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【お酒】1960.長龍 大入カップ200 [29.奈良県の酒]

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製造者 長龍酒造株式会社
奈良県北葛城郡広陵町南四

アルコール分13度以上14度未満
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール、糖類/酸味料
内容量 200ml
(以上、ラベルより転記)




こちらひさびさの長龍酒造さんのお酒。
2014年の1月に、“113.吉野杉の樽酒 カップ”をいただいて以来です。

今日いただくこのお酒は、残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
しかも度数が13度台ということは、多めの加水でのばしてあるのでしょうか?
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
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ああ、やっぱり。

うまみは淡めです。
それでもやわらかいうまみが一応効いていて、ふんわりと広がります。
酒臭さ(ほめ言葉です)はかすかです。熟成感はありません。
酸味料らしい画一的な風味はわかるものの弱めです。
苦みがあるものの、これも弱めです。
キレがもちろんよいですね。

酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは、鋭さを少し感じるものの弱めです。
スースー感はかすかで、ピリピリ感はありません。

甘みははっきりです。
幅を感じるものの、べとついてはおりません。


淡麗ちょい苦甘口のお酒でした。

淡めでしたが、淡めなりにやわらかいうまみを感じることができました。
酸味料添加でしたが、画一的な風味は弱く、飲みにくさはありませんでした。
ちょい苦でしたが、淡め故にわかる程度で、これも弱めでした。

ただ、やっぱり薄めでした。
それでもクセがないので、まずくはありませんでした。





その薄めのお酒に合わせた今日のエサはこちら。

ペンネ。
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規定の時間(9分)+5分ゆでて、やわらかくしました。
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トマト。
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湯むきして、
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角切り。
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玉ねぎはくし形の薄切り。
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豚ばら肉。
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冷蔵庫の残り物野菜も切りました。
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調味料。
こしょうとトマトケチャップ(奥)
顆粒コンソメとにんにく(中)
バター(手前)
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フライパンにオリーブオイルを引いて、
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火は中火。
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肉を炒めて、
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玉ねぎとしいたけ、にんにくを投入し、
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火が通ったら、残りの野菜も投入。
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コンソメとバターとを入れて、
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なじんだら、ペンネを入れて混ぜておきます。
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手前に寄せてフライパンのヘリを火の真上に乗せ、そこへトマトケチャップを入れます。
こうして水分を飛ばすのです。
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水分が飛んだことを確認したら全体を混ぜ、こしょうをかけて、
ペンネナポリタンのできあがり。
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塩気が少し足りなかったかな。
でもその分、トマトの酸味と野菜の味が際立っていておいしゅうございました。
豚ばら肉よりも、ハムやベーコンを使ったほうが塩分が足されてよかったかも。
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ごちそうさまでした。









★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


雨が降っていたせいか、落ち着きがなかった黒猫のダンナ。
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それでも遊んでくださるところが、ダンナの懐の深さなのでした。
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(友情出演)

【お酒】1744.透泉 カップトウセン [29.奈良県の酒]

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中川酒造株式会社
奈良県葛城市新在家152
アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




奈良県は葛城市。
大阪府との県境に聳え立つのが、二上山(にじょうざん/ふたかみやま)です。
“この山で採れたサヌカイトの分布域が縄文期における交易範囲の指標になる。”って、日本史で覚えましたね。
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その二上山の麓に蔵を置くのが、“透泉(とうせん)”を造る中川酒造さんです。
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今日いただくこのお酒ですが、どうやら純米のようでした。
ですが精米歩合の表示はなく、かつ“純米酒”である旨の表示もございませんでした。
なんでも女将さんのお話では、純米しか造っていないのだとか。
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よく見ると、“醸造アルコール”の表示を修正テープで消していることがわかります。
きっとかつてはアル添をしていたのでしょうね。
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これらのことから純米だけと普通酒扱いと解釈し、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はほとんどわからない程度でしたが、透き通ってはおりませんでした。
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うまみは淡めですが、淡めなりにしっかりしておりますよ。
米のうまみが淡めなりにふんわりと効いております。
熟成感はごくかすかにあるのかな?
苦みや雑味はまったくありません。
キレはよいですが、透明感はありませんよ。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは弱めですが、鋭さを感じます。
それに酸味自体に深みもちょっとだけ感じます。
スースー感やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりかな。
弱めでべとつきはありませんが、幅を少し感じます。


