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02.青森県の酒 ブログトップ
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【お酒】737.八鶴 銀撰 ツルカップ [02.青森県の酒]

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八戸酒類株式会社八鶴工場
青森県八戸市八日町一番地

アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




八戸酒類さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
621.如空 金撰酒 お燗瓶(五戸工場)
622.八鶴 金撰 ツルカップ(八鶴工場)
628.八鶴 純米カップ(八鶴工場)
629.八鶴 純米吟醸カップ(八鶴工場)
717.如空 銀撰酒 お燗瓶(五戸工場)
728.八鶴 吟醸カップ(八鶴工場)
734.如空 本醸造 180ml(五戸工場)
735.如空 本醸造 山廃仕込 180ml(五戸工場)
736.如空 純米酒金ラベル 180ml(五戸工場)
今日いただくこのお酒は、八鶴工場で造られた佳撰クラス(旧制度下における二級酒)と思われる普通酒です。
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カップのデザインは、金撰ツルカップ(上撰クラスと思われます)と同じでした。
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金撰ツルカップをいただいたのが今年の7月でした。
それ故、その味をちょっと忘れかけてしまっております。
当時の記録を参照しながらその味を思い出しつつ、この銀撰ツルカップと比較してみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんど目立たないくらいです。
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うまみは淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを少し感じます。
それに、少し苦みがありますね。

酸味はややはっきりしています。
さわやかさを感じる酸味です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
そのためか、コクを感じます。


全体的に淡めだがしっかりした味わいの、淡麗やや苦旨口のおいしいお酒でした。
金撰よりもこちらのほうが淡いみたいですが、その分クセがなくて飲みやすいと思いました。
それでいて、物足りなさを感じない味わいでした。

これは私の意見ですが、八戸酒類さんの八鶴(八鶴工場)は、金撰よりも銀撰のほうがおいしいと感じました。
一方、如空(五戸工場)については、明日の記事で言及させていただきます。

【お酒】736.如空 純米酒金ラベル 180ml [02.青森県の酒]

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八戸酒類株式会社(ほ)
青森県三戸郡五戸町字川原町12

原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合/60%
アルコール分/15度以上16度未満
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




八戸酒類さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
621.如空 金撰酒 お燗瓶(五戸工場)
622.八鶴 金撰 ツルカップ(八鶴工場)
628.八鶴 純米カップ(八鶴工場)
629.八鶴 純米吟醸カップ(八鶴工場)
717.如空 銀撰酒 お燗瓶(五戸工場)
728.八鶴 吟醸カップ(八鶴工場)
734.如空 本醸造 180ml(五戸工場)
735.如空 本醸造 山廃仕込 180ml(五戸工場)
今日いただくこのお酒は、純米酒です。


ところで、八戸酒造さんでは、五戸工場を〇に“ほ”と表示することがわかりました。
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一方、八鶴工場のほうは、たしか〇に“い”でした。
ということは、かつては〇に“ろ”、“は”、“に”といった工場もあったのかもしれませんね。


栓は厳重に封印されています。
ここまでする必要があるかどうかはわかりませんが。
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このお酒の瓶ですが、ちょっと変わった形をしていますね。
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この瓶は、どうやらこちらのメーカーさん“フラスク180”という製品のようです。
一輪挿しとして使えるかもしれませんが、小汚い拙宅にはそんなものは似合いませんので、飲んだらサッサとリサイクルに出してしまうつもりです。


というわけで、サッサと飲んでしまいたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、他の如空シリーズと同じく、ほとんどわからない程度でした、
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ああ、
このお酒には、フルーティーな香りがほんの少しだけありますね。

うまみはやっぱり濃くはないですが、しっかりしています。
これもやわらかいうまみで、酒臭さはありません。
ほんのわずかに苦みがあるみたいですが、気にはなりません。

酸味はけっこうはっきりしています。
山廃本醸造よりも強いかもしれません。
角のないすっぱさが豊かです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめですが、その存在はわかります。


やわらかいうまみに酸味と香りとがアクセントになっている、旨やや辛口のお酒でした。
アル添なしの純米酒だからでしょうか、他の如空シリーズよりも酸味がはっきりしているように感じました。
香りが少しあるので、ちょっと上品な風味かもしれません。
酒臭さが好きな私としては、この風味はちょっと・・・。

