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【お酒】933.盛升 純米辛口 300ml [14.神奈川県の酒]

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黄金井酒造株式会社
神奈川県厚木市七沢769

原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)
精米歩合 70%
アルコール分 15度
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




神奈川県厚木市に蔵を置く蔵元さんのお酒ですが、見つけた場所は隣の秦野市でした。

今日は特に披露できるようなネタがありませんので、さっさといただきたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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うまみは濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみが豊かです。
わずかですが、熟成感もあるみたいです。
それに、苦みもちょっとあるみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが豊かで、鋭さを少し感じます。
それに、ちょっとピリッとくるみたいです。

甘みはひかえめです。
ほどんど感じませんが、ゼロではないみたいです。


酸味が効いた、濃醇すっぱ辛口のお酒でした。
甘みが少ないだけではなく、ちょいピリですっぱい辛口でした。
かなり飲み応えがありますが、私としてはちょっとクドさを感じました。
もう少しキレがほしいところでした。

【お酒】392.菊勇 相模大山 純米酒 カップ [14.神奈川県の酒]

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吉川醸造株式会社
神奈川県伊勢原市神戸681

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合65%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)

このお酒は、“菊勇”という名前です。
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そういえば、山形のお酒で同じ“菊勇”という名前のものをかつていただいたことがありました。
どうやら、山形の菊勇は“キクイサミ”であって、神奈川のこの菊勇は“キクユウ”なのだとか。


ところで、このお酒の蔵元さんである吉川醸造さんは、かなりこだわった酒造りをなさっているようです。
神奈川のお酒に関する文献では、吉川醸造さんのお酒を以下のように紹介しています。
この蔵の酒造りの特色は、何といっても「手づくり」への徹底的なこだわりにある。その端的な例が麹造り。もともと麹つくりは、酒造りの中でも手数のかかるものだが、中でも「麹蓋法」(原文ママ)はその最たるもの。したがって「麹蓋法」は、吟醸酒のような高級酒を醸すとき以外には使われることが少ない。ところが吉川醸造では、この蔵で造られるすべての酒に「麹蓋法」を用いている。」(※1)

麹蓋法(普通は“蓋麹法;ふたこうじほう”というので、以下蓋麹法と書きます。)は、「縦四十五センチ、幅三十センチくらいの木製の箱(麹蓋)に麹米を一升(一・五キログラム)ずつ盛り、蓋を積み重ねる」という麹作りの方法で、「麹菌の繁殖状態に応じて麹蓋を積み替えることで温度と水分の調整ができる」(※2)ことから、麹の状態を細かく管理することができるものの、最も手間がかかる方法であるようです。

今や自動製麹機が普及しているにもかかわらず、手造りの製麹、それも蓋麹法をすべてのお酒に用いているなんて、かなりのこだわりだと思います。


また、同じ文献では、続けて以下のように紹介しています。
酒本来のうまみを出すために、もろみの期間を長くとっています。速醸造りでも、平均して二十日くらいの日数をかけ、濃醇な味を出すように心がけています。
この蔵の酒はアルコール分が高く、コクのあるものが多い。「淡麗な酒ほど、水っぽくて飲めたものではない」という人や、昔ながらの日本酒らしい深い味わいを好む人にはうってつけの酒がそろっている。」(※3)

もしこの記述が本当であれば、これはかなり期待ができるお酒だと思います。
色をみるかぎりでは、とても濃厚そうな印象を受けます。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。


一口いただくと、濃厚なうまみが口の中に広がります。
とても濃くて、しっかりしたうまみです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみです。
うまみは濃いだけではなくて深みを感じますが、これはお酒を熟成させてあるのでしょうか?
かといって、苦みや雑味はまったく感じません。

