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9940.福岡県の焼酎 ブログトップ

《焼酎》268.綺羅麦 25度 300ml [9940.福岡県の焼酎]

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販売者 アサヒビール株式会社
東京都墨田区吾妻橋1-23-1
製造場 ニッカウヰスキー株式会社
福岡県北九州市門司区大里元町

本格焼酎
原材料名 麦麹(国内製造)、麦
国産二条大麦使用
アルコール分 25度
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




浅草にある、とある角打ちにて入手したものです。
冷蔵庫の中に鎮座ましますお姿を、かなり前から拝見しておりました。
そしてその角打ちへ通うごとに飲んでみたい気持ちが高まり続け、とうとう先週末に入手してまいりました。

販売者が東京都にある会社で、製造場が福岡県というこの焼酎。
どちらの都県産として区分するか迷いましたが、前例に従いました。
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この“綺羅麦(きらむぎ)”なる製品。
販売元のプレスリリース(2004(平成16)年9月14日)では、以下のように紹介されておりました。
すっきりとした後味の焼酎をベースに、麦麹だけを原料にした全麹仕込み焼酎と、ローストした麦を原料にした焙煎焼酎を絶妙にブレンドすることで、コクのある麦の味わい、麦のほのかな香ばしさを実現しています。原料は“国産”にこだわり、醸造用に開発された二条大麦である佐賀県産「ニシノチカラ」を主体としています。粒が大きく精麦しやすいため焼酎づくりに適している国産二条大麦のみを使用することで、麦本来のおいしさを醸し出し、日本の風土に培われた焼酎の魅力を訴求していきます。

同様のことは、ラベルにも書かれておりました。
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品質表示を見ると、麦麹が原材料名の筆頭に表示されておりますね。
ここから、全麹仕込み焼酎の使用量が最も多いことがわかります。
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ところで、この“綺羅麦”。
上記プレスリリースでは、2004(平成16)年10月13日(水)を発売日とする旨が公表されておりました。
製造元は、“アサヒ協和酒類製造(株)(門司工場、福岡県北九州市門司区)”。

ところがこの瓶のラベルには、製造者はニッカウヰスキー株式会社とありました。
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どうやらアサヒ協和酒類製造は、2006(平成18)年1月にニッカウヰスキーに吸収合併され、同時にこの“綺羅麦”が製造された門司工場はニッカウヰスキーの所有となったみたいでした。


何が言いたいのか?


結論の前にもうあと2つ、情報を。

この綺羅麦について調べるべく、アサヒビールさんのWebsiteにアクセスし、商品情報ページを覘いてみたところ、現在(2023年12月29日)は掲載されておりませんでした。

また、とある酒販店さんのWebsiteには、なんと、
2022年3月に終売商品となります。
と、書いてあったのです。

要するにこの商品は、2022(令和4)年3月以前に製造されたものて、その後私が入手するまで少なくとも1年半の間角打ちの冷蔵庫の中で眠っていたものということでしょう。
もしかしたら、2006(平成18)年1月から2022(令和4)年3月までの間のいずれかの日に製造され、数年間も眠っていたのかもしれません。

まあでも、このラベルを見る限り、退色した様子はございません。
それ故、それほど古い商品ではないことでしょう。
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それに、焼酎は蒸留酒ですし、しかも冷蔵庫の中で保存されていたわけですから、瓶の中で適度な熟成を経ているものと考えても問題はないと思います。



話のネタが尽きたところで、いただいてみましょう。

まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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香りは、鼻を近づけるとごくかすかに香ばしい香りを感じるだけ。

スース―の、ピリピリ。
麦の風味をほんのりと感じ、香ばしさはごくかすか。
苦みや雑味、重さや焦げ臭はゼロ。
甘みもほんのりと感じます。

それでいてけっこうスッキリしており、さっぱりとした口当たりでした。


次に、水割り(濃いめ)で試してみました。
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香りは生と同じ。
麦の風味をふんわりと感じ、かつ厚みも少しあるみたいです。
香ばしさはごくかすか。
甘みはほんのりですが、喉を通った後で押してくるみたいです。
でもやっぱり口当たりはさっぱりしています。