【お酒】735.如空 本醸造 山廃仕込 180ml [02.青森県の酒]

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八戸酒類株式会社五戸工場
青森県三戸郡五戸町字川原町12

アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
精米歩合 65%
容量180ml
(以上、ラベルより転記)




八戸酒類さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
621.如空 金撰酒 お燗瓶(五戸工場)
622.八鶴 金撰 ツルカップ(八鶴工場)
628.八鶴 純米カップ(八鶴工場)
629.八鶴 純米吟醸カップ(八鶴工場)
717.如空 銀撰酒 お燗瓶(五戸工場)
728.八鶴 吟醸カップ(八鶴工場)
734.如空 本醸造 180ml(五戸工場)
今日いただくこのお酒は、五戸工場で造られた、山廃仕込の本醸造です。
山廃仕込(山廃造り)の意味については、かつてこちらでまとめてありますので、ご覧ください。
こちらの本醸造が敢えて山廃を名乗っているということは、昨日いただいた本醸造はおそらく速醸酛ではないかと思います。


瓶は昨日いただいた本醸造と同じもの(このメーカーさんの製品)のようです。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、昨日いただいた本醸造と同じく、ほとんどわからない程度でした
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お燗をつけると、酒臭い(←ほめ言葉です。今日は多用するので以下同じ。)香りがフワッと漂ってきました。

これはうまみがやや濃いめです。
これまでいただいた如空らしいやわらかいうまみに、酒臭いうまみが追加されているようです。
でも、苦みや雑味はありません。

酸味はやっぱりはっきりしています。
というか、昨日いただいた本醸造よりもすっぱさが強めです。
それに、ほんのわずかにピリッと感じます。

甘みはひかえめですが、その存在はわかります。


やわらかさの中に酒臭さを感じ、酸味がはっきりした、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
酒臭さとすっぱさとで、味わいに力強さが少し生じているのではないでしょうか。
これまでにいただいた如空シリーズ(銀撰金撰本醸造)とは、味わいがちょっとちがうように感じました。

【お酒】734.如空 本醸造 180ml [02.青森県の酒]

(同日追記;記事のリンクに誤りがありましたので、訂正しました。)

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八戸酒類株式会社五戸工場
青森県三戸郡五戸町字川原町12

アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
精米歩合 65%
容量180ml
(以上、ラベルより転記)




八戸酒類さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
621.如空 金撰酒 お燗瓶(五戸工場)
622.八鶴 金撰 ツルカップ(八鶴工場)
628.八鶴 純米カップ(八鶴工場)
629.八鶴 純米吟醸カップ(八鶴工場)
717.如空 銀撰酒 お燗瓶(五戸工場)
728.八鶴 吟醸カップ(八鶴工場)
今日いただくこのお酒は、五戸工場で造られた本醸造です。

この瓶は、他社でも使われているのをときどき見ます。
これは私の意見ですが、おみやげ物向けのお酒に多いような気がします。
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どうやら、このメーカーさんの製品のようです。


本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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うまみはちょっと濃いかなといった程度ですが、けっこうしっかりしています。
やわらかいうまみで、酒臭さはほとんどないみたいです。
苦みや雑味はないみたいです。

酸味ははっきりしています。
角のないすっぱさがけっこう豊かです。
ほんのわずかにピリッと感じます。

甘みはひかえめですが、その存在はわかります。


やわらかいうまみに酸味が効いている、旨やや辛口のおいしいお酒でした。
味はしっかりしていますが、うまみのやわらかさと酸味とのせいか、軽快さを感じました。
それにしても如空は、味の基本(やわらかいうまみと酸味)は変わらないものの、銀撰金撰→そしてこの本醸造とランクが上がるごとに味がしっかりしてくるようでした。

【お酒】728.八鶴 吟醸カップ [02.青森県の酒]

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八戸酒類株式会社八鶴工場
青森県八戸市八日町一番地

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
精米歩合 40%
180ml
(以上、ラベルより転記)




八戸酒類さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
621.如空 金撰酒 お燗瓶(五戸工場)
622.八鶴 金撰 ツルカップ(八鶴工場)
628.八鶴 純米カップ(八鶴工場)
629.八鶴 純米吟醸カップ(八鶴工場)
717.如空 銀撰酒 お燗瓶(五戸工場)
今日いただくこのお酒は、醸造アルコールが添加されている吟醸酒です。
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純米吟醸カップの精米歩合は50%でしたが、こちらは40%とより高精白のようです。


