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【お酒】1206.天山 超辛口 300ml [41.佐賀県の酒]

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天山酒造株式会社
佐賀県小城市小城町岩蔵1520

アルコール分16度
精米歩合 65%
原材料名 米・米麹・醸造アルコール
※原料米はすべて国産
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




天山酒造さんのお酒は、かつて天山の上撰カップ(普通酒:糖類酸味料添加)をいただいております。
今日いただくこのお酒も(特定名称が付されていないことから)普通酒でしょうが、こちらは糖類酸味料が添加されておりませんでした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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燗をつけると、酒臭い(←ほめ言葉です)香りが漂ってまいりました。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみとともに、米のうまみを感じます。
それに、うまみ自体に幅がありますね。
また、香ばしさをほのかに感じます。
一方で、苦みや雑味はないみたいです。
キレはよいみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさに鋭さが少しありますが、深みも感じます。
それに、ちょっとピリッと感じます。

甘みはやっぱりひかえめです。
でも、ゼロではないみたいです。


酒臭い香り(←くどいようですが、ほめ言葉です)と幅のあるうまみとに、深みのある酸味が効いていて、ほのかな香ばしさとかすかな甘みとが味を整える、旨すっぱちょいピリやや辛口のおいしいお酒でした。
酸味が効いていて少し鋭さがあるものの、無駄に尖らずちょうどよいと思います。
この酸味は、肉や魚の油をサッと流してくれそうです。
それでいてうまみもしっかりしていて、米の風味すら感じます。
かなり酒臭くてすっぱいので、けっして飲みやすくはないものの、飲み応えのあるおいしいお酒でした。

【お酒】1178.万齢 唐津ひきやま 純米酒カップ [41.佐賀県の酒]

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小松酒造株式会社
佐賀県唐津市相知町千束1489番地

精米歩合:68%
日本酒度:+5
アルコール分:15度
原材料:米・米麹
(佐賀/相知産山田錦100%使用)
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)




佐賀県のお酒ですが、地元で入手したものではありません。

浅草にある、“まるごとにっぽん”
日本全国の物産を取り扱うお店です。
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浅草をふらついていた際にここの酒コーナーを覗いてみたところ、なんとカップ酒のとり揃えが豊富じゃありませんか!

ですがあたしゃね、この趣味を長く楽しみ続ける秘訣は、“採り尽くさないこと”にあると思っております。
ネタが尽きた際の保険としてとっておくべく、今回はきょういただくこのカップ酒ともう一つだけを入手して、退散いたしました。

でもでもでも、“いつまでも あると思うな カップ酒”
これまでにも、二度目に立ち寄った際にはカップ酒が消えていたというお店がいくつもありました。
それ故、酒集めの旅に出かけることができない梅雨時に入ったら、本格的に攻めてみようと思います。


このお酒ですが、佐賀県は唐津の相知町で採れた山田錦を100%使用した純米酒なのだとか。
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ラベルには、杜氏さんからの一言が記載されておりましたので、紹介しておきます。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し金色をしていて、しかもちょっと濁った感じがいたしました。
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燗をつけると、お酒の甘い香りが少し出てまいりました。

うまみはやや濃いめですが、すっきりしております。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがあって、強くはないものの厚みを感じます。
熟成感はあるものの、苦みや雑味はまったくありません。
それでいてキレがとてもよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、少し鋭いみたいです。
それに、酸味に深みを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
弱めですが、ゼロではないみたいです。


うまみに厚みがあって酸味に深みを感じるものの、キレがよくて後味がスッキリしている、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
うまみと酸味とがいい具合に協調して、味わいを作出しているように感じました。
それでいて雑味やクドさがなく、純米酒なのに後味がスッキリしておりました。

これ、かなりうまいんじゃないの!
全国の物産を取り扱うお店で販売するにふさわしいお酒だと思いました。

【お酒】1056.虎之児 上撰 嬉野温泉 酒カップ [41.佐賀県の酒]

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井手酒造有限会社
佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙806-1

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類
アルコール分15度
180ml詰
(以上、フタより転記)




虎之児(とらのこ)という酒銘の由来について、文献には以下のような記述がありました。

 井手酒造の創業は1868年、初代井手與四太郎は製茶の研究や海外輸出に関わる傍ら、嬉野川の清水を利用して酒造業を始めました。銘柄は「虎之児(とらのこ)」。初代は「虎はわが児を思う情けが非常に深い。その虎の児のように情けをかけ長く愛飲してもらいたい。そして千里を走る虎のようにその名が広く響き渡るように」と名付けたと伝えられています。」(※1)

