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【お酒】457.菊正宗 上撰 本醸造 お燗瓶 180ml [28.兵庫県の酒]

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菊正宗酒造株式会社
神戸市東灘区御影本町1-7-15

原材料名:米・米こうじ・醸造アルコール
国産米100%使用
精米歩合70%
アルコール分15%
180ml詰
(以上、王冠と瓶とから転記)



このブログをやっていると、一つだけ残念なことがあるんです。
それは、自分が飲みたいお酒を飲み続けることができないということです。
まあ、しかしこれも修行の道ですから、仕方がありません。
イヤならやめりゃいいじゃないか!

ですが、今日いただくこのお酒に出会ったことで、はからずも大好きなキクマサをいただく機会にありつくことができました。


菊正宗酒造さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
菊正宗 生貯蔵酒 300ml(普通酒)
菊正宗 上撰 生酛・本醸造 ハイグラス
菊正宗 特別純米酒 超特撰嘉宝蔵 雅(みやび)
菊正宗 生酛純米酒 特撰 嘉宝蔵 灘の生一本
菊正宗 超特撰 嘉宝蔵 生酛吟醸
菊正宗 超特撰 生酛大吟醸 300ml
菊正宗 樽酒 純金箔入カップ


今日いただくこのお酒は、かつていただいた生酛本醸造ハイグラスと同じものだと思います。
しかし、このお酒は、菊正宗さんのWebsiteでは紹介されておりません。

これは推測ですが、このお酒は、おそらく小売用ではなくて、飲食店向けの業務用商品だからだと思います。
そのためか、飲食店へお酒を卸している酒屋さんや量販店の店先で、このお酒の余ったもの(?)が販売されているのを時々見かけます。

そうは言っても、ごくまれにデパ地下の酒売場で見ることもあるんですね。
実はこのお酒も、あるデパ地下で見つけました。
このデパートは、なぜ業務用と思われるお酒を仕入れて小売しているのでしょうね。


このお酒の王冠には、品質表示がびっしりと記載されています。
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そして、この王冠を栓抜きで開けてみたところ、なんと王冠の下に、やわらかいプラスチックでできた中ブタがはめられておりました。
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王冠の下に中ブタを着けているのは、どういう意図によるものなのでしょうか?
密閉性を高めるためでしょうか?
それとも、ちょっと飲んだ後で残りを保管しやすいようにするためでしょうか?
もし後者であれば、瓶ごとお燗するような業務用のお酒に、はたしてこのような中ブタは必要なのでしょうか?


わからないことだらけのこのお酒ですが、中味はキクマサですので、おいしいお酒であることはまちがいありません。
いやー、今日は楽しみだ。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。


菊正宗さんは“辛口”を宣伝文句にしていらっしゃいますが、たしかにこのお酒は甘みが少ないと思います。
だからといって、ドライな感じはしませんし、決して辛くもありません。

酸味はしっかりしています。
すっぱさがあるものの、刺激やピリピリ感はありません。
しかも、この酸味には深みを感じます。

このお酒の特徴は、やっぱりうまみでしょう。
やや濃いめのうまみです。
熟成感はないものの、醸し出された酒臭さ(←ほめ言葉です)を少し感じます。
ですが、キレがよくてスーッと引いていって、お酒の香りだけが残ります。
しかも苦みや雑味がまったくありません。


やや濃いめだがキレのよいうまみと、深みのある酸味との、やや濃醇でやや辛口のおいしいお酒でした。
この深みのある酸味は、魚料理との相性が最高ではないでしょうか。

菊正宗さんが出版なさった書籍では、自社のお酒を以下のように表現していました。
すべては旨い辛口のために。雑味がなくスッキリしたあじわい。しっかりとした押し味と、キレのあるのど越し、これが菊正宗が追求してきた飲み飽きしない理想の辛口だ。
最近の辛口のなかにはスッキリしてはいるが、十分な旨みを感じないものもある。辛口をめざして無理に発酵をすすめ糖をアルコールに変えれば、酒は辛口になるが、それでは豊かな味わいが生まれない。いかに健全な発酵をさせるか、によって菊正宗の主張する雑味のない豊かな辛口が生まれるのだ。」(※1)

