【お酒】1613.日榮 カップ [17.石川県の酒]
中村酒造株式会社
本社/金沢市長土塀三丁目2-15
製造場/石川県野々市市清金二丁目1
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分14度
内容量 200ml
(以上、ラベルより転記)
中村酒造さんのお酒は、これまでに加賀の雪酒 純米酒 180mlと、加賀雪梅 純米酒 カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、普通酒でした。
普通酒ですが山廃仕込で、しかも加賀の菊酒である旨の表示までありますね。
ところで、“日榮(にちえい)”の由来については、文献に以下の記述がありました。
「酒は古来、災いを避け、飲めば“笑門福来”、家が栄えるとの故事より、さかえ(栄)と呼ばれた。日出る国、人々は酒を酌み交わし、日栄繁盛を祈り慶びを表した。そこから命名されたという永遠のブランド、日栄。」(※1)
そうか!
酒(さけ)は榮=栄(さかえ)に通じるのですね!
たしかに別の文献には、以下のような記述がありましたよ。
「1 キ
酒の古語は「キ」であった。このことばについては、江戸中期の儒者であり、幕政にも参与した新井白石は、古くは食べ物を「ケ」飲みものを「ケ」と言い、酒は飲みものの最高のものとして位置づけられていたがやはり「ケ」、転じて「キ」とも言ったと説明している。今でも「朝食(あさげ)」、「夕餉(ゆうげ)」と言うことばが残っているが、『記紀』はもちろん『万葉集』、『風土記』などから「御邇(みけ)」・「御飼(みけ)」などの用例を見ることができる。したがって、酒を「キ」というのは飲食物の総称「ケ」の転化語であることはほぼ間違いない。実際、『記紀』を見ると、「岐・枳・企・盞=キ」などと見え、これに尊称なり、美称を付したのが「御酒(みき)」・「神酒(みき)」・「豊御酒(とよみき)」、また宮中の大嘗祭や豊明(とよのあかり)の際に用いられた「白貴(しろき)・黒貴(くろき)=白酒・黒酒」の「キ」である。(以下略)」(※2)
「2 サケ
『万葉集仙覚抄』に、
さかといふ詞はさかゆの辞なり、酒宴はみな人のさかへたのしむ故なり
と見えるところから、、「サケ」は「栄え楽しむ・の・キ」、略して「サカエ・の・キ」である。酒の古名は、1で述べたように「キ=ケ」とも言うので、「サカエ・ケ」となる。さらに簡略化して、冠辞の「サ」をとれば「サ・ケ」、すなわち「サケ」となる、という説である。」(※3)
お酒のおかげでまた一つおりこうになったところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
うまみはやや濃いめですね。
酒臭さ(ほめ言葉です)がしっかりしておりますぞ。
苦みが少しはっきりしていて、鋭さがありますね。
熟成感はかすかかな?
キレはよく、透明感を少し感じます。
酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは弱めですが弱めなりに鋭さを感じます。
それよりも、スースーがはっきりしていますね。
それにちょいピリですわ。
甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。
やや濃醇でちょい苦ちょいスーちょいピリ辛口のお酒でした。
酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)がしっかりしていて、飲み応えがありました。
のみならず、苦みやスースー、ピリピリ感もちょっとずつ効いていて、飲みにくさを少し感じましたよ。
それでもアル添のおかげか、キレよくいただくことができましたとさ。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.152(1996.7 能登印刷出版部)
(※2)坂口謹一郎監修・加藤辨三郎編『日本の酒の歴史』p.92(加藤百一執筆『日本の酒造りの歩み』p.41-315中 1977.8 研成社)
(※3)(※2)p.93
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