そんな深い願いを込められた酒銘のこのお酒ですが、まことに残念ながら、糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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話のネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、わずかに茶色がかっているようでした。
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ハァ・・・。

うまみはやや濃いめです。
添加された味のようなクドさを感じます。
それに、渋みがちょっとあるみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはやっぱりはっきりしています。
少しべとついた感じがあって、とろみのような舌触りも感じます。


やや濃醇ですっぱ甘口のお酒でした。
これはあくまでも私の感想ですが、まるで酸味料が添加されているかのような味わいだと感じました。
私はこれまでにたった1,000種類ほどしか日本のお酒をいただいておりませんが、その少ない経験に基づいて判断しても、これは醸し出された味わいだとはちょっとちがうのではないかと思いました。

でも、実際にはこういう造り方もあって、私の経験がまだまだ浅すぎるだけなのかもしれません。


(※1)平尾茂『佐賀酒ものがたり』p.58(2014.1 西日本新聞社)

【お酒】1055.窓乃梅 上撰 マドカップ [41.佐賀県の酒]

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窓乃梅酒造株式会社
佐賀県佐賀市久保田町大字新田1833・1640

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料
容量180ml詰
(以上、フタより転記)




 「窓乃梅酒造は歴代が醸造の技術屋である」と語るのは13代当主・社長の古賀釀治さん。元禄元年(1688年)、佐賀藩より藩の余剰米の利用法として酒造りを命じられた寒菊酒造(窓乃梅の前身)が創業した県内最古の歴史を誇ります。佐賀藩鍋島家御用達の由緒正しい伝統蔵です。
 「窓乃梅」の由来には、1860年に名君10代藩主直正公が、献上酒の芳醇たる香りに、「年々にさかえさかえて名さえ世に香りみちたる窓乃梅が香」と詠み命名したという有名な逸話があります。」(※1)
という、由緒正しき蔵元さんのお酒を今日はいただきます。


ところで、上記の引用の冒頭には、「窓乃梅酒造は歴代が醸造の技術屋である」という一文があります。
このことについて別の文献を当たってみたところ、どうやら窓乃梅さんは戦前から吟醸造りの研究に熱心だったのだとか。

今でこそ琺瑯タンクが広く普及しておりますが、戦前は木桶でお酒を仕込む蔵元さんが多く存在したようです。
そんな状況下で、窓乃梅酒造さんは木桶での貯蔵に限界を感じ、日本碍子に対して磁器でできた「2000l入りの特注のかめ」(※2)を注文し、それで吟醸酒を貯蔵したそうです。
このことについて紹介している文献の記述を、ところどころ抜粋してご紹介します。

酒の品質は、「造り」もさることながら、貯蔵によっても大いに影響を受ける。それは貯蔵桶の「クセ」や管理、洗浄が原因になるのだった。桶の「クセ」とは、桶の原料である杉材からはじまり、ほとんどは手入れ、つまり洗浄による。ときには使い込まれた年数にも関係がある。
どんなに努力をしても勉強をしてみても、桶の「クセ」を完全に克服することはできない」(※3)

 陶磁器が生活から生まれ、高級なものは美術品にもなっている。一方、工業資材としての陶磁器メーカもあるのだ。日本碍子という会社は、大型耐酸容器も試作するのだろう。」(※4)

 近藤杜氏が名古屋の日本碍子に出掛けてから一年二ヵ月後のことである。名古屋から出荷案内があって貨車番号が知らされた。甕は東海道本線、山陽本線を通り、関門連絡船で瀬戸内海を渡り、鹿児島本線を鳥栖で長崎本線に分かれ、佐賀から唐津線の久保田駅に着くまでに五日か一週間かかるだろう。」(※5)

容器二千リットル、製作番号八十一。甕としかいいようのない古くて新しい酒の容器だった。
 昭和五年第十二回全国清酒品評会の出品酒はガイシの甕から汲んだものである。これも優等賞を射留めた。」(※6)

「窓乃梅」の甕は蔵全体を冷房できなかった当時、酒を低温で安定して貯蔵する役目を果たしたのである。日本碍子製で容量二千リットル製造番号八一番の甕は、いまも「窓乃梅」にある。もちろん現役である。」(※7)


そんな戦前から吟醸造りの研究に熱心に取り組んでいらっしゃった蔵元さんが造ったこのお酒ですが、まことに残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
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醸造の技術屋を自認なさっている蔵元さんが、なぜ、終戦直後の米不足の折に開発された増量策を今でも採用し続けていらっしゃるのでしょうかね?


