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【お酒】1399.純米吟醸 下野乃國 五千石 カップ [09.栃木県の酒]

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杉田酒造株式会社
栃木県小山市大字上泉237

原材料/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合/58%
アルコール分/16度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




このお酒は、道の駅しもつけ(栃木県下野市)で入手しました。
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“下野乃國 五千石”という名の純米吟醸酒です。
これはいったいどういう意味なのでしょうか?
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下野一国の石高がたった五千石ってのは、そりゃおかしいですよね?
それとも、酒造好適米“五百万石”の誤植ですか?
いやいや、酒銘の誤植なんてことはありえないでしょうよ。
でも実際に下野市産の五百万石を使用しているそうです。

蔵元さんや道の駅しもつけのWebsite、それに“下野ブランド”なるサイトを見ても、この酒銘の意味を確認することはできませんでした。
でも、道の駅しもつけの近くには、五千石球場やら五千石堰やらといった施設があるみたいでした。
ということは、もしかしたら“五千石”という地名が下野市にあって、そこで採れたお米を使っているのでしょうか?


あるいは、あたしゃこのお酒に出会った当初は、この酒銘から同じ下野国に属していた喜連川藩(きつれがわはん)のことを思い起こしましたよ。

喜連川氏を藩主とする喜連川藩は、わずか五千石という江戸時代における最小石高の藩でした。
しかし「喜連川氏の元の姓は足利氏で、足利尊氏の四男・基氏を祖とする鎌倉公方系統の足利氏である。」(※1)とあるとおり、その血筋たるや室町幕府を開いた足利尊氏に由来し、かつ「石高の五千石にしても、「無高」の五千石である。「無高」とは、幕府から「高」を賜っていないという意味だから、ほかの大名家のように徳川将軍家の臣下として従属するのではなく、いわば幕府の客分である。だから、五千石でも徳川と対等な大名なのである。」(※2)と言われているほどの、徳川幕府でも他の大名旗本とは別格扱いされていた“名門中の名門”だったそうですよ。
それ故に、この喜連川藩を連想させる酒銘をつけたのかな?、なんて私は思っちゃったのです。

ですが喜連川藩があった場所は今の栃木県さくら市で、道の駅しもつけがある下野市とは隣接しておらず、それに直線距離にして30km以上も離れていたのでした。
ということは、きっと喜連川藩とは関係ないのでしょうね。


言いたいことを言い尽くしたところで、そろそろいただきたいと思います。
純米吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、それほど濃くはないみたいでした。
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吟醸香は、上立ち香はないですね。
でも口に含むと、フルーティーな香りがちょっとだけ鼻へ抜けていくようです。

うまみはやや淡めです。
米のうまみが広がらずに、舌の上をピンと突く感じがいたします。
苦みや雑味はありません。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
ゼロではないものの、かなり弱めの甘みがあることがわかります。


やや淡麗ですっぱやや辛口のお酒でした。
吟醸造りのわりには、酸味が強めで鋭さがありました。
というか、うまみが淡めであったために、酸味が突出しているように感じたのかもしれません。
かつて、昭和五十年代に吟醸造りを復活させようとしたある蔵元さんのお話として「『五百万石』という酒米を五十パーセント以下に磨いて造ったんですが、うすっぺらな味でとても吟醸酒と言えるものではなかった」(※3)という文献の記述を読んだことがありましたが、五百万石だと深みを出すことが難しいのでしょうか?

まあでも、酸味がはっきりしているので、油っぽさや魚の臭みを流してくれそうでしたけれどね。
私のように、普段からあっさりしたものばかり食べている輩には向いていないお酒なのかもしれません。


(※1)山下昌也『貧乏大名“やりくり”物語-たった五千石! 名門・喜連川藩の奮闘』p.49(2016.8 講談社+α文庫)
(※2)(※1)p.48-49
(※3)石原信一『会津地酒紀行』p.18(2004.7 歴史春秋出版)
あ~酒臭かった!(33)  酒くさコメント(4) 
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あ~酒臭かった! 33

酒くさコメント 4

ake_i

読ませていただいているととっても楽しいです^^
私もカップ酒、きままぷらり旅やってみたくなったぞ!
いまでやさん、たまに仁戸名に行きます。
とは言っても、ここで全部の欲求が満たされるわけじゃないですがね(爆)昔から大好きな憩いの酒店いまでやさん。ボトルの前で、ぼーーーっと、何にするか見るのが好きですw
やっぱ、木戸泉でしょ!他にもいろいろですが。


by ake_i (2018-06-06 23:31) 

hanamura

喜連川藩、五千石、おもしろいです。
by hanamura (2018-06-07 05:03) 

skekhtehuacso

ake_iさん、あたしゃ仁戸名町の本店にはちょっといきづらい場所に住んでおりますので、なかなか行けておりませんよ。
by skekhtehuacso (2018-06-07 21:09) 

skekhtehuacso

hanamuraさん、大事なことは全部酒が教えてくれると、つくづくそう思いますわ。
by skekhtehuacso (2018-06-07 21:10) 

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