最後はロックで試して見ました。
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トロリ感は少ない。
ロックで出がちな苦みがあって、鋭いです。

風味は水割りと同じ。
甘みは苦みに隠れて引くみたい。
それ故か、引き締まった感じがいたしました。


風味も甘みも穏やかで雑味のない麦焼酎でした。

クセや重さ、焦げ臭などがないところから察するに、おそらく減圧蒸留なのではないでしょうか。
しかも風味はさっぱりしていて、飲みやすく感じました。
ただそれ故にか、物足りなさもあるように思いました。
ブレンドされている焙煎焼酎の風味を期待したのですが、ほとんどわかりませんでした。


以上です、編集長!(←大木凡人より)






その綺羅麦と合わせた今日のエサはこちら。

こちらひさびさの、さんまかば焼き缶。
318円+税だとよ!。世も末だな。
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うざくならぬ、さんまざく。
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キャベツ。
これで50円+税は、高いのか安いのか?
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にんにくとバターとで、レンジ蒸し。
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大根の切れ端。
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大根おろしにして、なめ茸とわさびとをのせていただきました。
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ごちそうさまでした。
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★☆おしらせ★☆


2023年の更新は、今回が最後です。
今年も飽きずにお読みいただきまして、にふぇーでーびたん!

明日からは、
行きたくないのに義理で行かねばならない場所へ行くふりをしつつ、
いつもの蕎麦をいただいたり、
いつもの酒場で酩酊したり、
城下を徘徊したりするつもりです。


次回の更新は、
2024年1月の、第一週末か、第二週となる予定です。


コメント欄へは、
今年一年お読みになられたご感想や、
こんなとこがくだらなかったというご感想など、
忌憚なきご意見をご自由にお書きいただければ幸甚です。

ですが、どうか、
「名誉棄損だ」といった脅迫を含んだ匿名での(怖くてご自分の素性を明かせない)誹謗中傷はおやめいただきたく
また虚礼廃止でお願い申し上げます。
<(_ _)>



それでは皆さま。
ごきげんよう!

《焼酎》154.金黒 25% 220ml [9940.福岡県の焼酎]

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製造者 ニッカウヰスキー株式会社門司工場
福岡県北九州市門司区大里元町2-1
販売者 アサヒビール株式会社
東京都墨田区吾妻橋1-23-1

本格焼酎
原材料 さつまいも、米麹(国産米)
アルコール分 25%
容量 220ml
(以上、包装フィルムより転記)




今週の平日には、風味が薄い前割り焼酎3種をいただきました。
それ故に、ここらで風味がしっかりした焼酎をいただきたくなってしまいました。

在庫を探してみたところ、焼酎があったじゃあ~りませんか!
なんでも、ニッカウヰスキー門司工場で製造された芋焼酎なのだとか。
しかも蔵元さんのWebsiteによれば、どうやら黒麹仕込のようですね。
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使用している芋の全量が鹿児島県産の黄金千貫(こがねせんがん)だということはわかりましたが、“芋とろ火炊き贅沢蒸留”ってのはいったい?
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それではいただいてみたいと思います。

まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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最初に華やかな香りが鼻へと抜けて行きます。
それに芋のふっくら感が弱めながらに続くようです。
重さはまったくなく、黒麹の香ばしさもかなり弱めです。
甘みは弱めながらにわかります。
でも、25度ですからやっぱりちょいピリですね。


次に、ロックで。
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ロックでありがちな苦みが出ます。
強くはないものの、鋭さがありますよ。
でも、生(き)よりも甘みがわかりやすくなったようです。
風味は引きますね。