酸味はかなりしっかりしています。
すっぱさがはっきりしていて、さわやかな酸味です。
でも、刺激やピリピリ感はありません。

甘みはわずかに感じます。
お酒の味にコクを添えています。


濃厚で深みのあるうまみと、さわやかな酸味との、濃醇でやや辛口のおいしいお酒でした。
このくらい濃いと苦みや雑味、それにピリピリ感が出るものが多いと思うのですが、このお酒にはそれらはまったくありませんでした。
もしかして、このことこそが蓋麹法(蓋麹法)の成果なのでしょうか?
いずれにせよ、文献の記述どおり濃厚なのに、繊細なおいしいお酒でした。


(※1)山成健治『かながわの地酒』p.69-70(1998.10 神奈川新聞社かもめ文庫56)
(※2)酒蔵環境研究会編『挑戦する酒蔵-本物の日本酒を求めて』p.15(2007.11 農文協)
(※3)(※1)p.70-71



2020/02/07
また飲んでみました。

【お酒】323.324.松みどり 本醸造&吟醸辛口 飲み比べ [14.神奈川県の酒]

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中澤酒造株式会社
神奈川県松田町惣領1875


今日は、中澤酒造さんの“松みどり”から、本醸造と吟醸酒とを飲み比べてみたいと思います。
同じ蔵元さんの吟醸酒とそうでないお酒とを飲み比べることで、吟醸造りについてなにか掴めることがあればと思っております。


中澤酒造さんは「松田町の中心地、JR御殿場線の松田駅裏手にある。」とのこと。(※1)
鉄道に詳しい皆様にとっては、あさぎりが小田急線から御殿場線へ乗り入れる駅の裏手にあると言ったほうがわかりやすいかもしれません。

“松みどり”というこのお酒の名前について、文献では以下のように紹介されています。
酒造業の創業は江戸時代末期の文政年間。当時、鍵和田家は小田原藩の御用商人として大久保家に出入りしていた
代表銘柄の松美酉(まつみどり)は、この地域一体の松の美しさと、おめでたいといわれる十二支の酉にちなんで、藩主の大久保公が名付けたという。その美しい松は、今でも松田一帯に見ることができる。」(※2)

松みどりの意味は、緑の松ではなくて、美しい松と酉とだったのですね。



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松みどり 本醸造 カップ
アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合70%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。


うまみはやや淡目ですが、かなりしっかりしています。
酒臭さはひかえめで、むしろやわらかいうまみです。
ほんのわずかに香ばしさを感じましたが、苦みもなく、きれいな味わいです。

酸味はやや強めです。
ちょっとすっぱさがあって、少しピリッと感じました。
それに、この酸味には深みを感じます。
これは私が好きな酸味です。

甘みはひかえめですが、その存在はわかります。
この甘みが、お酒にコクを添えています。


やや淡めでしっかりしたうまみに、深みのある酸味がよく合っている、やや淡麗で辛口のおいしいお酒でした。
うまみが淡めなせいか、酸味の深みを感じることができました。
これは私が好きな味でした。



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松みどり 吟醸辛口 カップ
アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米・米麹・醸造アルコール
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


ラベルには、お米の産地の表示がありませんね。
昔から使用しているラベルのデザインだからなのかもしれませんが、国産米ならばその旨を表示するのがルールですので、遵守していただきたいものです(※3)。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。


吟醸香は感じませんでした。
これはもしかして、味で勝負するということでしょうか。

うまみはかなり淡めです。
ですが、淡いながらもピンと主張しているうまみです。
吟醸酒らしい、やわらかいうまみです。
このお酒には、本醸造にあった香ばしさは感じません。
それに、苦みや雑味も感じませんでした。

酸味は弱めで、ほとんど感じません。

甘みは、本醸造よりもさらにひかえめです。


酸味や雑味を感じないので、淡いうまみをストレートに感じ取ることができる、淡麗辛口のおいしいお酒でした。
澄んでいて、とてもきれいな味わいでした。
この味わいこそが、吟味して醸造した成果だと思います。


