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【お酒】1777.金紋両國 特別本醸造 別格 カップ [04.宮城県の酒]

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株式会社角星
宮城県気仙沼市太田一丁目224-1

アルコール分 15.5度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
精米歩合 60%
味わい 淡麗辛口
内容量180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




震災前に発行された文献では「県沿岸部最北の町、気仙沼市はカツオやサンマの水揚げが国内トップクラスを誇る漁港だ。角星は、港の目の前に蔵造りの重厚な母屋を構える。」(※1)と紹介されていた角星さん。
手元にあった文献には震災直後の酒造りについて紹介していた記述はあったのですが、その復興の様子については記載されておりませんでした。

なお、“両國”の手印については、「創業当時、陸中の国(岩手県室根村)で酒造りを始め、陸前の国(気仙沼市)で販売したことから「両國」と命名。」(※2)とありました。


今日いただくこのお酒は、精米歩合60%の特別本醸造でした。
ということは、かつていただいた566.特別本醸造 別格 ホヤぼーやカップと同じ中身でしょうか?
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特別本醸造には香りを特徴とするものも少なからずございました。
しかし今日はどうしても燗の気分でしたので、今日もぬる燗でいただきましたよ。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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香りはないですね。
でも含むと、さわやかな風味が少しあることがわかります。

うまみはやはり淡めです。
米のうまみが広がらず、かつ弱めです。
苦みがあるみたいですが、かなり弱めでかつ軽めです。
酒臭さや熟成感は感じません。
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは弱めですが、鋭さをちょっと感じます。
それよりも、スースー感のほうがはっきりしているようです。
ピリピリ感はありません。

甘みはやや辛口かな。
ゼロではないものの、かなり弱めです。


淡麗爽快ちょいスーやや辛口のお酒でした。
風味とスースー感とがさわやかな風味を作り出しているようでした。
淡麗でしたが、それ故に弱めながらにもすっぱさがいい感じに効いているように感じました。

これは海産物と合うように設計された味わいのお酒ではないでしょうか。
気仙沼へ行って、地元で採れた海の幸と合わせていただけば、お酒のおいしさはきっと倍増することでしょう。
オイラの家の近所にあるスーパーで販売されている水っぽくてまずい刺身じゃ到底ダメだな。

(※1)『宮城の蔵元訪ね歩き』p.62(2009.4 エーシークリエイティヴ)
(※2)『みやぎ地酒の旅』p.104(2000.3 河北新報社)






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今日、京成電車に乗って佐倉へ行きました。

そうしたら、京成佐倉駅が“京成桜駅”へと化けておりましたよ。
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あーあ、かわいそうに。
だってコロナさえいなければ、花見客がいっぱい来て盛り上がっただろうからさ。

【お酒】1745.於茂多加男山 本醸造 180ml [04.宮城県の酒]

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阿部勘酒造株式会社
宮城県塩竃市西町3番9号

原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
アルコール分15度
精米歩合68%
内容量 180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)




塩竃市の中心地。
鹽竈神社の南隣に蔵を構える阿部勘酒造さん。
なんでも「享保初年(1716年:ブログ筆者追記)、伊達家の命により奥州一宮・塩竃神社の神酒御用酒屋として創業。」(※1)したのだとか。
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仙台駅の売店にて入手したこのお酒の銘は、
“於茂多加男山(おもたかおとこやま)”
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”男山”はともかく、”於茂多加”については、その由来を明確に紹介している記述に出会うことはかないませんでした。

ですが瓶に描かれているこの紋所。
これは“沢瀉紋(おもだかもん)”といって、植物のオモダカを図案化したものなのだとか。
“於茂多加”は、きっとこれに由来するのでしょうね。
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ところで、阿部勘酒造さんのお酒の味わいについて、文献に以下のような記述がありました。
宮城の酒質傾向である淡麗辛口の中でも、しっかりとうま味を感じられる酒が多い。「柔らかすぎず、肉料理にも負けない力強さがある」とは、仙台市青葉区の居酒屋「Mori(森)」の評。」(※2)

