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【お酒】483.忠正(ちゅうまさ) 本醸造 カップ [22.静岡県の酒]

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株式会社駿河酒造場
静岡市駿河区西脇25-1

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造用アルコール
精米歩合65%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)



このお酒の“忠正(ちゅうまさ)”という名称について、文献では以下のように紹介されていました。
創業は1751年(宝暦元年)。初代橋本忠兵衛は、賤機山の山麓から湧き出る岩清水を源として酒造りを始めた。(中略)当主の忠の字をとって「忠正宗」としたのが起源である。」(※1)

“忠正宗”、略して、“ちゅうまさー”(←ごきげんよう風に)って感じでしょうか。


しかし、上記に記載した名前の由来は、吉屋酒造という蔵元さんに関するものでした。
どうやらこの吉屋酒造さんは、平成22年に廃業なさったようなのです。

この点、静岡県酒造組合のWebsiteによれば、以下のように紹介されておりました。
 「えっ、駿河酒造場っていう社名の酒蔵、静岡県にあった?」と思われた方、静岡地酒にお詳しいですね。駿河酒造場は、旧・曽我鶴・萩の蔵酒造の新しい社名です。
2010年4月に浅間神社近くの吉屋酒造さんが廃業されましたが、その「忠正」ブランドを曽我鶴・萩の蔵酒造さんが引き継ぐことになりました。そこで、蔵を掛川市から静岡市駿河区に安倍川水系の佳い水を得て移転し、社名も駿河酒造(原文ママ)へと改めました。

要するに、掛川の蔵元さんが忠正の銘柄を継承し、それとともに静岡市内へ移転して社名を改めた、ということですね。


廃業した蔵元さんの銘柄を他の蔵元さんが継承したという例は、かつて山形県の“最上川”、”そして滋賀県の“六瓢箪”で知ったことがありました。
また、吸収合併された蔵元の銘柄を存続会社が引き継いだ例として、岩手県の“七福神”がありました。
このような例は、灘の蔵元さんの間でもいくつか見られます。

これは私の推測ですが、廃業した蔵元さんの銘柄を承継するということは、その銘柄が昔からずっと地元の人たちに愛されていたからではないでしょうか。
その銘柄を継承した蔵元さんは、地酒を造る同業者として地元の愛飲家に対する責任感をもってその銘柄を存続させたのではないかと思うのです。
だって、もしそうでなければ、他社が廃業した隙をついて自社の銘柄を積極的に売り出すはずです。


そんな駿河酒造場さんの粋なはからいに敬意を表しつつ、このお酒をいただきたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
その前に、このお酒ですが、おいしそうな色をしています。
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うまみはやや淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、香ばしさを感じます。

酸味はひかえめです。
ほんの少しさわやかさを感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みもひかえめです。


淡めだが酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)と香ばしさとを感じる、やや淡麗でやや辛口のお酒でした。
酸味と甘みとがひかえめなせいか、全体的に軽快な味わいに仕上がっていると思います。
私としては、甘みがもう少しあったほうがコクが出てよいのではないかと思いました。


(※1)高橋清隆『新・静岡県の地酒 名酒蔵めぐり』p.101(1996.7 静岡新聞社)
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