淡麗ちょいすっぱちょい深旨やや甘口のおいしいお酒でした。
純米なのに雑味がまったくなくてきれいな味わいでした。
しかもキレもよく、後味はさっぱりしておりました。
特に酸味がいい感じに効いておりましたよ。
酸味自体に深みもわずかにあって、それが淡めのうまみとバランスよく働いているようでした。
甘みも前に出ず、淡めの味わいにちょうど良い程度でした。

純米なのに、上品かつおいしいお酒でした。
私はさば缶にレモンベースのドレッシングをかけたものと合わせましたが、お酒の酸味がさばの風味をサッと流して口の中をさっぱりさせてくれましたよ。
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【お酒】1694.生長 本醸造 お燗瓶 [29.奈良県の酒]

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上田酒造株式会社
奈良県生駒市壱分町866-1

●原材料名:米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
●アルコール分:15%
●精米歩合:70%
●内容量:180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)




上田酒造さんのお酒は、これまでに普通酒の万代生長 特撰 300mlと、同じく普通酒の嬉長カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、精米歩合70%の本醸造でした。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに茶色がかっておりました。
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うまみはやや濃いめです。
最初に熟成感かな、あるいは木香のようでもある風味が来ます。
けっこう鋭いですね。
苦みも少しあって、これも鋭さを感じます。
酒臭さや米の風味は、私にはわかりません。
キレはよいですね。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは、最初はほとんど感じませんでしたが、冷めるにつれて目立ってくるようでした。
一方でスースー感は少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ぜろではないものの、弱めです。


やや濃醇で枯ちょい苦ちょいスー辛口のお酒でした。
重くはないものの、枯れているようでした。
それに苦みや冷めたときの酸味、そしてスースー感が相俟って、ひどくはないものの味わいに角を感じました。

【お酒】1691.嬉長 カップ [29.奈良県の酒]

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上田酒造株式会社
奈良県生駒市一分町866-1
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
アルコール分:15%
内容量180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




上田酒造さんのお酒は、かつて万代生長 特撰 300mlをいただいております。
今日いただくこのお酒は、“嬉長”と名付けられた普通酒でした。
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“嬉”の字は、正しくは“女”に“七”が3つのようでした。
しかしそんな字は私のPCでは出ませんでしたので、正字と思われる表記にいたしました。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はかすかに着いている程度で、透き通っておりました。
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うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
酒臭さというよりも、ウィスキーのような風味をほんのりと感じます。
軽い苦みもちょっとだけあるみたいです。
キレはとてもよく、透明感がバッチリです。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんど感じません。
スースー感はすこしはっきりしています。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
厚みやクドさはないものの、不思議とべとつきました。


しっかりすっきりやや重やや甘口のお酒でした。
独特な風味自体に重さを感じましたが、キレがよくて後味はスッキリしており軽さすら感じました。
透明感がバッチリでしたので、アル添多め&加水多めなのでしょうか?
ただ、私としては、口当たりが少しべとついたのが気になりました。

【お酒】1682.万代生長 特撰 300ml [29.奈良県の酒]

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上田酒造株式会社
奈良県生駒市壱分町866-1

アルコール分 16度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




生駒市壱分町に蔵を構える上田酒造は、永禄元年(1558年:ブログ筆者追記)の創業で実に四五十年以上の歴史を持つ。寺の過去帳を辿ると十八代前にまで遡るという。」(※1)とあるとおり老舗の蔵元さんである上田酒造さん。
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今日いただくこのお酒は、“特撰”の小印が付された普通酒でした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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燗をつけると、酒臭い(ほめ言葉です)香りがフワッと漂ってまいりました。

