【お酒】2311.香住鶴 山廃 RICH カップ [28.兵庫県の酒]
製造者 香住鶴株式会社
兵庫県美方郡香美町香住区小原六〇〇の二
品目:日本酒
内容量:180ml
アルコール分:15度
原材料名:米(日本産)、米こうじ(日本産米)、醸造アルコール
(以上、ラベルより転記)
こちらひさびさの香住鶴。
香住鶴さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
そんな香住鶴さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
【お酒】164.香住鶴 但馬の誇りカップ
【お酒】537.香住鶴 但馬の自信カップ
【お酒】1938.香住鶴 生酛純米 270ml
【お酒】1943.香住鶴 山廃純米 カップ
今日いただくこのカップ酒は、“RICH”だってさ。
たしかかつては“但馬の誇り”って名前だったやつですね。
但馬の誇りのほうがカッコよかったと思うのってオイラだけ?
品質表示はこちら。
精米歩合の表示がないことから、普通酒で確定でしょう。
“このお酒は100%、米及び米由来の原料で醸造しています。”だってさ。
要するにアル添普通酒だけれど、“添加されているアルコールも米で造っていますよ~だ!”ってことでしょう。
こういう表示、かつて大七カップの箱や。愛知県のほうらいせんでもありましたね。
こういう表示を見るたびに思うのですが、そもそも米で造った醸造アルコールと廃糖蜜(さとうきびの搾りかす)で造ったそれとでは、品質に微塵のちがいでもあるのでしょうか?
たとえば、味付けされていない甲類焼酎を、その原材料のちがいを理由に正確に利き分けられる御仁でもいらっしゃるのでしょうか?
醸造アルコールについてはかつてこちらで触れておりますが、連続式蒸留機で95%までアルコールの純度を高めたもの(残りの5%は水)ですから、原料が米だろうが廃糖蜜だろうが何であっても、完成した醸造アルコールの品質は同一だと思うんですけれどね。
このような表示を禁止するルールはございませんけれど、結果として、たいしてちがいはないにもかかわらず、あたかもちがいがあるかのごとき表現で消費者をだましているような気がするのはワタクシだけでしょうか?
話のネタが尽きたところで、いただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いておりました。
酒臭い(ほめ言葉;以下同じ)香りがフワリと漂ってまいりました。
うまみは濃いめ。
酒臭さをどっしりと感じます。
香ばしさもちょっとあるかな?
逆に米のうまみはわかりにくいみたいです。
苦みや雑味はゼロですね!
キレもよい、スッと引いて、透明感すら少し感じます。
酸味はややはっきり。
すっぱさは熱いうちは出ないものの、冷めるにつれて徐々に鋭さが出て来ます。
でも、酸味の深みは最初から少し感じました。
スーかすか、ピリはなし。
甘みはややはっきりかな。
甘みそのものは前には出て来ませんが、口を付けたときから喉を通るまでじんわりと感じます。
濃醇ちょい深スッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
山廃らしいどっしりとした味わいで、飲み応えバッチリでした。
それなのにキレがよく、後味はスッキリしておりました。
驚いたのは雑味がゼロなこと!、山廃はとかく重さや荒さが出てしまいがちのように思いますが、このお酒は無縁でした。
かなりうまいね。
このキレのよさと透明感とは、きっとアル添の効果だと思います。
でも雑味のなさは、造りの技でしょうね。
それとも、米由来の原料だけで造ると、こういう味わいになるのでしょうか?
【お酒】2307.國生みの雫 特別純米酒 180ml [28.兵庫県の酒]
製造者 千年一酒造株式会社
兵庫県淡路市久留麻2485-1
アルコール分 14度
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 60%
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
千年一酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】2293.千年一 特別純米酒 300ml
【お酒】2294.千年一カップ
【お酒】2295.千年一 千どり 180ml
今日いただくこのお酒ですが、透明の箱に収納されておりました。
中にあったのはお酒と共に、
“伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)略誌”だってさ。
割愛。
酒銘は、“國生みの雫”。
“淡路幽宮御領酒”だってさ、
御料酒ってのは知っているけれど、御領酒ってのは初めてだなや。
品質表示はこちら。
精米歩合60%の特別純米酒。
話のネタもないことですので、いただきましょう。
特別純米酒には香りを特長とするものもございましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、少し茶色がかっておりました。
香りはなし。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみに厚みを少し感じるとともに、穏やかな熟成感を少し感じます。
軽い苦みもあって、軽いけれども少し鋭いみたいです。
キレはまあまあかな。
酸味はややはっきり。
すっぱさが強くはないものの、少し鋭く感じます。
酸味の深みも少し感じます。
スーはなく、ピリもなし。
甘みはややひかえめ。
後味で少し感じます。
やや濃醇でちょい枯ちょい苦ちょいすっぱちょい深旨やや辛口のおいしいお酒でした。
