【お酒】2328.英君 本醸造 300ml [22.静岡県の酒]
製造者 英君酒造株式会社
静岡市清水区由比入山二一五二
品目:清酒
内容量:300ml
原材料名:米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
アルコール分:15度以上16度未満
精米歩合:65%
(以上、ラベルより転記)
2015年4月以来の“英君”。
かつて【お酒】533.英君 フラワーカップをいただいております、
今日いただくこの英君は、本醸造。
品質表示はこちら。
それではいただきましょう。
本醸造ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
盃に鼻を近づけると、酒臭い(ほめ言葉:以下同じ)香りをかすかに感じます。
うまみは、これはやや淡めでしょう。
それでも米のうまみハッキリで、舌の上に乗っかって来ます。
酒臭さも少し感じます。
熟成感はなし。
苦みや雑味はゼロですね。
キレはよく、スッと引きます。
酸味はややはっきり。
すっぱさはそれほどでもないですね。
でも酸味自体に深みを少し感じます。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややはっきり。
かなりさらりとしておりますが、幅を少し感じる甘みを口を付けてから喉を通るまで感じます。
やや淡麗でちょい深ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
やや淡麗と評しましたが、米のうまみははっきりしておりました。
酸味の深みが飲み応えをもたらしてくれているようでした。
やや甘口でしたが、しつこさはまったく感じませんでした。
しかも雑味なく、かつキレが良くて、後味スッキリでした。
これさ、かなりうまいんじゃないの!
海のものはもちろんのこと、山のものにもバッチリでしょう。
それに普段の晩酌にもピッタリだと思いますよ。
英君本醸造は、飲み応えとキレのよさとを双方感じることができる美味しいお酒でしたとさ。
その英君本醸造と合わせた今日のエサはこちら。
おいしそうなピーマンを見つけました。
肉厚で、固く締まっている。
これは是非とも生で食べたいところ!
薄切りにして、
水にサッと晒して水気を切ったものを、器に入れてラップをかけて冷蔵庫で冷やしました。
冷蔵庫で冷やしたものに、鰹節をかけて、
同じく冷やしておいた三杯酢を用意して、
食べる直前に冷たい三杯酢をかけていただきました。
最高!
ピーマンの青みと酢の酸味とが爽やかで、かつバッチリ!
パリパリとした歯応えもいい感じでした。
おいしそうなナスも見つけたので、
豚肉を買って来て、
調味料として、愛知県産の赤みそを使いました。
ナスと豚肉の赤みそ炒め。
これもナスがおいしい!
そういえば学生だった頃、ナスと豚肉の味噌炒め定食ばかり勧めてくる中華屋が大学の近くにあったっけ。
ごちそうさまでした。
【お酒】2310.若竹 特別純米酒 300ml [22.静岡県の酒]
製造者 株式会社大村屋酒造場
静岡県島田市本通一丁目1番の8
品目 日本酒
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
アルコール分 16度
精米歩合 60%
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)
泡盛がまだ1本残っておりますが、今日は清酒をいただきたい気分なのでした。
こちらひさびさの、大村屋酒造場さんのお酒。
8年前に以下の物をいただいて以来のご無沙汰でした。
【お酒】871.若竹 鬼ころし 特別本醸造 300ml
今日いただくこの若竹は、特別純米酒。
品質表示はこちら。
60%だけの特別純米酒かと思いきや、
静岡県が誇る酒造好適米“誉富士”を使っているんだってさ。
話のネタが尽きたところで、いただきます。
特別純米酒には香りを特長とするものもございましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
上立ち香はなし。
含んでも、フレッシュな風味をかすかに感じる程度です。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみに厚みを感じます。
苦みがあって、少し鋭くて少し重いみたいです。
酒臭さはなく、熟成感もなし。
キレはまあまあでしょう。
酸味はややひかえめ。
すっぱさは弱めですが、ほんの少しだけわかります。
スーはなく、ピリもなし。
甘みはひかえめ。
かなり弱めで、後味でかすかに感じる程度です。
やや濃醇でちょい苦ちょい重旨辛口のおいしいお酒でした。
米のうまみそのもので、厚みを感じましたが、しつこさは感じませんでした。
苦みに重さが伴ってどっしりで、かつ辛口でキリッと引き締まっておりました。
次に、燗で試してみました。
キレがよくなってけっこうスッキリ。
苦みの重さが消えて、軽く感じます。
酸味は鋭さが少し増すみたいですが、依然として弱め。
それにちょいスーになりました。
うまみは米のうまみそのもの。
甘みもひかえめのまま。
燗にすると、やや濃醇でちょい苦ちょいすっぱちょいスースッキリ旨辛口のおいしいお酒になりました。
これはまちがいなく燗がうまい!
