《焼酎》271.いのちき 出会橋 轟橋 カップ 20度 [9944.大分県の焼酎]
製造者 牟礼鶴酒造合資会社
大分県豊後大野市朝地町市万田570
品目 本格焼酎
大分むぎ焼酎
原材料名 大麦(国産)、大麦麹
内容量 180ml
アルコール分 20%
(以上、ラベルより転記)
明治37年(1904年)。
日露戦争勃発の年に創業なされた牟礼鶴酒造さん。
“むれづる”と珍しく濁点が付く牟礼鶴は、当初は清酒の手印だったそうです。
しかし、昭和50年代に平松守彦大分県知事が発案した一村一品運動を端緒に麦焼酎ブームが到来すると、蔵の四代目ご当主が焼酎蔵への転換を決意なさって、今日に至るそうです。
今日いただこの焼酎カップは牟礼鶴ではなくて、“いのちき”。
大分の方言で「生計」「まっとうな暮らし」という意味らしい。
その日暮らしのオイラにはまったく似合わないお名前だこと!
出会橋・轟橋は、豊後大野市にある“アーチ式の石橋”なんだってさ。
アーチで力を分散させる方式のやつですね。
卵を縦にして上を人差し指で、下を親指で挟んで力を入れてつぶそうとしてもつぶれないほど、アーチの形状による力の分散効果は高いみたいですよ。
大正13年(1924年)に架けられた出会橋は径間(アーチの幅)が29.3mで国内第2位なんだってさ。
そして轟橋(とどろばし)は昭和9年(1934年)に森林鉄道の橋として架けられた2連の石橋で、一方の径間は32.1mで国内第1位とのこと。
ラベルの裏側には出会橋・轟橋と思われる写真がありました。
奥が2連だから轟橋で、手前が出会橋でしょうか?
また、豊後大野市がある場所は、およそ9万年前に起きたと言われている阿蘇山の大噴火によって火砕流で埋め尽くされたそうです。
そののち長い年月を経て、川ができ、命が育まれ、今日に至るそうです。
豊後大野市にある“おおいた豊後ジオパーク”では、当時の火砕流によって形成された柱状節理(ちゅうじょうせつり:マグマが冷えて固まる際に縦方向に生じる柱状の割れ目)を観察することができるのだとか。
“柱状節理=columnar joint”だから、コラミちゃんなのね。
そのまんなやないか~い!
そんなラベルに豊後大野の情報が満載された大分むぎ焼酎“いのちき”。
アルコール度数は20度。
それではいただきましょう。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
香りはなし。
含むと、最初に甘みをはっきりと感じます。
強くはないものの、幅を感じる甘みです。
ちょいスーでちょいピリが続き、その後に麦の風味が来るみたい。
でも麦の風味はかなり弱めで、ほんのりと感じる程度です。
重さやクセ、焦げ臭はゼロです。
軽い苦みがありますが、これは弱めです。
さっぱりしているものの甘みを感じることができる麦焼酎でした。
かなりさっぱりしていて風味が弱めでした。
でもクセや重さがないので、飲みやすいと思います。
次に、ちょい水足しの水割り(焼酎:水=8:2)でいただきました。
さっぱり感が増すものの、麦の風味は依然として弱めながらもこっちのほうが最初に来るかも。
甘みは薄まることなく、はっきりしています。
ちょいスーが和らいで、ピリは消えました。
苦みはやはり軽めながらにわかりました。
ちょい水足しの水割りだと、かなりさっぱりながらも麦の風味ふんわり、甘みはっきりの麦焼酎になりました。
水割りにしたほうが角が取れて飲みやすくなりましたが、より一層さっぱり感が増したことで、薄まった感じもいたしました。
風味はどちらも弱いのでそれほど変わりはないものの、水割りのほうが甘みよりも先に感じたようでした。
おそらく減圧蒸留でしょうね。
