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【お酒】1123.伊勢詣 純米吟醸 淡麗 アルミ缶 [24.三重県の酒]

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販売元-岡七酒店
三重県伊勢市宇治中之切町4

蔵元-若戎酒造株式会社
三重県伊賀市阿保1317

原材料名/米(国産)米こうじ(国産米)
精米歩合/60%
アルコール分/16度
内容量/180ml
(以上、ラベルより転記)




若戎酒造さんのお酒は、これまでに若戎の吟醸酒わかえびすカップと、若戎の純米吟醸義左衛門カップ(アルミ缶)、そして若戎忍者純米酒辛口カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は伊勢神宮内宮の近くにあるおはらい町にあった酒屋さんで入手したものですが、どうやらその酒屋さんが企画したお酒のようですね。
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純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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吟醸香は、ほとんどわからない程度でした。

うまみはやや濃いめです。
お米のうまみがしっかりしていて、酒臭さ(←ほめ言葉です)も少しあるみたいです。
熟成感もちょっとだけあるかも。
それでいて苦みや雑味がなく、しかも透明感を感じます。
ですが、キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さをちょっと感じます。
さわやかさも少しだけあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
かなりさらっとした甘みです。


うまみがしっかりしているものの、雑味がなくてきれいな、やや濃醇で旨口のおいしいお酒でした。
まさに吟味して製造した清酒であることがよくわかるお酒でした。
淡麗と銘打たれていましたが、けっして淡くはないので、雑味がなくてきれいなところを淡麗とアピールしているのかもしれません。
吟醸香が少ないので、食事とも合わせやすいと感じました。

【お酒】964.若戎 忍者 純米酒 辛口 カップ [24.三重県の酒]

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若戎酒造株式会社
三重県伊賀市阿保1317

原材料名/米(国産)米こうじ(国産米)
精米歩合/60%
アルコール分/15度
内容量/180ml
(以上、ラベルより転記)




若戎酒造さんのお酒は、かつて吟醸酒のわかえびすカップと、純米吟醸酒の義左衛門アルミ缶とをいただいております。
今日いただくこのお酒は、伊賀の蔵元さんだからでしょうか、“忍者”と銘打たれた純米酒です。


純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少しはっきりしておりました。
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うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
これは醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがかなりしっかりしていますね。
軽い苦みもほんのわずかにあるみたいですが、気にはなりません。
それでいてキレがとてもよく、うまみが口の中でパッと広がってスッと引いていくような感じです。

酸味はけっこうはっきりしています。
すっぱさが強めで、しかも鋭さを感じます。
これが耳の下辺りを軽く突いてくるようです。
でも、ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとつかない、さらっとした甘みです。
でも、甘みはすっぱさの裏に隠れているようです。


醸し出された酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみと鋭い酸味との、やや濃醇ですっぱ口のおいしいお酒でした。
酸味が少し気になるものの、この豊かな酒臭い(←くどいようですが、ほめ言葉です)うまみは、私の好きな味でした。
大阪の初かすみ酒房さんでいただくことができる初霞や、徳島の“居酒屋”さんでいただいた旭若松のうまみに似ているかもしれません。

【お酒】815.宮の雪 お燗瓶 [24.三重県の酒]

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株式会社宮﨑本店
三重県四日市市楠町南五味塚972
(以上、瓶の印刷事項より転記)
正180ml

原材料名・米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15度
(以上、王冠より転記)




宮﨑本店さんの宮の雪は、かつて普通酒の特選マイペット(カップ酒)と、本醸造の極上とをいただいております。
今日いただくこのお酒は普通酒ですので、中身はおそらく特撰マイペットと同じでしょう。


このお燗瓶は、四日市市内のスーパーで入手しました。
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お燗瓶は業務用の商品でしょうから、市販を目的とした一部の例外(黒松剣菱など)を除いて、一般に広く流通することは少ないと思います。
ですが、私の経験からすると、蔵元さんの地元にある商店や、あるいは飲食店へお酒を納品している酒屋さんなどに行くと、めずらしいものに出会うことがときどきあるみたいです。


