。


ここからは、私の推測です。

級別制度が採られていた頃には、大手蔵でも中小蔵でも、糖類添加が盛んに実施されていたと思います。
その級別制度の下では、糖類添加の三増酒であっても一級と認められていた(糖類添加の有無は一級認定の要件とは無関係だった)のではないでしょうか?
それ故、級別制度が廃止されて久しい今日においても、当時の糖添三増一級酒が上撰と名称を変えて残存している例が少なからずあるのではないかと思うのです。

この点については、今後の調査の課題とさせていただきたいと思います。
要するに、まだ調べていないってことなんだな!


それでは、この糖添上撰酒をいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、佳撰と同じくほとんどわからないくらいでした。
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うまみはやや淡めです。
淡めですが、クドさをちょっと感じるうまみです。
それに、苦みもちょっとあるみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさとさわやかさとを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌ざわりを少し感じる甘みです。


やや淡麗でやや甘口のお酒でした。
佳撰よりも酸味と苦みとがひかえめなせいか、味に角がないみたいでした。
うまみははっきりしていましたが、ちょっとくどいかな。
酸味料は添加されていないはずなんですけれどね。
もしかしたら、このクドさには甘みが影響しているのかもしれません。

(※1)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.260(1997.10 灘酒研究会)
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