では、そんな蔵元さんが造ったこの三増酒をいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、きれいな金色をしておりましたよ。
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あれ?

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
酸味料に由来すると思われるクドさはちょっと感じるものの、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみも感じますし、深みもありますね。
苦みや雑味はなく、それにキレもよいみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強めで、しかも鋭さがありますね。
でも刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
ゼロではないものの、かなり弱めです。
でも、糖添三増酒にありがちなとろみやべとついた感じはないみたいです。


しっかりしたうまみに酸味の効いた、旨すっぱやや辛口のおいしいお酒でした。
添加された味も少しあるみたいですが、それよりも酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)や深みのほうがはっきりしておりました。
また、酸味に鋭さがありましたが、刺激やピリピリ感はありませんでした。
それに、意外にも辛口でした。

ここからは、私の根拠なき想像です。
もしかしたらこのお酒の蔵元さんは、本当は糖類酸味料の添加を止めたいのだけれども、戦後ずっと地元で愛飲されてきた三増酒の味を変えたくないがために、あえて少量の糖類や酸味料を添加してお酒の味を維持しているのではないでしょうか?
そういう理由で三増酒を造り続けている蔵元さんも、ひょっとしたら少なからず存在するのかもしれませんね。
今後、三増酒をいただく際には、そういうことも念頭に置いておきたいと思います。


(※1)平尾茂『佐賀酒ものがたり』p.28(2014.1 西日本新聞社)
(※2)篠田次郎『吟醸酒の来た道』p.155(1999.1 中公文庫)
(※3)(※2)p.140-141
(※4)(※2)p.158
(※5)(※2)p.159
(※6)(※2)p.162
(※7)(※2)p.165

【お酒】1053.古伊萬里 こいまりカップ上撰 [41.佐賀県の酒]

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古伊万里酒造有限会社
佐賀県伊万里市二里町中里甲3288-1

アルコール分15度
原材料名・米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
180ml詰
(以上、フタより転記)




古伊万里酒造さんのお酒は、かつて古伊萬里の吟醸300ml瓶をいただいております。
今日いただくこのお酒は普通酒ですが、上撰の小印が付けられているにもかかわらず、誠に残念ながら糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
これは醸されたうまみというよりも、添加されたような、ちょっとクドさを感じるうまみですね。
というのも、深みがなくて、画一的な感じのするうまみです。
一方、苦みや雑味はありません。

酸味はややひかえめです。
すっぱさはなくて、さわやかさを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしています。
この甘みは、ちょっとべとつくみたいです。



しっかり甘口のお酒でした。
うまみがしっかりしているものの、深みのない画一的な味わいのように感じました。
それにかなり甘めなのは、添加された糖類が発酵しきらずに残存しているからでしょうか?
それでも、苦みや雑味がないので、飲みにくくはないですね。

九州ではしょうゆや味噌は甘めのものが好まれているみたいですが、それらと同様に発酵食品であるお酒も、もしかしたら甘いほうが喜ばれるのでしょうか?

【お酒】1051.東一(あづまいち) お燗瓶 180ml [41.佐賀県の酒]

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五町田酒造株式会社
佐賀県嬉野市塩田町大字五町田甲2081

アルコール分 15度
原材料 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール・糖類・酸味料
180ml詰
(以上、瓶の印刷事項より転記)




五町田酒造さんのお酒は、かつて東一の山田錦純米酒をいただいております。
今日いただくこのお酒ですが、誠に残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
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三増酒についてはかつてこちらで触れておりますので、適宜ご参照下さい。


お燗瓶に詰められたお酒はこれまでにいくつかいただきましたが、三増酒のお燗瓶ってのはたしかこれが初めてだったはずです。

お燗瓶は飲食店で供することを目的とした業務用の商品だと思いますが、そういう性質の商品に三増酒を詰めて販売しても、蔵元さんは顧客である飲食店側から文句を言われないのでしょうか?
もっとも、このお燗瓶にはバーコードが印刷されておりますので、もしかしたら小売を目的とした商品なのかもしれませんね。