風味はさっぱりしているものの、甘みが特徴の麦焼酎なのでしょう。
それでもこの甘みは、けっして糖類由来の味覚ではないのですよね。
甘みすら“香り”として感じる揮発性の成分だというのですから、焼酎って面白いですね。
《焼酎》269.豊後清明 25度 300ml(追記あり) [9944.大分県の焼酎]
製造者 萱島酒類株式会社
大分県竹田市大字竹田398番地
品目 本格焼酎
原材料名 麦(国産、豪州産)、米麹(国産米)
アルコール分 25度
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)
土井晩翠作詞・滝廉太郎作曲の『荒城の月』。
その舞台として有力候補の一つに挙げられるのが、岡城(大分県竹田市)。
岡城の麓にある竹田の街中で蔵を構えるのが、
萱島酒類さんの岡城蒸留所。
そこで入手したのが、この麦焼酎。
“豊後清明(ぶんごせいめい)”です。
蔵元さんのWebsiteでは、「「清明」という商品名は、二十四節季の一つ「天地が澄み、明るく躍動を始める」という意味から名付けられました。」と紹介されておりましたよ。
ところで、
同じWebsiteでは、「平成21年創業の萱島酒類は、まだまだ歴史の浅い焼酎蔵です。」とも書かれておりました。
一方で、手元にあった文献には、同一の所在地で、熊谷酒造株式会社という蔵元さんが紹介されておりました。
その手印は、“岡城”(金羊社発行『焼酎楽園 Vol.15』p.47(2004年11月 星雲社)より)。
ではその熊谷酒造さんは、いったいどうなったのでしょうか?
ここで関係があると思われるのが、萱島酒造有限会社さん。
萱島酒造さんは、大分県国東市に蔵を置く清酒(いわゆる日本酒)の蔵元さん。
代表的な手印は“西の関”。
萱島酒造さんの2020年10月29日付ニュースリリースには、「弊社関連会社の萱島酒類より米焼酎「萱島米三郎」新発売」と明記されています。
萱島酒類さんと萱島酒造さんとは、それぞれのWebsiteを相互にリンクさせてありました。
さらには、両社の代表者のお名前は同一。
(2024/01/08それぞれのWebsite“企業情報”/“萱島酒類について”の各ページにて確認)
以上のことから察するに、
(1)平成中期に熊谷酒造さんが休蔵・廃業を考え、
(2)清酒蔵である萱島酒造さんが蔵ごと買い取る旨進言し、
(3)両者の合意が整い、萱島酒造さんが出資して萱島酒類(株)を新設し、
(4)平成21年から熊谷酒造さんの蔵があった場所で萱島酒類さんが焼酎造りを開始し、
今日に至る。
ということではないでしょうか?
あくまでも、推測ですけれどね。
そんな豊後清明ですが、大分県産の麦焼酎なのに、
麹は麦ではなく、米麹でしたよ!
米麹を使用する麦焼酎は、我が国における麦焼酎発祥の地である壱岐で造られている麦焼酎(壱岐焼酎)の例と同じですね。
それを真似たのか?
それとも、「“大分麦焼酎”であっても、清酒蔵が受け継いだ以上、麹は米麹で行こう!」という決意の表れなのか?
あるいは、熊谷酒造さんの頃からの伝統なのでしょうか?
その米麹を使用した麦焼酎“豊後清明”。
購入時にお店の方に伺ったところ、減圧蒸留なのだとか。
このことは、Websiteでも明示されておりました。
減圧蒸留であることを念頭に置きつつ、いただいてみたいと思います。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
スース―のピリピリ!
上立ち香はないものの、含むとかすかに香ばしかな。
麦の風味は弱め。でも一応わかるみたい。
重さやクセ、焦げ臭はなし。
甘みは弱めでしょう。
次に、風味が開くことを期待しつつ、お湯割りで試してみました。
開いた!