うまみは濃いめです。
酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)がパッと広がります。
米のうまみもしっかりしていて厚めです。
熟成感はなく、苦みや雑味もありません。
キレはよく、スッと引いていきます。

酸味はややはっきりでしょうか。
すっぱさは弱めで鋭さもそれほどでもないみたいですが、酸味自体に深みを少し感じます。
ですが、ちょっとピリッときますね。

甘みはややはっきりしています。
べとついた感じはないものの、厚みを感じる甘みです。


濃醇ちょい深ちょいピリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
かなり酒臭くて(あくまでもほめ言葉です)、それにちょいピリですので、けっして飲みやすくはないと思います。
しかし、飲み応えがしっかりで深みも少し感じるのに、キレがよくて後味がスッキリしておりました。

私は好きな味でした。
それ故に、あっちゅう間でございましたとさ。
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今日のエサ。

昨日の残りの山東菜。
今日はおひたしにしてみましたよ。
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これは昨日作った“煮込みのようなもの”の残り。
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そして、“しいたけだけ”のにんにくバターしょうゆ炒め。
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あたしゃ前世がマタンゴだったんじゃないかと思うほど、しいたけが好きなのです。
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そして〆は、“にんじんだけ”の炊き込みご飯。
あたしゃ前世がうさぎか馬かと思うほど、にんじんが好きなのです。
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ごちそうさまでした。
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今日もいっぱい遊んでもらいましたとさ。
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(友情出演)


(※1)山田二良『奈良の銘酒』p.31(2011.2 京阪奈情報教育出版)

【お酒】1511.升平(しょうへい) 菩提酛 純米 300ml [29.奈良県の酒]

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八木酒造株式会社
奈良市高畑町915

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 70%
アルコール分 15度
日本酒度 +7
酸度 1.8
アミノ酸度 2.0
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




八木酒造さんのお酒は、これまでに糖添三増酒のやまとの華カップと、普通酒(糖類添加なし)の信貴MYCUPをいただいております。
今日いただくこのお酒は、酒母に菩提酛を用いて仕込まれた純米酒でした。
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菩提酛についてはかつてこちらで触れておりますので、適宜ご参照ください。
でもこのお酒のラベルに書かれていた解説のほうが簡単でわかりやすいかも。
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純米酒ですが、酒母の性質からして酸味が強いことが予想されますので、まずは冷や(常温)でいただいてみたいと思います。
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お酒の色は、少しはっきりしておりました。
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盃に注ぐと、お酒の甘い香りがフワッと漂ってまいりましたよ。

うまみは濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがガツンと来ますね。
熟成感も少しはっきりしていて、ウィスキーのような風味を感じますよ。
米のうまみもじんわりと効いておりますわ。
それでいて意外にもキレがよく、苦みや雑味は感じません。

酸味ははっきりしています。
すっぱさはやや強めで、酸味自体に深みを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みは、どちらかというとややはっきりかな。
でもそれほど強くはなく、しかもかなりさらっとした甘みです。


濃醇深旨口のおいしいお酒でした。
うまみがしっかりしているのに雑味がなくてキレがよいので重さを感じませんでした。
しかも酸味の深みがいい具合に効いておりましたが、これは菩提酛の乳酸に由来するものでしょうか?



ここで、燗にしてみましたよ。
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うまみというか、熟成感自体に深みが出ますね。
酸味が少し立ってくるようですが、うまみの深みと酸味の深みとが相俟って、かなりしっかりした味わいになりました。
一方で甘みは引いて、やや辛口になったようですよ。
また、冷やで感じたウィスキーのような風味が燗だと引いて、むしろ香ばしさに変わったように感じます。

このお酒、燗も滋味深くてうまいね!
それでいて重くはなく、雑味や嫌味を感じませんでした。
そういえば、この深みは信貴MYCUPになんとなく似ているかも。

私としては、濃醇ちょいすっぱ深旨やや辛口になった燗のほうが好みでございましたとさ。

【お酒】1502.出世男 にごり酒 カップ [29.奈良県の酒]

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河合酒造株式会社
奈良県橿原市今井町1の7の8

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
180ml
(以上、ラベルより転記)