ということで、そろそろいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色でした。
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ああ、この味わいは覚えがあります。
淡麗で、ピリッとしていて、やや甘口の味わいは、まさに特選マイペットと同じでしょう。

【お酒】650.伊勢正宗 カップ [24.三重県の酒]

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丸彦酒造株式会社
三重県四日市市川島町1863-2

アルコール分 15度
原料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール
180ml
(以上、裏のラベルより転記)




丸彦酒造さんのお酒は、かつて吟醸“三重の寒梅”カップをいただいております。
品質表示から判断するに、今日いただくこのお酒は普通酒です。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、それほどはっきりしてはいないみたいです。
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うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じます。
苦みや雑味は感じませんでした。

酸味はややはっきりしています。
最初はさわやかさを感じましたが、いただいているうちにすっぱさが少しずつ出てきました。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みもややはっきりしています。
ですが、決して前に出てこない、目立たない甘みです。
さらっとしていて、べとついた感じはないですね。


味のバランスがよい、やや濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
飲みごたえはあるものの、味に突出した部分がなくてバランスがよいせいか、比較的飲みやすく仕上がっていると思います。
普通酒にしては、なかなかいけるのではないでしょうか。

【お酒】460.吟醸 三重の寒梅 カップ [24.三重県の酒]

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丸彦酒造株式会社
三重県四日市市川島町1863-2

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)



“・・寒梅”という名が付けられたお酒は、三重にもありました。

でも、お酒の名前に関して言えば、これは決してめずらしいことではないと思います。
要するに、“・・正宗”や、”・・男山”と同じことでしょう。
これらとは歴史の長さがちがうとは思いますが、現代においては、“寒梅”も、正宗や男山のような全国的な酒名の一つになったのかもしれません。

しかし、正宗や男山が流行った頃と現代とでは、いささか事情が異なるのではないでしょうか。
どこの蔵元さんなのかは知りませんが、“・・寒梅”の名が広まるためには、最初に“・・寒梅”と付けた蔵元さんが異議を唱えないことが必要となることでしょう。
もっとも、このお酒のラベルを見ると、“登録商標”と書かれていますので、この点はクリアしたのかもしれませんね。
どうなっているのかちゃんと調べろよ!
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と、ここまで書いて、ネットで検索してみたところ、どうもそれらしい判例がありましたよ。
要するに、“(地名)+寒梅”は、それぞれが別々のお酒だと認識できるからOK、ってことだと思います。

日本酒について、取引者、需要者の間において、その産地と結び付けた表現が日常頻繁に用いられていることは公知の事実であり、当該地名は産地を表しているものと認識され、その地名に着目することから、地名の部分も自他商品の識別機能を果たしているものといえる。
 現実にも、日本酒においては、「地名プラス語句」の商標が多数使用されており、「地名プラス寒梅」をみても、「越乃寒梅」、「飛騨の寒梅」、「宮寒梅」、「京の寒梅」、「周防寒梅」、「豊の寒梅」、「三重の寒梅」等多数の標章が存在しており、このうち、「越乃寒梅」(新潟県・石本酒造株式会社)が圧倒的に著名であることは、周知の事実である。
したがって、日本酒の名称に地名が含まれている場合に、その取引者・需要者は、通常、その地名が当該日本酒の産地名を表示しているものと認識し、かつ、その地名に着目するものと推認できるのであるから、その地名部分は、取引者・需要者の注意を惹く部分として要部となり得るものであり、かつ、他の部分(地名部分が要部となるからといって、他の部分が要部とならないものではないことはいうまでもない。)と相俟って自他商品識別機能を果たし得るものと認めることができる。
これらのことからすると、本件商標は、「筑後の」の文字部分を含んでその全体が自他商品識別機能を果たしているものと認められるから、その全体によって外観の観察を行うべきであり、また、その全体の構成に応じて「チクゴノカンバイ」との称呼を生じ、さらに、その全体の構成に応じて、「筑後において寒中に咲く梅」との観念を生じるものと認められ」る。(※1)