甘みが最初に来るね。生よりもはっきりしています。
香ばしい香りがほんのりと分かるようになりました。
ちょいスーに麦の風味ほんのり。
お湯割りだけあって、口当たりはさっぱりしておりました。
最後に、水割りでいただきました。
香りはなし。
でも麦の風味に厚みを少しだけ感じるようになりました。
甘みもよくわかります。
それでいて雑味はなし。
苦みも出ませんでした。
割ってこそ風味がよくわかる、おいしい麦焼酎でした。
減圧蒸留ということで、いわゆる焼酎臭さは全く感じませんでした。
お湯割りで甘みを、そして水割りで甘みとともに麦の風味を感じることができました。
これ、面白いですね。
減圧蒸留だからお湯割りは(薄まるだけだから)避けようかと思ったのですが、お湯割りにしたほうが生よりも風味がよくなりましたよ。
寒い日にはお湯割りもよろしいと思いますが、私としては水割りが好みでした。
その豊後清明と合わせた今日のエサはこちら。
大根。
おろして、なめ茸とわさびとを乗せて、
大分県産の甘いしょうゆをかけていただきました。
わさびが効き過ぎでしたが、甘いしょうゆが和らげてくれました。
冷蔵庫の残り物。
明日が賞味期限の油揚げと、ねぎ、しめじ。
ねぎとしめじとをごま油でサッと炒めて、
油揚げとともに、だし汁、しょうゆ、みりんを入れて炒め煮にして、
卵でとじて、
できあがり。
予想通り!
ごま油の香ばしさと出汁のうまみ、そして炒めたねぎの甘みがおいしゅうございました。
ごちそうさまでした。
(追記)
あーあ、取れちゃった。
歯の詰め物。
18金だったのに。
この詰め物を装着したのは、今からおよそ40年前の中学生の時。
母が歯医者から、
「保険適用の詰め物だと高校受験の時に取れてしまう可能性がある。」
と脅されて、一本15,000円の金歯を入れたのでした。
まあでも、それから40年間も問題なく経過したのでしたよ。
それ故、この歯医者さんは名医と言ってもよいのではないでしょうか?
それにしても、タイミングが悪い。
二週間後には、出かけようとしているのにさ。
《焼酎》262.西の星 25度 200ml [9944.大分県の焼酎]
製造者 三和酒類株式会社
大分県宇佐市山本2231-1
品目 本格焼酎
原材料名 大麦(国産)、大麦麹
内容量 200ml
アルコール分 25度
(以上、ラベルより転記)
昨日に引き続き、今日も“西の星”をいただきます。
この西の星も、焼酎の製造に好適な大麦“ニシノホシ”を使用しているから、西の星なのでしょう。
今日いただくのは、25度モノ。
ですがなぜか不思議なことに、
20度モノには“大分麦焼酎”の表示があったのに、こっちの25度モノにはどこにもないのよね。
なお、三和酒類さんのお酒や焼酎は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】989.本醸造 わかぼたん ぼたんカップ (2回目はこちら)
《焼酎》3.いいちこ 25度 200ml
《焼酎》18.西の星 20度 200ml (2回目はこちら)
【お酒】1300.わかぼたん 福貴野 300ml
《焼酎》28.いいちこ 日田全麹 225ml (2回目はこちら)
《焼酎》39.いいちこパーソン宇佐 30度 300ml
《焼酎》127.いいちこ 長期貯蔵 12度 200ml
《焼酎》150.いいちこ 12度 黄金の國、いわて。
それではいただきましょう。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
ピリピリ!
スース―!