うまみしっかりなのに、軽快でスイスイと行けてしまう。
酸味が少し出るものの強くはなく、むしろキレのよさと相俟って清々しい。
キリッとしていて、燗にするとキレが良くなる辛口酒。
駿河湾の海の幸とともに、燗酒でいただいてみたくなるお酒でした。
その若竹特別純米酒と合わせた今日のエサはこちら。
ブロッコリー。
newtonさんの記事を見て、どうしても食べたくなったのでした。
玉ねぎ。
にんにく(小)。
ブロッコリーを1分間茹でて、
熱いうちにマリネ液(玉ねぎみじん切り(水にさらしたもの)、おろしにんにく、オリーブオイル、酢、煮切りみりん、塩、コショウ)で和えて。
ブロッコリーのマリネ。
おいしい!
玉ねぎのシャキシャキ感、酢の酸味、みりんの甘み、にんにくの風味がブロッコリーとバッチリ!
豚こま切れ肉。
塩コショウをして、小麦粉をまとわせたもの。
おろし玉ねぎとおろしにんにく、しょうゆ、みりんでたれを作っておいて、
豚こま切れ肉をフライパンで焼いて、
軽く焦げ目が着いたところで、たれを投入し、
たれが煮詰まったら、できあがり。
これもおいしい!
加熱した玉ねぎの甘みがいい感じ。
ごちそうさまでした。
【お酒】2299.正雪 純米吟醸 150ml [22.静岡県の酒]
製造者 株式会社神沢川酒造場
静岡県静岡市清水区由比一八一
清酒
アルコール分16度
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合50%
内容量150ml
(以上、ラベルより転記)
神沢川(かんざわがわ)酒造場さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
【お酒】429.正雪 純米吟醸 カップ
【お酒】474.正雪 日本酒カップ
【お酒】741.正雪 上撰 日本酒カップ
【お酒】1366.正雪 辛口純米 誉富士 カップ
【お酒】1959.正雪 純米大吟醸雄町 150ml
「由井正雪(一六〇五~五一)は、この地の農業兼紺屋の子。彼を偲んで酒名とした。」(※1)とあるとおり、読んで字の如しの“正雪”。
“江戸を斬る 梓右近隠密帳”に出てきた由井正雪(成田三樹夫)、
子供の頃に見たときは、怖かったなぁ。
今日いただく“正雪”は、純米吟醸だってさ。
品質表示はこちら。
精米歩合50%なのに安易に大吟醸を名乗らないところに、蔵元さんの矜持と奥ゆかしさとを感じるのって、オイラだけ?
(だな。)
なお、ネット上ではこの“正雪 純米吟醸”を、“吟ぎんが”使用と紹介している例もございました。
しかし、このお酒のラベルには、その旨の表示はなされておりませんでした。
“燗たのし”。純米吟醸でも燗にするとおいしいのかな?
あたしゃ吟醸酒を燗にしたら苦くて飲めなくなったことがあったので吟醸酒は燗にしない主義なのですけれど、これは試してみようかな。
それではいただきましょう。
まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色透明。
上立ち香はなし。
含むと、かすかにフルーティー、かな?
(どっちなんだよ!)
うまみは濃いめ。
米のうまみに厚みをしっかりと感じます。
吟醸酒らしい苦みがあって、強くはないものの鋭いですね。
酒臭さ(ほめ言葉:以下同じ)も少し感じます。
熟成感はないですね。
キレはまあまあで、苦みが残ります。
酸味はややひかえめ。
すっぱさはわかるものの、弱め。
深みのようなものも、かすかに感じるかな?
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みは、難しいところですが、ややはっきり。
けっして前には出て来ませんが、後味として残ります。
濃醇ちょい苦ちょいスー旨やや甘口のおいしいお酒でした。
うまみに厚みがあって、飲み応えしっかりでした。
ちょい苦でしたが、ちょいスーがいい感じに効いていて、言葉は悪いもののうまくごまかしてくれているようでした。
甘みは前に出て来ないのでわかりにくいかもしれませんが、私の感覚や経験からしてけっして辛口ではございませんですぞ!
“燗たのし”と書かれておりましたので、
ここで、燗で試してみることにいたしました。
ああ!
酸味が立つ。ほどよいすっぱさとともに、深みが少し出てまいりましたよ。
苦みが引いて、かつキレが良くなり、とてもスッキリしています。
うまみと甘み、それにちょいスーは維持されていますね。
燗にすると、濃醇ちょい深ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒になりました。
苦みが引いてキレがよくなり、飲みやすくなりました。
それなのに酸味が立ち、特に深みが少し出て、まるで上品な山廃酒のよう。
冷やしたものもおいしいけれど、燗のほうがまちがいなくおいしい!