味の要素は複雑であったものの、それぞれが突出することなくうまくまとまっているようでした。
なかなか行けると思いました。
次に、残りを燗で試して見ました。
アルコール香が少し立ちました。
キレが良くなって、初めに甘みがぼんやりとちょっとだけ現れてスッと姿を消しました。
米のうまみは厚みが引きました。
苦みは完全に消えました。
でも、穏やかな熟成感はそのまま。
すっぱさと酸味の深みとも、ちゃんと残っておりましたよ。
燗にすると、やや淡麗でちょい枯ちょいすっぱちょい深スッキリ旨やや辛口のおいしいお酒になりました。
燗のほうが、うまみの厚みが引くとともに、キレが良くてスッキリしておりました。
それ故に、こちらはやや淡麗でしょう。
でもちょい枯やちょいすっぱちょい深は残っており、飲み応えがありました。
しかも苦みが引いて、飲みやすくなりました。
面白いかったのは甘みで、冷たいときには後味で感じたのに、燗にすると最初に出てきて一瞬で消えたことでした。
“國生みの雫”は、冷やしても燗でもおいしいお酒でした。
【お酒】2303.神鷹 純米酒 水酛仕込み 300ml [28.兵庫県の酒]
製造者 江井ヶ嶋酒造株式会社
兵庫県明石市大久保町西島919
品目 清酒
内容量 300ml
原材料名 米(兵庫県産)、米こうじ(兵庫県産米)
アルコール分 15度
精米歩合 70%
(以上、ラベルより転記)
「日清戦争時、日本海軍の旗艦高千穂のマストに鷹が舞い降りたというエピソードと、神も正義の戦いに味方したことにちなんで、勇ましい正義のシンボルとしてつけられた」(※1)という
“神鷹(かみたか)”。
江井ヶ嶋酒造さんは、清酒のみならず、ウィスキーやワインも手掛けていらっしゃるのだとか。
かつては大分市内に焼酎蔵を所有されていた時期もあったようです。
その江井ヶ嶋酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】524.神鷹 たる酒 300ml
【お酒】643.神鷹 サケカップ
【お酒】1702.神鷹 吟造り 吟醸酒 300ml
【お酒】2268.神鷹 吟醸 300ml
今日いただくこの神鷹は 純米酒。
品質表示はこちら。
ですがこの神鷹、生酛でも山廃でも速醸酛でもなくて、
“水酛仕込み”(みずもとしこみ)なんだってさ。
水酛の解説はこちら。
皆さん、これで、水酛についてよーくわかりましたね。
いやいや、そんなことはございませんです罠。
そうなんですよ川崎さん!
(山本耕一@アフタヌーンショーより)
ここからワタクシの、
自己満足的ウンチクたれ放題がはじまるのですよ!
1.酛=酒母とは
酛(もと)あるいは酒母(しゅぼ)について簡単に触れると、酒造りの仕込前に用意しておく、酵母の培養液です。
これを用意しておくことで、もろみ中での並行複発酵(でんぷんの糖化+アルコール発酵)を一気に進めることができるのです。
酛・酒母についてはかつてこちらで触れておりますので、ご確認下さい。
以下、これらを踏まえた上での記述となります。
2.水酛とは
水酛(みずもと)は、酛・酒母を造る方法の一つです。
他の方法としては、生酛(きもと)やその派生である山廃酛(山卸廃止酛:やまおろしはいしもと)、速醸酛(そくじょうもと)と言ったものがございます。
細かく分類するともっといろいろとあるのですが、とりあえず特徴的なものとしてこれらを抑えておけば問題ないと思います。
なお、山廃酛は明治末期に発明された生酛の簡略形態(下記(1)(2)を省略したもの)であって、生酛や速醸酛と比べると、水酛の栄枯盛衰とはそれほど密接な関係はなかろうと判断し、以下では触れてはおりません。
あしからず。
このブログでは、かつて、水酛の一例を紹介しております。
それは、“菩提酛(ぼだいもと)”。
菩提酛は、正暦寺(奈良県奈良市)で造られている水酛なのです。
詳しくはこちら↓をご参照下さい。
【お酒】1082.三諸杉(みむろすぎ) 菩提酛 純米酒 300ml
「「菩提酛」は「水酛(みずもと)」ともいい、(中略)その造り方は『童蒙酒造記(どうもうしゅぞうき)』に記載されている。」(※2)とあります。
この『童蒙酒造記』は「一七世紀末の酒造法を詳細に記述した教科書的な酒造技術書といわれる。「童蒙」とは、まだ知識も理解力も十分ではない子どもという意味だが、子どもでも理解できるほど懇切ていねいに書かれているという意味か。延宝五年(1677)から貞享三年(1636)までの米価と酒価の記述があることから、貞享四年以降、遅くとも元禄(1688~1704)の早い時期の成立と考えられる。」(※3)とあることから、
水酛は江戸時代前期かそれ以前の戦国・室町時代から普及していた古い酛立て(酒母造り)の方法であることは確実であろうと思われます。
水酛による酛立ては、下記ⅠⅡの2工程の作業によって構成されています。
Ⅰ:生米と蒸米とを水につけて乳酸菌を育て、乳酸発酵によって酸性になった水(そやし水)を作り出す工程
Ⅱ:そのそやし水を仕込水として用いて、酵母を培養する工程
このように水酛は、自然の力によって乳酸発酵させることから、生酛の原型であるとも言えます。
それだけではなく、乳酸を含んだそやし水を仕込水として使うということでは、速醸酛の原型でもあると言い得るのです。
3.水酛の利点
「夏期の酒造りの酒母として,生酛や山廃酛は不可能であるが,水酛では必ず酵母が集殖されるという結果は,温暖期の酒造りに使われていた事実を十分裏付けるもので,先人の偉大な発見といえよう。」(※4)とあるように、水酛は比較的温暖な時期においても有用な酛立て方法だったそうです。
それと、もうひとつ。
これは完全に私の推測です。