今日、キクマサの定番酒とも言えるこのお酒をいただいて、上記記述の意味を再確認いたしました。
たしかに“辛口”のお酒ではありますが、もっと辛口、あるいはもっと辛いお酒はいくらでもあります。
でも、“辛口”で、キクマサよりももっとうまいお酒は、なかなか無いと思います。

やっぱりオレは、菊正宗。


(※1)キクマサ読本製作委員会『キクマサ読本』p.35(2009.9 丸善プラネット)


☆★☆★☆★☆★☆★
2018/04/16
また飲んでみました。
あ~酒臭かった!(29)  酒くさコメント(6)  トラックバック(1) 
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あ~酒臭かった! 29

酒くさコメント 6

ojioji

修行だったのですね、てっきり楽しいばかりかとm(__)m

>辛口をめざして無理に発酵をすすめ糖をアルコールに変えれば、
>酒は辛口になるが、それでは豊かな味わいが生まれない。
>いかに健全な発酵をさせるか
とてもよくわかります。
ただ、健全な発酵とは何ぞやという謎が残ります。
簡単なのは、麹をたっぷり使えば旨味はばっちり。ただしコストが高過ぎるでしょうが。
キクマサ、有名過ぎて手を出したことが無かったのですが、
一度飲んでみたくなりました。
芋焼酎で、薩摩白波を対象外にしていたところ、一度飲んだら実にコストパフォーマンスが高かったことがありました。
by ojioji (2015-01-31 17:40) 

skekhtehuacso

ojiojiさん、コメントありがとうございます。
私は、オエノンや宝酒造のように全国に工場を置いて大量生産しているところの酒とはちがって、灘の大手の蔵元さんのお酒は、それぞれが歴史と伝統のある“灘の地酒”だと思っております。
この考えは、さまざまな文献にあたって灘の酒のことを知るほどに確信の度合いが増しております。

そんな灘の蔵元さんのなかでも、私は菊正宗さんの味が好きなんです。
というか、私のこのブログは、菊正宗さんのお酒がおいしいということを正確に理解するための修行なのかもしれません。
それくらい、私はキクマサの味が好きなんです。
by skekhtehuacso (2015-02-01 20:25) 

ojioji

鬼気迫る文章に圧倒されました。
キクマサ、今度買い物に出るときに買うことに決めました。
こちらにおじゃましてskekhtehuacso さまの文のお蔭で、
お酒を意識して味わうようになり、
自分の好きな味や、合わない味がだんだん絞り込めてきました。
by ojioji (2015-02-02 15:20) 

skekhtehuacso

ojiojiさん、エラそうなことを言っても私はただの酔っ払いです。
あまり信用なさらないほうがよいかと思います。

by skekhtehuacso (2015-02-02 23:48) 

ojioji

本日、歯医者の帰りに菊正宗上撰1.8?Lパックを購入、ただ今いただいております。
辛口やや淡麗とあります。
skekhtehuacso解説のプラシーボ効果のせいでしょうか、本当に行けます。旨味のある辛口というのが納得です。
最初は燗酒、今は冷やでいただいていますが、正道・本筋の味という感じで、今後は地元の酒と菊正宗だけで迷わなくて済みそうです。でもそうなると、飲みたくなってシマッタの記が不要になるし困ったことです。すんません、こんな時間から酔い気分でm(_ _)m
by ojioji (2015-02-04 17:32) 

skekhtehuacso

ojiojiさん、コメント見逃しておりました。
ご自分で飲んでみておいしいと思う酒を飲み続ければ、それだけで幸せだと思います。
むしろ、私のこのブログが不要となったほうが幸せだと思います。
このブログは、あくまでも(日本一楽な)修行ですから。
by skekhtehuacso (2015-02-05 23:39) 

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