今日いただくこのお酒は本醸造ですが、果たして上記のような淡麗辛口ながらもしっかりとうま味を感じられて、力強さのある味わいなのでしょうか?
それを確かめるべく、いただいてみたいと思います。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
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うまみはたしかに淡めですが、淡めなりによくわかります。
米のうまみは弱めですが、弱めながらに幅があって、舌の上にふんわりと乗っかる感じがします。
苦みが少しあって、鋭さも少し感じます。
熟成感はないですね。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややひかえめでしょうか。
すっぱさは弱めですが、鋭さがあることがわかります。
一方でスースー感はややはっきりしており、それにちょいピリです。

甘みはやっぱりひかえめです。
かなり弱めですが、弱めなりに厚みがあることがわかります。


淡麗ちょい苦ちょいスーちょいピリ旨辛口のおいしいお酒でした。
たしかに淡麗でしたが、淡麗なりにうまみが効いていて、飲み応えを感じました。
苦みがありましたが突出することなく、むしろそれがちょいスーやちょいピリとともに味わいを引き締めているように感じました。

これは食中酒、すなわち酒の味を楽しむというよりも、料理の味を引き立てるお酒でしょう。
上記にあったとおり、たしかに「柔らかすぎず、肉料理にも負けない力強さ」(※2)があると思いますよ。

(※1)『みやぎ地酒の旅』p.96(2000.3 河北新報社)
(※2)『宮城の蔵元訪ね歩き』p.73(2009.4 エーシークリエイティヴ)

【お酒】1741.特別純米酒 かみーご カップ [04.宮城県の酒]

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株式会社中勇酒造店
宮城県加美郡加美町字南町166

アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 60%
(カップの印刷事項より転記)

180ml
(フタより転記)




中勇酒造店さんのお酒は、かなり前に鳴瀬川 特別純米酒 カップをいただいております。

今日いただくこのお酒も特別純米酒ですが、“かみ~ご”なる加美町のキャラをラベルにいただくお酒でした。
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特別純米酒には香りを特徴とするものもございましたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色はかすかに茶色がかっていて、透き通った感じがありました。
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上立ち香はないですね。
含むとごくかすかにフルーティーかな?って感じですが、それよりも上等な接着剤みたいな香りのほうが目立つようです。

うまみは淡めです。
最初に苦みが来て、やや強めで鋭さを感じます。
熟成感もかすかにあるみたいです。
米のうまみは弱いですね。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややひかえめでしょうか。
すっぱさは弱めです。
でも、けっこうピリで、しかもスースー感満載です。

甘みはややひかえめです。
ぜろではないものの、弱めです。


淡麗苦ピリスーやや辛口のお酒でした。
うまみが淡めというか弱めであるが故に、苦みやピリピリ感、スースー感が目立ってしまっていたのかもしれません。
好みの分かれる味わいではないでしょうか。

【お酒】1733.火伏せの虎舞 特別純米酒 180ml [04.宮城県の酒]

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株式会社田中酒造店
宮城県加美郡加美町字西町88-1

原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
アルコール分15度以上16度未満
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




こちらひさびさの田中酒造店さんのお酒。
数年前のことですが、かつて以下のものをいただいております。
573.真鶴 特別純米酒 カップ
585.真鶴 銀 カップ
586.真鶴 金紋 カップ

今日いただくこのお酒は、精米歩合60%の特別純米酒でした。
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酒銘について解説されておりましたので、紹介しておきます。
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このお酒は、仙台駅の改札外にあったみやげ物店にて入手したしました。
キャップにはプラスチックの猪口が付いておりましたが、これは列車内で飲んでもらうことを想定しているのではないでしょうか。
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かつて清酒は、お店や食卓で徳利から盃に注いでいただくのが唯一の飲み方だったわけですよ。
それをどこでもお手軽に飲めるように工夫した結果として、ワンカップ大関を始祖とするカップ酒や、月桂冠キャップエースのように盃を付けた商品が発明されたわけです。

この商品は後者の流れを汲んでいるわけですが、これはもしかしたら、一度開けてしまうとフタができないカップ酒よりも、スクリューキャップの一合瓶のほうが揺れる列車内でこぼさずにちょっとずついただくには都合がよいという蔵元さんのご判断の結果なのでしょうか?
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それではいただいてみたいと思います。
特別純米酒には香りを特徴とするものもございましたし、それに冷やして販売されておりましたので、今日は冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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上立ち香はないですね。
でも一口含むと、フルーティーな香りが口の中に少し広がります。

