【お酒】1110.醉心 サケカップ 軟水仕込み [34.広島県の酒]
株式会社醉心山根本店
広島県三原市東町1-5-58
アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)
醉心山根本店さんのお酒は、これまでに普通酒の上撰醉心カップと、醉心の純米吟醸醉心稲穂180ml、そして醉心の純吟カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、上撰醉心カップと同じ普通酒です。
こちらのお酒には小印がつけられていないことから推察するに、もしかしたら佳撰クラス(級別制度下における二級酒相当)のお酒でしょうか?
このお酒は、“軟水仕込み”なのだとか。
かつて紹介したことがありましたが、水に含まれるミネラル分は酵母のえさとなるので、それが少ない軟水でお酒を仕込むと酵母の働きが弱くなり、甘口のお酒に仕上がるそうです。
そして、「ところが広島の水はおおむね3-6度の軟水である。酵母がなかなか元気にならない。そこで工夫されたのが「しっかりした麹」である。これは軟水の弱点をカバーして、なおかつ灘とは違う広島酒の特徴、つまりキメの細かさを生んだ。この軟水醸造法を開発したのは、明治年間の安芸津の醸造家、三浦仙三郎である。」(※1)
「しっかり作った麹は、かぐわしい香りを出し、世に「女酒」と呼ばれるようなふくらみやキメの細かさをもたらす。」(※2)
とのこと。
このお酒をいただいてから軟水仕込みの小さい表示に気がついたのですが、三浦仙三郎さんが発明したという軟水醸造法について、もう少し詳しく調べておけばよかったと後悔しております。
今日いただくこの広島のお酒も、はたしてキメの細かい味わいなのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
うまみはやや淡めです。
それでも、やわらかいうまみが淡いなりにしっかりしています。
ほんのかすかに軽い苦みがあるみたいですが、まったく気にはなりません。
それに、雑味はまったくないみたいです。
それでいてキレがよく、スッと引いていきます。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少ししっかりしていますが、鋭くはないみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりしています。
でもけっしてべとつかない、さらっとした甘みです。
やわらかいうまみと甘みとを、酸味が引き締める、やや淡麗でやや甘口のおいしいお酒でした。
たしかに雑味がなくてきれいな、キメの細かいお酒だと思いました。
でも、酸味がいい塩梅に効いているようでした。
酸味がないと、薄っぺらく感じてしまうかもしれません。
なかなかいける普通酒だと思います。
(※1)中国新聞社メディア開発局出版部編『広島の酒蔵』p.6(1995.2 中国新聞社)
(※2)(※1)p.7
軟水仕込みですか。
初めて見ました。
やはり、酒造りには水は重要なのですね。
by toshi (2017-02-21 02:51)
toshiさん、灘の宮水はいわゆる硬水ですが、灘の酒造りを学んだ地方の蔵元さんたちが、地元の水が軟水だったことで灘のようにうまく造ることができなかったということを何度か読んだことがありました。
ミネラルは酵母のエサになるそうですので、水の硬軟は発酵の良否ととても密接に関わっているようです。
by skekhtehuacso (2017-02-21 22:33)
私ものみたくなりました。焼酎党ですが・・本当はビールが最高なのですが、プリン体が怖くて控えています。
by ipanemaoyaji (2017-02-22 16:29)
ipanemaoyajiさん、焼酎も奥がふかそうですね。
私も手を出してみようかとも思ったことがありましたが、生半可な知識で望むと皆様から大いにお叱りをうけそうなのでやめました。
といっても、(日本の)お酒についてもいい加減なことしか書いておりませんけれどね。
by skekhtehuacso (2017-02-22 21:55)