醸造アルコールを添加したお酒を敬遠なさる御仁は少なくないと思います。
それは、醸造アルコールの添加(アル添)は、元々は戦前に開発された増量策であったことから、アル添酒を本物のお酒ではないとご判断なさっているからではないかと推察いたします。

しかし、これは私の意見ですが、公式ルールによって添加量が制限されている今日では、アル添は決して有効な増量策ではなく、むしろ酒造りの一技法として確立しているのではないかと思います。
このことは、かつてこちらでまとめておりますので、興味がおありでしたらお読み下さい。


特に吟醸酒においては、アル添によって、酒粕に付着してしまう吟醸香をお酒のほうへ戻す効果を期待することができると言われています。
ということは、今日いただくこのお酒は、かつていただいた純米吟醸カップよりも香りが豊かなのでしょうか?

それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かなり淡めでした。
純米吟醸よりもさらに淡いみたいです。
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やっぱり吟醸香がはっきりしています。
梨っぽい香りでしょうか。
でも、クドさやキツさはなく、奥ゆかしい感じがします。
アルコールの香りと、それに上等な接着剤のような風味もほんのちょっとだけするみたいです。
上等な接着剤のニオイを嗅いだことがあるのかよ!

うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
やわらかいうまみを感じます。
それに、さすが吟醸酒を名乗るだけあって、苦みや雑味はまったくありません。

酸味はややひかえめです。
角のないすっぱさをちょっと感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめですが、その存在はわかります。
わずかにあって、お酒の味にコクを添えているみたいです。


奥ゆかしい吟醸香と、やわらかいうまみとの、やや淡麗で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
吟醸香は、たしかに純米吟醸酒よりもはっきりしていました。
しかし決してキツくはなく、ちょうどよいですね。
それに、雑味のないきれいな味わいも、吟醸酒を名乗るにふさわしいと思います。
これも私の意見ですが、“純米OK・アル添NO”と頭から決めつけるのではなく、個々のお酒を実際に味わってみて、自分にとっておいしいと感じるかどうかでその良否を判断すべきではないでしょうか。

【お酒】726.菊駒 カップ [02.青森県の酒]

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株式会社菊駒酒造
青森県三戸郡五戸町字上新井田前1番地14

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)




菊駒酒造さんはもともと明治43年(1910年)に会社を設立なさったようですが、戦時中に八戸酒類へ統合されていたそうです。
それが平成20年(2008年)に再び独立し、かつてのブランドであった菊駒を造り始めたとのこと。

蔵元さんのWebsiteに掲載されているパンフレットによれば、菊駒という酒銘について、「菊作りの名人でもあった四代目久次郎(幼名・治郎八)により、昭和初期に菊と五戸名産の馬(駒)を組み合わせた「菊駒」に改められました。」と紹介されていました。


今日はこの菊駒をいただきます。
品質表示から判断するに普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、ほとんど目立ちませんでした。
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うまみは淡めです。
香ばしさと苦みとがややはっきりしていますが、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみもわずかに感じます。

酸味ははっきりしています。
少しピリッと感じます。
すっぱさも少しあるみたいです。

甘みはややはっきりしています。
とてもさらりとしています。


全体的に淡めではあるものの、淡いなりにしっかりした味わいの、淡麗旨ピリ辛口のおいしいお酒でした。
甘みがあるおかげでコクが出て、ただ辛いだけのお酒ではなくなっているように思いました。
淡麗ではあるものの、飲みごたえがあるお酒でした。

【お酒】717.如空 銀撰酒 お燗瓶 [02.青森県の酒]

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八戸酒類株式会社 五戸工場
青森県三戸郡五戸町字川原町12

アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、瓶の印刷事項より転記)




八戸酒類さん(五戸工場)の如空は、かつて金撰酒のお燗瓶をいただいております。
今日いただくこのお酒は銀撰ですから、おそらく旧制度下における二級酒ではないかと思います。
また、これら以外にも、八鶴工場で造られた普通酒の八鶴金撰ツルカップ八鶴の純米カップ、そして八鶴の純米吟醸カップをいただいております。