うまみは濃くはないものの、かなりしっかりしています。
米のうまみが鋭くて、それが舌の上を突く感じがします。
苦みが少しあって、弱めですがこれも鋭さを少し感じます。
熟成感や酒臭さはありません。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭いですね。
スースー感はないものの、かすかにピリッと感じます。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいですぞ。


ちょい芳香のちょい苦ちょいすっぱ旨辛口のおいしいお酒でした。
濃くはないものの、鋭さのある米のうまみがしっかりしておりました。
それとともに苦みや酸味にも鋭さがあって、荒々しさを感じました。
しかも辛口で、キリッと引き締まっておりました。
香りはありましたが、前には出てこない程度でした。

かなり引き締まった味わいでしたが、雑味はなくてきれいでした。
この鋭い味わいは、食事と合いますね。
きっと濃いめに味付けられた駅弁との相性はバッチリではないでしょうか。



一方で、拙宅の粗末なエサはこちら。

昨日の残りの長芋。
細切りにして、塩昆布と和えてみましたよ。
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そしてオムレツ。
中身は玉ねぎ、しいたけ、にんにくをバターで炒めたもの。
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あたしゃオムレツを作る際には一点の焦げ目をも付けないことに命を懸けておりますよ。
今日は上出来でございましたとさ。
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ごちそうさまでした。

【お酒】1730.名取駒 特別純米酒 300ml [04.宮城県の酒]

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株式会社相傳商店
宮城県岩沼市中央三丁目1ノ24

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合60%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




東北本線に常磐線が合流する岩沼駅(宮城県岩沼市)。
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そこから程近い場所に蔵を構えるのが、相傳商店さんです。
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相傳商店さんのお酒は、これまでに名取駒の本醸造酒カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、精米歩合60%の特別純米酒でした。
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特別純米酒には香りを特徴とするものもあるようですので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに茶色がかっておりました。
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上立ち香はないですね。
でも含むと、お酒の甘い香りが口の中に広がります。
フルーティーさもかすかにあるかな。

うまみはやや濃いめでしょうね。
米のうまみがピンと舌の上に乗っかって、厚みも少し感じます。
苦みがあるみたいですが、弱めで鋭さは感じません。
雑味や熟成感はありません。
キレもそこそこよいみたいです。

酸味ははっきりです。
すっぱさは少し強めで、鋭さも少しあるみたいです。
でも、酸味自体に深みを少し感じますよ。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめでしょう。
弱めでさらっとしているものの、幅があることがわかります。


やや濃醇でちょい深旨やや辛口のおいしいお酒でした。
米のうまみしっかりで、酸味の深みも少し感じて飲み応えがありました。
この酸味の深みは、あたかも山廃酛使用酒のそれに似ているみたいでしたよ。
それでいて雑味がなく、弱めの苦みすら味をいい感じに引き締めてくれておりました。

これ、うまいね!
カップ酒(本醸造酒)よりもこっちのほうがはるかにおいしいよ。
というか、この酸味の深みを感じることができる味わいは、私の好みでした。



でもさ、この味わいから推察するに、きっと燗のほうがいけるでしょうよ。
ということで、残りを燗にしてみましたよ。
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燗をつけると、お酒の甘い香りが立ちますね。

米のうまみがより鋭くなりましたよ。
それに、酸味の深みがより深くなってまいりました。
香ばしさもわずかに出るみたいですよ。

ちょい濃醇でスッキリ深旨やや辛口のおいしいお酒になりました。
燗のほうが深みが増すとともに、うまみが鋭くなってキレがよくなりました。

この酸味の深みはいいね!
このお酒は、まちがいなく燗でいただくべきでしょうよ!




