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05.秋田県の酒 ブログトップ
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【お酒】1430.朝乃舞 芳醇 カップ [05.秋田県の酒]

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舞鶴酒造株式会社
秋田県横手市平鹿町浅舞字浅舞184

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料
200ml
(以上、ラベルより転記)




 創業当時、蔵のすぐ近くの遊水地(原文ママ)・琵琶沼に毎朝、鶴が飛来して美しく舞ったことにちなんで、社名を舞鶴とし、酒銘を朝乃舞とした。」(※1)という舞鶴酒造さん。
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そしてこれが、その“琵琶沼”なる遊水地(池?)です。
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そんな優雅な酒銘のこのお酒ですが、まことに残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、やや淡めの金色でした。
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うまみは濃いめです。
熟成感が少しあって、それよりも酸味料由来と思われるクドさをはっきりと感じます。
ですが苦みや雑味はありません。
またキレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
添加された残存糖類に由来すると思われるとろみのような舌ざわりが少しあって、また少しべとついているようです。


濃醇ちょいすっぱやや甘口のお酒でした。
熟成感はともかく、それ以外の味わいはおそらく添加された副原料に由来するものでしょう。
勉強させていただきました。

(※1)秋田魁新報社事業局出版部編『あきた地酒の旅』p.106(1995.9 秋田魁新報社)

【お酒】1428.天の戸 あやめ娘 純米生貯蔵酒 300ml [05.秋田県の酒]

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浅舞酒造株式会社
秋田県横手市平鹿町浅舞388

アルコール分14度以上15度未満
原材料名 米(秋田県産)米麹(秋田県産米)
精米歩合65%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




浅舞酒造さんのお酒は、かつてて天の戸の純米酒カップと(二回目はこちら)、同じく純米酒の天の戸のんびりカップ、そして醇辛天の戸 純米酒 300mlをいただいております。
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今日いただくこのお酒は、純米の生貯蔵酒なのだとか。
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かつて四季桜の純米生貯蔵酒をいただいた際にも書きましたが、「醸造アルコールを添加しないために米の旨みが生かされた濃醇タイプのものが多いとされる。また、酸度は比較的高いものの、まろやかな風味を持っている。つまり、濃厚でこくのある酒ということだが、どちらかというと香りよりも味を重視して造られる酒」(※1)である純米酒と、「生酒の特徴であるフレッシュな香りやフレッシュな飲み口をできるだけ残し、広く流通させることを目的にした酒」(※2)である生貯蔵酒とでは、目標とする味わいの方向がまるで逆ではないかと思うのです。
それをこのお酒は、いったいどのようにうまくまとめているのでしょうか?

それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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フレッシュな風味がありますね。
でもそれほど強くはないみたいです。

うまみは、これはやや濃いめでしょう。
米のうまみがしっかりしていて、厚みを感じます。
熟成感も、ごくかすかですがあるみたいです。
苦みや雑味はありません。
それに純米なのに、キレはよいみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさが弱めですが、弱いなりに鋭さを少しだけ感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
けっしてべとつかないものの、幅のある甘みです。


米のうまみがしっかりしつつも、フレッシュさと酸味とがさわやかさをもたらして、甘みがコクを添える、やや濃醇で爽快旨やや甘口のおいしいお酒でした。
うまみはしっかりしているものの、雑味がなく、重さもそれほど感じませんでした。
また生貯らしいフレッシュな風味はありましたが、しつこさがなくてちょうどよい感じでした。

純米酒の濃醇さと生貯のフレッシュさとを両立させている、おいしいお酒だと思いましたとさ。

(※1)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.165(2000.4 柴田書店)
(※2)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.25(2007.1 新風舎)

【お酒】1427.山内杜氏 特別本醸造 180ml [05.秋田県の酒]

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備前酒造本店 備前雄一
秋田県横手市大森町大森169

アルコール分/15度
原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)醸造アルコール
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




備前酒造本店さんのお酒は、かつて大納川(だいながわ)の精撰カップ(普通酒)と、大納川 あきた酒こまちで造った純米酒カップとをいただいております。
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今日いただくこのお酒は、“山内杜氏”という酒銘の特別本醸造でした。
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ところで、かつてこちらで触れてはおりますが、ここでもう一度“杜氏”という言葉の意味を確認しておきたいと思います。