由比の港で水揚げされた駿河湾の海の幸に合わせるならば、燗がよいと思いました。
(※1)高橋清隆『新・静岡県の地酒 名酒蔵めぐり』p.77(1996.7 静岡新聞社)
【お酒】2298.駿河の生一本 駿河酔(するがよい) 誉富士 純米酒 300ml [22.静岡県の酒]
製造者 萩錦酒造株式会社
静岡市駿河区西脇三八一
品目 清酒
アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米 誉富士(静岡県産米)100%
精米歩合60%
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)
静岡駅から駿河湾方面へバスで向かい、
東名高速道路をくぐったあたりにある、
“西脇下(にしわきしも)”なる場所。
そこに蔵を置くのが、萩錦酒造さん。
安倍川の伏流水を仕込み水として用いていらっしゃるそうですよ。
その萩錦酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】1397.萩錦 純米吟醸 生酒 300ml
【お酒】1403.萩錦 お燗瓶 180ml
【お酒】1404.登呂の里 特別純米酒 180ml
【お酒】1405.南アルプス 特別本醸造 180ml
今日、およそ6年ぶりにいただく萩錦酒造さんのお酒は、
“駿河酔(するがよい)”だってさ。
静岡県が誇る酒造好適米“誉富士”を100%使用した純米酒。
その銘には、灘の生一本ならぬ、
“駿河の生一本”と添えられておりましたよ。
今日はこの“生一本(きいっぽん)”について、わかったことをまとめてみました。
1.現在における“生一本”の意味
生一本の意味については、公式ルールでは以下のとおり定められております。
「生一本の用語は、単一の製造場のみで醸造した純米酒である場合に表示できるものとする。」(※1)
「「生一本」の用語は、自己の単一の製造場(法上、一つの製造場として取り扱われる製造場をいう。)のみで醸造した純米酒である場合に表示できるものであるから、2以上の製造場を有する製造者がそれぞれの製造場で醸造した純米酒を混和したもの又は他の製造者が製造した純米酒を混和したものには「生一本」の表示はできないものであるから留意する。」(※2)
これらは、平成元年に定められた国税庁の告示に基づく基準(※1)と、その解釈通達(※2)です。
2.かつては“原酒”に限った
平成元年の国税庁告示制定以前は、昭和50年に日本酒造組合中央会が定めた「酒類の表示に関する基準」が清酒の品質表示に関する業界の自主基準として存在しておりました。
そして、昭和50年に定められた際には、生一本は「米及び米麹のみを原料とし,自醸酒であって,かつ原酒であるものに限り使用できる。」(※3)と定められておりました。
“原酒”とは、「製成後、加水調整(アルコール分1%未満の範囲内の加水調整を除く。)をしない清酒」(※4)です。
では、昭和50年の自主基準制定時には、なぜ原酒に限ったのでしょうか?
これについては、当時の組合が書いた公式の雑誌記事によれば、「これは坂口謹一郎博士の理論によった。従って生一本表示は灘以外でも勿論出来る訳である。」(※5)とありました。
そこで、手元にあった坂口謹一郎氏の著書(『日本の酒』 2007.8第1刷 2011.11第5刷 岩波文庫)を当たってみましたが、上記生一本に関する坂口氏の見解を見つけることはかないませんでした。
この点は、今後の研究課題とさせていただきます。
ですが、異なる著者の文献には、以下の記述がありました。
これが坂口氏の見解と同一かどうかわかりませんでしが、論拠とはなり得るとワタクシが判断し、掲載いたしました。
「 江戸時代だけでなく、昭和の戦前あたりまでは、樽詰めのものは、流通段階へ着いてから、水を加えて調合して販売されていた。(中略)この調合のことを「玉を利かす」という。ときにはある種の酒のほめ言葉として「玉が利く」というのもあった。
「玉が利く」とは、水で割っても味が崩れない。アルコール分を薄めても水臭くならない酒をいう。樽詰めされる時点ではたっぷりアルコールを含んでいなければならない。いい技術があり、それを生かす環境(原料米・仕込み水・気象条件)がそろっていなければならない。兵庫県灘地区の酒はそのような酒で、江戸で評判を得て、水で割らないものは特に「灘の生一本」と呼ばれた。」(※6)
なお、“玉を利かす”・“玉が利く”の“玉(タマ)”は、もちろん水のことです。
ですがなぜ“水=玉”となったのか?
