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【お酒】1533.五橋 純米酒 180ml [35.山口県の酒]

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酒井酒造株式会社
山口県岩国市中津町一丁目1番31号

原材料名 米(山口県産)・米麹(山口県産米)
精米歩合 60%
アルコール分 15度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




酒井酒造さんのお酒は、かつて五橋 上撰カップと、五橋 紙カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米酒でした。
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これ、なんだろうね。
ミミズクかな?
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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ぐい呑みに注いでいるときから、お酒の甘い香りがふんわりと漂ってまいりましたよ。
それを燗にすると香りが際立ち、しかもアルコールの香りも出てまいりました。

うまみは濃いめですが、しつこさがありません。
酒臭さ(←ほめ言葉です)がしっかりしていておりますね。
苦みがあって、やや強めではあるものの鋭さや角を感じません。
熟成感はかすかかな。
また純米ですがキレがよいですね。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
それにアルコール由来と思われるスースー感も少しあるみたいです。
わずかにピリッとくるみたいですが、気にはならない程度です。

甘みはややひかえめでしょうか。
甘みはぜろではなくて、その存在はわかります。
弱めでべとつかない甘みですが、弱めなりに幅を感じます。


しっかりしているもののキレのよい、濃醇旨やや辛口のおいしいお酒でした。
味わいの基本はしっかりしておりました。
ですがアル添酒みたいなスースー感があって、それがキレのよさを添えていて味わいをいい感じに整えてくれているように感じました。
私としては好みの味わいでしたが、それはあたかもアル添酒のように感じてしまいましたとさ。

【お酒】1378.Ohmine Junmai 100ml カップ [35.山口県の酒]

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大嶺酒造株式会社
山口県美祢市大嶺町奥分2505

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
アルコール分 14%
精米歩合 60%
内容量 100ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




大嶺酒造さんは、どうやらおよそ50年間休業していた蔵を2010年になって再興させた蔵元さんのようですね。
あたしゃ“大嶺”って聞くと、かつての美祢線大嶺支線大嶺駅のやたらと広い構内の様子を思い出しますよ。
と言っても実際に行ったことはなく、中学生のころに鉄道ジャーナル誌で写真を見ただけなのですけれど。


話をお酒に戻しましょう。
このお酒は純米酒ですが、内容量はわずか100mlでした。
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それなのに、お値段は一般的な一合カップにけっしてひけをとらない259円(税込)でしたよ。
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話のネタがないことをなんとかごまかしたところで、いただいてみたいと思います。
純米酒ですが、蔵元さんのWebsiteでは「マスカットの様な甘酸っぱさの中に、力強いお米の風味のあるジューシーな味わい。 」と紹介されていたことから、香りがあることを考慮して冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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鼻を近づけると、上立ち香がごくかすかにあることがわかります。
また一口含むとフルーティーな香りが鼻へ抜けていきますが、それほど強くはありません。

うまみはやや濃いめです。
やわらかいうまみが強くはないものの、幅を感じます。
それでいて、苦みや雑味はまったくありません。
キレはそれほどでもないものの、けっしてクドくはないですね。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさがこれも強くはないものの、鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
けっしてべとつかないものの、甘みに厚みを少し感じます。


味の要素がはっきりしているもののバランスのよい、やや濃醇でちょいすっぱやや甘口のおいしいお酒でした。
香りやうまみ、酸味、それに甘みもそれぞれがしっかりしているものの、けっして突出することなくうまくまとまっているようでした。
それ故、飲み応えを感じるものの、しつこさやクドさはまったく感じませんでした。
これはなかなかうまいんじゃないの!