“杜氏”(とうじ/とじ)という言葉は、単独で用いる場合と、前に地名をつける場合とで意味が異なります。

単独で用いる場合には「酒造工の長として杜氏補佐以下を総括、蔵内の管理全般」(※1)を職務とする人、すなわち酒造りのリーダーのことを指します。

しかし一方で、「その出身地別に出身地名を冠して、杜氏個人またはその集団を「〇〇杜氏」とも呼ぶ。」(※2)とのこと。
すなわち、“山内杜氏”は後者の意味で、秋田県の旧山内村(現;横手市山内)を拠点とする杜氏と、その杜氏によって統率された酒造りの集団のことを指すわけです。



 古くから優れた杜氏を輩出した秋田県の山内村は、岩手県との県境にある豪雪地帯の山村である。」(※3)で、しかも「山内村は総面積の九〇パーセントが山林原野、田畑がわずか四パーセントという谷間の村」(※4)であったそうです。
それ故、この地の農家たちは冬期には農業で生活を支えることが難しく、「農家の若者たちが冬場、造り酒屋へ出稼ぎにいって家計を支えたのが山内杜氏のはじまりである。」(※4)とのこと。

この“出稼ぎ”が由来である旨の記述は、かつて丹波杜氏についてまとめた際に出会った文献にも、同じ趣旨の記述がありました。

今でこそ酒造りは四季醸造(「機械化と蔵全体を冷房することによって夏季でも造れるようにする」(※5)方法)が、特に大手蔵では広く普及しております。
しかし昭和中期くらいまでは“寒造り”、すなわち「冬の寒い時期に仕込んだほうがもろみの品温を管理しやすく、空気中から侵入する雑菌の繁殖も抑えやすい。」(※6)ことから酒造りは冬の間だけの仕事とされておりました。

要するに、各地における杜氏集団の形成は、冬期に農業をなし得ない豪雪地帯の農家が冬期にも収入を確保したいという生活上の必要と、冬期だけ労働力を確保したいという蔵元さんの要請とが見事に合致したことに因るわけですね。


気が済んだところで、そろそろいただいてみたいと思います。
特別本醸造には香りを特徴とするものもありましたので、まずは冷や(常温)でいただきます。
と言いたいところですが、今日は気温が40度近くまで達して室内の温度も上昇していたことから、冷蔵庫で30分間ほど軽く冷やしたものをいただきますよ。

お酒の色は、ごくかすかに着いていることがわかる程度でした。
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香りはごくかすかに上立つ程度です。
でも口に含むとほとんど感じませんね。

うまみはやや淡めです。
米のうまみがふんわりと広がります。
軽い苦みをごくかすかに感じますが、気にはなりません。
また熟成感や重さはないみたいです。
キレはよく、スッと引きます。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
それにけっこうピリッときますね。

甘みはややひかえめです。
かなり弱めですが、弱いなりに厚みを感じます。


米のうまみがふわっと広がって、酸味が引き締める、やや淡麗でピり旨やや辛口のお酒でした。
味わいにクセがなく、キレがよいですね。
それでいて酸味が鋭くて、しかもピリッときますね。


ここで、残っているものをぬる燗にしてみましたよ。
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あれ?
酸味の質が変わるよ!

すっぱさが少し引いて、ピリピリ感も気にならない程度になりますね。
それでいて、アルコール由来と思われるさわやかさが少し立ってきましたよ。
そのせいか、キレのよさもよりはっきりしてきたようですわ。


燗にすると、やや淡麗でやや辛口のおいしいお酒になりました。
燗にすることで、角がとれて飲みやすくなったようでした。
ただ、冷めるにつれてピリピリ感が徐々に復活してくるようでしたよ。

これはあくまでも私の好みによる評価ですが、このお酒は燗のほうがおいしいと思いますよ。
食事といっしょにいただくことで、食べ物の味を引き立ててくれそうでした。


(※1)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.295(1997.10 灘酒研究会)
(※2)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.184(2000.4 柴田書店)
(※3)青木健作『「刈穂」という酒蔵を訪ねて』p.13(2003.12 無明舎出版)
(※4)(※3)p.16
(※5)神戸新聞社会部編『生一本 灘五郷-人と酒と』p.232(1982.11 神戸新聞出版センター)
(※6)(※2)p.19

