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《焼酎》16.さつま白波 200ml【追記あり】 [9946.鹿児島県の焼酎]

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薩摩酒造株式会社
鹿児島県枕崎市立神本町26

本格焼酎
アルコール度 25度
容量/200ml
原材料/さつまいも(鹿児島県産)、米こうじ(国内産米)
(以上、ラベルより転記)




10月の初めに大分県で焼酎集め&酒集めをした際には鹿児島県産の芋焼酎もいくつか入手することができ、手元にはその在庫がございます。
これらの芋焼酎のうち、まずは世間で広く飲まれている銘柄からいただいてみようと思い、先般いただいた海童の前割りカップにひきつづき、この“さつま白波”を選びました。


私が子どものころに、父親が飲んでいた芋焼酎がこのさつま白波でした。

その当時、私はこの芋焼酎を好んで飲む父のことが不思議でなりませんでしたよ。
だってさ、ニオイがものすごく強烈だったものですから。
そのニオイの強烈さたるや、まるで正露丸のようで、「こんなクサいものを飲む奴の気が知れない。」と子ども心に思ったほどでした。

ですが今日ではこのニオイ、すなわち“芋傷み臭”の原因が解明されて、それを防ぐ方策が採られていることについては、かつて紹介いたしました。
ということは、今日いただくこのこのさつま白波も、かつてのようなニオイはきっとしないのでしょうね。


ニオイの話はさておき、「鹿児島の芋焼酎と言えば?」と問われた際にいの一番に出てくるのは、まちがいなくこのさつま白波でしょう。
なにせこのさつま白波こそが、芋焼酎が東京のみならず全国で愛飲されるようになるまでの先鞭となったわけですから。

その飲み方として提案された“ロクヨン(焼酎6:お湯4のお湯割り)”は、いまでは芋焼酎のみならずあらゆる焼酎で広く採用されている飲み方になっておりますね。
このことについて、文献には以下のような記述がありました。
昭和40年中期。「白波」がポットでジャーと湯で割る「6対4(ロクヨン)お湯割り」をコマーシャルにする。これまで湯で割ったりコップで飲むのは下品だとされていたのだが、逆にこれなら燗の手間も省けて簡単に飲めるとヒットした。来客や晩酌に、奥さんの手を煩わせない点でも革命的な飲み方として歓迎された。「白波」の販売数字が1年ごとに倍々で増加する。さらに、「酔い覚めさわやか」のキャンペーンが他社の酒との違いとして認知され、社会の健康志向もあって、飛躍的に伸びた。昭和50年くらいに「お湯割り白波ブーム」が東京に至る。その頃には焼酎販売他社も、東京をねらわなければと支店を続々と出した。」(※1)

この“ロクヨン”については、「「ちょうど電気ポットがどの家庭にも行き渡った時期で、お湯さえあれば飲めるロクヨンのお湯割りは旦那一人でも簡単にでき、主婦も助かる。この飲み方を普及させれば、需要増加は間違いないと判断しました」」(※2)と、とある雑誌で薩摩酒造の社長さんが語っておられました。


しかし、薩摩酒造さんは焼酎がたとえどれほど売れても、製造も原料の調達も地元でのみ行うことと決めていらっしゃるのだとか。
このことについて、(※2)と同じ文献では社長さんの言葉が以下のように紹介されておりました。
「わが社は、昔ながらの伝統の製造法をかたくなに守ってきたし、これからもそうです。開聞岳の裾野に広がる畑で穫れる黄金千貫、また白沢には、白波の原点である『神の河(かんのこ)』という湧水があります。麹は生き物。最適な気候風土と、それを扱う黒瀬杜氏をはじめ、人々のこまやかな愛情があって初めてうまい焼酎ができるのです」と強い信念を語る。
(中略)
これらの条件は、到底海外で満たせないから、企業方針として、原料の輸入や海外生産はあり得ないという。」(※3)

