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【お酒】1700.白雪 純米吟醸 赤富士 カップ [28.兵庫県の酒]

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小西酒造株式会社 富士山蔵
兵庫県伊丹市東有岡二丁目13番地

原材料名/米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合60%
アルコール分/15度以上16度未満
180ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)




1700個目のちょっとした節目。
今日は丹醸、すなわち伊丹のお酒のカップ酒をいただきます。
“伊丹の酒 今朝飲みたい”
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伊丹の酒けさ飲みたい」-。小原庄助さんがわが意を得たりと喜びそうなセリフだが実は「竹ヤブ焼けた」と同類の遊び言葉の一種。かな書きにするとよくわかる。「イタミノサケケサノミタイ」上から読んでも下から読んでも同じである。このことば、いつごろからいいふらされたかよくわからないが伊丹の酒が有名だったという証拠の一つとして昔からよく引用される。」(※1)というこの言葉。

その伊丹の酒の歴史については、「江戸時代の初期から中期にかけての江戸向け酒の主生産地は、諸白(もろはく)の先進地であった池田(大阪府池田市)と伊丹(いたみ)で、特に伊丹酒は「伊丹諸白」とか「丹醸(たんじょう)」と呼ばれて高い評価を得ていたが、一八世紀の後半あたりから池田、伊丹は衰退し始め、代わって新興勢力である灘酒が台頭していくことになる。」(※2)とあるとおり、生一本でおなじみの灘よりも古いのですよ。

今日いただく“白雪”を造る小西酒造さんなんて、江戸時代よりもさらに前の“天文十九年(1550年)創業”だってさ。
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そんな伊丹酒ですが、今となっては自醸しているのはこの小西酒造さんだけとなってしまったという噂を聞くほどの凋落ぶり。
でも小西酒造さんさえがんばって自醸し続けてくだされば、伊丹酒すなわち“丹醸”の歴史はこれからも続くことでしょう。


その小西酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
86.白雪 樽酒 カップ
1416.白雪 上撰 パルカップ
1417.白雪 上撰 ブルーカップ
1446.白雪 淡麗辛口 ストロング カップ

今日いただくこのお酒は、純米吟醸のカップ酒でした。
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純米吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、
これじゃわかりづらいか。
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かすかに茶色がかっておりました。
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上立ち香は、お酒の甘い香りがかすかで、含むと鼻へ抜けて行きます。

うまみは、ちょい濃いめでしょうか。
米のうまみが広がらず、舌の上を鋭く突いてくるようです。
それに酒臭さ(ほめ言葉です)が続きます。
苦みがあって、弱めですが鋭さを感じます。
熟成感もかすかにあることがわかります。
キレはよいですが、透明感はありません。

酸味はややひかえめでしょうか。
すっぱさはかなり弱めですが、それでも鋭さがあることがわかります。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめでしょう。
ゼロではないものの、かなり弱めです。
幅も感じませんが、それでもその存在はわかります。


ちょい濃醇でちょい苦旨やや辛口のおいしいお酒でした。
吟醸でしたがフルーティーさはなく、むしろ酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)を感じました。
弱めの苦みとかなり弱めの酸味とがあって、味わいをいい感じに引き締めておりました。
またわずかな甘味も、味わいを整えるために働いているように思いました。

しっかりしているのにしつこさがなくて、程よい感じの味わいでした。
これ、なかなかうまいんじゃないの!
さすが、丹醸の伝統を背負っていらっしゃる白雪さん。
これからもきっと、おいしいお酒を造り続けてくださることでしょう。

(※1)読売新聞阪神支局編『宮水物語-灘五郷の歴史』p.16(1966.12 中外書房)
(※2)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.20(2000.4 柴田書店)