それは「江戸を流れる多摩川の水を割ったので、水のことを「タマ」といったのだという。多摩川は玉川とも書かれている。」(※7)のだとか。
たしかに江戸の街には多摩川を水源として玉川上水を流れてきた水道が通されておりましたから、水のことを玉と表現するのも頷けます。
閑話休題。
昭和50年の自主基準では、この例に倣って、生一本は玉を利かせる前の状態のお酒、すなわち“原酒”でなければならないと定めたのでしょう。
ところが、これはお酒が樽で流通し、店頭でお酒を量り売りしていた時代の話。
買い手はいわゆる“大徳利”を持参して、酒屋が樽の封を解いて玉を利かせたお酒をそこに詰めてもらって持ち帰っていたわけです。
しかし、昭和後期にはお酒は樽よりも一升瓶を用いた流通が大勢を占めるようになり、それに伴って瓶詰め時に加水されて(多摩川の水ではないが、玉を利かされて)密封され、それを酒屋やスーパーなどの小売店が店頭で開封・加水することなく販売する形態に変わったわけです。
それ故、生一本を原酒に限るとする制約は時代に合わなくなり、後に純米酒であれば原酒ではなくてもよいものと変更したのだそうです。
この点について、文献には以下の記載がございました。
「 原酒といえば、、アルコール度数が十八、九度の濃い酒のことだ。一般の市販酒は、もろみをしぼったあと、飲みやすくするために加水し、十五度前後にするのが普通だが、これではほとんどの清酒製品が不適格になってしまう。今度は灘が怒った。ひるんだ中央会は規定をゆるめる。「原酒」という条件を「純米酒」という表現に改め、五十四年十月実施でケリがついた。」(※8)
3.“灘の生一本”から“生一本”へ
ところで、文献(※6)や、「なお,上記の表示基準(昭和50年制定の日本酒造中央組合中央会の自主基準:ブログ筆者追記)などが制限される以前は,「灘酒」が生一本の代名詞として呼ばれていた.」(※9)にあるとおり、生一本はもともと単独で用いられていた用語ではなく、
“灘の生一本”として用いられていたものでした。
しかし、昭和50年制定の自主基準では、生一本の基準として「灘の酒であること」という規制は課されませんでした。
それ故に、日本国内のどこの蔵元であっても、生一本の基準を満たせばそれを製品に表示することが可能となりました。
このことについて、文献には以下の記述がございました。
「 ところで灘が“自主規制”をやって間もなく、奇妙な現象が出てきた。東北や京都など各地の地酒に「生一本」と称するものが現れたのである。これまで、灘に“遠慮”していた他のメーカーが、堂々とラベルに刷り込みを始めたわけだ。自醸の純米酒だから文句はないが“聖域”と思っていた灘五郷には青天の霹靂だった。」(※10)
そういう訳で、“生一本”の用語は、“灘の”から解放されたと共に、“玉が利く原酒”という意味からも解放され、“単一の醸造場で製造された純米酒”であれば、全国のどこにある蔵元あっても名乗ることができるようになったのでした。
それ故に、このお酒も“駿河の生一本”を名乗っているのでしょう。
長らくの間、オイラの自己満足にお付き合いいただきましてありがとうございます。
それではいただきましょう。
まずはひや(常温)で試してみました。
上立ち香はなし。
でも含むと、フルーティーな香りを、ごくかすかではありますが感じます。
うまみは、うーん、
やや濃いめでしょう。
米のうまみは厚みはないものの、テーブルクロスのように舌の上にふわりと乗っかってくる感じがいたします。
酒臭さ(ほめ言葉;以下同じ)も少しあって、米のうまみとうまく両立しています。
苦みがあって、軽めではあるものの鋭さを感じます。
キレはまあまあかな。
酸味はひかえめ。
すっぱさはほとんどなし。
ピリもありませんけれど、けっこうなスース―!