【追記】:こののち、埼玉にある元祖“寒梅”をいただいた際に、“〇〇寒梅”の商標について上記判例を用いて少し分析しております。

あー目が疲れた疲れた。
それでは、そろそろ三重の寒梅をいただいてみたいと思います。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。


吟醸香はしませんね。

うまみは淡めですが、けっこうしっかりしています。
お米のうまみを感じとることができます。
それに、苦みや雑味はありません。

酸味はほとんど感じません。
少しさわやかさを感じる程度です。
当然ながら、刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめですが、はっきりしています。
これがお酒の味にコクを添えているようです。


お米のうまみに、甘みがコクを添える、やや淡麗で旨口のおいしいお酒でした。
雑味がまったくなく、しかも酸味をほとんど感じないので、淡めのうまみが際立っています。
これだけうまみがはっきりしていて、しかもきれいな味わいであれば、もはや吟醸香なんて不要でしょう。
“吟醸”を名乗るにふさわしい、吟味して造られたことがよくわかるおいしいお酒だと思います。


(※1)平成11(行ケ)240審決取消請求事件( 東京高等裁判所平成12年1月26日判決)(裁判所Websiteより)

【お酒】453.上撰 五十鈴川 カップ [24.三重県の酒]

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元坂酒造株式会社
三重県多気郡大台町柳原346ノ2

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米・米麹・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
(米の産地表示なし)



今日いただくこのお酒は、白鷹の神宮御料酒カップと共に入手したお酒です。


伊勢神宮内宮の近くに、“おはらい町”という、おみやげ屋などが立ち並ぶ商店街があります。
そこに白鷹の特約店があって、神宮御料酒などを販売しているのです。
それ故、ここへ行けばきっと御料酒のカップ酒を入手することができるだろうと思い、近鉄電車に乗って最寄りの五十鈴川駅まで行ったのでした。

ところが、行った日が悪かった。
その日は正月一日でした。
そんな日に伊勢神宮へ行ったら、初詣客で大混雑なのはアタリマエのことです罠。
当然ながら、五十鈴川駅の駅前は、神宮へ向かうバスを待つ人で長蛇の列でした。
人ごみが大嫌いな私は、その列を見ただけで辟易し、おはらい町へ行く気が失せてしまいました。

ですが、ここまで来て、このまま引き下がるわけにはいきません。
実は、五十鈴川駅の近くにはイオンがあることを調査済みだったわけです。
それ故、おはらい町へと向かう善男善女たちをかき分けて、罰当たりな私はただ一人イオンへと向かったのです。

イオンに着いて酒売り場を物色したところ、なんと、ここにもお目当ての神宮御料酒カップが鎮座ましましているではありませんか!
あきらめかけたお酒に、はからずも出会うことができたのです。
これはきっと「今年もじゃんじゃん飲みたまえ」という神のお告げに違いありません。
私は、その御料酒カップとともに、そこにあったカップ酒数種類を購入し、帰路に着いたのでした。

その時に、御料酒カップと共に入手したお酒のうちの一つが、今日いただくこのカップ酒でした。
ネタが無いからって、どうでもいいことを長々と書きやがって!


“五十鈴川”は、伊勢神宮内宮の神域を流れる神聖な川です。
参道の途中には、この五十鈴川の流れで身を清めるための御手洗場が設けられています。

ということは、五十鈴川をその名にいただくこのお酒を飲めば、きっと身も心も清められることでしょう。
神宮にお参りせずにイオンへ逃げた奴には、ご利益はないと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。


最初に甘みを感じました。
けっこうはっきりしていますが、べとつかないさらっとした甘みです。

うまみは淡めです。
酒臭さはなくて、むしろやわらかいうまみを感じます。
ほんの少し苦みも感じます。

酸味は少しはっきりしています。
さわやかで、ほんの少しだけピリッと感じますが、気にはなりません。


さらっとした甘みに、弱めの苦みと酸味とがよく合っている、淡麗やや甘口のおいしいお酒でした。
甘みがさらっとしているので、酸味がそれほど強くはなくてもクドさを感じません。
五十鈴川の流れのように清らかなお酒でした。
五十鈴川の流れすら見ていないくせに。