生酛の場合は、一旦混ぜた米と麹とを、たくさんの半切り桶に小分けし、それを山卸(酛摺り:攪拌作業)して再び一つの大桶に集約するという、かなり手間がかかる各作業があるわけです。
すなわち、
(1)半切り桶への小分け
↓
(2)山卸(酛摺り)
↓
(3)大桶(酒母タンク)に集約(酛寄せ)
これら(1)(2)(3)の各工程を効率よくこなすためには、かなりの人手を要することになります。
一方で水酛では、これらの作業を要しないわけですから(せいぜいそやし水をすくって酛立て用の大桶へ入れるだけ)、人手が少ない小規模の蔵元であっても為し得たことが、水酛が採用され続けた一因ではないでしょうか。
ですがその水酛も、後述のとおり速醸酛の登場でこれに代わられることになるわけですけれど。
4.水酛の問題点
ただこの水酛には、問題点があるとのこと。
それが、今日では廃れた原因なのだとか。
生酛の場合は、
上記(1)(2)(3)の作業を終えた後、それを低温環境下で攪拌しつつ保持することで、下記(a)(b)(c)(d)(e)の順番で自然発生的に変化が生じます、
(a)硝酸還元菌の増殖による亜硝酸の発生
(b)亜硝酸による有害微生物の淘汰/有用乳酸菌の増殖
(c)乳酸菌による乳酸の発生/麹による糖化の促進
(d)乳酸で強酸性になり硝酸還元菌と乳酸菌とは死滅/亜硝酸の分解消失
(e)清酒酵母(耐酸性)のみの増殖
このように、最終的には清酒酵母と乳酸とだけが酒母の中に確実に残るわけです。
「生酛は冬の厳しい寒さを利用する方法でもあり、江戸時代初期にはすでに「寒造り酛」として基本的な製法が確立されていた。」(※5)とのこと。
一方で、「酵母の基礎的研究が若い微生物学者矢部規矩治博士(10)(11)、沢村真博士(12)らの手で進められていたが、特に矢部博士の「日本酒母」(Saccharomyces Yabe 今日の清酒酵母)の発見は、日本人として初めての輝かしい業績であった。
(10)矢部規矩治「清酒酵母の由来について」・東化・一七・二九(
(11)矢部規矩治「日本酒母(Sacch. Sake)の本源」・東農学報・三・二二一(一八九七)
(12)沢村 真「清酒イーストの養料に関する研究」・東化・一八・一〇五(一八九七)」(※5)
とあるとおり、酵母の発見は明治29(1896)年・同30(1897)年になってから。
ということは、江戸時代初期に確立されていた生酛造りの方法は、酵母の存在もアルコール発酵のしくみをも知らないまま、完全に経験則だけに基づいて確立されていたわけです。
あたしゃこの点が、ものすごいことだと思うのです。
お酒って、人々が生きるためにけっして必要不可欠なものではないわけですよ。
(オマエには精神を安定させるために必要不可欠だろ。)
それなのに、酵母の知識も発酵の理屈も知らない中で、何度も何度も失敗を繰り返しつつもその中から成功した点だけを抽出し、最終的には完璧な酛造りの技法である生酛を確立させたわけですから。
生きていくために必要不可欠なものではないにもかかわらず、そこまでの情熱と忍耐とを杜氏以下蔵人たちに湧き起こさせたわけですから。
閑話休題。
また速醸酛は、化学的に生成された純度の高い乳酸を添加することで(a)から(d)までを省略し、はじめから(e)のみをさせる方法。
それ故、速醸酛も、最終的には清酒酵母と乳酸とだけを残すことが可能なのです。
これに対して水酛はそうはいかず、かなり不安定であるという問題点が指摘されています。
A:「水酛では,酵母も乳酸菌も自然集殖のため,仕込毎に異なった性質の菌が出現し、酒母やもろみの経過や成分が変動し、好酒質が保たれ難い。」(※7)
B:「水酛では亜硝酸の生成は殆どないので(第3表),山廃酛のように酵母に対する淘汰現象はないと考える。Killer 酵母が多く検出されたこと,そやしや水酛からのプレート上のコロニーはほぼ一様であることから,最初に出現,増殖を始めた菌株が圧倒優先したものと考えるものである。」(※4)
「共棲してくる乳酸菌の性質によって結果は重大で第3表、第4図のような場合には腐造を免れ得ない。また酵母の性質も様々で,酒質もその影響をうけたと推測される。このように水酛造りには微生物相をコントロールする理論と手段がない。」(※4)
C:「水酛には弱点がある。酵母とともに乳酸菌も必ず増殖してくるから、これを酛にしたもろみには乳酸菌も活躍し、どうしても酸の多い酒になり、下手をすると酸敗してくる。」(※8)
それ故、
「速醸酛の発明を境に、水酛が使われなくなった」(※8)
とのことでした。
今日では、水酛は、菩提酛のような特殊な例を除いて一般的な酒造りではほとんど使われていないのだそうです。
5.水酛で造られたお酒の味
そんな水酛を復活させた、江井ヶ島酒造さん。
察するに、江戸明治大正期とは異なり、雑菌や有害微生物が外部から侵入し得ない環境で酛立てをなさっていることでしょう。
それ故、今日いただくこのお酒に関しては、上記A・Bのような酒質への悪影響や腐造をもたらすような失敗はないものとお察し申し上げます。
しかしCは、外部からの作用ではなく水酛の性質そのものに起因する影響でしょうから、防ぐ方策はないと思います。
それ故、もろみ中への乳酸菌の侵入と活性化とにより乳酸が増え、結果として乳酸の含有量が多めの酛となり、それを使用して造ったお酒は酸味がかなりはっきりしたすっぱめ味わいになることは避け得ないものと予想し得るわけです。
まあでも、その乳酸がすっぱさのみならず、酸味自体の深みをもたらしてくれれば、その深みを味わうことができる美味しいお酒になるかもしれません。
瓶の肩にかけられたPOPには、いちおうそのような味になっている旨が紹介されておりましたよ。
おつかれさまでした。
よくぞ生き残った我が精鋭たちよ!