最後はお湯割りでいただきます。
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酸味が出ますね。
少し鋭いかな。
その酸味に、華やかさが続くようです。
割ったせいか、かなりスッキリしております。



華やかでスッキリの芋焼酎でした。
重さゼロで、黒麹の香ばしさはかなり弱めの飲みやすい芋焼酎でした。
風味よりも、むしろ華やかな香りを楽しむ焼酎ではないでしょうか。

私の少ない経験から察するに、昨今の芋焼酎って、黒霧島のような軽くてスッキリしたものと、さつま白波みたいにどっしりとした飲み応えのあるものとに分かれるように思いますよ。
世に出回っている商品の大勢は前者でしょうけれど、あたしゃむしろさつま白波のどっしりとした風味が好きですわ。

この金黒はまちがいなく前者でしょうけれど、それ故に私といたしましてはいささか物足りなさを感じてしまいました。





この金黒に合わせた今日のエサはこちら。


まずは冷蔵庫の残り物のコールスロー。
キャベツは生ですが、にんじんはレンジで火を通して甘みを出しました。
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トマトとさば缶。
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ペンネと合わせました。
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塩気はひかえめにしましたが、トマトの酸味とにんにくの風味が効いていてまいう~♪
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★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

ダンナには、今日もいっぱい遊んでいただけましたとさ。
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(友情出演)

《焼酎》57.ごま祥酎 紅乙女 200ml [9940.福岡県の焼酎]

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株式会社紅乙女酒造
福岡県久留米市田主丸町益生田562-1

本格焼酎
原材料名 麦・米麹・胡麻
アルコール分 25度
200ml
(以上、ラベルより転記)




今日は、主原料の一部に胡麻が使用されている焼酎をいただきます。
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この焼酎は、「おめでたいしるし」(蔵元さんのWebsiteより)を込めて、ごま“祥酎”と呼ぶのだとか。
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胡麻を用いた焼酎は古くから造られていたわけではなく、この紅乙女酒造さんが昭和40-50年代にかけて開発なさったのだそうです。
そもそも、「元来、ごまには脂質が多いため、焼酎に油分が残留しすぎると油臭さが出てしまうという、非常に扱いにくい素材」(※1)なのだそうですが、それでもおいしい焼酎を造りたいという信念の下で胡麻を用いた焼酎の開発に取り組み、約七年かけて商品化なさったそうです。
このことについて、文献には以下のような記述がありました。

 焼酎造りを本格的に始めたのは昭和46年のこと。長男に家業をゆずった後、今度は自分たちが味わう美味しくて健康にいい酒を夫婦で造ろうと、春野さんにとっては念願の「いい香りの酒」造り実現への機会だった。
(中略)
 まずは同じ蒸留酒である焼酎に目を向けた。当時焼酎は安く下級な酒とみなされ、特にその臭いは敬遠された。臭いを消して何とか憧れの洋酒の香りに近づけようと、春野さんは懸命になる。材料も胡麻にたどり着くまでは試行錯誤の連続だった。江戸時代の筑後地方は、胡麻の生産高が日本一だったと言うが、そんな身近な素材から誕生した焼酎は、現代の健康ブームも大きく先取りするものだった。」(※2)