【お酒】1426.美酒爛漫 まるごと秋田 純米酒 まなぐ凧 180ml [05.秋田県の酒]

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秋田銘醸株式会社
秋田県湯沢市大工町四番二十三号

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 麹米65% 掛米70%
アルコール分 14度以上15度未満/180ml詰
(以上、ラベルより転記)




昨日に引き続き、今日も秋田銘醸さんのお酒をいただきます。
秋田銘醸さんの“美酒爛漫”シリーズは、これまでに以下のものをいただいております。
298.純米原酒ふなおろし 200ml缶
348.らんまんカップ(糖類・酸味料添加)
355.生貯カップ(糖類添加・酸味料添加なし)
408.本醸造 飛切カップ
416.美酒爛漫 本醸造原酒 熟成酒 200ml缶
1393.美酒爛漫 普通酒 お燗瓶 180ml
1425.美酒爛漫 本醸造 美酒探求七〇一 180ml


今日いただくこのお酒は、秋田県産米を100%使用した純米酒なのだとか。
蔵元さんのWebsiteでは「秋田県JAこまち契約栽培米「あきたこまち」100%使用。」と紹介されておりましたよ。
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“まなぐ凧”ってのは、どうやら秋田県湯沢市に古くから伝わる“湯沢凧”の中の一種のようですね。
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純米酒ですのでいつもならばぬる燗でいただくところですけれど、蔵元さんのwebsiteでは“・冷や・室温・ぬる燗”でいただくのがおいしい飲み方と紹介されておりました。
そこで今日は、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただいてみたいと思います。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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香りはないですね。

うまみはやや濃いめといったところでしょうか。
米のうまみがしっかりしていて、厚みを感じます。
軽い苦みも少しだけあるみたいです。
ですが酒臭さや熟成感はなく、雑味も感じません。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさをちょっとだけ感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
けっしてべとつかないさらっとした甘みですが、甘み自体に厚みがありますね。


米のうまみがしっかりしている、やや濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
しっかりしているのにクセや雑味がなく、それに重さも全く感じませんでした。
わずかな苦みや酸味もうまく効いているようでした。



ここで、残ったものを燗にしてみましたよ。
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ありゃ!
これは酸味がはっきりしてまいりましたよ!
すっぱさがやや強めで、けっこう鋭いね。
それにちょっとピリッと感じるようになりました。

でもその酸味が、米のうまみとよく合っているようですよ。
しかも食べ物との相性も、酸味があったほうがいけるかも。


冷やせばお酒の味そのものを楽しむことができて、燗だと食中酒として活躍してくれました。
これはどちらもいけると思いますよ。
面白い純米酒でしたとさ。

【お酒】1425.美酒爛漫 本醸造 美酒探求七〇一 180ml [05.秋田県の酒]

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秋田銘醸株式会社
秋田県湯沢市大工町四番二十三号

アルコール分 15度以上16度未満/180ml詰
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)醸造アルコール
精米歩合 麹米65% 掛米70%
(以上、ラベルより転記)




大正時代中期に、秋田県の酒造家各氏の出資により、大蔵省の技師であった花岡正庸氏を中心として設立されて、秋田の酒を東京へ進出させるためのタスクフォースとしての役割を担った秋田銘醸さん
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その“美酒爛漫”シリーズは、これまでに以下のものをいただいております。
298.純米原酒ふなおろし 200ml缶
348.らんまんカップ(糖類・酸味料添加)
355.生貯カップ(糖類添加・酸味料添加なし)
408.本醸造 飛切カップ
416.美酒爛漫 本醸造原酒 熟成酒 200ml缶
1393.美酒爛漫 普通酒 お燗瓶 180ml

今日いただくこのお酒は、“美酒探求七〇一”なる本醸造でした。
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“美酒探求”はともかく、“七〇一”っていったいどういう意味なのでしょうね?
これについて蔵元さんのwebsiteをあたってみたのですが、わかりませんでした。

そこで、以下はあくまでもわたくしの推測です。
“七〇一”ってのは酵母の名前、すなわち“きょうかい701号酵母”を使用していることを示しているのではないでしょうか?

