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【お酒】1635.薩州正宗 純米吟醸酒 300ml [46.鹿児島県の酒]

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薩摩金山蔵株式会社
鹿児島県いちき串木野市野下13665

原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合/60%
アルコール分/15%
内容量/300ml
(以上、ラベルより転記)




たしかオイラが子供だった頃は、夏になって最高気温が30度を超えるという予報が出ると大騒ぎしていたっけ。
それでも帽子をかぶれとはしつこいほど言われたものの、水を飲めとか外に出るなとは言われなかったな。
それが今じゃ夏は30度越えが当たり前で、そんな日は休日でも外で遊んでいる子供の姿をすっかり見かけなくなってしまいましたね。

その暑さに参って外へ出てこないのは、人間だけではないみたいです。

今日は休日だからいっぱい遊んでもらいたかったのにさ、車の下からけっして出てきてくださらなかったのですよこのお方は。
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(友情出演)

こんな暑い日は、南国で造られた冷酒を試せばさぞやおいしいことだろうと思い、このお酒を選んだ次第でした。


鹿児島県で唯一の清酒蔵である薩摩金山蔵さんのお酒は、かつて薩州正宗 純米酒 300mlをいただいております。
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今日いただくこのお酒は、精米歩合60%の純米吟醸酒でした。
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純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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上立ち香はほとんどわからない程度です。
でも一口含むと、フルーティーな風味が鼻へ抜けて行きます。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
米のうまみがピンと効いていて舌の上を突いてくるようですが、厚みも少し感じます。
吟醸酒らしい苦みが少しはっきりしているとともに、土っぽい風味をかすかに感じますよ。
キレがよいみたいです。

酸味は意外にもはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さもありますね。
スース感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめです、
ゼロではなく、弱めですが、それでも幅を感じます。


ちょい苦ちょいすっぱやや辛口のお酒でした。
香りがしつこくなくていい感じでした。
米のうまみが濃くはないもののしっかりしていて、飲み応えを感じました。
また酸味が効いていたことから、これは肉や魚と合うのではないかと思いましたよ。

ただね、味のバランスが絶妙だった純米酒と比べると、こちらの純米吟醸酒は酸味や苦みが突出しており、それに土っぽい風味などがあったりとバラバラだと感じました。
私としては、純米酒のほうがおいしいのではないかと感じた次第でございました。






今日は冷蔵庫の残り野菜の大掃除。

まずは、焼かなすのごま酢和え。
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そして、キャベツ、人参、魚肉ソーセージのにんにくしょうゆ炒め。
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ごちそうさまでした。
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★☆★☆おしらせ★☆★☆

次回の更新は、8/16(金)を予定しております。
それまでのあいだ、更新を休みます。
ごきげんよう。

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(友情出演)

【お酒】1302.薩州正宗 純米酒 300ml [46.鹿児島県の酒]

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薩摩金山蔵株式会社
鹿児島県いちき串木野市野下13665

原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合/70%
アルコール分/15度
内容量/300ml
(以上、ラベルより転記)





14年前に発売された書籍では、「芋焼酎の本場である鹿児島県は、全国で唯一清酒製造場のない県となっていますが、以前は県の酒造研究所で清酒製造が行われていた時期もありました。焼酎のほか昔から造られているこの県特産の「地酒(じしゅ)」がありますが、これは熊本の「赤酒」同様に草木灰を加えた「灰持ち酒」の一種で、清酒とは全く異なる赤みを帯びた色合いの濃厚で甘い酒です。」(※1)と紹介されている鹿児島県。

なんでも、「明治中期頃までの鹿児島地方では焼酎と同じ程度に清酒も造られていた。ただし、鹿児島地方の気温や湿度の高さ、当時の醸造技術から推察して、その清酒はとても美味とは言えなかったであろう。」(※2)とのこと。
そのせいか、「鹿児島の地を訪れてまず驚くことは「さけ」とは焼酎のことだと知ることである。他の地域では「さけを下さい」とは清酒の注文にほかならない。鹿児島では居酒屋であれ酒屋であれ、焼酎が「さけ」であり、清酒が置いてあってもそれは特別な客のためとか、特別の銘柄の清酒販売を店の特色として使う場合に限られている。」(※2)と書かれているとおり、鹿児島には清酒を飲む文化自体がなくなってしまっていたそうです。


ところが、近年になって鹿児島での清酒造りが復活したのだとか。
それが今日いただくこのお酒です。
瓶の肩に掛けられていた札には、“薩摩で唯一の清酒”と書かれておりましたよ。
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どうやらこの蔵元さんは、芋焼酎“海童”を造る濵田酒造さんの傘下にあるみたいですね。
これはわたしの予想ですが、大手蔵たる濵田酒造さんの下で四季醸造と機械化とを導入することよって、上記(※2)の文献で指摘されていた鹿児島地方の気温や湿度の高さを克服なさったのでしょうか?


ところで、上記サイトで調べてみたところ、薩州正宗の銘で出されているレギュラー商品は、現時点では純米酒と純米吟醸酒との二種類のみのようですね(本日調べ)。
本醸造や普通酒の取り扱いがないということは、おそらく地元の一般家庭で晩酌として愛飲されるような状態にには、まだまだ至っていないのでしょう。
それとも、どこかの山口のナントカ祭のように、そのような状態に至ることを蔵元さんは最初から狙っていらっしゃらないのでしょうか?
登場してからまだ5年ほどのようですので、おそらく販売や普及の方法については試行錯誤のところが少なからずあるのかもしれませんね。


純米酒ですが、フルーティーとのことでしたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
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お酒の色は、少し着いていることがわかりましたよ。
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フルーティーな香りはありますね。
でも、しつこくなくて、ほんのりと感じる程度です。

うまみはやや濃いめです。
米のうまみがかなりしっかりしています。
吟醸酒のような苦みというかざらつきがありますが、かなり軽めです。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを少しだけ感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとしてはいるものの、厚みを少し感じます。


米のうまみが豊かで、香りや軽めの苦み、酸味、それに甘みがうまみを引き立てる、やや濃醇で旨口のおいしいお酒でした。
味の要素をいろいろと感じるものの、うまみ以外には奥ゆかしさを感じました。
そのためか、全ての味の要素がうまみを押し上げているようでした。
香りや味わいに角がなく、ちょうどよく調和していておりましたよ。

これ、けっこういけまっせ!
手造り感はないものの、大手蔵らしい緻密な設計の下に造られたバランスのよい味わいでした。
しっかりしているものの、スイスイといけてしまいましたよ。

ただね、あたしゃ願わくは、鹿児島県から清酒がいったん途絶えた以前のお酒の味ってのも、ぜひとも味わってみたいなと思いましたとさ。

(※1)松崎晴雄『日本酒のテキスト 2 産地の特徴と造り手たち』p.139(2003.11 同友館)
(※2)豊田謙二『南のくにの焼酎文化』p.58(2005.4 高城書房)
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