 ある時、実弟が「姉さん、これはどうかね」といって一瓶の焼酎を持ってきた。試してみると焼酎の臭みがなくマイルドな味がする。
 麦焼酎にごま油をたらしてみただけだという。「胡麻」、今まで気づかなかったヒントを弟がくれた。胡麻は栄養があるし、香りもいい。これを焼酎に活かせたらいいものが出来るかもしれない、と思った。
(中略)
 しかし、胡麻は発酵力が弱く、発酵させて酒にするのは難しかった。醸造の技術者に依頼して胡麻をすったり、炒ったり、試行錯誤して造っては保存していった。洋酒のように貯蔵することで味と香りがよくなると思ったからだ。それでもある時、忘れていた容器を開けて味わってみたら、なんとも滑らかな舌触りでいい香りがぷーんと立ち昇ってくる。
 「これはよか!」とご主人たちにも味わってもらった結果、この製法にかけることにした。本格的に製造にかかりたいが、福岡国税局からの認可を受ける段階になったら製造認可の返事がなかなか出ない。胡麻を原料として添加することは、今までに例のない新しい方法であることなどの理由であった。
 春野社長は直接本庁の意見を仰ぐことにして単身上京し、国税庁に説明した結果、胡麻を焼酎の原料として使用することが認められ「胡麻焼酎」の製法認可が下りたのである。
(中略)
 焼酎に取り組みだしてから商品化するまで約七年たっていた。」(※3)


上記の引用文献に登場する“春野さん”は、紅乙女酒造さんの創業者であった林田春野さんのことでしょう。
林田春野さんは明治45年のお生まれで、女学校卒業後に田主丸にあった造り酒屋で嫁いで来られたようですが、胡麻焼酎を本格的に販売すべく「昭和53年に株式会社「紅乙女酒造」を正式に成立させ、春野さんは社長に就任する。」(※2)とあることから、60歳半ばを過ぎての起業だったわけですよ。
しかも起業する前に、約七年もの間研究を続けていらっしゃったわけですから、おいしい焼酎を造りたいという信念はとても強いものだったことでしょうね。

もしオイラも強い信念を持ってこれまでの人生を生きて来ていたら、今頃はきっと、毎日こんな酒臭いブログを書きながら飲んだくれちゃいなかったんだろうな・・・・。
オマエのことなんかどうでもいいわ。


それでは、いただいてみましょう。
上記にあるとおり、香りを特長とする焼酎のようですから、その点を考慮して味わってみたいと思いますよ。



まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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上立ち香はないものの、一口含むとごま油のような香りを感じます。
焼酎自体の風味は弱めで、減圧蒸留らしい麦焼酎のフワッとした風味を少し感じる程度です。
それに25度だからでしょうか、生だとけっこうピリッときますね。



次に、お湯割りで。
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香りが立ちますね。
鼻を近づけると上立ち香を感じ、一口含むと口の中でフワッと広がります。
それにお湯割りだと、胡麻の香ばしさがわかるようです。
ピリは消えますが、甘みは薄まるものの残ります。
お湯割りにありがちな酸味はそれほど感じませんでしたが、冷めると少し出るようです。
苦みや雑味は感じません。



最後は、残ったものをロックで。
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予想してはおりましたが、ロックにすると苦みが出ますね。
しかも強めで、けっこう鋭い苦みです。
うまみや甘みは生(き)と同じくらいでしょう。
香ばしさは少しわかるようです。



一口味わっただけで、胡麻を主原料としていることがはっきりとわかる焼酎でした。
といっても、胡麻は味わいのためというよりも、むしろ香りのための原料といった感じがいたしました。
味わいのベースは、減圧蒸留の麦焼酎といったところでしょうか。

私は胡麻が好きなので、楽しませてもらいました。
こういった香りづけのしかたであれば、私の好みで言えば、例えば麦に胡椒、あるいは山椒を合わせて造ってもいけるのではないかと思った次第でした。
もっとも、それを商品化させ得るほどの信念は、私にはありませんけれどね。

(※1)エイムック2089『焼酎の基本』p.042(2010.12 枻出版社)
(※2)葛木操『「九州おんな気質」 第7回 福岡・筑後の「紅乙女」』p.179(財界九州 45巻6号 p.177-180 2004.6 財界九州社)
(※3)脇田直枝『六十歳を超えて起業する 連載① 紅乙女酒造社長 林田春野 はやしだ・はるの 九十五歳 明治女の九州魂 「六十六歳から創業した紅乙女酒造」』p.76(財界 55巻3号 p.74-76 2007.1 株式会社財界研究所)
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