かつて一度触れておりますが、酵母の中には、発酵時に泡が出ない“泡なし酵母"というものがあるそうです。
そしてその泡なし酵母はきょうかい酵母の変異株からも発見されるようになり、それぞれ元となったきょうかい酵母の号数の末尾に“01”を付けて泡なし酵母の号数としているのだとか。

それ故、このお酒の“七〇一”は、きょうかい701号酵母(きょうかい7号酵母の泡なし変異株)を使用していることを意味しているのではないかと、あたしゃ勝手にそう推測いたしましたよ。


正しいのかまちがっているのかわからないようなウンチクをたれるのはこのくらいにして、いただいてみたいと思います。
本醸造ですし、蔵元さんのWebsiteでは“室温/ぬる燗/あつ燗”がおすすめと紹介されておりましたので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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うまみはやや淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
米のうまみが淡いなりにしっかりして、広がります。
軽い苦みをほんのかすかに感じます。
ですが酒臭さや熟成感のようなものはまったく感じません。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさが弱めではあるものの、弱いなりに鋭さを少し感じます。
このすっぱさは、燗がさめるにつれてはっきりしてくるようです。
また、アルコール由来と思われるさわやかさも少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
けっしてべとつかない、さらっとした甘みですが、甘み自体に厚みを少し感じます。


米のうまみが穏やかに効いていて、弱めの酸味が引き締める、やや淡麗で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
やや淡めではあるものの、米のうまみがしっかりしておりました。
それに、弱めの酸味とかすかな苦みとがうまく効いていて、味わいを引き締めているようでした。
しかも酒臭さや熟成感がなく、キレもよいので飲みやすく感じました。

これは米のうまみを前に出しつつも、飲みやすさを兼ね備えたお酒でしょうね。
それこそが“美酒探求”たる所以なのでしょうか。

【お酒】1424.千代緑 まほろば唐松 カップ [05.秋田県の酒]

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奥田酒造店
秋田県大仙市協和境字境113

アルコール分15度以上16度未満
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール・糖類
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




千代緑は延宝年間(1675年頃、江戸時代初期)の創業で、初代重右衛門が京都からこの北の地に、酒造りに適した水と米を求めて移り住み、酒を醸し始めた。」(※1)という奥田酒造店さん。
その酒銘である“千代緑”については「記録は残されていないが、初代奥田重右ヱ門が、酒銘をつけるのに思案していた時、窓から春の緑美しい山々をみて突然ひらめき、「若葉萌ゆる四方の山々千代緑」と詠みあげた。その中の言葉が酒銘となったといわれている。」(※2)のだとか。
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またこのカップ酒の銘である“まほろば唐松”は、秋田県大仙市にある唐松城跡に設置されている観光施設のようですね。
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そんな初代が詠んだ名句や地元の観光施設からその名をいただくこのカップ酒ですが、まことに残念ながら糖類添加の三増酒でした。
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三増酒であろうがなかろうが、銘に負けないほどおいしければよいのですよ。
おいしいお酒であることを期待しつつ、普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみは淡めです。
淡いというか、これは薄めでしょう。
うまみらしいものは私にはよくわからず、かろうじて熟成感をかすかに感じます。
苦みや雑味はゼロですね。
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
それにちょいピりで、アルコール由来と思われるスースー感を少し感じます。

甘みはややはっきりしています。
三増酒にありがちなとろみのような舌触りはないものの、少しべとつくようです。


淡麗ちょいすっぱちょいピりやや甘口のお酒でした。
ややすっぱめではあるものの、味にくどさがないことから、品質表示どおり酸味料は添加されていないのでしょう。
ただ薄めであるのは、もしかしたら糖類を添加して(≒米の使用量を減らして)かつ醸造アルコールの添加量を多めにしてあるからでしょうか?