でもね、あたしゃこのお酒には、一つだけ不満がありますよ。
100mlなんて、ホンマにあっちゅう間やで!
なんで関西弁なんだよ。
2個買っておけばよかったかも。

【お酒】1197.福娘 上撰 カップ・フクムスメ [35.山口県の酒]

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岩崎酒造株式会社
山口県萩市東田町58番地

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、フタより転記)




山口県は日本海側の萩市に蔵を置く蔵元さんが造ったお酒です。
ですがこれは、山口市内で見つけました。
萩や長門市といった山口県の日本海側にも、いつか行ってみたいと思っております。


普通酒(糖類添加なし)ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭いうまみ(←ほめ言葉です)が少ししますが、それよりもウィスキーのような風味が豊かです。
また、軽い渋みが少しあるみたいです。
それでいて、キレはよいですね。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めで、アルコール由来と思われるさわやかさをはっきりと感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
甘みと共に、とろみのような舌触りも少しあるみたいです。


やや濃醇でやや甘口のお酒でした。
甘みが少し強めで、それがウィスキーのような風味とともに重さを作り出しているようでした。
でも、多めと思われるアル添が効いているようで、クドくは感じませんでした。

それにしても、このウィスキーのような風味には、かつて島根県のお酒でもいくつか体験したことがありましたよ。
これはもしかして、山陰地方西部のお酒の特徴でしょうか?
あくまでもこれは私の予想ですが、この地方で育つ麹がこの風味を作り出しているのかもしれませんね。

【お酒】1196.はつもみぢ 純米酒 西都の雫 お燗瓶 [35.山口県の酒]

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株式会社はつもみぢ
山口県周南市飯島町1-40

原材料 米(山口県産)米麹(山口県産米)
原料米 西都の雫
精米歩合 75%
アルコール分 16度
180ml詰




全量純米蔵であるはつもみぢさんのお酒は、かつて原田 特別純米酒 300mlをいただいております。
今日いただくこのお酒は、山口県産の“西都の雫”なるお米を使用して造られた純米酒なのだとか。
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西都の雫(さいとのしずく)は「穀良都の耐倒伏性の弱さを改良した山口県オリジナル品種。」(※1)で、「山口市が「西の京」といわれることにちなんだ「西都」に、淡麗でキレのよい酒をイメージさせる「雫」を加えて命名。」(※1)された酒米だそうです。
そしてこの西都の雫は「2005年から「地域特産品種」として県内で本格的に栽培が開始され」(※2)たという、比較的新しい酒米なのだとか。

その西都の雫を育成する契機となった穀良都(こくりょうみやこ)ですが、これについて手元にあった文献では「原品種は「都」で、幕末嘉永の頃、山口県玖珂郡高森村の内海五左衛門が参勤交代に随行し、兵庫県西宮近隣で発見、持ち帰り普及した。その後、吉敷郡小鯖村伊藤音市が1988年(明治22)「都」の中から早熟、大粒の「穀良都」を選抜した。」(※3)と紹介されておりました。

この穀良都は、「昭和20年代後半には栽培されなくなった」(※4)ものの、「大粒で心白の発現が良好で、玄米タンパク含有率も低いことが明らかとなった。」(※4)ことで酒造好適米としての性質が再評価されて復活し、1990年代に山口県内で再び広く栽培されるようになったそうです。

しかし、この穀良都には、「生産面では、稈長が長く、耐倒伏性が劣ること、収量性が劣ることが問題となった。また、実需面では低い収量性が価格の高騰につながること、心白が粒の中心部よりやや腹側に寄っているため高度精白が困難であること等が問題となった。」(※4)という欠点があったとのこと。

そこで、「1997年8月に「穀良都」を母本、九州農業試験場が育成した短稈酒造好適米系統「西海222号」を父本として交配を行い、」(※5)幾度かの系統選抜ののち、「耐倒伏性が優れ、収量性も比較的高く、「穀良都」や「山田錦」より栽培し易い品種であるといえる。また、実需面からみれば、収量性が高いことから「穀良都」や「山田錦」より低い価格設定が可能であること、大粒で心白が線状に粒の中心部に発生するため高度精白が可能であることから大吟醸酒、純米酒、一般酒等様々な清酒の原料として利用が期待できる品種といえる。」(※2)といった性質を有する酒造好適米として育成されのだそうです。
(ちなみに、かつて記事で紹介いたしましたが、“母本”というのは種子親で、“父本”というのは“花粉親”のことのようです。


肝腎の“お味”ですが、上記でさんざん引用してきた論文の末尾に、「玄米及び白米のタンパク含有率は「西海222号」より低く、「山田錦」並である。製成酒の官能評価は「山田錦」を原料としたものと同様に良好で、淡麗で切れがよい。」(※6)とありました。
だらだらと書かなくてもさ、味のことだけわかりゃいいんじゃないの?