【お酒】440.宮の雪 本醸造 極上 270ml [24.三重県の酒]

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株式会社宮﨑本店
三重県四日市市楠町南五味塚972

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 麹米60%・掛米65%
アルコール分 15度以上16度未満
270ml詰
(以上、ラベルより転記)



キンミヤ焼酎でおなじみの宮﨑本店さんのお酒は、かつて普通酒の宮の雪 特選マイペットカップをいただいております。
今日いただくこのお酒は本醸造です。

それにしても、普通酒に“特選”、そして本醸造に“極上”なんて立派な名前をつけたら、吟醸酒に付ける名前がなくなってしまうのではないかと思うのは、私だけでしょうか?
まちがいなくオマエだけだよ!


このお酒ですが、容量が270mlとのこと。
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一合瓶(180ml)や3デシ瓶(300ml)のお酒はよく見ますが、270ml瓶に出会ったのははじめてでした。
しかし、よく考えたら、270mlって一合半ですね。
切りがよいのはたしかですが、既製の3デシ瓶を使わずにあえて一合半の瓶を発注するのは、いささか費用がかさんでしまうのではないでしょうか。


そんなどうでもいいことばかりを考えていては、お酒の味がまずくなってしまいます。
この一合半瓶にはおいしいお酒が詰められていることを期待しつつ、本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。


うまみは淡めです。
酒臭さはなくて、むしろやわらかいうまみです。
やや苦みが気になるところです。

酸味は強めです。
すっぱさはひかえめですが、けっこうピリッと感じます。

甘みはなかなかはっきりしています。
でも、クドくはなくて、さらっとした甘みです。


ピリッとした酸味と、苦みを伴ううまみとの、淡麗甘辛口のお酒でした。
苦みとピリとが気になるところですが、もしかしてこれが三重の海産物の味によく合うのかもしれません。
地酒はやはり、その土地の食べ物に合わせてこそ、その味が発揮されるのでしょう。

【お酒】265.るみ子の酒 純米酒 るみかっぷ [24.三重県の酒]

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合名会社森喜酒造場
三重県伊賀市千歳41-2

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


今日、平塚の酒屋さんで買ったばかりのお酒です。

このお酒ですが、6月製造の新鮮なお酒だと思って買ったら、実は去年の6月製造でした。
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でも、酒屋さんでは、このお酒は冷蔵庫で保管されていました。
しかも、劣化防止のためか、冷蔵庫に蛍光灯を入れていなかったのです。
そもそもるみ子の酒は、「最低一年は酒を寝かしてから出荷している。」そうですので(※1)、おまけでもう一年余計に寝かせたものと前向きに考えたいと思います。


森喜酒造場さんは、かつて探偵!ナイトスクープで活性生原酒が紹介されて話題になりました。
しかし、決してバラエティー番組に出るようないい加減な造り酒屋さんではないようです。

森喜酒造場さんは、神亀酒造のオーナーの指導を受け、「奇をてらうのではなく、原則を守る。押さえるべきところは、きちっと押さえる。」という考え方の下で(※2)、純米酒のみを醸造しているようです。
先ほど、「最低一年は酒を寝かしてから出荷している。」と紹介しましたが、これもきっと神亀さんの影響によるものでしょう。


このお酒のラベルは、『夏子の酒』の原作者である尾瀬あきらさんが書いたそうです。
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森喜酒造場さんの跡取りであった森喜るみ子さんが蔵を引き継いだときに、『夏子の酒』を読んで感銘を受け、その気持ちを手紙にしたためて尾瀬あきらさんへ送って以来、親交があるようです。
その後、るみ子の酒を完成させたときには、尾瀬さんは「無料でラベルの絵を描いてくれた」そうです(※3)。


そんなるみ子の酒を、今日もぬる燗でいただきます。


一口いただくと、酸味を感じます。
そんなに強くはありませんが、はっきりしています。
ヨーグルトの上澄みのようなすっぱさだと思います。
しかし、刺激やピリピリ感はまったくありません。