甘みはひかえめ。
まったく感じません。
やや濃醇でちょい苦スース―旨辛口のおいしいお酒でした。
香りは含むとわかるものの、ごくかすかで味わいには影響しない程度でした。
米のうまみに厚みはないものの、酒臭さとともに両立していて飲み応えを感じました。
軽い苦みがあったものの突出してはおらず、むしろいい感じに味わいを引き締めてくれておりました。
キレはそれほとでもなかったですが、かなりスースーだったせいか気にはなりませんでした。
意外だったのは、かなり辛口だったこと。それ故にキリッと引き締まっておりました。
次に、燗で試してみましたよ。
米のうまみに幅が出て、前に出てまいりましたよ。
苦みは引いて、消えはしないものの気にはならなくなりました。
酒臭さも引きましたが、これは後味として残る程度に変化。
しかもキレがよくなって、スッと引くようになりました。
スースーはやわらいで程よくなりました。
甘みをまったく感じないのはひやと同じでした。
燗にすると、ちょい濃醇でちょい苦ちょいスースッキリ旨辛口のおいしいお酒になりました。
燗のほうが酒臭さが後ろに回り、米のうまみが前に出て来たせいか、クセなく飲みやすくなりました。
また燗のほうがキレがよく、後味はスッキリしておりました。
それでいて苦みやスースーが若干後退したので、角がとれた感じがいたしました。
ひや(常温)もうまいけれど、これはまちがいなく燗のほうが断然うまいね。
辛口でキリッと引き締まっているものの、飲み応えバッチリ。
なのにクセや角がなく、かつキレがよい。
特に、甘みがゼロで辛口だったところが印象的。
あたしゃ自分でもそう思うのですが、世間では辛口と評されているお酒であっても、少しでも甘みを感じると「やや甘口」だとか「ちょい甘口」だと断じがちなのです。
それは、今日いただいたこの“駿河の生一本 駿河酔”のように甘みがほぼゼロのお酒に出会うことがたまにあり、それを「辛口」と判断するが故に、それよりも少しでも甘さがあるお酒を辛口と評し得ないからなのです。
でもその判断は、今日このお酒をいただいたことで、正しいと確信いたしました。
その“駿河の生一本 駿河酔”と合わせた今日のエサはこちら。
酢の物を食べたかったので、きゅうりとちくわのごま酢和え。
これはいつもの味。
ですがきゅうりを普段の半分の大きさにしたことで、味のしみ具合が良くなったようでした。
スーパーで鶏むね肉を見つけ、ついつい連れて帰ってきてしまいました。
とりあえず両面に焼き目をつけて、
しょうゆ、酒、みりんで煮て、
しばらく放置して冷ますことで味をしみこませ、
煮鶏。
焼き目をつけたことで外側は香ばしく、中は鶏の味になりました
むね肉であるが故に若干パサパサ感はございましたが、煮汁に浸しながらいただくことで回避することができました。
でもね、肉よりも、その煮汁を吸ったねぎのほうがおいしい!
自分は肉よりも野菜のほうが好みだと、つくづくそう思ったのでした。
ごちそうさまでした。
(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)5(7)
(※2)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準2(4)ホ
(※3)日本酒造中央組合中央会『清酒の表示基準決定とその問題点』p.19(酒類食品統計月報 16巻7号 p.17-20 1974.9 日刊経済通信社)
(※4)(※1)5(4)
(※5)(※3)p.18
(※6)篠田次郎『日本酒ことば入門』p.57(2008.7 無明舎出版)
(※7)(※6)p.58
(※8)神戸新聞社会部編『生一本 灘五郷-人と酒と』p.16(1982.11 神戸新聞出版センター)
(※9)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.256(1997.10 灘酒研究会)
(※10)(※8)p.17
【お酒】2275.花の舞 純米吟醸(ICHI-GO-CAN)(185系電車:急行伊豆) [22.静岡県の酒]
製造所:花の舞酒造株式会社
静岡県浜松市浜北区宮口632
販売者:株式会社Agnavi
神奈川県茅ケ崎市本村2丁目2番18号
加工所:埼玉県比企郡小川町大字青山字木ノ下1581-1
品目:日本酒
●原材料名:米(静岡県産)、米こうじ(静岡県産米)
●精米歩合:60%
●アルコール分:15.5度
●内容量:180mL
(以上、ラベルより転記)
花の舞酒造さんのお酒は、かつて以下の物をいただいております。
花の舞 本醸造カップ
花の舞 純米吟醸 世界遺産富士山と共にカップ
花の舞 山田錦純米吟醸 300ml
花の舞 純米吟醸&吟醸酒 飲み比べ
花の舞 出世大名家康くんカップ
花の舞 純米酒 180ml
花の舞 純米吟醸 Light 300ml
純米吟醸 唐猫様 トンボ 花の舞酒造謹製 カップ
小田原 本醸造 カップ
【お酒】2044.花の舞 くらふとなま 純米生酒 180ml
今日いただくこのお酒は、どうやら純米吟醸のようです。
造っているのは花の舞酒造さんですが、製造者と充填者とが異なる“ICHI-GO-CAN”なる商品でした。
缶のデザインは、国鉄185系電車の“急行 伊豆”号。
数年前まで、東京から伊豆方面へ向かう“特急 踊り子”号に使用されていた電車ですね。
でも、花の舞酒造さんって浜松にあるから・・・、(自粛)。
特急踊り子号の登場は、1981(昭和56)年10月。