(谷隼人@風雲!たけし城より)
ここまでワタクシの自己満足的ウンチクたれ放題にお付き合いいただきましてありがとうございました。
それではいただいてみましょう。
POPには“冷やして◎”・“ぬる燗◎”と書かれておりましたので、それに従っていただきます。
まずは冷蔵庫で冷やしたものを。
お酒の色は、淡めの琥珀色でした。
香りはなし。
うまみは濃いめですが、穏やかです。
米のうまみが良くわかり、酒臭さ(ほめ言葉:以下同じ)を穏やかに感じます。
熟成感はかすか。
苦みや雑味はゼロですね。
それにキレもよい。
酸味は、ややはっきり。
すっぱさは鋭さを感じるものの、むしろ弱め。
でも、酸味の深みをしっかりかつこれも穏やかに感じます。
スーはかすかで、ピリはなし。
甘みは、ややはっきり。
前に出ては来ないものの、後味で幅を感じます。
濃醇深ちょいすっぱスッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
かなり酒臭くて角がバリバリであると予想しておりましたが、正反対!
うまみが穏やかで角や荒さはなく、米のうまみさえわかりました。
酸味も、当初は耳の下辺りがキュッと感じるようなすっぱさを予想していたものの、すっぱさはそれほどでもなく、むしろ酸味の深みをしっかりかつ穏やかに感じることができました。
後味で甘みを感じることもでき、それが味わいをうまくまとめる要のようでした。
うまいね!
やっぱりこの味こそが、現代の水酛仕込みなのでしょうか?
次に、燗にしてみました。
酸味が立つ!
すっぱさが鋭くなってやや強め。
でも酸味自体の深みもはっきりしてまいりました。
うまみは、酒臭さが前に出てまいりましたよ。
キレもよくなり、かつちょいスーで、かなりスッキリ。
甘みは引いて、後味で幅をかんじなくなりました。
燗だと、濃醇深すっぱちょいスースッキリ旨やや辛口のおいしいお酒になりました。
燗のほうがうまみに厚みが出て酸味の深みが際立ちました。
それなのに、燗のほうがキレがよく、ちょいスーもあってかなりスッキリしておりました。
それでいて甘みが引いてキリッと引き締まった感じがいたしました。
冷やしたものもうまいけれど、オイラは燗が好みでした。
というか、断然燗だね。
現代の水酛造りのお酒は、とてもおいしくいただくことができましたとさ。
それ故に、あっちゅう間でございましたとさ。
めでたし、めでたし!
そんな神鷹水酛仕込みと合わせた今日のエサですが、
濃い味の料理と合うと書いてありまりましたので、
今日は、拙宅にて常備している味噌2種類を使い、2品作ってみました。
まずは、麦味噌。と言っても100%ではなく米も併用されているもの。
それでも香りと甘みとは麦味噌そのものです。
モーリタニア産のたこを買ってきて、
ぬた(たことわかめとねぎとの酢味噌和え)。
これはおいしい!
たこの味と味噌の風味とがばっちり!
味噌よりもむしろ、酢の酸味がお酒と合う。
愛知県産の赤味噌(豆味噌)。
さば缶(水煮缶)。
さば缶(水煮缶)の味噌煮。
さばの味噌煮缶とはちゃいまっせ!
これは味噌の深みがお酒とバッチリ!
あー、お酒もつまみもおいしかった!
ごちそうさまでした。
(※1)神戸新聞総合出版センター編『播磨の地酒 こだわりの酒蔵めぐり』p.6-7(2010.10 神戸新聞総合出版センター)
(※2)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.27(2000.4 柴田書店)
(※3)(※2)p.212
(※4)秋山裕一・若井博子・大内弘道・熊谷知栄子・大塚謙一(国税庁醸造研究所)『水酛に関する生態学的研究』p.318(日本醸造協会雑誌 75巻4号 p.314-319 1980.4 日本醸造協会)
(※5)(※2)p.130
(※6)坂口謹一郎監修・加藤辨三郎編『日本の酒の歴史』p.262およびp.279(参考文献)(加藤百一執筆『日本の酒造りの歩み』p.41-315中 1977.8 研成社)
(※7)(※4)p.314
(※8)秋山裕一『日本酒』p.141(1994.4 岩波新書)
【お酒】2302.龍力 特別純米 180ml [28.兵庫県の酒]
製造者 株式会社本田商店
兵庫県姫路市網干区高田361-1
品目 日本酒
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 65%
アルコール分 16度
内容量 180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)
本田商店さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】173.龍力 特別本醸造 カップ
【お酒】479.龍力 特別純米酒 昔の酒 180ml
【お酒】722.龍力 大吟醸 米のささやき 300ml
【お酒】1711.龍力 特別本醸造 播州秋祭り カップ
【お酒】1923.龍力 特別純米酒 神力 300ml
【お酒】1924.龍力 ごつうま 特別純米酒 300ml
こちらひさびさの龍力(たつりき)。
特別純米酒だってさ。
これまでにいただいたものの中にも、特別純米酒は3種ありましたよ。
「特別純米酒のくせに精米歩合65%なのかよ!」
なーんてくだらないことを言ってはいけませんぜ。
特A地区産の山田錦を100%使用しているからこそ、文句なしに特別純米酒を名乗れるのですから。
それではいただきましょう。
特別純米酒には香りを特長とするものもございましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
上立ち香はなし。
含んでも、フレッシュな風味をかすかに感じる程度。
うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
米のうまみ自体に透明感を伴いつつ、厚みを感じます。
苦みがあって、強くはないものの鋭いですね。
酒臭さなし、熟成感もゼロ。
キレは・・・、苦みが少し残るみたいです。
酸味はややひかえめ。
すっぱさはわかるものの、弱めです。
かすかにスーで、ピリはなし。
甘みは、ややはっきりでしょう。
べとつかずさらりとしているものの、後味で幅を感じます。
やや淡麗でちょい苦旨やや甘口のおいしいお酒でした。
透明感を伴いつつも幅を感じる山田錦らしいうまみが穏やかに効いておりました。
ただ、それ故か、苦みが少し目立つようには感じましたが、邪魔するほどではありませんでした。
キレはそれほどでもなく苦みが残ったものの、甘みを後味で感じたことで和らいだみたいでした。
なかなか行けると思いました。
次に、残りを燗で試してみました。
含むと最初に苦みが来ますが、冷やしたときよりも鋭さが和らいて、しかもパッと消えますね。
米のうまみそのものですが、こちらはキレがよくなったせいか、スッと引くようになりました。
酸味が少し出て、すっぱさをちょっと感じるようになりました。
ちょいスーも出てまいりました。
一方で、甘みが完全に消えましたよ!