香りはアルコール香だけ。
麦の風味はふんわりとわかるものの、ピリとスーとで隠されているみたい。
甘みは少しわかります。
重さやクセは全くなし。
これは割ったほうがよいかも。
水割りにしてみました。
スーピリは引くものの、アルコール香は残ります。
麦の風味はふんわり程度ですが、スーピリが引いたせいか生よりもわかります。
甘みも然り。
それに、ごくかすかですけれど、香ばしさがあるかな。
最後に、ロックで試しました。
ロックで出がちな苦みは出るものの、弱めです。
トロリとした口当たりですが、やっぱりピリピリのスース―。
それ故、麦の風味や甘みはわかりにくい。
薄まると水割りの如しでしたけれどね。
水割りにすることで、麦の風味と甘みとをほんのりと感じる麦焼酎でした。
割らないとスース―ピリピリできびしいな。
かといってアルコール香が強めでかつ風味が弱めだったことから、きっとお湯割りには向かないことでしょう。
減圧蒸留でしょうから、雑味はクセ、重さとは無縁でした。
でも麦の風味は強くはなく、弱めというか薄めでした。
これも20度モノと同じくさっぱりしておりましたが、むしろ甲類(連続式蒸留)に近いかもしれません。
その西の星と合わせた今日のエサはこちら。
なすを食べたかったので、
昨日開封した大分県産の麦味噌を使って、
焼かなすのみそ田楽。
麦味噌が香ばしくておいしゅうございました。
にら。
山形県産(達者de菜)を探していたのですが、なかったので地元産。
冷蔵庫に残っていたしめじ。
卵3個。
にら玉(しめじ入り)。
味は予想どおり。
ただし、にらはやっぱり達者de菜のほうがおいしいわ。
ごちそうさまでした。
おしまい。
《焼酎》204.とっぱい 25度 100ml [9944.大分県の焼酎]
製造者:有限会社南酒造
大分県国東市安岐町下山口269番地1
品目:本格焼酎
原材料名:麦・麦麹
アルコール分:25%
内容量:100ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)
明治元年に国東町にて創業したという南酒造さん。
“とっぱい”という銘は、国東半島に伝わる伝説の神様の名からいただいたのだそうです。
ということで、話のネタが切れました。
いただいてみたいと思います。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
麦の風味は穏やかながらかに広がります。
甘みもあって、幅を少し感じます。
重さやこげ臭はゼロです。
ちょいスーですが、ピリはかすかです。
次に、ロックでいただきました。
ロックで出がちな苦みがありますが、少しだけです。
それよりも、甘みがよりはっきりしてまいりましたよ。
麦の風味はやっぱり穏やかです。
重さはまったくありません。
ロックで甘みしっかりの、おいしい麦焼酎でした。
ただ蔵元さんのWebsiteでは常圧蒸留と紹介されておりましたが、常圧らしさはわかりませんでした。
なんでも常圧蒸留でも「比重の重い苦みを多く落下させることで、淡麗かつ華やかな味わいを出しています。」なんだってさ。
食事とも合うと思います。
《焼酎》203.安心院蔵 25度 100ml [9944.大分県の焼酎]
製造者 縣屋酒造株式会社
大分県宇佐市安心院町折敷田130
品目 本格焼酎
原材料名 大麦、大麦麹
アルコール分 25度
内容量 100ml
(以上、ラベルより転記)
安心院(あじむ)蔵。
なんでも、常圧蒸留焼酎と減圧蒸留焼酎とをブレンドしてあるんだってさ。
その特徴を、味わいから感じとることはできるのでしょうか?
まあとにかく、いただいてみましょう。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
かなりのピリピリ&スースー!
むせました。
麦の風味は弱め。
こげ臭ゼロ、重さゼロ。
甘みは少しはっきりです。
これは割ったほうがいいな。
ということで、お湯割りで。
それでもピリピリ&スースー残るね。
風味は生と同じ。
ピリピリ&スースーでさっぱりした麦焼酎でした。
常圧の特徴はわかりませんでした。
以上です、編集長!
