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【お酒】927.蒼天伝(そうてんでん) 純米酒 150ml [04.宮城県の酒]

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株式会社男山本店
宮城県気仙沼市入沢3番8号

内容量150ml
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
アルコール分 16度
精米歩合 60%
宮城県産米(蔵の華)100%使用
(以上、ラベルより転記)




男山本店さんのお酒は、かつて陸前乃大吟醸 陸前男山豊香淡麗辛口南部流伝統仕込み 300mlという長い名前の大吟醸と、糖類酸味料添加の三増酒だった陸前男山カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、“蒼天伝(そうてんでん)”と名付けられた純米酒です。
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この蒼天伝について、ある文献では蔵元さんの話を以下のように紹介しておりました。
「以前から端麗な酒は難しいと感じていました。一歩間違うと端麗の場合、薄っぺらく感じてしまう。味がやせてしまうんですね。その点、芳醇な酒は粗が出にくい。とはいえ、芳醇一辺倒だと、気仙沼の食材を食べながらいっしょに飲むには重すぎる。この兼ね合いが難しいんですね。端麗なのに味わいがある酒。そんな酒が私の目指す酒です」
(中略)
華やかな花の香りから入って、しばらくうまみと甘みなど、複雑に味が絡み合って、最後は切れ味するどくスパッと消える。こういう酒を造りたかったのです。」
「(前一部略)「青い海、青い空などの素晴らしい気仙沼の自然環境を表現し、蒼天のような爽やかで澄んだ香りと味わいのある酒として、『蒼天伝(そうてんでん)』と名づけました。」」(以上、(※1))

今日いただくこのお酒は吟醸造りではない純米酒であって、蒼天伝シリーズでは最も廉価なお酒のようですが、果たしてこのお酒にも上記のような考え方は反映されているのでしょうか?


ところで、いただく前にもう一つ触れておきたいことがございます。

このお酒は、“蔵の華”なるお米を使って造られているのだとか。
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この蔵の華は「宮城県古川農業試験場において、中生の酒造好適米品種を目標に、「山田錦」を母とし、「東北140号」を父として1987年に交配し、さらに同年「東北140号」を母、前期のF1を父として戻し交配を行った。」のちに、幾度かの選抜を経て、「1997年宮城県で奨励品種に採用され、「蔵の華」(水稲農林351号)と命名登録された。」(※2)とのこと。

もともと宮城県では、美山錦を奨励品種としていたそうです。
しかし、「この地帯は気象環境が厳しく「美山錦」では耐冷性、耐倒伏性が不十分で作柄が不安定なことから、作付けは伸び悩んでいた。一方、酒造業界からは宮城県独自の酒造好適米品種が要望されていた。」(※3)とのこと。

おいおい。
そういえば、秋田の秋田酒こまちも、それに山形の出羽燦々も、たしか美山錦の倒れやすさを克服することが、育成開始の契機の一つになっていたはずですよ。
美山錦って、どんだけ倒れやすいんだよ!

というか、美山錦の育成過程で、どうして倒伏防止のために長稈を克服しなかったのでしょうかね?
美山錦が育成された長野県は、長稈の水稲でもめったに倒れることがないくらい夏季の気候が穏やかなのでしょうか?
言いたい放題だけれど、どうせ調べていないんだろ!


この“蔵の華”なる酒米で造られたお酒の味については、手元にあった文献に以下のような記述がありました。
製成酒はアミノ酸の少ない“すっきりとした味で澄んだ香りを持つ酒質”に仕上がることが期待され、南部杜氏の流儀に適した酒造好適米であると思われる。」(※4)

この酒質は、上記で紹介した“蒼天のような爽やかで澄んだ香りと味わいのある酒”という考え方に合うみたいですね。
果たしてこのお酒は、蔵の華の特性を活かした味わいに仕上がっているのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。

蔵元さんのWebsiteでは“冷や(15℃)”を推奨しているようでした。
この時期の常温では15℃を上回ってしまうでしょうから、今日は冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、わずかに着いているのがわかる程度でした。
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目だった香りはないみたいでした。

やっぱりうまみは淡めですが、けっこうしっかりしています。
お米のうまみとともに、醸し出された酒臭いうまみをちょっと感じます。
それに、わずかですが熟成感もあるみたいです。
それらが口の中に広がったあと、キレよくスッとひいていきます。
苦みや雑味はないみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさはほとんどなく、さわやかさを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめで、ほとんど感じません。


淡麗旨辛口のおいしいお酒でした。
淡くてキレがよいものの、うまみはしっかりしています。
それに、甘くなくてややドライな感じがしますが、決して物足りなさはないですね。
香りはそれほどでもないものの、たしかに端麗なのに味わいがある酒、蒼天のような爽やかなお酒だと思います。

でもね、ケチをつけるようかもしれませんが、なんか上品すぎるように感じました。
それはオマエが下品だからだろ。

(※1)酒蔵環境研究会編『挑戦する酒蔵-本物の日本酒を求めて』p.178-179(2007.11 農文協)
(※2)永野邦明・千葉文弥・黒田倫子・早坂浩志・松永和久『酒造好適米新品種「蔵の華」の特性』p.31(東北農業研究 第50号 p.31-32 1997.12 東北農業試験研究協議会)
(※3)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.81(2000.3 養賢堂)
(※4)(※3)p.85
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あ~酒臭かった! 46

酒くさコメント 6

エクスプロイダー

蒼天伝も最近呑んでないなあ。レギュラー酒だったらスーパーでも見かけるし。呑もう。
by エクスプロイダー (2016-07-11 22:06) 

あとりえSAKANA

【蒼天のような爽やかで澄んだ香りと
味わいのある酒】
・・・なのに「そうでんねん」?
関西人的にはそうでんねんって
(*^m^)ププ可笑し過ぎる・・・。
by あとりえSAKANA (2016-07-11 22:21) 

skekhtehuacso

エクスプロイダーさん、飲みなはれ飲みなはれ。
じゃんじゃん飲みなはれ。
by skekhtehuacso (2016-07-11 23:56) 

skekhtehuacso

あとりえSAKANAさん、「そうでんねん」とか、「ナントカでまんねん」とか、あるいは「わてかてな」とかのような、園佳也子や新喜劇の人たちがよくしゃべっているような関西弁は最近の関西人は使わないと、かつて関西人が言っていたのを思い出しましたよ。
by skekhtehuacso (2016-07-12 00:11) 

あとりえSAKANA

あ。
「そうてんでん」なのに「そうでんねん」に
勝手に変換されていました。
大変失礼いたしましたm(__)m
平にご容赦を<m(__)m>

最近の関西人は正直使いませんね。
60代以上の人は使う人いますけどね。
by あとりえSAKANA (2016-07-12 22:29) 

skekhtehuacso

あとりえSAKANAさん、酔うてはったんやな。
酔うてパソコンに向かうと、書かんでもええような書き込みをしたり、買わんでもええもんを買うたりしてしまうさかい、気ぃつけんとあかんで。
(↑自分の体験より。)
by skekhtehuacso (2016-07-13 23:22) 

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