燗にすると、淡麗ちょいすっぱちょいスースッキリ旨辛口のおいしいお酒になりました。
びっくりしたのは、甘みが消えて辛口になったこと。
でも冷めるにつれて、徐々に復活しつつあるようでした。
うまみは、キレのよさが出てかつちょいスーになったせいか、冷やしたときよりも淡く感じました。
でもけっしてペラペラではありませんでしたよ。
しかも酸味が立って、それでも突出することなく味のバランスは保たれたまま。
さらに冷やしたときには鋭かった苦みが和らぐとともにパッと消えるようになりました。
これはまちがいなく燗がうまいね。
特に、食事と合わせていただくならば、まちがいなく燗がいい。
こちらひさびさの龍力に、改めてそのうまさを感じた、吉宗であった。
(暴れん坊将軍の終わりの語りより。)
【お酒】2297.淡路人形浄瑠璃 玉織姫 カップ [28.兵庫県の酒]
製造者 都美人酒造株式会社
兵庫県南あわじ市榎列西川247
品目 日本酒
アルコール分 16度
内容量180ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
(以上、ラベルより転記)
都美人酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】1301.淡路人形浄瑠璃 平敦盛 カップ
【お酒】2265.都美人 冷酒 生麗(きれい) 300ml
【お酒】2280.都美人 からくち 鳴門の渦酒 300ml
【お酒】2281.都美人 山廃純米 300ml
【お酒】2286.都美人 カップ
今日いただくこのカップ酒は、“淡路人形浄瑠璃 玉織姫”だってさ。
品質表示はこちら。
同じく普通酒の【お酒】2286.都美人 カップよりも、アルコール度数が1度高めですね。
話のネタもないどころか、玉織姫の何たるかも知りませんので、さっさといただきましょう。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し濃いめ。
香りはかすかに酒臭い(ほめ言葉;以下同じ)香りを感じる程度。
うまみは濃いめ。
酒臭さがしっかりどっしり!
熟成感も少し感じます。
米のうまみはわかりにくいですが、じっくり味わうとかすかにわかります。
軽い苦みが少しありますね。
キレはよいと思います。
酸味はややはっきり。
すっぱさは弱く、鋭さもそれほどでもない。
でも酸味自体の深みを少し感じます
ちょいスーですが、、ピリはなし。
甘みはややひかえめ。
少し感じるものの、弱め。
濃醇ちょい枯ちょい苦ちょい深ちょいスー旨やや辛口のおいしいお酒でした。
けっこうしっかりどっしりで、濃い味わい。
でもしつこくはなく、スッキリとまではいかないものの、スッとキレます。
うまいね。
飲み応えしっかりなのに、しつこさがない。
ちょいスーなところから察するに、このしつこさのなさはアル添の効果でしょうか?
だとしたら、ブレンドされた山廃酛のお酒とアル添との止揚(Aufheben)ってところでしょうか。
【お酒】2295.千年一 千どり 180ml [28.兵庫県の酒]
製造者 千年一酒造株式会社
兵庫県淡路市久留麻2485-1
品目 清酒
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
アルコール分 15度
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
千年一酒造さんのお酒は、昨日までに以下の物をいただいております。
【お酒】2293.千年一 特別純米酒 300ml
【お酒】2294.千年一カップ
今日いただくこのお酒も“千年一”シリーズのようですが、
こちらは、“千どり”だってさ。
百人一首のうちの一つ?
こちとらそういう雅な教養は、持ち合わせちゃあおりませんぜ。
このお酒も、【お酒】2294.千年一カップと同じく、普通酒でした。
千年一カップとのちがいを確かめるべく、いただいてみたいと思います。
普通酒ですが、まずはひや(常温)で試します。
お酒の色は、ごくかすか。
ほとんどわからないくらいでした。
香りはなし。
含むと、フレッシュさとはちがう爽やかな風味を少し感じます。
うまみは意外にも淡め!
米のうまみがふんわりと舌の上に乗っかる程度。
軽い苦みがあるものの、弱めです。
酒臭さはなく、熟成感もなし。
キレはとてもよく、スッと引きますが、透明感はないですね。
酸味はひかえめ。
すっぱさはゼロ。
スーかすかですが、ピリはなし。
甘みは、ややはっきりでしょう。
前には出てこないものの、後味として感じ、少し幅があるようです。
ちょい爽快で淡麗ちょい苦スッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
千年一カップとは異なり淡麗で、かつ酒臭さはなく、熟成感もありませんでした。
淡麗ながらも、米のうまみが淡めなりにふんわりと効いておりました。
甘みが後味として現れて、コクを添えてくれました。
これうまいね。
淡麗ですが、けっしてペラペラではありませんでしたよ。
次に、燗にしてみました。
アルコール香が少し立ちました。
最初に甘みが来ます!