昨日いただいた出世男カップに引き続き、今日も河合酒造さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのカップ酒も普通酒ですが、こちらはにごり酒でした。
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なお、河合酒造さんのお酒はこのほかに純米吟醸 大和百景 180mlと、本醸造 出世男 300mlとをこれまでにいただいております。


滓の量は、全体の1~2割程度といったところでしょうか。
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にごり酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。


滓のざらつきはわずかですね。
とろみもほとんど感じません。

うまみはやや濃いめでしょうか。
米のうまみを感じるものの、にごり酒にありがちがな濃厚さは感じません。
苦みがあって、弱めではあるものの苦み自体に重さを少し感じます。
キレはよいみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは少し強めですが、鋭さはないみたいです。
ただ、意外にもちょいピリです。

甘みは、これも意外にもややひかえめですよ。
ゼロではないものの、かなり弱めです。


ちょい苦ちょいピリやや辛口のお酒でした。
滓が少なめなためか、味わいに重さがなく、にごり酒にしてはさっぱりした口当たりでした。
それ故に滓の風味よりも酒らしさが前に出て、きのういただいた出世男カップに似た味わいになっていたのかもしれません。

【お酒】1501.出世男 カップ [29.奈良県の酒]

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河合酒造株式会社
奈良県橿原市今井町1-7-8

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




河合酒造さんのお酒はこれまでに純米吟醸 大和百景 180mlと、本醸造 出世男 300mlとをいただいております。
今日いただくこのカップ酒は、普通酒でした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は濃くはないものの、きれいな金色でした。
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うまみは濃くはないものの、かなりしっかりしています。
酒臭さ(←ほめ言葉です)をじんわりと感じ、熟成感もじんわりと来るようです。
苦みがちょっとあって少しはっきりしているものの、鋭さは感じません。
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは弱めであるものの、弱めなりに鋭さをはっきりと感じます。
それにちょいピリですね。

甘みはややはっきりしています。
どちらかというと弱めですが、べとついた感じが少しあるみたいです。


しっかりしているもののキレのよい、ちょい苦ちょいピリやや甘口のお酒でした。
味の基本はかなりしっかりしているみたいでした。
でもアル添が効いているようで、重さや角を和らげてくれているようでした。
ただ透明感を少し感じたことから、もしかしたらアル添量が多めなのかのしれません。

これは魚料理に合うのではないでしょうか。
それも生ではなくて、煮魚や焼魚のほうがいいでしょうね。
私はさば缶と合わせましたが、魚の臭みをいい具合に洗い流してくれました。

【お酒】1493.往馬(いこま) 純米 300ml [29.奈良県の酒]

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菊司醸造株式会社
奈良県生駒市小瀬町555

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
アルコール分15度以上16度未満
精米歩合60%
内容量300ml詰
(以上、ラベルより転記)




今日は、奈良県生駒市に蔵をおく菊司醸造さんが造った“往馬(いこま)”なるお酒をいただきます。
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往馬ってのは、生駒の古名ではないでしょうか?
なんでも、奈良県生駒市には“往馬坐伊古麻都比古神社(往馬大社)”なる神社があって、天平二年(七三〇)の『大倭国正税帳』やら『日本三代実録』の貞観元年(八五九)正月廿七日条の「京畿七道諸神進階及新叙。惣二百六十七社」などにも“往馬”の文字を用いて出てくるそうですよ(※1)。

そんな由緒正しき酒銘ですが、菊司醸造さんで酒銘として用いられるようになったのは最近のことのようでした。
文献には「菊司醸造は、創業宝永二年(一七〇五年)、三百年以上にも渡ってこの地で酒造を行っているのだ。また平成十年からは、新たに『往馬(いこま)』の酒銘で、手間暇をかけた特定名称酒の生産に着手し好評を博している。」(※2)という記述がありましたよ。