果たして今日いただくこのお酒も、淡麗でキレのよい味わいなのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
純米酒ですし、原田も燗がおいしいお酒でしたので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、けっこうはっきりしておりました。
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きき猪口に移しているところから、酒臭い(←ほめ言葉です)かおりが漂ってまいりました。

うまみはどちらかというと濃くはないものの、かなりしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)とともに、米のうまみもかすかに感じます。
しかしそのうまみには鋭さがあって、広がることなくピンと舌を突いたあと、スッと引いていきます。
また、軽い苦みもかすかにあるみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強くはないものの、鋭さがあって、しかも深みも少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。


飲み応えがあって深いものの、キレがよくてキリッと引き締まった、ちょい濃醇でちょいすっぱ辛口のおいしいお酒でした。
うまみに濃さや幅はないものの、鋭くてキレのよいうまみがしっかりしておりました。
もしかしてこれが西都の雫特有の、淡麗で切れのよい味わいなのでしょうか?
また、甘みがなくてややドライでしたが、酸味に深みがあって、それがうまく効いているようでした。

原田のみならず、このお酒もなかなかいけるのではないでしょうか。


(※1)副島顕子『酒米ハンドブック』p.78(2011.7 文一総合出版)
(※2)金子和彦・羽島正恭『酒造好適米新品種「西都の雫」の育成』p.7(山口県農業試験場研究報告 56号 p.1-8 2007.3)
(※3)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.149(2000.3 養賢堂)
(※4)(※2)p.1
(※5)(※2)p.2
(※6)(※2)p.8

【お酒】1195.五橋 紙カップ [35.山口県の酒]

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酒井酒造株式会社
山口県岩国市中津町一丁目1-31

アルコール分/15度
原材料名/米(山口県産)、米こうじ(山口県産米)、醸造アルコール
180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




酒井酒造さんのお酒は、かつて五橋の上撰カップをいただいております。
今日いただくこのお酒も上撰カップと同じく普通酒ですが、こちらには小印が付けられておりませんでした。
ということは、きっと佳撰クラス(かつての級別制度下における二級酒相当)のお酒なのでしょう。

このお酒ですが、山口、防府、徳山の各市街地で酒集めをした際に、訪問した各スーパーで最も頻繁に見かけたカップ酒でした。

紙カップ入りの普通酒ですが、糖類や酸味料は添加されていないみたいです。
それどころか、使用米は山口県産のもののみなのだとか。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをかすかに感じる程度です。
米のうまみらしいものもちょっとだけ感じます。
また、軽い渋みが少しあるみたいです。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで鋭さがありますが、酸味自体に深みも感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
かなりさらっとした甘みをちょっとだけ感じます。


淡めのうまみに酸味の深みを感じる、やや淡麗でちょいすっぱちょい渋でかすかに甘口のおいしいお酒でした。
わかりづらいわ!
うまみがやや淡めでコクもないのに、酸味に深みがあって、しかも軽い渋みがうまく効いているように感じました。
これは食中酒としてなかなかいけるのではないでしょうか。
けっして派手な味わいではないですが、私としては好きですね。

ふと飲みたくなったときに、スーパーに立ち寄ってこのお酒を簡単に入手することができるなんて、山口県民の皆さんはなんと幸せなことでしょう。

【お酒】1186.山頭火 特別本醸造 カップ [35.山口県の酒]

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金光酒造株式会社
山口市嘉川5031番地
(カップの印刷事項より転記)

原材料:米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
(裏に貼られたラベルより転記)

アルコール分15.0度以上16.0度未満
精米歩合60%
180ml詰
(フタより転記)




山口市に蔵を置く蔵元さんが造ったお酒です。
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山頭火という酒銘は、おそらく種田山頭火に由来するものでしょう。
カップには、種田山頭火のものと思われる日記が紹介されておりました。
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あれ?
そういえば、種田山頭火って、同じ山口県でも山口市ではなくて、たしか防府の出身ですよね。
あたしゃ防府で酒集めをした際に(成果はゼロでしたが。)、山頭火の生家跡を訪問しましたよ。
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ボランティアガイドの方のお話では、山頭火はこの建物に住んでいたのだとか。
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一方、蔵元さんのWebsiteによれば、金光酒造さんは山口市のほかに防府市にかつて工場を持っていらしたようで、そのことが「山頭火は、明治39年(25才)から大正5年まで11年間、 種田正一(本名)の名義で酒造業を営んだことがあります。これが、現在の当社の防府工場跡となっています。」という一文とともに紹介されておりました。