【まとめ】
吟醸酒は、淡いうまみを前面に出すために、酸味や雑味を出さないように造ってあることがわかりました。
一方で、本醸造は、深みのある酸味を味わうことができる、淡麗ではあるものの飲み応えのあるお酒でした。
どちらも食事に合う、おいしいお酒でした。


(※1)山成健治『かながわの地酒』p.94(1998.10 神奈川新聞社かもめ文庫56)
(※2)同p.94-95
(※3)米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(平成21年4月24日法律第26号)8条1項

【お酒】315.本醸造 酒匂川(さかわがわ) カップ [14.神奈川県の酒]

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石井醸造株式会社
神奈川県足柄上郡大井町上大井954

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 70%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


石井醸造さんのお酒は、かつて普通酒の箱根街道カップ純米酒の大涌谷カップ、大涌谷と同じ中身の箱根湯谷酒岳堂須雲川カップ、そして普通酒の曽我の誉カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、本醸造のカップ酒です。


しかし、このカップ酒は、石井醸造さんご自身が世に送り出しているものではないようです。

どうやらこのお酒は、小田原酒販協同組合が企画して販売する商品とのこと。
そのため、ラベルには製造元とともに、発売元である小田原酒販協同組合の名称が併記されています。
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この“〇〇酒販協同組合”って、いったいどのような組織なのでしょうか。

各地方の酒販協同組合の上部組織である全国酒販協同組合連合会(全酒協)のWebsiteでは、その存立目的を以下のように紹介しています。
中小零細小売酒販店は資本力のある大手企業等との競争等において個人では限界があるのが現状であり、そこで個々の力を結集し組織力をもってなしとげようとするものであります。
全国酒販協同組合連合会は全国の中小小売酒販店を組合員とし、その組合員のための共同購買事業を推進する活動を目的に、中小企業協同組合法に基づき設立された団体です。

要するに、中小の小売店が大手のチェーンストアに対抗するための組織ということでしょうか。


昨今では、消費者が「このお酒、飲んでみたい!」と思う動機は、テレビや雑誌、Web上での評判やお酒に詳しい人のおすすめなどがきっかけとなって、個人の下で自発的に形成されると思うんです。
そして、小売店がそういった消費者の動機に答えていくためには、専門分野や独自性を持つ必要があるのであって、他の店舗と同じことをやっていてはダメなんじゃないでしょうか。
そんな風潮の下で、こういった組織による販促の効果はいったいどれほどあるのでしょうか。

いやいや、いかんいかん。

私のようないいかげんな酔っ払いには、中小の小売店全体のために頑張っていらっしゃる人たちのお仕事を批判する資格も権利も到底ありません。
現に、小田原酒販協同組合さんのおかげで今日このお酒をこうしていただくことができたわけですから、むしろ感謝しなければなりません。

このお酒に出会えたことを心の底から感謝しつつ、今日もぬる燗でいただきます。


アルコールの香りと共に、強めの酸味を感じます。
キリッと引き締まっていて、ちょっとピリッと感じる酸味です。

うまみはやや淡めです。
酒臭さも感じますが、淡いのではっきりとはしていません。
むしろ、苦みと香ばしさとのほうがはっきりしてます。

甘みはしっかりしています。
べとつかない、自然な甘みです。
この甘みは、やはり石井醸造さんお得意の四段仕込みの成果でしょうか。


キリッと引き締まった酸味と、自然な甘みとの調和がよい、やや淡麗で、ちょい辛やや甘口のお酒でした。
私としては、もう少しうまみがはっきりしていたほうがよいのではないかと思いました。

【お酒】310.曽我の誉 カップ [14.神奈川県の酒]

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石井醸造株式会社
神奈川県足柄上郡大井町上大井954

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


石井醸造さんのお酒は、かつて普通酒の箱根街道カップ純米酒の大涌谷カップ、そして同じく純米酒の箱根湯谷酒岳堂須雲川カップをいただいております。


“曽我の誉”という名前について、ある文献では、以下のように紹介しています。
『曽我の誉』は、この地が昔、「曽我村」と言ったことにちなんだもの。(中略)高齢の人が「曽我」という名を聞けば、「富士の仇討ち」として名高い曽我兄弟を思い浮かべるかもしれない。『曽我の誉』には、そうした歴史的な思いも込められているとか。」(※1)
また、蔵元さんのWebsiteには、同じような趣旨の記述がありました。