旧二級酒クラスと思われますが、糖類や酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒のいろは、無色でした。
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うまみはかなり淡めです。
酒臭さもやわらかさもほとんど感じないくらい淡めです。
ごくかすかですが、苦みを感じましす。

酸味はややはっきりしています。
さわやかさがあって、すっぱさも少しあるみたいです。
それに、ちょっとピリッと感じます。

甘みはひかえめで、ごくわずかに感じる程度です。


全体的に淡い味わいの、淡麗辛口のお酒でした。
金撰よりも淡いように思いますが、金撰については肝腎の味をうろ覚えです。
もしかして、こちらのほうがアル添量と加水量が多いのでしょうか?
これは完全に食中酒ですね。

【お酒】716.陸奥男山 カップ [02.青森県の酒]

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八戸酒造株式会社
青森県八戸市大字港町字本町九番地

原材料名 米・米麹・醸造アルコール
国産米100%使用
アルコール分15度
180ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)




昨日いただいた陸奥男山の300mlは普通酒(たぶん)でしたが、このカップ酒も普通酒のようです。
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今日は両者のちがいを探ってみようと思います。


ところで、蔵元さんのWebsiteでは、カップ酒が紹介されています。
しかしそこで紹介されているものは、今日いただくこのお酒とは字体が異なっているのです。

この写真を見て、今日いただくこのお酒は別の蔵元さんが出しているニセ物かと思いましたよ。
でもこのカップ酒にも、ちゃんと八戸酒造さんの表記がされているのです。
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もしかしたら、最近になってデザインを変えたのでしょうか?
それとも工場が2つあって、それぞれ別のデザインを用いているのでしょうか?


詳しいことはわかりませんでしたので、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、300ml瓶の普通酒と同じくらいでした。
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300ml瓶の普通酒ほどではないですが、このお酒もフレッシュな風味がちょっとあるみたいです。
それとともに、アルコールの香りがけっこうはっきりしているようです。

うまみは淡めでした。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)もちょっとするものの、やわらかさもあるみたいです。
苦みや雑味はありません。

酸味ははっきりしています。
さわやかで、わずかにピリッと感じます。
しかも、燗が冷めるにつれて、すっぱさが出てきたようです。

甘みはひかえめです。
しかし全くないわけではなく、わずかにあってコクを添えているようです。


さわやかでちょいピリの酸味が効いた、淡麗辛口のおいしいお酒でした。
フレッシュさのような風味は、もしかして陸奥男山の特徴でしょうか?
300ml瓶の普通酒よりも、このカップ酒のほうがうまみが淡く、酸味が効いていて辛口でした。
これは私の好みですが、食中酒としてはこちらのほうが向いていると思います。

【お酒】715.陸奥男山 300ml【追記あり】 [02.青森県の酒]

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八戸酒造株式会社
青森県八戸市大字港町字本町九番地

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
アルコール分15度
300ml詰
(以上、ラベルより転記)

【2015/11/9追記】
読者の方から「このお酒は醸造アルコールが添加されていないことから純米酒ではないか」とのご指摘をいただきました。
この点、私も当初ボケていて見逃していたのですが、改めて考えてみるとやはり普通酒ではないかと結論付けました。
その理由については、“【お酒】716.陸奥男山 カップ”のコメント欄をご参照下さい。




八戸で酒集めをした際に、市街地近くのスーパーで入手したお酒です。

八戸酒造さんのWebsiteでは、複数種類の陸奥男山が紹介されています。
しかし、この青字ラベルのものは紹介されていないようでした。
品質表示から判断するに、このお酒は普通酒でしょう。
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もしかして、中身はカップ酒と同じものなのでしょうか?
【201511/9追記】
醸造アルコールが添加されていない以上、同じであるはずがありません。

ところで、ある雑誌では、蔵元さんの話として陸奥男山の味を以下のように紹介していました。
陸奥男山は、八戸の漁師の定番となってきた晩酌酒です。そもそも蔵の住所が湊町(笑)。海の男たちに育てられてきた酒と言っても過言ではなく、地元では辛口酒の代名詞です。絶大な支持をいただいている理由は、すっきりとキレの良い味わいが、特に海産物に合うからですね。」(※1)