そういえば、今年の9月に佐賀県の西側で酒集めをした際には、集めたカップ酒と一合瓶合計8個のうち7個が糖添三増酒でしたよ。
もしかしたら佐賀県では、お燗瓶に三増酒を詰めて世に送り出してもなんら問題がないくらい、普通酒は三増酒であることが当たり前なのかもしれませんね。


そんなお燗瓶に詰められた三増酒をいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、無色透明でした。
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うまみはやや淡めですね。
酒臭さはほとんどなく、これは添加された味わいのようですね。
でも、クドさはほとんどなく、キレもそこそこあるみたいです。
苦みや雑味はほとんどありません。

酸味はややはっきりしています。
強くはないものの、すっぱさに鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはやっぱりはっきりしています。
これはきっと残存した糖類の影響でしょう。
でも、べとついた感じはしませんね。


やや淡麗でちょいすっぱ甘口のお酒でした。
すっぱさが鋭いものの、それでいて三増酒にありがちなクドさはほとんどなく、しかも苦みや雑味、ピリピリ感もないので、かえって飲みやすいかもしれません。
しかし、これは私の感想ですが、うまみに深みがなくて、ちょっと物足りない感じがしました。

【お酒】1029.光武(みつたけ) 手造り純米酒 270ml [41.佐賀県の酒]

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合資会社光武酒造場
佐賀県鹿島市浜町乙2421

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
アルコール分 15度
精米歩合 50%
内容量 270ml
(以上、ラベルより転記)




佐賀県の酒処である、肥前浜宿に蔵を置く蔵元さんのお酒です。

でもね、旅から帰ってきて気づいたのですが、同じく肥前浜宿に蔵をおく別の蔵元さんの直営店で販売されていたんですよね。
しかも今思いだすと、その蔵元さんの蔵には、“光武”と書かれた酒造りの道具がたくさん置かれていたのですよ。
これはあくまでも私の推測ですが、光武酒造場さんは焼酎の製造にご熱心のようですから、もしかしたら製造を委託なさっているのかもしれませんね。


このお酒は吟醸造りではない純米酒ですが、精米歩合は50%とかなりの高精白でした。
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もしかしたら、吟醸造りではないものの、かなり口当たりよく仕上げられているのでしょうか?


純米酒ですが、お店では冷やして販売されておりましたので、燗よりも冷やしていただくのがよろしいのかもしれません。
しかし、今日は冷やすのを忘れてしまいましたので、冷や(常温)でいただいてみたいと思います。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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ああ!
こりゃやっぱり燗より冷やがいいな。

フルーティーな吟醸香のような香りが少しありますね。
はっきりしてはいるものの、しつこくはないですね。

うまみはやや淡めですが、あわいなりにしっかりしています。
お米のうまみが、立体的な広がりはないものの、舌の上にサッと水平に広がるように感じます。
それに軽い苦みがかすかにあるみたいですが、決して雑味には感じません。
キレはそれほどでもないみたいですが、しつこさは全くないですね。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさがちょっと強めに効いていますが、角がなくて穏やかです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
さらっとした甘みをわずかに感じますが、コクはそれほど出てはいないみたいです。


米のうまみを、フルーティーな香りと酸味とが引き立てる、やや淡麗で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
吟醸香のような香りがありますか、しつこくなくてちょうどよいのではないでしょうか。
また酸味に角がなくて、それがかすかな苦みとともに味を引き締めているように感じました。
またキレはそれほどでもないものの、雑味がなく、しかも甘みが少ないためか、スッキリといただくことができましたよ。
吟醸造りではないはずなのに、丁寧に造ってあることがわかるお酒だと思います。

かなりおいしいのではないでしょうか!
これも今年のお歳暮候補としておきましょう。

【お酒】1028.聚楽太閤 上撰 カップ [41.佐賀県の酒]

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鳴滝酒造株式会社
佐賀県唐津市神田3272-1

原材料名・米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15度
180ml詰
(以上、フタより転記)




佐賀県には、上撰を名乗る普通酒にも糖類や酸味料が添加されているものが少なからずありました。
しかし、今日いただくこのお酒には、糖類や酸味料は添加されていないみたいでした。
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唐津のお酒ということで、カップには唐津くんちの曳山(やま)が描かれておりました。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、けっこうはっきりしておりました。
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おお、こりゃ濃いわ。
うまみは濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じ、クドさはないみたいです。
苦みもはっきりしていて、強くはないものの鋭さを感じます。
濃いせいか、キレはあまりないみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさがややはっきりしていますが、これにも鋭さを感じます。
それに、ちょっとピリっと感じました。