(※1)「美酒王国秋田」編集委員会編『美酒王国秋田』p.56(2015.09 無明舎出版)
(※2)秋田魁新報社事業局出版部編『あきた地酒の旅』p.88(1995.9 秋田魁新報社)

【お酒】1423.精撰 日の丸 300ml [05.秋田県の酒]

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日の丸醸造株式会社J
秋田県横手市増田町増田字七日町114の2

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




日の丸醸造は1689年の創業、蔵名の「日の丸」は秋田藩主佐竹公の紋処が「五本骨の扇に日の丸」だったことに由来すると伝えられており、明治40年商標登録済の日本で唯一無二の酒銘である。」(※1)
という日の丸醸造さん。
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これまでに、まんさくの花&真人(まなびと) 飲み比べ日の丸 秋田まつりカップ、そしてまんさくの花 特別純米酒 カップ《再》をいただいております。

今日いただくこのお酒ですが、ラベルには“日の丸”としかありませんでしたが、購入時のレシートに精撰である旨が表示されていたことから、"精撰”の小印(かつての級別制度下における二級酒相当か?)が付けられたお酒として紹介させていただきます。
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フタはまんさくの花と共通のもののようでした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや淡めです。
米のうまみが淡めなりにひろがります。
酒臭さ(←ほめ言葉です)はかすかに感じる程度です。
苦みや雑味はなく、キレがよいですね。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強めで、鋭さを感じます。
それにちょっとピリッとくるようです。

甘みはややひかえめです。
弱めではあるものの、ゼロではないみたいです。


酸味がさわやかでキリッと引き締まった、やや淡麗ですっぱちょいピりやや辛口のおいしい酒でした。
酸味とちょいピりとが効いていて、目が覚めるようです。
でもそれがまた、食べ物の脂っぽさや魚臭さをサッと流してくれそうでした。
それでいて雑味やしつこさがまったくないので、飲みにくくはないですね。
食中酒として、なかなかいけるのではないでしょうか。

(※1)「美酒王国秋田」編集委員会編『美酒王国秋田』p.60(2015.09 無明舎出版)

【お酒】1422.春霞 燗上り 180ml [05.秋田県の酒]

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合名会社栗林酒造店
秋田県仙北郡美郷町六郷字米町56番地

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合60%
アルコール分15.5度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




栗林酒造店さんのお酒は、かなり前に春霞のカップ酒(普通酒)をいただいております。
今日いただくこのお酒は“燗上り”、すなわち「燗をつけることによってよりおいしく感じられること」(※1)を意味するお酒なのだとか。
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どうやらアル添なしのようですが、純米酒である旨の表示はどこにもありませんでした。
“純米酒”の特定名称を名乗るためには、純米酒である旨の表示がなければなりません(※2)。
逆に、たとえ純米酒の基準に該当しても、純米酒を名乗るかどうか(純米酒である旨を表示するかどうか)はあくまでも任意です。


純米酒であろうがなかろうが、おいしいお酒であればよいのです。
”燗上り”ですからね、もちろん今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し茶色がかっているようでした。
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燗をつけると、酒臭い(←ほめ言葉です)香りがふわっと漂ってまいりましたよ。

うまみは、これは濃いめでしょう。
酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみがしっかりしておりますよ。
熟成感はあるものの、かなりひかえめです。
苦みや雑味はまったくなく、しかもアル添なしなのにキレがよいですね。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強めで鋭さを感じますが、そのすっぱさに勝るほどに酸味自体に深みを感じます。
かすかにピリッとくるようですが、気にはなりません。

甘みはややひかえめです。
ゼロではないものの、かなり弱めです。


酒臭さ(←くどいようですがほめ言葉です)と深みのある酸味とがしっかりと効いている、濃醇ちょいすっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
この深みのある酸味は、燗にすることで食事との相性が抜群によくなることでしょう。
でも、うまみも決して負けてはおりませんでしたよ。
それでいて雑味がまったくないのは、丁寧に造られた成果でしょうか?