今日のエサ。

菜の花がもう出ておりました。
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からし和えにしてみましたよ。
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冷蔵庫に残っていたキャベツとしいたけとを、ごま油と中華だし、にんにくのみじん切りを使って卵とともに炒めてみました。
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ごちそうさまでした。

【お酒】1701.名取駒 本醸造酒 カップ [04.宮城県の酒]

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株式会社相傳商店
宮城県岩沼市中央三丁目1-24

原材料:米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合60%
アルコール分15度以上16度未満
180ml
(以上、フタに貼られたシールより転記)




岩沼市。その昔この一帯は米、雑穀、野菜の産地として知られ、農耕には馬が使われていた土地柄である。市の中心部にある竹駒神社の境内では、藩政自体から春と秋に頑健な馬を求める人たちの馬市が開かれていた。また、戦時中は有数の軍馬の生産地としてその名を轟かせたのが「名取駒」の由来となった。」(※1)という相傳商店さんの名取駒(なとりこま)。
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カップのデザインは、どうやら“因幡の白うさぎ”のようでした。
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どうして因幡の白うさぎなのでしょうね?
この点については、正確なところはわかりませんでした。

ただ、相傳商店さんが蔵を置く宮城県岩沼市には“金蛇水神社(かなへびすいじんじゃ)”という永祚年間(989-990年)より記録のある由緒正しき神社があって、主祭神は古くからこの地で祀られている金蛇大神(水速女命)であるものの、相殿神として大己貴命(大国主神:因幡の白うさぎに出てくる“だいこくさま”)も祀られているのだとか。
このカップ酒のデザインには、もしかしたらこのことも関連しているのかもしれませんね。
あくまでも、私の推測ですけれど。


話のネタが尽きたところで、いただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はわずかに黄色がかっておりましたが、透き通っておりました。
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うまみは濃くもなければ淡くもないですね。
最初に熟成感が来ます。
枯れていて、角が少しありますね。
酒臭さ(ほめ言葉です)もかすかに感じるかも。
でも米のうまみは、私にはわかりませんでした。
苦みがあって、弱めですが鋭さがありますね。
キレはよく、透明感がありますよ。

酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めですが、弱めなりにこれも鋭さを感じます。
スースー感は少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりかな。
厚みや幅はないものの、少しべとつくようです。


枯ちょい苦やや甘口のお酒でした。
熟成感がはっきりしていますが、重さは感じませんでした。
一方でうまみ自体に幅がなく、いささか薄っぺらさを感じました。
透明感もそれを助長しているようでした。

そういえば、宮城の酒でこういう味わいのやつ、他にもあったわ。
こういう味わいが、地元の食べ物と合うのかな?

(※1)『みやぎ地酒の旅』p.42(2000.3 河北新報社)

【お酒】1382.墨廼江(すみのえ) 特別純米酒 カップ [04.宮城県の酒]

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墨廼江酒造株式会社
宮城県石巻市千石町8-43

アルコール分15度
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合60%
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)




石巻に蔵を置く墨廼江酒造さんのお酒は、かつて墨廼江の辛口本醸造 300ml瓶をいただいております。
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今日いただくこのお酒は、味ノマチダヤさんで入手した特別純米酒のカップ酒です。
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あたしゃかつて石巻の街を徘徊したことがあったのですが、こんなカップ酒なんて、影もかたちもまったく見かけませんでしたよ。


これまでの経験からして特別純米酒には香りを特徴とするお酒もありましたし、それに冷やして販売されておりましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、薄めながらもきれいな金色でした。
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一口含むと、フルーティーな香りがかすかにあることがわかりますよ。

うまみはやや淡めです。
米のうまみが広がらずに、舌の上をピンと突くようです。
熟成感もありますが、重くはないですね。
軽い苦みもかすかにあるみたいです。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの。、鋭さがありますね。
でも、酸味自体に深みも感じますよ。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。


キリッと引き締まっているものの深みのある、やや淡麗でちょいすっぱ深辛口のおいしいお酒でした。
うまみは淡めであるものの、熟成感と酸味とで深みが出ているようでした。
甘みがひかえめでややドライですが、けっしてうすっぺらくはないですね。
なかなおいしいのではないでしょうか。



ここで、あらかじめ取り分けておいたものを燗にしてみましたよ。
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あーあ、狐狸庵閑話、
じゃなくてこりゃいかんわ。

熟成感と酸味が引いてしまいました。
そのせいか深みが消えて、シャープでドライな味わいになりましたよ。
軽くて飲みやすいかもしれませんが、そもそも冷やしたものも淡めでしたから、それと比べると薄っぺらくなってしまったように私は感じました。

このお酒は、冷やしていただいたほうがおいしいだろうと思いましたとさ。

【お酒】1040.森泉 特別純米原酒 300ml [04.宮城県の酒]