甘みははっきりしています。
とろみのような舌触りはないものの、けっこうはっきりしています。


酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)と共に、苦みと酸味、それに甘みがはっきりした、濃醇苦すっぱ甘口のお酒でした。
かなり濃くて、はっきりした味わいでした。
水割りでいただいてもよいくらいでしょう。
もしかしたら、地元の食べ物とあわせてこその味わいなのでしょうか?

【お酒】1021.古伊萬里 吟醸 300ml [41.佐賀県の酒]

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古伊万里酒造有限会社
佐賀県伊万里市二里町中里甲3288番地の1

アルコール分 14度以上15度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 60%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




今日は、「 江戸時代に伊万里で呉服商「公事屋京屋」を営んでいましたが、明治時代の終わり頃に酒造業を創業。「京娘」「里の雪」に続いて、先代の時に全国的に有名な焼き物“古伊万里”に負けない酒造りを目指して、「古伊万里」を新しく売り出します。」(※1)という、伝統的ではあるものの新しい銘柄のこのお酒をいただきます。


このお酒ですが、アル添吟醸酒ではありますが、度数は14度台とやや低めに設定されておりました。
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醸造アルコールの添加でもろみの度数を上げているにもかかわらず14度台まで下げているということは、加水が多めで淡い味わいに仕上がっているのでしょうか?


吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
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吟醸香は少しありますね。
フルーティーというよりも、むしろ花の香りのようです。
それにフレッシュな風味も感じますので、もしかしたら生貯蔵酒なのかもしれません。

うまみはやっぱり淡めです。
かなり淡いですね。
お米のうまみをほんのりと感じる程度です。
それに、軽い苦みをちょっと感じます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさを少しだけ感じますが、弱いなりに鋭さもありますね。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとした甘みが少しはっきりしています。


吟香とフレッシュさとが豊かで、甘めだが軽い苦みが味を引き締める、淡麗ちょい苦やや甘口のお酒でした。
これはうまみよりも、風味を味わうお酒でしょう。
それ故に、食事との合わせ方がいささか難しいかもしれません。

(※1)平尾茂『佐賀酒ものがたり』p.50(2014.1 西日本新聞社)

【お酒】1020.天山 上撰カップ [41.佐賀県の酒]

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天山酒造株式会社
佐賀県小城市小城町岩蔵1520

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)




 天山酒造は佐賀県の中央にそびえる秀峰・天山を背に、清流祇園川のほとりに構える創業百有余年の酒蔵。
(中略)
「天山」は地元の天山から名付けた銘柄。その後、先代が北部九州限定のブランド「岩の蔵」を立ち上げ、さらに東京向けの「七田」を生み出しました。」(※1)
ああ、“七田”の蔵元さんなのですね。

七田はみな特定名称酒でしょうが、今日いただくこの天山は、残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
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なお、ラベルには上撰の小印は表示されておりませんでしたが、購入した際に受け取ったレシートに記載されておりましたので、それに依拠いたしました。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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ああ、やっぱりね。

うまみはやや淡めです。
やや淡めですが、やっぱり添加されたようなクドさをちょっと感じますね。
それでもしつこさはないみたいです。
また、苦みはやや弱めですが、弱いなりにはっきりしています。

酸味ははっきりしています。
すっぱさに鋭さがあって、耳の下あたりをちょっと突いてきますね。
それに、ちょっとピリッと感じます。

甘みはやっぱりはっきりしています。
とろみのような舌触りがはっきりしていて、ちょっとべとつく感じがします。


やや淡麗ながらもちょいクドちょいピリ甘口のお酒でした。
いかにも添加された味わいでクドさを感じますが、やや淡めなせいか、しつこさはないですね。
むしろ甘みのほうがしつこく感じました。
一方で、酸味ははっきりしていました。

でもね、それでも不思議と全部飲めちゃうんですよ。
この趣味を続けたことで、私自身が三増酒の味わいに慣れてしまったのかもしれません。

(※1)平尾茂『佐賀酒ものがたり』p.34(2014.1 西日本新聞社)
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