果たして、このお酒もすっきりとキレの良い味わいなのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっとわかる程度でした。
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一口目で、フレッシュな風味をちょっと感じました。

うまみはやや淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみもわずかにあるみたいですが、むしろやわらかいうまみを感じます。
それにたしかにキレがよく、スッと引いていきます。
苦みや雑味は全くないですね。

酸味はやっぱりはっきりしています。
角のないすっぱさが豊かです。
ですが、刺激やピリピリ感は全くありません。

甘みはひかえめです。
しかし全くないわけではなく、わずかにあってコクを添えています。


酸味がすがすがしい、やや淡麗で爽快やや辛口のおいしいお酒でした。
たしかにすっきりしていてキレがありました。
酸味が効いているものの、角がなくてすがすがしく感じます。
それに、フレッシュな風味もわずかに感じます。
これってもしかして生貯蔵酒か、あるいは2回火入れされた冷用酒なのでしょうか?
そういえば、冷やして販売されていたような気もします。
しかしまあ、燗でもおいしいお酒でした。


(※1)dancyu 2015年3月号 p.133(プレジデント社)

【お酒】710.豊盃(ほうはい) 特別純米酒 300ml [02.青森県の酒]

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三浦酒造株式会社
青森県弘前市大字石渡五丁目1番地1

アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 麹米55% 掛米60%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




このお酒の“豊盃(ほうはい)”という酒銘は、お米の名前から来ているようです。
文献では「銘柄は、青森県が開発した酒造米「豊盃米」から。」(※1)と紹介されておりました。

しかもこの豊盃という酒米は、「短稈で多収の華吹雪の登場によりすたれたが、秋田県(原文ママ)の蔵元、三浦酒造が復活させた。」のだとか(※2)。

またある雑誌では、三浦酒造さんについて「この蔵だけが使う独自の豊盃米で酒を醸す。」(※3)と紹介していました。
それ故、上記の“秋田県”という記述は、おそらく青森県の誤記ではないかと思います。
すなわち、一旦すたれた豊盃米を復活させたのは、他ならぬ今日いただくこのお酒の蔵元である三浦酒造さんであると考えられます。

豊盃米については、調べた限りのことをこの記事の末尾でまとめておきましたので、ご覧ください。


今日いただくこのお酒は、特別純米酒です。
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特別純米酒であれば、普段ならばぬる燗でいただくところです。
しかし、ある雑誌では、このお酒を「りんごの産地だからというわけではないですが、もぎたて完熟りんごの風味や爽やかな酸味が。特別純米酒なのに、瑞々しく清らかというところに、ファンは魅了されるのでは。冷やして飲むのに最適な特別純米酒です。」(※4)と紹介していました。

そういうことでしたら、私も素直に冷やしていただきたいと思います。
オマエは権威に弱いんだな。
お酒の色は、わずかにわかる程度でした。
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一口含んで喉を通すと、フルーティな香りが鼻へ抜けていきます。
たしかにこれは、冷やしてこその香りでしょう。

うまみはやや淡めです。
酒臭さはなくて、お米のうまみそのものだと思います。
吟醸酒のような苦みをほんのわずかに感じます。

酸味はややはっきりしています。
角のないすっぱさを少し感じます。
刺激やピリピリ感は全くありません。

甘みはややはっきりしていますが、前に出て来ない甘みです。


フルーティな香りとお米のうまみとを楽しめる、やや淡麗で爽快やや甘口のお酒でした。
上記で紹介した記述のように、この香りと酸味とを“もぎたて完熟りんご”と形容することは、たしかに当を得た表現でしょう。
味に角やクドさがなく、雑味がなくてきれいな味わいで、しかも甘みがちょっとあります。
そのためか、とても飲みやすくてスイスイと行けてしまいます。
香りは別として、この味わいは麒麟山の特別本醸造ときかぜに似ているように思いました。

ですが、私の好きな味わいとはちょっとちがうな。
オマエは安酒で十分だってことだろ!