うまみはしっかりしてます。
濃厚ではないものの、深みというか、厚みを感じます。
酒臭さは思っていたほど感じません。
クセのないうまみです。
わずかに香ばしい風味を感じますが、これは熟成(1年+1年)による風味でしょうか。

甘みはわずかに感じます。
自然な感じの甘さです。
お酒の味にコクを出しています。


しっかりした酸味と、深みのあるうまみとを、自然な甘さが支えている、やや濃醇でやや辛口のおいしいお酒でした。
酸味がしっかりしているものの、刺激やピリピリ感がないのは、丁寧に造ってあることの証拠だと思います。
それに、1年前に製造されたお酒でしたが、古さは感じませんでした。
これはきっと、このお酒が丁寧に造ってあることと、酒屋さんの保管状態がよかったこととのおかげでしょう。


(※1)古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒』p.101-102(2005.6 光文社新書)
(※2)同p.99
(※3)同p.100


☆★☆★☆★☆★☆★
2017/04/06
また飲んでみました。

【お酒】197.若戎 純米吟醸 義左衛門 カップ [24.三重県の酒]

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若戎酒造株式会社
三重県伊賀市阿保1317

原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合/60%
アルコール分/15度
内容量/180ml
(以上、缶の印刷事項より転記)


若戎酒造さんのお酒は、おとといに、吟醸酒のわかえびすカップをいただいております。

今日いただくこのお酒は、純米吟醸酒です。
吟醸酒と純米吟醸酒との違いは、お酒を搾る前に、醪タンクの中へ醸造アルコールを添加するかしないかにあります。
醸造アルコールの添加については、この記事の最後にまとめてありますので、ご覧下さい。

純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしてからいただきます。


口に含むと、吟醸香を感じます。
そんなにクドくはなくて、ちょうどよい感じです。

うまみはやや濃いめです。
お米本来の味でしょうか、吟醸酒らしい、やわらかいうまみがします。
そして、わずかに苦味を感じます。

酸味は弱めですが、はっきりしています。
スッキリしたさわやかな酸味です。
刺激やピリピリ感はまったくありません。

甘みはひかえめです。
その分、酸味のスッキリ感が際立っています。


やわらかいうまみと、さわやかな酸味とが特徴の、やや濃醇で辛口のおいしいお酒でした。




☆★醸造アルコールの添加について☆★

(1)醸造アルコールとは

醸造アルコールとは、「でんぷん質を糖化したものや、廃糖蜜(サトウキビやテンサイなどの糖蜜から砂糖を結晶させた後に残る液)を発酵させた後に蒸留して作られる九五%のエチルアルコール」(※1)です。
(ですので、決して石油などから合成したものではありません。)
これは、チューハイなどに使う焼酎甲類と同じものです。
「九五%のエチルアルコール」とありますが、残りの5%は水で、アルコールの質としては純度99.9%の混じりけのないものです。


(2)なぜ、醸造アルコールを添加するのか

その理由については、添加によって「酒質全体から見ると、軽快な風味になり、市場での保存性にも効果が期待できる」といわれています(※2)。
また、特に吟醸酒の場合はこれだけではなく、「もろみの中の芳香物質は、酒を搾ったときに大部分が酒粕に残ってしまうのですが、アルコールはそれを酒のほうに戻してくれる。」という効果を期待して添加されるようです(※3)。

一方で、醸造アルコールの添加は「戦中戦後の緊急避難策(米不足の時代の酒量増加策)としての流れを汲んでいるのは明々白々な事実」であって、また「戦後アル添が続けられてきた目的は、専らコスト削減であった。」として、これに批判的な見解もあるようです(※4)。


(3)どのくらい添加されているのか

今日では、特定名称酒の醸造アルコールの添加量には「当該アルコールの重量(アルコール分95度換算の重量による。)が、白米の重量の10%を超えない」こととする上限があります(※5)。
ある文献では、この量すべてを醪に添加すると、「清酒として約二五%増量する計算になる」と紹介しています(※6)。