たしかに“燗上りするおいしいお酒”だと思いましたとさ。


(※1)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.203(2000.4 柴田書店)
(※2)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1

【お酒】1420.純米大吟醸 雪月花 180ml [05.秋田県の酒]

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両関酒造株式会社
秋田県湯沢市前森四丁目3番18号

アルコール分15度
原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)
精米歩合 40%
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




江戸時代より、院内鉱山で働く工夫たちへのお酒の供給地として栄えた秋田県湯沢市。
その湯沢で1874年に創業し、明治末期には寒冷地である秋田県に適した酒造法を開発して秋田県全体の酒質向上に寄与した両関酒造さんのお酒は、かつて両関 朱紋 盃両関 カップをいただいております。
秋田のお酒については、こちらもあわせてご参照下さい。
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今日いただくこのお酒は、満を持しての純米大吟醸でした。
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このお酒は秋田駅西口の近くにあったコンビニで入手したのですが、一合詰であるにもかかわらず、お値段はなんと600円超えでしたよ。
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純米大吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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吟香はほとんどわかりませんね。
それよりも、上等な接着剤のような香りをごくかすかに感じますよ。
“上等な接着剤”ってどんなやつだよ!

うまみはやや淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
米のうまみが厚みはないものの、ふわっと広がるようですよ。
苦みや雑味はまったくありませんね。

意外にも、酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを少し感じます。
それに、ごくかすかにピリッとくるようです。

甘みはややはっきりしています。
けっしてべとつかない、かなりさらっとした甘みですが、その存在はわかります。


米のうまみがふわっと広がって、酸味が効いている、やや淡麗ですっぱ旨口のおいしいお酒でした。
大吟醸にしてはすっぱさがはっきりしていて、しかもかすかにピリッと感じました。
でもけっして嫌味はなく、味わいに角を感じませんでした。
吟香をほとんど感じないこととも相俟って、食事と合わせやすい大吟醸だと思いましたよ。
この酸味から推察するに、魚料理と合わせるといけるんじゃないかな。

【お酒】1413.醇辛 天の戸 純米酒 300ml [05.秋田県の酒]

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浅舞酒造株式会社
秋田県横手市平鹿町浅舞字浅舞388

アルコール分16.5度
原材料名 米・米麹
精米歩合60%
秋田県産米100%使用
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




浅舞酒造さんのお酒は、かつて天の戸の純米酒カップと(二回目はこちら)、同じく純米酒の天の戸のんびりカップとをいただいております。
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今日いただくこのお酒は、“醇辛”と銘打たれた純米酒です。
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純米酒ですが、ネット上では少し冷やしたほうがよいという意見もありましたので、まずは冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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上立ち香はありません。
口に含むと、フルーティーさをかすかに感じる程度です。

うまみは濃いめです。
米のうまみがはっきりしております。
熟成感もかすかにあって、ウィスキーみたいな風味もほんのわずかにあるみたいです。
苦みや雑味はありません。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
それにかすかにピリッと来るみたいです。

甘みはややひかえめかな。
ひかえめながらにもけっしてゼロではなく、ほんのりと感じます。


濃醇ちょいすっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
これまでにいただいた天の戸シリーズで感じたようなしっかりした味わいではあるものの、酸味が効いていて引き締めてくれておりましたよ。
それに濃いめであるにもかかわらず苦みや雑味がないのは、丁寧に造られている証拠でしょう。


ここで、燗にしてみましたよ。
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これは酸味が立つよ!
でも鋭さが引いて、酸味自体に深みが出てまいりました。

うまみは、ウィスキーっぽい風味や熟成感が引いて、米のうまみが前面に出てまいりました。
それにキレもよくなって、後味がすっきりとしてきたじゃありませんか。

甘みは少し引くみたいです。
それにピリが少し目立ってまいりました。


燗にすると、米のうまみがしっかりして酸味に深みを感じる、濃醇ちょいピリ旨やや辛口のおいしいお酒になりました。
この深み、このキレのよさ、そしてクセのなさ!
それでいてうまみがしっかりしておりましたよ。
しかも甘みが弱めながらに効いていて、コクを添えてくれておりました。

これはまちがいなく燗のほうがうまいでしょうよ。
ピリすらね、食事と合わせるとうまく働くてくれますよ。
燗にして食事とあわせてこそ、お酒のおいしさを最大限に発揮させておいしくいただける純米酒だと思いましたとさ。
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