金光酒造さんと種田山頭火とがつながったところで、そろそろいただいてみたいと思います。
特別本醸造ですが、おそらく香りはないものと(勝手に)推察し、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、濃くはないものの、金色をしておりました。
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やはり香りはないですね。
むしろ、アルコールの香りがすこしはっきりしているようです。

うまみは濃くはないみたいです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをほんのりと感じます。
また、香ばしさとともに、軽い苦みもかすかにあるみたいです。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
また、アルコール由来と思われるさわやかさが少しはっきりしています。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとしていてそれほど目立たないものの、幅を感じます。


味のバランスがよい、旨口のおいしいお酒でした。
うまみや酸味、苦み、それに甘みがそれぞれ突出することなく穏やかに効いていて、しかもキレがよく感じました。
たしかにこれは特別本醸造、すなわち「香味及び色沢が特に良好」(※1)な本醸造だと思います。

(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)2(3)

【お酒】1175.金銀銅男山 本醸造 カップ [35.山口県の酒]

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永山酒造合名会社
山口県山陽小野田市大字厚狭367番地の1
(ここまで、フタより転記)

原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
精米歩合 70%
アルコール分 15度以上16度未満
内容量 180ml
(以上、裏に貼られたラベルより転記)




永山酒造さんのお酒は、かつて普通酒(糖添三増酒)の晋作カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、精米歩合70%の本醸造です。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、なかなかきれいな金色でしたが、透明感はないみたいでした。
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うまみは濃くはないですね。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをかすかに感じます。
それよりも、香ばしさと熟成感、それに軽い苦みとが少しはっきりしているようでした。
キレはよいみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは弱めで、鋭さもないみたいです。
むしろ添加されたアルコールに由来すると思われるさわやかさが少しはっきりしているようです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとついた感じはしませんが、少しとろみのような舌触りを感じます。


ちょい苦やや甘口のお酒でした。
香ばしさや苦みが少し目立っているようですが、嫌な感じはしませんでした。
これは私の予想ですが、もしかしたらこれは、添加されたアルコールによってもたらされたキレのよさのおかげかもしれません。
私としては、うまみがもう少し厚いほうがバランスがよくなるのではないかと感じました。

【お酒】1171.原田 特別純米酒 300ml [35.山口県の酒]

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株式会社はつもみぢ
山口県周南市飯島町一丁目40番地

原材料名 米(山口県産)米麹(山口県産米)
原料米 山田錦100%(山口県産)
精米歩合 60%
アルコール分 16度
日本酒度 +2
酸度 1.7
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




文政二年(1819年)創業で、山口県内では9番目に古い蔵元というはつもみぢさん。
しかし、その創業時から今日まで、けっして酒造りを安定して続けられてこられたわけではなかったそうです。
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昭和20年の空襲では建物が全焼してしまったもののそれでも酒造りを続け、またその後幾度かの合併を経て販路拡大を図ってこられたようですが、昭和60年には自醸を止めてしまったようです。

その後、「平成17年度にきき酒名人である12代目のもとで少量ながら製造再開。現在は全量純米蔵となり、ニューヨークなど海外での販売にも力を入れている。」(※1)とのこと。


上記の引用と同じ雑誌では、「山口県産の山田錦を使用した特別純米は、「まろやかな米の香りがする」「膨らみのある甘み、穏やかな酸味がある」「時間が経つほどに旨味と酸が伸びていく」という評価。コクのある米の香りとキレを併せもつ酒だ。」(※1)と紹介されておりました。

きょういただくこのお酒も山口県産の山田錦を100%使用した特別純米酒ですが、はたして本当にそんな味わいなのでしょうか?
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それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
特別純米酒には香りを特徴とするものもありましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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香りはほとんどないですね。

うまみはやや濃いめです。
米のうまみがしっかりしていて、厚みを感じます。
それとともに、酒臭さ(←ほめ言葉です)と熟成感ともかすかにあるみたいです。
しかも苦みや雑味はまったくありません。
それにキレよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、酸味に深みを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
かなりさらっとした甘みをちょっと感じます。