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森民酒造店 森民典
宮城県大崎市岩出山字上川原町15番地

アルコール分17.0度以上18.0度未満
原材料名/米・米こうじ
精米歩合60%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
(米の産地表示なし)




昨日いただいた森泉の特別本醸造に引き続き、今日も森民酒造店さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒は、アル添なし、加水なしの特別純米原酒です。
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特別純米酒についてはこちらを、そして原酒についてはこちらをご参照下さい。


アル添あり加水ありの特別本醸造でさえけっこうすっぱかったわけですから、このお酒はよりいっそうすっぱいのではないかと、容易に予想することができますよね。
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
特別純米酒ですし、原酒ですので、冷や(常温)でいただきます。

お酒の色は、特別本醸造と同じく、かすかに茶色がかっているようでした。
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特別本醸造とちがって、こちらは香りはないみたいです。
香りを引き出していたのは、やはりアル添だったのでしょうか?

ああ、やっぱりすっぱいね。
すっぱさが強めで鋭さを感じますが、特別本醸造よりも酸味自体に深みがあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

うまみはやや濃いめです。
これは米のうまみかな?
苦みや雑味はないですが、キレはそれほどでもないみたいです。

甘みはややはっきりしています。
べとつかないさらっとした甘みを少し感じます。


やや濃醇ですっぱやや甘口のお酒でした。
予想どおり、すっぱいお酒でしたよ。









でもね、すっぱい酒だとわかっていて、それをただ「あーすっぱかった!」とお伝えすることはね、そりゃ誰でもできることですよ。
ここは一つ、すっぱいお酒をおいしくいただくためにはどうしたらよいかということを考えて、実行してみましたよ。

これはこれまでの私の経験に基づく予想ですが、すっぱいお酒ってのは、濃い味の食べ物や、ちょっとクセのある食べ物と合うのではないかと考えました。


そこで、まずは佃島の佃煮と合わせてみました。
左がハゼで、右がアサリです。
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ああ、これは合うね!
佃島の佃煮には、しょうゆの味わいだけではなくて、素材の煮汁としょうゆとが熟れた感じのちょっとクセのある風味があるのです。
でもそれが、お酒のすっぱさとよく合って、うまみを一層引き出してくれるみたいでした。
特にハゼの佃煮には魚の臭みが少しあるのですが、森泉の酸味がそれをサッと流してくれますよ!
これは合わせて正解でした。


次に合わせたのは、豚肉と茄子の赤味噌炒め。
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これも合うね!
赤味噌の風味が、森泉の酸味と相俟って、うまみが増してくるようでした。


まだ二種類しかいただいていないので正確に理解しているとは言い難いのですが、森泉というお酒はどうやら食中酒のようですね。
それも、濃い味の食べ物や、熟れた食べ物、味噌などの発酵食品と合うみたいでした。
昨日はただすっぱいと思っただけでしたが、今日はおいしくいただくことができましたよ。





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ということで、今日は佃島へ行って、佃煮を買ってまいりました。

前回佃島へ行った際にはJR京葉線の越中島駅からアクセスしましたが、今回は反対側の東京メトロ有楽町線新富町駅から佃大橋を渡って行ってみました。
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佃島の渡船跡の脇から、佃大橋へと上がっていきます。
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佃大橋から見えるのは、高層マンションばかり。
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橋の下を流れる隅田川には、遊覧船が走っておりました。
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その高層マンションが立ち並ぶ一角にある、木造建物の街並みが奇跡のように残されている場所が、佃島です。
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前回は天安さんで買いましたが、今回はここ、佃源田中屋さんで入手しました。
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佃源田中屋さんの換気扇からは、佃煮を煮ている香りが出ておりました。
これだけでご飯を食べられそうなよい香りです。
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目的を果たしたところで、清澄通りからバスに乗って、門前仲町を目指します。
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深川不動尊の参道にある折原商店で一杯やって、帰ったとさ。
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もうすっかり秋ですね。
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【お酒】1039.森泉 特別本醸造 300ml [04.宮城県の酒]

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森民酒造店 森民典
宮城県大崎市岩出山字上川原町15番地