コスト削減・利益増加のことだけを考えて生産拠点を海外へと移す企業が少なからず存在する昨今において、薩摩酒造さんが品質を守り抜くために決意した企業方針はすばらしいじゃありませんか!
そうとわかったからには、地元での原料調達と生産とにこだわりつつも全国展開の偉業を達成なさったこのさつま白波を、心していただきたいと思います。


25度で200mlですから、今日は半分だけロクヨンのお湯割りにして、残りは明日、別の飲み方でいただいてみたいと思います(その感想は、明日この記事に追記します)。
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お湯を入れた器に焼酎を注ぐと、注いだ端から香りが立ってまいりましたよ。
子どもの頃に嗅いだニオイとはちがうものの、芋っぽい香りがズシリと来る、かなり重い香りですね。
でも、一口含むと、華やかさも少し出てくるようです。

苦味がかすかにあることがわかります。
ちょっと重さを感じるものの、弱めです。
酸味もあって、弱めですが鋭さを感じますね。
一方、甘みはほとんど感じませんでした。


ズシリと重い香りが豊かで、苦味と酸味とがちょっと効いている、おいしい芋焼酎でした。
辛口で、苦味と酸味とがちょっと効いていることから、口当たりはかなり引き締まっているように感じました。
でも香りがかなりはっきりしていて、しかも重いので、飲み応えを感じました。

これ、うまいね!
芋っぽい香りがかなり重いので飲みやすさはまったくありませんが、こういうガツンとくる風味は私の好みですわ。
常圧蒸留で造られた米焼酎の焦げ臭さとは香りの質が異なるようですが、重さという点では共通したものがあるように思います。
あたしゃまだ芋焼酎の経験はかなり浅いのですが、今後いろいろといただく際に、私の中ではこのさつま白波が味の基準となりそうな気がしますよ。

それに、このズシリと重い香りは、喉の奥から鼻腔の入口辺りにかけての位置に、飲んだ後もしばらくの間残るようです。
二日酔いになったときにこの香りが残っているときっと気持ち悪いことでしょうけれど、そうでなければ焼酎の香りをいつまでも感じ続けることができてうれしいかぎりです。
そういえば、「焼酎もろみの発酵過程でエチルアルコールのほかにフーゼル油(高級アルコール)が生成されますが、このフーゼル油成分が微量存在することにより焼酎らしい風味が形成されます。つまり高級アルコール飲料の微量成分中、最も多量に存在し、香気性付与に大きな役割をはたしているのです。」(※4)とか、あるいは「フーゼル油は焼酎の香気成分の一つですが、多量にあるとき表面に浮き、空気中で酸化され油臭のもとになります。」(※5)といった記述に出会ったことがありましたが、もしかしたらこのさつま白波で感じたズシリと重い香りはフーゼル油に起因するものなのでしょうか?






翌日

ズシリと重めの芋っぽい香りは、この日の午前中まで私の鼻腔に残っておりました。
たった100mlの量を、しかもお湯で割って飲んでいるのに、これほど残るとは意外でしたよ。

もしもこのさつま白波を飲み過ぎて二日酔いになったら、きっとかなり気持ち悪いことでしょう。
“芋焼酎は酔い覚めがさわやか!”なんていう記述に少なからず出くわしたことがございますが、それはこのさつま白波に関してはけっして当てはまらないと思いますよ、あたしゃ。

でも、二日酔いになっていないワタクシにとっては、賃労働で拘束されて時間と魂とを切り売りしていた間にも焼酎の余韻に浸ることができて、うれしいかぎりでしたけれどね。


これだけ香りが強ければ、おそらく倍以上に割っても風味を損なうことなくおいしくいただけるのではないでしょうか?
そう思って、今日は残った半分を炭酸割り、すなわち“芋ハイ”にしてみましたよ。
割合は、芋焼酎1:炭酸2です。
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これもうまいね!
芋焼酎1:炭酸2で割っても、香りはかなりはっきりしていて、薄まった感じがいたしません。
でも、重さだけは幾分後退して、少し軽くなりましたよ。
また炭酸の泡でさっぱりして、しかもさらに辛口になってキリッと引き締まってまいりました。