けっこうはっきりで、幅をしっかりと感じます、
でもべとつきやしつこさはありません。
爽やかさも甘みに続いてやってまいります。
うまみは、やや淡めでしょう。
燗のほうが米のうまみに厚みを少し感じるようになりました。
一方で苦みは引いて、雑味が消えました。
スッとキレる感じはなく、余韻が少し残ります。
なお、ちょいスーになりました。
燗にすると、ちょい爽快のやや淡麗でちょいスー旨甘口のおいしいお酒になりました。
米のうまみに厚みが少し出るとともに、スッキリ感が消えたことで、飲み応えを少し感じました。
一方でちょいスーになったためか、重さは感じませんでした。
しかみ苦みが引いて甘みが増して、かなり飲みやすくなりましたよ。
千どりは、燗もうまいね。
というか、オイラは燗のほうが好みでした。
双方とも普通酒でも、千年一カップは酒臭さや熟成感がありつつも透明感があったのに、千どりは淡麗で米のうまみのみのお酒でした。
あくまでも私の予想ですが、千年一カップが佳撰クラスで、千どりは上撰クラスなのかもしれませんね。
★☆お知らせ★☆
5月24日(金)から26日(日)まで、
2泊3日かけて出かけてまいります。
それ故、今週末の更新はございません。
明日23日(木)も出発前夜で
早く寝る必要がございますので、
更新いたしません。
次回の更新は、
5月28日(火)
を予定しております。
今回は、
以下の3県の、
未踏の街を徘徊します。
宮城県
↓
岩手県
↓
秋田県
秋田県内の最後の訪問地からは、
こまち34号に乗って東京駅へ戻ります。
それ故、
まことに残念ながら、
今回は宇都宮でのお楽しみは無し。
( ´︵` )
今のところ、
天候は問題ないみたい。
果たしてどうなるやら。
ごきげんよう!
【お酒】2294.千年一カップ [28.兵庫県の酒]
製造者 千年一酒造株式会社
兵庫県淡路市久留麻二四八五-一
品目 清酒
アルコール分15度
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
おとといいただいた【お酒】2293.千年一 特別純米酒 300mlにひきつづき、今日も千年一酒造さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒は、千年一のカップ酒。
ラベルは特別純米酒と同じでしたが、フタは昔ながらの手印でしょう。
品質表示はこちら。
フタの記載とアルコール度数が異なりますが、こちらに従いました。
それではいただきます。
普通酒ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
カップに鼻を近づけると、アルコールの香りと共に、枯れた香りを少し感じます。
うまみは・・・、
あー、うー、
まあこのー、
やや濃いめ!
酒臭さ(ほめ言葉:以下同じ)が最初にじんわりと来て、熟成感を少し伴います。
米のうまみもあって、厚みを少し感じます。
軽い渋みもありますね。
でもこのお酒、とてもキレがよく、それらがスッと引いて、透明感を少し感じます。
酸味はひかえめ。
すっぱさはゼロ。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みは、これはややはっきりでしょう。
最初は感じないものの、後味としてわかります。
やや濃醇でちょい枯ちょい渋ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
味は酒臭さ、熟成感、米のうまみにちょい渋と重畳的に展開していて、しっかりしておりました。
それなのにキレがとてもよく、かつ透明感があってちょいスーなせいか後味がとてもスッキリしており、それ故に軽さすら感じました。
これもうまいね。
アル添酒、斯くこそあるべけれ。
ただし、冷めるにつれて渋みとピリとが出て来るみたい。
熱いうちにいただくべきでしょう。
【お酒】2293.千年一 特別純米酒 300ml [28.兵庫県の酒]
製造者 千年一酒造株式会社
兵庫県淡路市久留麻二四八五-一
品目 清酒
アルコール分14度
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 60%
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)
蔵元さんのWebsiteでは
「淡路島の地に根差してきた当蔵は2025年で、創立150年を控えています。」とありました。
ラベル(後掲)には、1875(明治8)年創業とありましたよ。
ということは、ご多分に漏れず、阪神淡路大震災(1995(平成7)年1月17日)で被災なさったわけですよ。
被災後に消えていった多くの灘の中小蔵元と同様に、一時は廃業をも考えたとのこと。
それでも幾多の困難を乗り越えて酒造りを再開してくださったおかげで、今日、こうしてくだらない酒ブログのネタとして使わせていただくことができた次第でございました。
今日いただくこのお酒は、特別純米酒。
清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)2(3)によれば、「純米酒又は本醸造酒のうち、香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その旨を使用原材料、製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒の容器又は包装に説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米歩合が60%以下の場合に限る。)に「特別純米酒」又は「特別本醸造酒」の名称を用いること。」ができる旨定められています。
また、ここで言う「客観的事項」については、酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準2(2)ヌ(イ)「精米歩合が60%以下である場合のほか、醸造用玄米の使用割合(表示基準5の1に規定する使用割合をいう。)が50%を超える場合等消費者が容易に理解できる事項をいうものとする。この場合、精米歩合又は醸造用玄米の品種名及び使用割合等を併せて表示しなければならないものであるから留意する。
なお、醸造アルコールの使用量の多寡は、「使用原材料、製造方法その他の客観的事項」に該当しないものとして取り扱う。」と定められておりますよ。
でもね、
あたしゃね、この、
“特別純米酒/特別本醸造”という規格が設けられた理由
を知りたいのです。
純米酒/本醸造の規格の上位には吟醸酒があるにも関わらず、それとは別に“特別-”なるものが存在するのですから。
もちろん吟醸造りではないものの、純米酒/本醸造の中でも上等だということをアピールしたいという蔵元さんたちのお気持ちはお察し申し上げます。
だからと言って、それに応えるべく、拘束力のあるルールで表示を規格・規制すべきことなのでしょうか?
