【お酒】1597.三年古酒 鬼ころし 七尾城 カップ [17.石川県の酒]
合資会社布施酒造店
石川県七尾市三島町52-2
アルコール分14.0度以上14.9度以下
容量:180ml詰
原材料名:米・米麹・醸造用アルコール
(以上、ラベルより転記)
(精米歩合および米の産地表示はなし)
七尾の街中にて歴史を感じる蔵を構える布施酒造店さん。
なんでもこの蔵元さんは、「長期貯蔵酒専門」(※1)の蔵元さんなのだとか。
このことのついて、文献では以下のように紹介されておりました。
「明治9(1876)年に港町七尾で酒造を始めた、古色蒼然とした蔵で醸す、3年、5年、7年、10年の古酒が布施酒造店の「売り」です。(中略)当代蔵元の布施明さん(80)が古酒を前面に打ち出しました。醸造酒は全て熟成を経て、本来の風味を増大させると考えての決断でした。」(※2)
「4000㍑のタンクに酒を仕込み、3年後にその半分くらいを熟成させて3年酒として売っています。さらに残り半分(最初の量でいうと4分の1)を5年酒として、そして残りを10年酒として販売しています。」(※3)
一方で今日いただくこのカップ酒は、本醸造の3年古酒でした。
それではいただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、金色というよりも山吹色でしたよ。
鼻を近づけると、枯れた感じの香りがかすかに上立っていることがわかりますよ。
うまみは濃いめです。
熟成感がどっしりとしておりますよ。
枯れていて深みを感じますが、それでいて角やクセのない深みです。
苦みはごくかすかに感じますが、ほとんど気にはなりません。
キレはよく、透明感を少し感じます。
酸味はややはっきりかな。
すっぱさは弱めですが、一点を刺すような鋭さを少し感じます。
スースーは弱めで、ピリピリ感はありません。
甘みはひかえめです。
ゼロではないものの、かなり弱めです。
べとついた感じもありません。
濃醇枯深辛口の美味しいお酒でした。
これは熟成感そのものを味わうお酒でしょう。
それでいて角やクセがなく、雑味もほとんどなくてきれいな味わいでした。
酸味が少しはたらいているようでしたが、これもいい感じに味わいをまとめてくれているようでした。
弱めの甘みも然りでしょう。
これはきっと、ただ単に3年間放ったらかしているだけではなくて、徹底した品質管理の下で熟成させているのではないでしょうか。
それにこの3年熟成のカップ酒でおいしいということは、5年や10年モノはきっと極上の味わいなのでしょうね。
今日は、さば缶に玉ねぎドレッシング(レモン果汁仕立て)を乗せていただきましたよ。
あたしゃさば缶には、酢や和の柑橘よりもレモンの酸味こそが一番合うと思いますものでね。
レモンの爽やかさと玉ねぎの風味とが、さば缶とよく合うことよく合うこと!
ただね、この時期の玉ねぎは新玉ばかりで、いささか水っぽくて味がさば缶に負けておりましたとさ。
(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.69(2002.3 橋本確文堂)
(※2)石川県酒造組合連合会監修 北國新聞社出版局編集『石川の地酒はうまい。』p.60(2016.6 北國新聞社)
(※3)(※2)p.61-62
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