私は歴史は嫌いではないほうですが、曽我兄弟の仇討ちの話については、話の存在は知っていたものの、内容をまったく知りません。
しかし、地酒の名前に使われるほど、大井町の人たちにとってはきっと有名なお話なのでしょう。
実際に、上大井駅前には、曽我兄弟の仇討ちにちなんだお祭りを紹介する説明板が掲げられていました。
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読みにくくてすみません。
小田原市のWebsiteにて祭りが紹介されているようですので、そちらをご覧下さい。


ところで、かつていただいた箱根街道カップも、この曽我の誉カップと同じく普通酒でした。

箱根街道カップは箱根湯本の土産店で入手したのに対して、このお酒は、上大井駅(神奈川県足柄上郡大井町)の駅近くにある、ふつうの酒屋さんで入手しました。
このことから推察するに、もしかして、箱根街道カップと曽我の誉カップとの関係は、前者が観光地向けで、後者が地元販売向けの商品なのかもしれません。
ひょっとしたら、中身も同じお酒なのかもしれません。
(大涌谷カップと酒岳堂須雲川カップとの中身は、同じ純米酒でした。)

いろいろと想像はできますが、とりあえず、今日もぬる燗でいただきます。


ほんのりと、お酒のよい香りがします。

酸味がはっきりしています。
スッキリしていてさわやかな酸味です。
ちょっとピリッとするようです。

甘みはほんのりと感じます。
でも、クドさはなくて、自然な甘さです。
石井醸造さんは四段仕込みを売りにしていらっしゃるようですので、この甘みは四段仕込みの成果でしょう。

うまみは淡めですが、けっこうしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみです。
それに、やや苦みを感じます。

さわやかな酸味とほんのりとした甘みとの調和がよい、甘辛口のお酒でした。
曽我の誉カップのほうが、箱根街道カップよりもうまみが濃く、酸味もしっかりしているように感じました。
これはもしかして、観光地向けと地元販売向けとで、普通酒の味を調整しているのでしょうか。
それよりも、そもそもオマエの舌はたしかなのでしょうか!!


(※1)山成健治『かながわの地酒』p.45(1998.10 神奈川新聞社かもめ文庫56)

【お酒】307.箱根湯谷 酒岳堂 須雲川 カップ [14.神奈川県の酒]

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発売元
箱根湯本井島商店

醸造元
石井醸造株式会社
神奈川県足柄上郡大井町上大井954

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)



しばらく更新を休んでおりましたが、ちょっとあちこちへ出かけておりました。
私はひとつのことを平行して実行することが苦手でして、自分が楽しんでいると、つい写真を撮影するのを忘れてしまいます。
唯一の写真が、乗った列車の発車前に、新宿駅で撮影したこれです。
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この列車は新宿から長野県の白馬へ向かうのですが、実は私の目的地は長野ではなくて、最終的には奈良まで行きました。
もちろん、カップ酒収集のためです。

最初にJR郡山駅で降りて、近鉄郡山駅までの間にあるスーパーやコンビニを手当たり次第覗いたのですが、「奈良はカップ酒不毛地帯かよ!」と思うくらい、地元のカップ酒にはまったく出会いませんでした。

しかし、唐招提寺近くのきとら酒店さんや、ならまちにあるコンビニや小川又兵衛商店さんなどでは、奈良のカップ酒を入手することができました。
手元には、山形や神奈川のお酒がまだたくさんありますので、奈良のお酒をご紹介するのはもっと先になりそうです。



というわけで、今日いただくこのお酒は、箱根湯本にある酒屋さん“箱根湯谷 酒岳堂 井島商店”さんで購入しました。

このお酒は、井島商店さんのオリジナル品とのこと。
しかし、お店の方に聞いたところ、中身のお酒は、以前に紹介した“大涌谷カップ”とまったく同じものなのだそうです。

ですので、お味につきましては、“大涌谷カップ”をご参照ください。
今日は手抜きかよ!