それ以前は、東京から伊豆方面へ向かう優等列車は、“特急あまぎ”と“急行伊豆”との二本立てでした。
晩年の特急あまぎには183系特急型電車が、そして急行伊豆には主に153系急行型電車が、それぞれ充当されていたようです。
185系電車の登場は、1981(昭和56)年初~中旬であったと記憶しております。
そして特急踊り子号が登場するダイヤ改正の数か月前からは、185系は急行伊豆号へ153系と共に充当されていたのです。
しかもその当時の急行伊豆号では、185系と153系との併結もあったらしい。
有名なところでは、185系主編成(10両)が153系付属編成(5両)を従えて根府川橋梁を渡る写真があり、鉄道の書籍・雑誌で目にしたことがおありの諸兄もいらっしゃると思います。
185系電車製造の主たる目的は、153系急行型電車の置き換え。
急行型電車である153系を特急型電車の185系で置き換えるという、これだけを聞くとそもそも理屈に合わないような策だと思います。
しかし1980年代には急行列車の設定自体が全国的に減少傾向にあり、ダイヤ改正の度に廃止され、あるいは特急列車へ格上げがなされていたのでした。
その傾向は急行列車の消滅をもたらし、現在のJRには定期運行で走る急行列車の設定は皆無となってしまいました。
平成生まれの若者たちや令和生まれの子どもたちは、“急行”は運賃(通常料金)だけで乗れるちょっとだけ速い私鉄の電車のことだと思っていて、“急行券”とか“急行料金”なんて言葉はきっと知らないことでしょう。
話が長くなってしまいました。
それではいただきましょう。
純米吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
盃に注ぐと、フルーティーな香りがふわりと漂ってまいりました。
含むとそれが口の中で広がり、かつアルコール香と、微量のセメダイン臭とを伴うようです。
うまみはやや淡め。
米のうまみは厚みはないものの、舌の上を覆うように乗っかります。
苦みや雑味はゼロ。酒臭さも熟成感もありません。
キレはよく、透明感がはっきりしております。
酸味はややはっきり。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを感じます。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みは・・・、ややはっきり、
否、ちょいはっきりでしょう。
幅を少し感じるものの、べとつかずかなりさらりとしています。
芳香やや淡麗でちょいすっぱちょいスースッキリちょい甘口のおいしいお酒でした。
まず最初に香りを感じ、フルーティーな香りと共にアルコール香、そしてセメダイン臭をちょっとだけ感じました。
でも決してしつこくはなく、残留するようなことはありませんでした。
純米なのに透明感がバッチリでしたが、この透明感は花の舞シリーズに共通するのではないでしょうか?
酸味が程よく効いて、味を引き締めているように感じました。
甘みは、甘辛判定し難いほどの程度でした。
これは冷やして飲んで正解でしょう。
でも、もしこれを燗にしたら、はたしてどのような風味になることやら?
【お酒】2274.忠正(ちゅうまさ) 本醸造 カップ [22.静岡県の酒]
製造者 株式会社駿河酒造場
静岡市駿河区西脇25-1
品目 清酒
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
精米歩合 65%
アルコール分15度以上16度未満
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
2015年2月24日以来の“忠正(チュウマサ)”カップ。
【お酒】483.忠正(ちゅうまさ) 本醸造 カップ
前回とはラベルのデザインが変わっていたので、当方が独自に定めたルールに基づいて別カウントとさせていただきます。
ですが、品質表示は前回と同じでした。
話のネタがないことから、さっそくいただきましょう。
本醸造ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いておりました。
燗を付けると、酒臭い(ほめ言葉、以下同じ)香りがふわりと漂ってまいりました。
含むとそれとともにアルコール香もはっきりしております。
うまみはやや淡めでしょう。
酒臭さがほんのりと効いていて、熟成感もちょっと感じます。
米のうまみは弱めで、パッと散る感じがいたします。
苦みがあって、軽めではあるものの鋭さを少し感じます。
キレはとてもよく、透明感も少し感じます。
酸味はひかえめ。
すっぱさはほとんどなし。
ちょいスーですけれど、ピリはなし。
甘みは・・・・、難しいところですが・・・・、ややひかえめ!
弱めではあるものの、その存在はわかります。
やや淡麗でちょい枯ちょい苦ちょいスーすっきり旨やや辛口の、とてもおいしいお酒でした。
米のうまみは弱いものの、酒臭さが程よく効いており、それにちょい枯の熟成感が続くので、けっしてペラペラではありませんでした。
ちょいスーでアルコール香もありましたが、それらがいい感じに軽快さとキレのよさとを出してくれているようでした。
酒臭さと熟成感と苦みとのバランスが絶妙で、かつアル添の働きが絶佳としか申せません!
うまいね!
アル添酒支持者(オイラ以外にいるのかな?)にはたまらん味わいでしょう。
っていうか、こういう味わいのお酒、ひさびさでうれしいわ!