それでは、その「手間暇をかけた特定名称酒」なるこの往馬をいただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、かすかに茶色がかっているようでした。
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うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
酒臭さ(←ほめ言葉です)を厚めに感じるものの、かなり穏やかです。
熟成感もあって深みを感じるものの、これも枯れた感じやクセがなく、しつこさを感じません。
米のうまみもじんわりと感じます。
苦みや雑味はありません。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
それに結構ピリっと来るようですが、このピリは冷めてくると引くみたいです。
酸味自体に深みも少し感じます。

甘みはややひかえめです。
かなりひかえめですが、それでも存在はわかります。


穏やかなうまみに酸味が効いている、ちょいすっぱピリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
酸味が効いていて、ピリピリ感もあったことから、けっして飲みやすくはないと思います。
その一方で苦みや雑味がなく、うまみが穏やかに効いていておいしくいただくことができました。

このお酒の良さを引き出すためには酸味をどう生かすか、すなわち食事との相性次第ではないでしょうか?
魚や肉には合うと思いますし、味噌との相性もいい感じでした。
ただ、あっさりした野菜の料理(漬物やサラダなど)には、ちょっと向かないように思いましたとさ。


おっと、いかんいかん。
忘れていた。

キャップがプラスチックだったところが珍しいな思いましたとさ。
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(※1)白井伊佐牟『往馬坐伊古麻都比古神社についての一考察』p.47より(神道史研究 42巻1号 p.47-60 1994.1 神道史学會)
(※2)山田二良『奈良の銘酒』p.37(2011.2 京阪奈情報教育出版)

【お酒】1478.三諸杉 辛口純米酒 切辛(せっから)300ml [29.奈良県の酒]

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今西酒造株式会社
奈良県桜井市大字三輪510

■原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
■アルコール分/15度
■精米歩合/65%
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




日本最古の神社にして、酒造りの神様でもある大神神社(おおみわじんじゃ)。
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この三輪山が、大神神社の御神体なのです。
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今日は、その大神神社の門前に蔵を置き、三諸杉(みむろすぎ)を造る今西酒造さんのお酒をいただきます。
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なお、今西酒造さんのお酒は、これまでに三諸杉のカップ酒(普通酒)と、三諸杉の菩提酛純米酒300ml、そして三諸杉 180ml(普通酒)とをいただいております。


切辛(せっから)という名の辛口純米酒なのだとか。
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まずは冷や(常温)でいただいてみます。
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香りはないみたいです。

うまみはやや濃いめです。
米のうまみが厚めですね。
でも、酒臭さや熟成感はまったく感じませんよ。
軽い苦みをかすかに感じますが、ほとんど気にはなりません。
キレはそこそこいい感じです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さも少し感じます。
それに、酸味自体に深みを少し感じますよ。
ただ、ちょっとだけピリッとくるみたいです。

甘みは、意外にもややはっきりですわ。
けっしてべとつかず、しかもかなりさらっとしているものの、後味のように感じる甘みをほんのりと感じますよ。


米のうまみと酸味の深みとが穏やかな、やや濃醇で深旨口のおいしいお酒でした。
うまみは米だけで攻めてきているようです。
また酸味の深みが程よく、それが米のうまみとうまく合っているようです。
それでいて雑味がなくてキレがよいので、重さを感じませんよ。
ただ、辛口を名乗るにしては、甘みを感じる味わいに思いました。


次に、燗にしてみましたよ。
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これは酸味が際立ちますね。
すっぱさがより鋭くはなるものの、それとともに深みも増してきましたよ。
一方で苦みが消えて、しかもキレがいっそうはっきりしてまいりました。
それでいて、米のうまみはしっかりと効いておりますね。
甘みはわずかに引くみたいです。

燗にすると、米のうまみと酸味の深みとがパッと広がったのち、酸味の鋭さとキレのよさとが清々しさをもたらしてくれるお酒になりました。
これがまさに“切辛”の味わいなのでしょうね。
甘みを感じたことからけっして辛口ではないと思いますが、パッと広がってキリッと引き締まるおいしいお酒でした。

冷やだとまろやかで、燗にすると酸味の鋭さとキレのよさとが映えて、いずれもおいしくいただくことができましたとさ。
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