アルコール分15度
原材料名/米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール
精米歩合60%
内容量300ml
(以上、ラベルより転記)




宮城県大崎市岩出山、陸羽東線の有備館駅近くに蔵を構える森民酒造店さんは、仙台市内で“森乃菊川”を造る森民酒造本家さんから明治の頃に分家なさった蔵元さんなのだとか。
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このことについて、文献に以下のような記述がありました。
 森民酒造店は、明治時代に仙台市中心部にある森民酒造本家が分工場として大崎市岩出山に建てた蔵。当時は本工場・分工場合わせて、東北地方で一、二の生産量を誇ったという。」(※1)

そんな森民酒造店さんですが、今では地元向けのお酒造りに徹していらっしゃるそうです。
 「森泉」は伊達家ゆかりの城下町、大崎市岩出山の地酒。生産量は年に100石(18kl)ほどという、ごく小さな蔵だ。蔵の主人である森民典(もり みんてん)さんが一人で造っており、そのほとんどが地元で消費されている。」(※2)


ネタも尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
これまでの私の経験からして、特別本醸造には香りがあって冷やに向いているものが少なからずありましたので、今日は冷や(常温)でいただきます。
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写真では判りにくいかもしれませんが、お酒の色はかすかに茶色がかっておりました。
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やっぱり、かすかではありますが、吟醸香のような香りがありますね。
フルーティーというよりも、花の香りのようです。

このお酒ですが、一口含んで、まず酸味を感じました。
すっぱさが強めで、鋭いですね。
でもそれだけでなく、酸味自体に深みがあるようです。
刺激やピリピリ感は、はじめはないものの、口を切ってしばらく置くと少し出てくるみたいです。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
お米のうまみとともに、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがあるみたいですが、酸味に負けています。
苦みや雑味はないみたいです。

甘みはややはっきいりしています。
かなりさらっとした甘みがあるみたいですが、これも酸味に負けています。


鋭いものの深みのある酸味が豊かな、すっぱやや甘口のお酒でした。
けっこうすっぱいですが、酸味に深みがあるので、ただすっぱいだけではないみたいです。
でもね、これは耳の下辺りを刺激するすっぱさですね。


ここで、燗にしてみました。
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燗にすると、酸味の深みが少し引くとともに、さわやかさが出てきました。
少し軽快になったようですが、すっぱさ.は相変わらずでした。

この味わいは、木戸泉の醍醐に似ているように思いました。
それにこのお酒、けっこう回りがはやいみたいです。
これは私の感想ですが、すっぱいお酒ってのは回りがはやくて、飲みすぎると悪酔いしやすいように思います。
後半の記述はアタリマエだろ!
もしかして、乳酸が酔いに影響を与えているのでしょうか?

(※1)『宮城の蔵元訪ね歩き』p.51(2009.4 エーシークリエイティヴ)
(※2)(※1)p.48

【お酒】1017.あたごのまつ(愛宕の松) 純米吟醸 300ml [04.宮城県の酒]

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株式会社新澤酒造店K
宮城県大崎市三本木字北町63番地

アルコール分/16度
原材料/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合/55%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




新澤酒造店さんのお酒は、これまでに愛宕の松の本醸造カップと、愛宕の松の特別純米酒むすび丸カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米吟醸酒です。


純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、透明でした。
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吟醸香がありますね。
フルーティーというよりも、花のような風味です。
大きく広がることはないものの、鼻腔を突いてくるようです。
それにちょっとだけですが、生貯蔵酒みたいなフレッシュな風味があるみたいです。

一口含むと、酸味がしっかりしていることがわかります。
すっぱさは決して強くはないものの、鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

うまみはやや淡めです。
米のうまみが、広がらないものの、鋭さがあって舌を突いてきます。
苦みや雑味はありません。

甘みはややひかえめです。
ややドライな感じですが、ゼロではないみたいです。


弱めではあるものの鋭い酸味と、舌を突く米のうまみとの、やや淡麗でやや辛口のおいしいお酒でした。
酸味が程よく効いていますね。
それに、米のうまみに鋭さがあって、スッキリしています。
もしかしたら、美山錦を使用しているのでしょうか?
私としては吟醸香やフレッシュさは要らないと思いますが、まあそれらもまた、このお酒の個性なのでしょう。
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