【お酒】1621.池月 カップ [17.石川県の酒]
鳥屋酒造株式会社
石川県鹿島郡中能登町一青ヶ部96番地
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15度
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
「元歴元年(一一八四年)、宇治川の先陣争いで名を馳せた名馬「池月」が、能登国能登島牧山産との記歴があり、その名声にあやかるべく命名された。」(※1)という鳥屋酒造さんの“池月”。
あー知らなんだ知らなんだ!
池月の出自については、あたしゃかつて島根県のお酒と東京にある公園とで知ったことがありましたが、能登半島にもあったのですね。
ま、伝説ですからね、そりゃ各地にあることでしょうよ。
それにしてもさ、宇治川の戦いから千年も経っていないというのに、池月の出自についての伝説が全国各地に散在するなんて、面白いですね。
というか、こういう例を見聞すると、原発で出た高レベル放射性廃棄物を地中深くに埋めて処分し、その場所を何万年もの後の人々にもはっきりとわかるようにしておくなんてことは、到底無理だろうなって思いますよあたしゃ。
世の中には、数十年前に埋めたタイムカプセルの在り処すらさっぱりわからなくなってしまう例も散見されるというのにね。
どんなに記録を明確に残したとしても、世代が変わるにつれてそれを維持管理する責任が希薄化し、いつか忘れ去られてしまうものなのですよ。
いかんいかんいかん!
お酒の席で政治的な話題を扱ってはいけません。
おいしいお酒であろうと願いつつ、いただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、薄めの金色というか、真鍮色かな。
うまみは濃いめです。
酒臭さ(ほめ言葉です)がしっかりしていて、米のうまみが後に続きます。
熟成感も深みがしっかりしていますが、角がなくて穏やかです。
渋みが少しあるみたいですが、軽めです。
キレはよく、透明感を少し感じます。
酸味はひかえめです。
すっぱさはかなり弱めです。
スースーはちょっとだけ。
ピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりしています。
やや厚めですが、クドさやべとつきはなく、さらっとしています。
濃醇深旨やや甘口のおいしいお酒でした。
酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)と熟成感とに由来する深みがしっかりしているものの、角がなくて穏やかでした。
キレのよさも、角を消してくれているように思いますよ。
また甘みもしつこくなくていい感じでした。
これ、なかなかいけますね。
この深いのに穏やかな口当たりは、造りによるものでしょうか?
それとも、アル添の効果でしょうか?
純米酒もぜひとも試してみたいところでした。
(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.69(2002.3 橋本確文堂)