しかもこれは海の酒、刺身に合わせたらきっと最高でしょうね。
【お酒】2044.花の舞 くらふとなま 純米生酒 180ml [22.静岡県の酒]
製造者:花の舞酒造株式会社
静岡県浜松市浜北区宮口632
加工所:モンデ酒造株式会社
山梨県笛吹市石和町市部467
原材料名:米(静岡県産),米こうじ(静岡県産米)
精米歩合:60%
アルコール分:14.5度
内容量:180ml
保存方法:直射日光を避け、冷暗所に保管
(以上、ラベルより転記)
花の舞酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
花の舞 本醸造カップ
花の舞 純米吟醸 世界遺産富士山と共にカップ
花の舞 山田錦純米吟醸 300ml
花の舞 純米吟醸&吟醸酒 飲み比べ
花の舞 出世大名家康くんカップ
花の舞 純米酒 180ml
花の舞 純米吟醸 Light 300ml
純米吟醸 唐猫様 トンボ 花の舞酒造謹製 カップ
小田原 本醸造 カップ
今日いただくこのお酒は、“くらふとなま”なる純米生酒なんだってさ。
生酒なのに、“要冷蔵”じゃないのね。
それどころか「保存方法:直射日光を避け、冷暗所に保管」だってさ。
生酒、すなわち「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒には、保存若しくは飲用上の注意事項を表示する。」(※1)とされています。
ここで言う“保存若しくは飲用上の注意事項”は、「「要冷蔵」、「冷蔵庫に保管して下さい。」、「冷やしてお早めにお飲みください。」等の消費者及び流通業者の注意を喚起するための表示をいう。」(※2)と定められておりますから、必ずしも要冷蔵ではなくてもよく、冷蔵しなくても品質に変化がない場合は適宜他の表示をすればよいのでしょうね。
このお酒には「保存方法:直射日光を避け、冷暗所に保管」とありましたが、これはきっと活性や品質の変化を抑制する手段(限外ろ過や窒素ガス・炭酸ガスの充填など)を施しているが故の保存方法なのでしょう。
それではいただきます。
生酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、かすかに着いていることがわかりました。
上立ち香はないですね。
含むとフレッシュな風味を少し感じます。
うまみはやや濃いめです。
米のうまみに厚みがあって、舌の上に乗っかって来ます。
軽い苦みがありますね。
熟成感はなく、酒臭さも感じません。
キレはよいですね。
酸味はややはっきり。
すっぱさが少し強めで少し鋭いですね。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。
あまみは、うーん?
ややひかえめかな。
けっしてべとつかず、かなりさらりしておりますが、幅を少し感じます。
ちょい爽快のやや濃醇でちょい苦ちょいすっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
フレッシュな風味がありましたが、しつこくなくていい感じでした。
また米のうまみしっかりで、飲み応えがありました。
ちょい苦ちょいすっぱでしたが、それらがいい感じに引き締めているようでした。
やや辛口と評しましたが、甘みの存在はわかりました。
うまいね!
花の舞らしい透明感はなかったものの、おいしいお酒でした。
(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)3(3)
(※2)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準 2(3)ハ
【お酒】1986.小田原 本醸造 カップ [22.静岡県の酒]
製造者 花の舞酒造株式会社
静岡県浜松市浜北区宮口632
原材料名 米(静岡県産)、米こうじ(静岡県産米)、醸造アルコール
アルコール分 15.5度
精米歩合 60%
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
小田急電鉄新宿駅の改札内にあった売店で見つけたこのお酒。
造っていたのは、花の舞酒造さん(静岡県浜松市浜北区)でした。
花の舞酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
花の舞 本醸造カップ
花の舞 純米吟醸 世界遺産富士山と共にカップ
花の舞 山田錦純米吟醸 300ml
花の舞 純米吟醸&吟醸酒 飲み比べ
花の舞 出世大名家康くんカップ
花の舞 純米酒 180ml
花の舞 純米吟醸 Light 300ml
純米吟醸 唐猫様 トンボ 花の舞酒造謹製 カップ
今日いただくこのお酒は、精米歩合60%の本醸造でした。
それにしても小田急さん、静岡県のお酒を駅売店で販売するようになっちゃったのね。
あたしゃ小田急のカップ酒と言えば、新松田駅の売店で入手した“266.オダキュー 天下の険 上撰 カップ(ワンカップ大関上撰)”や、ロマンスカーの車内販売で入手した“953.残草蓬莱 純米酒 カップ”を思い出しますよ。
酔っぱらいの思い出なんかどうでもいいことでしょうから、さっさといただいてみたいと思います。
本醸造ですけれど、冷やして販売されておりましたし、それに今日も暑かったですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
鼻を近づけると、フレッシュな風味をかすかに感じます。
一口含むと、弱めながらにもそれが広がります。
うまみは淡めですが、しっかりしています。
米のうまみがうっすらなのに、舌の上に乗っかってくることがよくわかります。
熟成感はなく、酒臭さも感じません。
苦みがあって、強くはないものの鋭さを感じます。
キレはよく、スッと引いて行きますよ。
酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めですが、鋭さが少しだけあるかな?
ただちょいスーで、ちょいピリです。
甘みはややはっきりです。
べとつかず、さらりしているものの、幅を感じます。
ちょい爽快の淡麗ちょい苦ちょいスーちょいピリスッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
フレッシュさがほんのりでしたが、生貯(生貯蔵酒)なのか?、それともしぼりたて(熟成させていないお酒)なのでしょうか?