【お酒】304.純米酒 大涌谷 カップ [14.神奈川県の酒]

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石井醸造株式会社
神奈川県足柄上郡大井町上大井954

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米・米こうじ
米は国産・米麹は国産米を使用
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)



石井醸造さんのお酒は、かつて普通酒の箱根街道カップをいただいております。
今日選んだこのお酒は、箱根の名所をその名にいただく純米酒です。

このお酒は、箱根にある酒屋さんで購入しました。
観光客にとっては、一升瓶や4合瓶ですと、持って帰るのはむずかしいことでしょう。
しかし、カップ酒ならばカバンに入るでしょうから、そんな観光客に気軽に買ってもらうことをねらっているのかもしれません。

純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。


うまみはやや濃い目で、しっかりしています。
ですが、キレはよいので、クドさを感じません。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみです。
香ばしさと苦みとも、少し感じます。

酸味もしっかりしています。
スッキリして、スーッとする感じです。
ほんのわずかにピリッと感じますが、気にはなりません。

甘みもしっかりしています。
そのせいか、かなりコクを感じます。
べとつかない、自然な甘さです。
この甘みは、酸味とちょうどよく合っていると思います。


やや濃いめのうまみと、しっかりした酸味とに、甘みがコクを添える、やや濃醇で旨口のおいしいお酒でした。
白牡丹をいただいたときもそうでしたが、やはり甘みは酸味と調和してこそですね。

【お酒】290.いづみ橋 特別純米酒 プレミアムカップ [14.神奈川県の酒]

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泉橋酒造株式会社
神奈川県海老名市下今泉5-5-1

使用米 海老名産山田錦100%
原材料名 米・米麹
アルコール分15度以上16度未満
精米歩合 麹)50% 掛)70%
日本酒度+5
酸度1.4
(以上、ラベルより転記)

泉橋酒造さんは、そのWebsiteで、「「酒造りは米作りから」の信念のもと、全国でも珍しい「栽培醸造蔵」として海老名市をはじめ近隣地区で酒米栽培から精米・醸造まで一貫して行っています。 」と自社の酒造りについて紹介なさっています。
ということは、このお酒の原料米が“海老名産山田錦100%”と表示されているのは、単に海老名市で栽培されたお米をかき集めたというわけではなくて、きっと、泉橋酒造さんが近隣の農家と協力して酒造りに必要な山田錦を栽培なさっているということを意味しているのでしょう。


その品質表示には、日本酒度や酸度などもこまかく表示してあります。
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それに日付についても、製造年月と蔵出年月とを分けて表示し、かつ出荷までの管理も徹底している旨をアピールなさっています。
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そんなこだわりのお酒を、今日もぬる燗でいただきます。


うまみが濃くて、しっかりしています。
酒臭さ(←ほめ言葉です)がかなり強めです。
でも、後味はスッキリしています。
それに、ほんのわずかに香ばしさを感じます。

酸味はやや強めです。
かなりスッキリしていて、さわやかな酸味です。
でも、刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
そのせいか、ややドライな感じがします。


しっかりしたうまみと、スッキリした酸味との、濃醇やや辛口のお酒でした。
うまみが濃いのに、スッキリしていてクドくないのは、丁寧に造ってある証でしょう。
酸味の刺激が少ないこともそうです。
でもね、私としては、なんかちょっと、完成されすぎているように思うんですね。
私の舌は、アル添酒、それも安いお酒に慣れてしまっているのかもしれません。
オマエには身分不相応な酒ってことだよ

【お酒】282.箱根街道 カップ [14.神奈川県の酒]