かつての級別制度下のように各級ごとの徴税額が異なるのであればともかく。
純米酒/本醸造の規格を満たした上で、さらに丹精込めて造った上等なお酒であることを表示したければ、その表現方法は必要最低限の禁止事項(ウソ・誇大・紛らわしいなどの理由によるもの)を伴いつつも、原則として各蔵元さんの自由な発想に任せてもよいと思うのって、オイラだけ?
それとも、たとえそのような表示であっても、“無知な愚民どもめが安心して一定の品質のお酒をまちがいなく入手できるように国として導いてやる必要がある。”という、“父権主義的介入(paternalism)”に基づく規格なのでしょうか?
しかしそれでは、その解釈は各蔵元さんのご判断に任されているのが実情である吟醸酒の意味とは正反対の規制になってしまいますよね。
本日現在、ワタクシはその旨を解説している文献の記載に出会うことがまだ叶っておりません。
これは今後のこのブログでの課題でしょう。
わからないことがある以上、それを解明するために、まだまだ飲酒とこのブログとはやめられそうにはございません罠。
話がそれてしまいました。
お酒に戻しましょう。
ラベルには、明石海峡大橋と思われる絵が。
創業年もありますね。
品質表示はこちら。
このお酒、箱に詰めて販売されておりました。
開けると、煙がもくもくと・・・、
じゃなくて、能書きが出てまいりました。
話のネタが尽きたところで、いただきます。
冷やして飲めと書いてありますから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ごくかすか。
上立ち香、盃に注ぐと爽やかな香りがフワリ。
含むとそれが口の中でパッと広がります。
フルーティーではなく、フレッシュさでもない香り。
言うなれば、“かぼす”のような穏やかな柑橘の香りの如し。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみがしっかりで、厚みを少し感じます。
軽い苦みがあって、弱めながらに鋭さを感じます。
熟成感はなく、酒臭さもなし。
重さやクセもゼロ。
しかもキレがよく、スッと引きます。
さんみははっきり。
酸っぱさが少し強めで少し鋭い。
ちょいスーですが、ピリはなし。
あまみはややはっきり。
サラリとしてはいるものの、特に後味としてわかりやすい。
爽快やや濃醇でちょい苦ちょいすっぱちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
とても爽やか。香りがあるもののしつこさはゼロで、軽やかでお酒の味わいとピッタリ!
うまみはやや濃いめながらも、角や重さはまったくなし。
しかもキレがよく、後味スッキリ。
やや甘口でしたが、べとつきやしつこさは全くなく、むしろ爽やかさや酸味とよく合うほど。
これさ、かなりうまいんじゃないの!
爽やかで、かつうまみしっかりなのに飲みやすい。
夏の暑い日の晩酌にピッタリです。
冷たくひやしていただけば、そりゃ暑さなんか吹っ飛ぶことでしょうよ。
まさに“特別純米酒”、すなわち“純米酒のうち、香味及び色沢が特に良好なもの”を名乗るにふさわしいお酒だと思いました。
いやはや、
淡路島にこんな美酒があったとはね。
願わくは、うなぎの蒲焼と合わせてみたかったところでございました。
その千年一特別純米酒と合わせた今日のエサはこちら。
肉を食べたかったので、国産豚肉のこま切れを買ってまいりました。
豚肉の甘辛炒め煮。
国産豚肉はやわらかくておいしいね。
オイスターソースは買わない主義のワタクシ(冷蔵庫の肥やしになるだけだから)。
代わりに愛知県の赤味噌を使ったことで、味に深みを出すことができました。
下茹でしてから使った大根には、味がしっかりしみておりました。
昨日の残りのちくわ。
キャベツと合わせました。
耐熱容器に、キャベツとちくわとを切って入れ、
酢・みりん・味マルジュウを小さじ1杯ずつ入れて、
1992年製の電子レンジで3分加熱して、
キャベツとちくわのちょい甘酢和え。
砂糖を使わずにみりんの甘みだけだから、ちょい甘酢和え。
おいしゅうございました。
ごちそうさまでした。
【お酒】2286.都美人 カップ [28.兵庫県の酒]
製造者 都美人酒造株式会社
兵庫県南あわじ市榎列西川247
品目 日本酒
内容量180ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
アルコール分 15度
(以上、ラベルより転記)
淡路島に蔵を置く都美人酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】1301.淡路人形浄瑠璃 平敦盛 カップ
【お酒】2265.都美人 冷酒 生麗(きれい) 300ml
【お酒】2280.都美人 からくち 鳴門の渦酒 300ml
【お酒】2281.都美人 山廃純米 300ml
今日いただくこのカップ酒は、普通酒。
ということは、【お酒】2280.都美人 からくち 鳴門の渦酒 300mlと同じ中身なのでしょうか?
話のネタがないので、さっそくいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、薄めの金色でした。
上立ち香、酒臭い(ほめ言葉:以下同じ)香りがフワリと漂います。
含むとそれが口の中で広がります。
うまみはやや濃いめ。
酒臭さが最初に来て、米のうまみがそれに続きます。
苦みがあって、強くはないものの鋭さを感じます。
それに熟成感もちょっとあるみたいです。
キレはよいですね。
酸味ははっきり。
すっぱさは少し強めで少し鋭い程度です。
でも酸味の深みがしっかり。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややひかえめ。
前には出て来ないものの、わずかに感じます。
やや濃醇でちょい苦ちょい枯ちょいすっぱちょい深スッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
味の基本は、これまでにいただいたものと同じ。
酸味の深みとキレのよさとがいい感じに調和していおりました。
それにまた【お酒】2280.都美人 からくち 鳴門の渦酒 300mlと異なり、ピリピリではなく、かつ熟成感を少し、甘みをわずかに感じました。
もしかしたら、鳴門の渦酒は上撰クラス(かつての級別制度化における一級酒)で、こっちは佳撰クラス(同二級酒)なのかな?