淡麗でしたが、淡めなりにうまみしっかりで飲み応えがありました。
それでいてスッキリでキレよく、花の舞らしいキレイなあじわいでした。
ちょい苦ちょいスーちょいピリでしたが、それらも突出することなくいい感じに味わいを引き締めているようでした。
甘みはしつこくなくて程よく感じました。
やっぱりうまいね。
花の舞はキレイな味わいが特徴だとあたしゃ勝手にそう思っておりますが、このお酒もやはりそうでした。
これは冷やしていただいたほうがおいしいのではないでしょうか?
【お酒】1959.正雪 純米大吟醸雄町 150ml [22.静岡県の酒]
製造者 株式会社神沢川酒造場
静岡県静岡市清水区由比181
アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
雄町100%使用
精米歩合45%
内容量150ml
(以上、ラベルより転記)
こちらひさびさの、神沢川酒造場さんの“正雪”。
その名はもちろん「由井正雪(一六〇五~五一)は、この地の農業兼紺屋の子。彼を偲んで酒名とした。」(※1)とあるとおり、読んで字の如し。
その正雪は、これまでに以下のものをいただいております。
429.正雪 純米吟醸 カップ
474.正雪 日本酒カップ
741.正雪 上撰 日本酒カップ
1366.正雪 辛口純米 誉富士 カップ
JR静岡駅の新幹線改札内にある売店で見つけたこのお酒。
酒造好適米“雄町(おまち)”を100%使用した純米大吟醸でした。
純米大吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、わずかに茶色がかっておりました。
大吟醸ですが、上立ち香はないですね。
含んでもゼロですよ。
うまみはやや淡めでしょうけれど、しっかりしています。
米のうまみが広がるものの、厚みがなくて透明感がありますね。
ちょっと枯れているようですが、角や粗さは感じません。
渋みがあって、強くはないものの鋭さがあります。
純米ですが、キレはよいですね。
酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは、これも強くはないものの鋭さを感じます。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。
甘みはひかえめでしょう。
存在はわかるものの、かなり弱めです。
やや淡麗でちょい枯ちょい渋ちょいすっぱ旨辛口のおいしいお酒でした。
大吟醸なのに香りがないので、食事と合わせやすいでしょう。
キレがよくて透明感のあるうまみは、雄町らしさでしょうか?
香りがなくてやや淡めの味わいなので、お酒だけを楽しむにはいささか物足りないかもしれません。
でも、このキレのよさに、ちょい枯ちょい渋ちょいすっぱの風味が、魚料理と合わせることでうまく働いてくれました。
私はいつものさば缶と合わせましたが、いい感じでした。
(※1)高橋清隆『新・静岡県の地酒 名酒蔵めぐり』p.77(1996.7 静岡新聞社)
【お酒】1665.白隠正宗 誉富士純米酒 カップ [22.静岡県の酒]
髙嶋酒造株式会社
静岡県沼津市原354-1
原材料名 米・米麹
精米歩合60%
アルコール分 15度以上16度未満
全量静岡県産誉富士使用
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
髙嶋酒造さんのお酒は、かつて白隠正宗 辛口純米 300mlをいただいております。
「え?、白隠正宗にカップ酒があるのか!」、と驚きの諸兄もいらっしゃることでしょう。
しかしこれは、東京は中野区にある味ノマチダヤにて入手したものでした。
察するに、味ノマチダヤさんが企画したオリジナル商品ではないでしょうか?
このカップ酒は、静岡県が誇る酒造好適米“誉富士”を全量使用した純米酒なんだってさ。
品質表示の他に、“こだわり”も書いてありましたよ。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は少し着いている程度で、透き通っておりました。
香りはないですね。
うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
最初に熟成感が来て、少し枯れていて角も少し感じます。
米のうまみはうっすらです。
渋みが少しあって、弱めですが鋭いですね。
純米なのにキレはよく、透明感すら感じます。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさはどちらかというと弱めですが、これにも鋭さを感じます。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。
甘みはひかえめ、いや、ややひかえめでしょうか。
かすかに感じる程度ですが、不思議とべとつきます。
枯れていて、ちょい渋ちょいすっぱやや辛口のお酒でした。
熟成感が最初に来て、その後に渋みと酸味とが追随するように感じました。
熟成感や渋み、そして酸味と、いずれの味の要素にも鋭さがあって、燗が冷めるにつれてそれらが目立ってくるようでした。
米のうまみはうっすらというかペラペラで、純米なのに透明感すら感じたのは、誉富士の性質によるものでしょうか?
私としては、うまみ自体に深みやコクがほしいところでした。