米のうまみに酸味の深みが効いている、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
深みのある酸味がいい具合に効いておりました。
また深いのに、それでいて苦みや雑味がまったくなくてきれいでした。
しかもキレがよく、しつこさをまったく感じませんでした。

実はワタクシ、かつてこのお酒を新山口(小郡)の居酒屋でいただいておりました。
一ヵ月半ぶりの再飲でしたが、やはりおいしいお酒でしたよ。


ここで、ぬる燗にしてみました。
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ああ!
こりゃいいね!!

燗にすると、酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)香りが漂ってまいりました。
それとともに、酸味が際立って、深みが増してきました。
私は黒はんぺんと合わせましたが、この酸味が魚臭さをサッと流してくれましたよ。
しかも、冷たいときよりも、キレのよさがさらに鋭くなってまいりました。

深いのに、切れ味スッキリ。
このお酒は、まちがいなく燗のほうがおいしいでしょう!

山口県に“原田”あり。
ナントカ祭とはちがうのだよ、ナントカ祭とは!
雑誌などでも、もっと紹介されてもいいんじゃないのかな。


(※1)pen 2015年11月15号(No.394) p.57(CCCメディアハウス)

【お酒】1169.長門峡 上撰カップ [35.山口県の酒]

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有限会社岡崎酒造場
山口県萩市川上464-1

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、フタより転記)




昨日いただいた長門峡カップ(コスモスカップ)は糖添三増酒でしたが、今日いただくこの上撰普通酒には糖類は添加されていないみたいでした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、長門峡カップよりも薄めで、透き通っておりました。
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うまみは濃くはないですが、淡くもありません。
長門峡カップで感じたウィスキーのような風味は後退していますが、その分、渋みが目立っているようです。
透明感はありますが、キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めで、アルコール由来と思われるさわやかさを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしています。
とろみのような舌触りはないものの、少しべとついています。


渋甘口のお酒でした。
長門峡カップよりもかなり渋く感じました。
また、アル添由来と思われる透明感は感じたものの、キレはそれほどでもないみたいでした。
長門峡カップほど風味にクセはないものの、渋みが目立っていてちょっと飲みにくいのではないかと思いました。
あくまでも、私の感想ですけれどね。

【お酒】1168.長門峡 カップ(長門峡コスモスカップ) [35.山口県の酒]

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有限会社岡崎酒造場
山口県萩市川上464-1

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類
180ml詰
(以上、フタより転記)




酒銘にいただく“長門峡”は、山口県の山間部、阿武川の上流域に位置する景勝地のようです。

一方、このお酒の蔵元さんも阿武川の流域に蔵を構えていらっしゃるようですが、その蔵は長門峡とはちょっと離れた中流域にあるみたいです。
このことについて、蔵元さんのWebsiteでは「景勝地『 長門峡 』 の近くで 大正10年より創業しておりましたが、昭和45年 阿武川ダムの建設により、萩市の上流にあたる現在地に移転しました。」と紹介されておりました。


このお酒のフタには酒銘の“長門峡”としか表示されておりませんが、購入したスーパーでは“長門峡コスモスカップ”として販売されておりました。
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そんなコスモスカップですが、まことに残念ながら糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめです。
うまみというか、ウィスキーのような風味が豊かです。
また、渋みが少しはっきりしています。
それでいてキレがよく、透明感をちょっと感じます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めで、アルコール由来と思われるさわやかさを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしています。
けっこう甘く、糖添三増酒にありがちなとろみのような舌触りを感じます。


独特の風味がパッと広がってスッと引く、やや濃醇で甘口のお酒でした。
この独特の風味は、隣県である島根県の普通酒でいくつか出会ったことがありましたよ。
もしかしたら、この地方の麹が作り出す味の特徴なのでしょうか?
その風味とともに甘みがしっかりしていることも相俟って、少し重く感じました。
それでもそこはアル添がうまく効いているようで、後味は悪くないみたいでした。
また、糖添三増酒にありがちなとろみのような舌触りもありましたが、この風味のおかげでそれほど気にはなりませんでした。
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