さつま白波の炭酸割りは、風味はしっかりしているものの軽さが出て、キリッと引き締まった美味しい飲み方でした。
甘みがほとんどなくて辛口ですが、軽さが出てスイスイといけてしまいます。
それでいて芋っぽい香りはしっかり残っていて、薄めても衰えた感じはしませんでした。
むしろあたしゃ、味も素っ気もない甲類焼酎なんかよりも、さつま白波くらい風味がしっかりしている焼酎のほうが炭酸とよく合うと思いますよ。


そういえば、「焼酎博士として知られていた菅間誠之助先生」(※6)のお宅に「亡くなられる数カ月前にお邪魔したとき、酒豪でならした先生が、お湯の中に焼酎を一滴垂らしイモ焼酎はこれで焼酎らしさが味わえるんだからすごい酒ですね、と言っておられたことを思い出す。」(※7)という記述を読んだことがありました。
すなわち、芋焼酎の香気成分ってのはこれほどまでに強力なわけで、芋焼酎1:炭酸2で割ったくらいでは衰えないのですね。

鹿児島県内には芋焼酎を造る蔵元さんが100以上あって、1000を超える銘柄を世に送り出していらっしゃるのだとか。
その中でも大手蔵である薩摩酒造さんの製品でさえこれだけ楽しませてくれるわけですから、もっともっと個性豊かな焼酎が、きっとたくさんあることでしょう。
これはもう、想像するだけでワクワクしてきましたよ。


いつか鹿児島へ行って芋焼酎を集めてやろうと思う、吉宗であった。(※8)



(※1)大本幸子『いも焼酎の人びと』p.76-77(2001.10 世界文化社)
(※2)上藤顕『事例3 薩摩酒造㈱ ブームに先駆けて芋焼酎のブランドを確立』p.28(商工ジャーナル 32巻12号 p.27-29 2006.12 商工中金経済研究所)
(※3)p.29
(※4)小川喜八郎・永山久春『本格焼酎・南九州の風土を味わう』p.123(2002.6 鉱脈社)
(※5)(※4)p.133
(※6)鮫島吉広『ダレヤメの肴 焼酎呑んの よもやま話』p.144(2000.7 南日本新聞社))
(※7)(※6)p.146
(※8)“暴れん坊将軍”のエンディングテーマ曲に入る直前の台詞より
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コメント 6

hatumi30331

飲みやすいのね。
私は日本酒の方が好きですが・・・
芋臭くないのなら舐めてみてもいいかな?へへ;

ゆらの髪型は、ママの好みです!^^
by hatumi30331 (2017-10-26 00:04) 

ma2ma2

芋は美味しいですね!
普段は薩摩ですが、たまに山猫や心水、蔓無源氏を飲んでいますが、お湯割りが美味しい時期になってきました(^^)
by ma2ma2 (2017-10-26 20:18) 

skekhtehuacso

hatumi30331さん、まったく飲みやすくはありません。
むしろ芋臭いかも。
by skekhtehuacso (2017-10-26 21:15) 

skekhtehuacso

さすが芋焼酎好きのma2ma2さん、いろいろと飲んでいらっしゃいますね。
あたしゃまだ初心者中の初心者ですから、これからいろいろと経験させていただこうと思っております。
by skekhtehuacso (2017-10-26 21:16) 

minako52

うちの親父さまも、さつま白波を愛飲してましたね~
もちろんお湯割りで!
彼の入ったあとのトイレには入れたものではなかったという
記憶が鮮明に残っています。
そのせいか焼酎は苦手で未だに飲めないんです^^;
by minako52 (2017-10-27 23:04) 

skekhtehuacso

minako52さん、トイレの件、わかるような気がします。
かつてほど臭くはないものの、けっこう残りましたから。
私も子どものころの記憶が焼酎を遠ざけておりましたが、あらためていただいてみるとおいしく感じましたよ。
by skekhtehuacso (2017-10-28 20:30) 

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