★☆豊盃米について★☆

(1)育成の経緯

青森県では、豊盃が育成される前は“古城錦”という酒米を奨励品種としていたそうです。
しかし、古城錦には性質や栽培に問題があり、このことが豊盃の育成へとつながったそうです。
このことについて、文献では以下のように紹介していました。

本県では既に、酒造好適品種として「古城錦」を奨励に移していたが、「もと米」として優れた特性を有してはいるものの、栽培的には稈が伸びやすく、耐倒伏性が弱く、熟期が「レイメイ」より遅く、多肥栽培に不適当である等の問題が残されていた。また機械化の普及に伴ない、「古城錦」に代わる「レイメイ型」の強稈多肥多収な酒造好適品種の育成が強く要望されていた。」(※5)

酒造好適品種「豊盃」は「古城錦」に代る早熟、短稈で、耐肥性の優る、多収性品種の育成を目的として、1967年に「青系62号(古城錦)」と「レイメイ」を交配し以後選抜固定をはかり、場内および現地において試験を継続してきた。1976年に「古城錦」に優る特性を有する品種として青森県の水稲奨励品種に採用された。」(※6)


(2)“豊盃”という名称

豊盃という名前は、津軽地方に伝わる民謡“ホーハイ節”に由来するそうです。

豊盃(ほうはい)はゆたかなさかずきということである。また古くは津軽為信公が北畠氏との戦いで苦戦沈痛の折、民百姓が誰ともなく唄った歌がホーハイ節であり、これに為信公自ら笑い、勇み立って意気大いに上がり勝利への道を切り開いたという、由緒ある津軽民謡にも通じる。ホーハイ節のごときユーモア(笑いと酒)と為信公の勝利(力強さと発展)にあやかり、津軽酒米の切札として命名した。」(※7)


(3)なぜ衰退したのか?

本文で紹介したとおり、豊盃はその後栽培されなくなり、それを三浦酒造さんが復活させたそうです。
この点、私は、この衰退と復活とについて触れている文献を見つけることができませんでした。
それ故、今回は、衰退の理由を正確に紹介することができません。

一方で、上記と同じ文献では、豊盃を栽培する上での制約がいくつか紹介されておりました。
これは私の推測ですが、こういった制約が栽培上の足かせになってしまったのではないでしょうか?
しかし、私には農業の知識がまったくないため、これらの制約が実際に栽培上の足かせになるのかどうか、正確なところはわかりません。

栽培適地は品質優先の見地から、津軽中央地帯の山間部を除いた地帯、および南部平野地帯の一部に限定される。」(※6)

6. 適地並びに栽培上の注意点
1. 適 地
津軽中央地帯の山間地を除いた地域、および南部平野地帯の一部
2. 栽培上の注意
(1) 酒米の特性である心白と大粒性を維持するため、種子は毎年更新する。
(2) 耐冷性はあまり強くないので、水口への栽培は避け、気温の寒暖に応じた周到な水管理をする。
(3) いもち病抵抗性はレイメイよりやや弱いので、適期防除を行なう。
(4) 強稈で倒伏抵抗性は古城錦よりかなり強いが、極多肥栽培は米質を抵下(原文ママ)させるので、施肥量はレイメイより少なくする。」(※8)

また、本文で紹介したとおり「短稈で多収の華吹雪の登場によりすたれた」(※2)とのことでしたが、この「昭和61年に登場した「華吹雪」は酒造好適米の中でも最大級の大粒品種といわれ」ているそうです(※9)。
この短稈で多収、かつ大粒の華吹雪は、もしかしたら豊盃のように栽培上の制約が厳しくはないのでしょうか?


(※1)山同敦子『愛と情熱の日本酒―魂をゆさぶる造り酒屋たち』p.316(2011.3 ちくま文庫)
(※2)副島顕子『酒米ハンドブック』p.65(2011.7 文一総合出版)
(※3)dancyu 2014年3月号 p.17(プレジデント社)
(※4)pen 2013年12月1日号(No.349)p.56(友田晶子監修『おいしい日本酒。』記事内 阪急コミュニケーションズ)
(※5)工藤哲夫『酒米新品種「豊盃」の解説』p.551(農業技術 31巻12号 1976.12 農業技術協会)
(※6)小野清治ほか8名『水稲新品種「豊盃」について』p.21要約部分(青森県農業試験場研究報告 通号22 1977.3 青森県農業試験場)
(※7)(※5)p.553
(※8)(※6)p.33
(※9)松崎晴雄『日本酒のテキスト 2 産地の特徴と造り手たち』p.32(2003.11 同友館)
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