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石井醸造株式会社
神奈川県足柄上郡大井町上大井954

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


このお酒は、箱根湯本駅近くのみやげ物店で入手しました。

私が行った日は土曜日だったのですが、箱根湯本駅は渋谷駅かと思うくらいの混雑さでした。
それに、箱根湯本からさらに登山鉄道に乗って強羅へと行こうとしたのですが、この登山鉄道がまた、東京の朝のラッシュかよ!と思うくらいのギュウギュウ詰めの大混雑で、それを見ただけでイヤになって帰ってきました。


ある文献では、石井醸造さんのことを「この蔵の酒造りの特色は、もろみを(中略)四回に分ける「四段仕込み」にある。」と紹介しています(※1)。
四段仕込みは甘口のお酒を造るための技法であることは、かつてこちらの末尾で紹介しておりますので、ご参照下さい。

ということは、このお酒も四段仕込みで、甘口に仕上げられているのでしょうか?。
今日もぬる燗でいただきます。


たしかに甘みは感じますが、それほど強くはありません。
クドさがなくて、べとつかない、スッキリした甘みです。
それに、口の中で残らずに、スーッと消えていきます。

酸味はしっかりしています。
スッキリしていて、さわやかな酸味です。
しかし、刺激やピリピリ感はありません。
それに、すっぱさも感じませんね。

うまみは淡めです。
そのせいか、酒臭さもあまり感じません。
それに、苦味や雑味もないですね。


スッキリした甘みと、しっかりした酸味との調和がちょうどよい、淡麗やや甘口のおいしいお酒でした。
甘みがしつこくないので、スイスイといけてしまいます。
また、酸味にとげがなく、しかも雑味もないということは、丁寧に造ってある証拠でしょう。
普通酒でこの味でしたら、上位の特定名称酒をいただくのが楽しみです。


(※1)山成健治『かながわの地酒』p.45(1998.10 神奈川新聞社かもめ文庫56)

【お酒】267.丹沢山 本醸造 カップ [14.神奈川県の酒]

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合資会社川西屋酒造店
神奈川県山北町山北250

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 70%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
(アルコール度数の記載なし)


川西屋酒造店さんのお酒は、“隆(りゅう)”のシリーズが有名ですね。
「有名ですね」なんてエラそうに書いておりますが、あたしゃ実は、dancyuの酒特集で紹介されているのをよく見るだけで、実際にいただいてみたことはないんです。
オマエのような貧乏人には手が出ない酒だよ。

20世紀に出版された古いものですが、今日いただく“丹沢山”シリーズを紹介しているある文献では、蔵元さんの言葉として「ここでは華やかな香りが鼻に残るようなインパクトの強い酒は造らない」「“酒食同源”とでも言おうか、酒も食事も共に楽しんでもらう「食中酒」であるためには、香りは抑え気味にし、何よりも「飲みあきしない」酒を醸すことが大切」と紹介しています(※1)。

“酒食同源”、大賛成です!。
ならば蔵元さんのその心意気を、今日のお酒で見せていただきましょう。
今日もぬる燗でいただきます。


うまみはどちらかというと淡めですが、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみですが、淡いせいか酒臭さはひかえめに感じます。
それに、わずかに香ばしい風味を感じますが、これは麹由来のものでしょうか。
雑味や苦味はありません。

酸味は弱めですが、はっきりと感じます。
スッキリしていて、すがすがしい酸味です。
刺激やピリピリ感はありません。
それに、すっぱさもほとんど感じません。

甘みはひかえめです。
しかし、コクはちゃんと感じます。


淡目だがしっかりしたうまみと、スッキリとした酸味との、やや淡麗でやや辛口のおいしいお酒でした。
味がしっかりしているものの、濃くはないので、飲みやすいと思います。
それに、いやな香りや雑味がないので、食事の味を邪魔しません。
蔵元さんの言葉どおりの、食中酒としてふさわしいお酒でした。


(※1)山成健治『かながわの地酒』p.65(1998.10 神奈川新聞社かもめ文庫56)
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