しかし、別の文献には「特定名称酒の醸造アルコール添加量の制限は上限であり、実際にはその半分以下であることが多いという。増量ではなく、あくまでも酒質を高めることが目的だからである。」と紹介する記述もあります(※7)。

上限いっぱいの添加で25%の増量に、そしてその半分で12.5%の増量になるわけです。
はたして、これが増量策として有効な結果であると言えるのでしょうか。
これは私の感覚ですが、この程度の増量で、醸造アルコールを購入した費用を差し引いてもあり余るような利益が出るのでしょうか。

なお、普通酒には、上記の上限量は適用されません。
しかし、「米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十」を超えて添加してしまうと、そのお酒はもはや清酒を名乗ることができなくなってしまいます(※8)。


(3)添加する/しない、どっちがいいのか

結論から言うと、私はどちらも認めてよいと思います。

今日では、(糖類添加はともかく、)醸造アルコールの添加は増量策ではなくて、酒造りの一技法として確立していると思います。
その上で、お酒を選ぶ際には、「アルコールを添加しているからダメ/添加していないからよい」という基準で選ぶのではなくて、実際にそのお酒を飲んでみてから、それがおいしいかどうかを判断すべきではないでしょうか。
そういったお酒選びをするためには、カップ酒や一合瓶、そして300ml瓶こそ、最適の試飲手段だと思います。

その際、「アルコールを添加したからこんなに軽快で、香りが豊かなのかな?」とか、「添加していないからこんなに濃厚なのかな?」というように、アルコール添加の有無を情報の一つとして考慮してみるのも、お酒の飲み方として面白いはずです。



(※1)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.112(2000.4 柴田書店)
(※2)秋山裕一『日本酒』p.186-187(1994.4 岩波新書)
(※3)大内弘造『なるほど!吟醸酒造り-杜氏さんと話す』p.38(2000.10 技報堂出版)
(※4)上原浩『純米酒を極める』p.41(2011.1 光文社知恵の森文庫)
(※5)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1(5)
(※6)(※2)p.186
(※7)(※1)p.113
(※8)酒税法3条7号ロ

【お酒】195.若戎 吟醸酒 わかえびす カップ [24.三重県の酒]

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若戎酒造株式会社
三重県伊賀市阿保1317

原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合/60%
アルコール分/15度
内容量/180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)


このお酒は、宇治山田駅の近くのコンビニで入手しました。

そのコンビニには、三重のカップ酒が数種類置いてありました。
場所柄、観光客がものめずらしさに買っていくことを目当てにしているのでしょう。
オマエなんか観光しないくせに買ってんじゃねぇか。

狙いがどうであれ、地元のカップ酒を並べているコンビニが近くにあるのはうらやましいことです。
その点、私の近所のコンビニときたら、ありきたりな大手のカップ酒ばかり。
ワンカップ大関の上撰(←これはけっこうおいしい。)はともかく、あとはただ安いだけがとりえのお酒がならんでいるだけ。
でも、住宅地のコンビニじゃ、地元のカップ酒を置いても、あまり売れないでしょうね。
どうせ買うのはオマエだけだろ。


今日は、コンビニで入手したこの吟醸酒をいただきます。
吟醸酒ですので、あらかじめ冷蔵庫で冷やしておきました。


吟醸香は、かすかに感じるか感じないかくらいです。
どっちなんだよ!
このくらいのほうが、食事とあわせるにはよいと思います。

最初に甘みを感じました。
そんなに強くはなく、そして決して甘ったるくはありませんが、はっきりしてます。

うまみは淡くて、スッキリしています。
吟醸酒らしい、やわらかいうまみです。
ほんのわずかに苦味を感じます。

酸味はかなりひかえめです。
わずかにすっぱさがあるくらいです。
刺激やピリピリ感はまったくありません。


自然な甘みとやわらかいうまみとの、淡麗旨口のおいしいお酒でした。
こんなカップ酒が近所のコンビニの冷蔵庫に入っていたら、暑い日なんかつい買って帰っちゃうんだろうなぁ。
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