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【お酒】1702.神鷹 吟造り 吟醸酒 300ml [28.兵庫県の酒]

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江井ヶ嶋酒造株式会社
明石市大久保町西島919

原材料名 米、米こうじ、醸造アルコール
精米歩合 60%
国産米100%
アルコール分 14度
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




日清戦争時、日本海軍の旗艦高千穂のマストに鷹が舞い降りたというエピソードと、神も正義の戦いに味方したことにちなんで、勇ましい正義のシンボルとしてつけられた」(※1)という“神鷹(かみたか)”。
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創業は延宝七(1679)年といわれているから三百年以上の歴史がある。」(※2)という江井ヶ島酒造さんのお酒は、これまでに普通酒の神鷹 たる酒 300mlと、普通酒の神鷹 サケカップとをいただいております。

今日いただくこのお酒は、吟醸酒でした。
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製法が紹介されておりましたよ。
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“上槽、火入れ後、急冷し、冷蔵貯蔵しました。”とありますね。
すなわち、お酒を搾って(上槽)一回目の加熱殺菌(火入れ)をして発酵を止めた後、お酒を一気に冷やしたのちに冷蔵して貯蔵しているわけですね。

完成したばかりの日本酒は、角が立ち刺激が強く感じられます。これはアルコールの分子と水の分子とが結びついていないためで、通常は数ヵ月間寝かせてまろやかになってから出荷します。」(※3)とあるとおり、酒造りではお酒を搾ったあとに“貯蔵”の工程を設けるそうです。
その貯蔵には、「搾りたての香味が若くて荒い新酒が貯蔵するに従い成分の変化を伴いながら、香味、色が調和し飲みやすい品質になる」(※4)という効果があるのだとか。
(これを“調熟”あるいは“熟成”というそうです)

上記の表示は、その貯蔵の工程を冷蔵、すなわち低温の環境下でしているという意味でしょうね。

でもさ、これって吟醸酒に関しては、それほど珍しいことではないんじゃないのかな?

だって、吟醸酒は低温の環境下で発酵を進めるようですが、「貯蔵の温度が高いほうが熟成は早く進む傾向があり、逆に冷蔵庫等で低温でおいておきますと熟成は遅くなっていきます。」(※5)とあるとおり、過度の熟成を抑制して酒質を維持するために、吟醸酒の場合は発酵のみならず貯蔵の工程も低温下でなされることが一般的だと、あたしゃ勝手にそう思っていたものね。


そんな身も蓋もない結論で締めて話のネタが尽きたことをごまかしたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、わずかに茶色がかっておりました。
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上立ち香はないですね。
一口含むと、ごくかすかなフルーティーな香りがほんのりと鼻へ抜けて行きます。

うまみは濃くはない、いや、やや濃いめかも。
米のうまみがしっかりしていて、厚みがあってどっしりとしています。
それでいて、苦みや雑味はまったくなく、熟成感もありません。
キレはよくてスッと引きますが、透明感はありません。

酸味はややひかえめでしょうか。
すっぱさは弱めで、鋭さも感じません。
ですが酸味自体に弱いながらも深みを感じます。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめです。
弱めですが、弱めなりに幅を感じる甘みがあることがわかります。
でもべとつきはまったくなく、かなりさらっとしています。


ちょい濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
米のうまみそのものを味わうことができるお酒でしたよ。
舌の上にズシリと乗っかる米のうまみに、飲み応えを感じました。
それでいてキレがよく、しかも雑味や熟成感はゼロでした。
しかも酸味の深みと甘みとが弱めながらに効いていて、米のうまみを引き立てているようでした。
さらに香りも弱めで、食事と合わせるにちょうどよい感じでした。

これ、かなりうまいんじゃないの!
余計な味を抑えて米のうまみを前面に出しているところが、吟醸酒、すなわち「吟味して製造した清酒」(※6)たる所以でしょうか。
もしかしたら、まさにこれこそが“上槽、火入れ後、急冷し、冷蔵貯蔵しました。”という貯蔵方法の成果なのでしょうか?

恐れ入りました。
おいしくて、あっちゅう間でございましたとさ。
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今日のエサ。
もやしと豚肉で、炒め物。
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味付けは“ゆかり”!
とある酒場ライターさんのブログで“もやしゆかり炒め”なる一品が紹介されていて、それを作ってみたくなったのでした。
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ゆかりだけだと香りはあっても味が薄いのではないかと危惧し、調味料としてきざみにんにく(手前右)と顆粒のこんぶだし(奥)とも合わせて使用します。
しょうゆやかつおだしは避けました(ゆかりの香りが負けてしまうでしょうから)。
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彩良く仕上げるために、冷蔵庫に残っていたキャベツとにんじんとも合わせました。
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もやしはしっかり洗ったほうが、においがとれるのみならず食感もシャキッとよくなりますね。
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途中の工程は省略!
できあがり。
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ゆかりの風味がいいね。
それをにんにくとこんぶだしとの味が引き立ててくれておりました。
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ごちそうさまでした。


(※1)神戸新聞総合出版センター編『播磨の地酒 こだわりの酒蔵めぐり』p.6-7(2010.10 神戸新聞総合出版センター)
(※2)(※1)p.6
(※3)公益財団法人日本醸造協会/日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)監修『日本酒学』p.129(2016.6 洋泉社)
(※4)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.171(1997.10 灘酒研究会)
(※5)松崎晴雄『日本酒のテキスト 1 香りや味わいとその造り方』p.52(2001.8 同友館)
(※6)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1

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酒くさコメント 4

ロコときどきキナコ

もやしゆかり炒め...作ってみます...φ(. . )
by ロコときどきキナコ (2019-12-07 21:28) 

skekhtehuacso

ロコときどきキナコさん、にんにくは国産を使ったほうがニオイが少なくてよいと思います。
ゆかりは多めがおすすめです。
by skekhtehuacso (2019-12-07 21:40) 

ロコときどきキナコ

有難う(^o^)ゆかり買って来ましたよ☆彡わぁ~自家製ニンニクで作ってみます(^^♪
by ロコときどきキナコ (2019-12-09 23:10) 

skekhtehuacso

ロコときどきキナコさん、自家製だなんて、そりゃまちがいなくおいしいことでしょうね。
by skekhtehuacso (2019-12-10 22:03) 

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