もちろん、両方ともおいしいお酒でした。
【お酒】2285.白鶴 香るうまくち原酒 大吟醸 芳醇 アルミ缶【追記あり】 [28.兵庫県の酒]
白鶴酒造株式会社
神戸市東灘区住吉南町四丁目五番五号
日本酒
180ml
原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
精米歩合:50%
アルコール分:17度
(以上、缶の印刷事項より転記)
阪神電車の住吉駅。
その南側は、灘五郷のうちの一つ、御影郷。
その御影郷に蔵を置くのが、白鶴酒造さん。
そのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
【お酒】1193.白鶴 上撰 淡麗純米 お燗瓶
【お酒】1457.白鶴 上撰 金冠 200ml カップ
【お酒】1499.白鶴 特撰 特別純米酒 山田錦 180ml
【お酒】2050.白鶴 純米大吟醸 180ml
【お酒】2082.白鶴 大吟醸 180ml アルミボトル
【お酒】2118.白鶴 香るうまくち原酒 アルミ缶
【お酒】2157.白鶴 上撰 山田錦 カップ
【お酒】2246.白鶴 大吟醸 180ml
今日いただくこのお酒は、原酒。
そして大吟醸、すなわち「吟味して製造した清酒」(※1)であって「固有の香味及び色沢が特に良好なもの」(※2)です。
一応触れておきますけれど、精米歩合とか、アル添の有無だとか、そういう形式的なことはどうでもいいのです。
(※1)(※2)を実質的に満たしたお酒であると蔵元さんが胸を張って宣言できるお酒こそが、大吟醸たる所以なのですから。
そもそも、吟醸酒、すなわち「吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの」(※1)であるという意味すら曖昧で、その解釈は各蔵元さんのご判断に任されているのが実情なのですから。
(オマエ最近いちいちイラついているよなぁ!)
(男の更年期障害なんじゃないのか?)
【2024/05/13追記】
吟醸酒の実質的要件、すなわち「吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの」(※1)については、国税庁が「吟醸酒の製法品質の要件に規定する「吟味して製造した清酒」とは、精米歩合60%以下に精米した白米を使用し、低温でゆっくり発酵させ、かす歩合を高くしたもの等いわゆる吟醸造りにより製造した清酒をいう。」(※3)という解釈通達を出しています。
しかし、これによれば、低温発酵とかす歩合は例示されてはいるものの、それ以外のことに関しては、前段の「吟味して製造した清酒」(※1)を「いわゆる吟醸造りにより製造した清酒」(※3)と言い変えているに過ぎず、抽象的に規定されたままです。
また(※1)の後段に規定されている「固有の香味及び色沢が良好なもの」(※1)については、解釈通達では言及すらされておりません。
それ故に、ワタクシは本文で
“その解釈は各蔵元さんのご判断に任されているのが実情なのですから。”
と書いた次第でした。
特に後半の「固有の香味及び色沢が良好なもの」(※1)について、この見解を裏付ける文献の記載を紹介するのを忘れておりましたので、追記いたします。
「 特定名称清酒の製法品質表示基準は,精米歩合、アルコール使用量の他に抽象的ながら品質が良好なものと規定したところに大きな意義がある。消費者の立場を重視したものとなっている。」(※4)
「特に,吟醸酒は社を代表する商品であることが多いと思うので,製法を満たして高いコストの酒を造ったから高く販売するということではなく,きちんとした商品設計と品質管理を行い特定名称清酒の製法品質表示基準に示す香味色沢が良好な製品を消費者に提供しなければ,「高い,まずい,売れない」というのでは自分で自分の首を絞めることになりかねない。」(※5)
品質表示はこちら。
アル添の原酒で17度って、低いのか?、高いのか?
悩ましいところでございます。
話のネタが尽きたところで、いただきたいと思います。
大吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、かすかに着いておりました。
上立ち香はほとんどなし、ごくごくかすかにフレッシュ感?
でも含むと消えて、むしろアルコール香がとてもはっきり。
うまみは濃いめ。
米のうまみに厚み少し。
熟成感は少しあるものの、角や荒さはなし。
苦みがあって、強くはないが少し鋭くて少し重さを感じます。
キレは、まあまま。
酸味はひかえめ。
酸っぱさはほとんど感じません。
ピリはないものの、けっこうなスース―!
甘みはややはっきり。
前には出てこないものの、幅を感じるとともに後味として残るみたいです。
濃醇ちょい枯れちょい苦ちょい重スース―旨やや甘口のお酒でした。
吟醸香はなく、むしろアルコール香(臭?)がハッキリしておりました。
それに風味もスース―感満載でした。
ただしそれ故か、ちょい苦ちょい重ではあったものの、その刺激を和らげてくれていたというか、麻痺させてくれていたというか、そんな感じでした。
甘みはほどよくて、しつこくなくいい感じでした。
以下は、あくまでも私の偏見的感想です。
これさ、原酒である必要、あったのかな?
割水して度数を15度台に下げたほうがアルコール香が引いて飲みやすくなり、味わいもまとまったのではないかと推察いたしますよ。
味わいのどの辺りに、「吟味して製造した清酒」(※1)であって、「固有の香味及び色沢が特に良好なもの」(※2)との成果が出ているのか、私にはよくわかりませんでした。
オイラはまだまだ、修業が足りないみたいでございましたとさ。
(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1
(※2)(※1)2(2)
(※3)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準2(2)イ(ハ)
(※4)梅田紀彦・宇都宮仁『特定名称清酒の動向』p.959(日本醸造協会誌 83巻1号 p.958-965 1993.12 日本醸造協会)
(※5)(※4)p.965