《焼酎》199.閻魔(樽) 25度 300ml [9944.大分県の焼酎]
老松酒造株式会社
大分県日田市大鶴町二九一二
本格焼酎
アルコール分/25度
原材料名/麦・麦麹
内容量/300ml
(以上、ラベルより転記)
老松酒造さんの製品は、これまでに以下のものをいただいております。
《焼酎》40.田吾作 20度 200ml
【お酒】2008.老松 上撰 カップ
《焼酎》197.常圧閻魔(緑閻魔) 25度 300ml
《焼酎》198.黒閻魔 25度 300ml
今日いただくこの閻魔(“赤閻魔”とも)は、樽で貯蔵したものなんだってさ。
文献によれば、「減圧蒸留と常圧蒸留をブレンドし、原酒を詰めた樫樽に入れ替えながら熟成させることで、ほのかに漂う樽の香りと余韻のあるまろやかな味わいを楽しめる個性豊かな麦焼酎となっている。」(※1)んだってさ。
話のネタが尽きたところで、いただいてみたいと思います。
なお、熟成焼酎ですからね、今日はお湯割りにはいたしません。
熟成焼酎をお湯割りにすると湿布みたいなスースー感が出ることは過去の経験で懲りておりますからね。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
上立ち香少しあって、枯れた香りがします。
含むと、ウィスキーのような香りがフワッとひろがりますが、ウィスキーほどしつこくはないですね。
麦の風味は弱めですがわかります。
ちょいスーでちょいピリ、甘みほんのりです。
次に、ロックで。
香りが立ちますね。
口の中でパッと広がって、鼻へ抜けて行きますよ。
それに甘みが前に出てくるみたいです。
苦みはちょっとだけ出るみたいです。
しかもさっぱりしていて、後味はスッキリしています。
最後は、ソーダ割り。
これぞ正調“酎ハイ”でしょう。
風味は豊かですが、サッパリ爽やかで飲みやすいね。
甘みは引いて、キリッと引き締まりました。
ウィスキーのような風味が穏やかに効いていて、風味豊かなおいしい麦焼酎でした。
樽貯蔵の効果は、やっぱり香りでしょうね。
でもしつこくはなくて、程よい感じでした。
その香りが、ロックだとあまみとともに、ソーダ割りだとキリリと引き締まって、おいしくいただけましたとさ。
その樽熟成の麦焼酎と合わせた今日のエサはこちら。
じゃがいもを食べたかったので、
おとしぶたをして弱火で30分かけて煮て、
こんな感じになりました。
ねっとり!
弱火で時間をかけて煮るとねっとりと仕上がっておいしいね。
今日も“しょっつる”。
か~なりしょっぱいので、大さじ1杯だけ。
今日はそのしょっつるに、バターを合わせてみようという魂胆なのです。
野菜(キャベツ多め)。
にんにくとしょうが。
豚もも肉70g。
ペンネ。
10分間茹でました。
フライパンにオリーブオイルを引いて、
豚もも肉とにんにく、しょうがを炒めて、
野菜を投入し、
ペンネを、ゆで汁とともに投入。
バターを入れて、
しょっつるを投入し、
こしょうをかけて、
しょっつるバターペンネのできあがり。
おいしい!
しょっつるのしょっぱさや魚の風味を、バターがいい感じに和らげてくれておりましたよ!
ごちそうさまでした(なみなみ)。
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にわか雨が降ったせいか、落ち着きがなかった黒猫のダンナ。
それでも遊んでいただけましたとさ。
(友情出演)
(※1)『焼酎一個人 vol.1 今、最高においしい焼酎(BEST MOOK SERIES 47)』p.55(2017.7 KKベストセラーズ)
《焼酎》198.黒閻魔 25度 300ml [9944.大分県の焼酎]
製造者:老松酒造株式会社
大分県日田市大鶴町二九一二
品目:本格焼酎
アルコール分:25度
原材料:麦麹
内容量:300ml
(以上、ラベルより転記)
老松酒造さんの製品は、これまでに以下のものをいただいております。
《焼酎》40.田吾作 20度 200ml
【お酒】2008.老松 上撰 カップ
《焼酎》197.常圧閻魔(緑閻魔) 25度 300ml
今日いただくこの黒閻魔は、全麹(ぜんきく/ぜんぎく)仕込なんだってさ。
使用するすべての原材料に麹カビをつける全麹仕込は、沖縄県で泡盛の仕込に用いられている手法です(ただし泡盛の場合は米麹)。
泡盛では一度に全量を仕込むそうですが、大分麦焼酎の黒閻魔は焼酎仕込みの基本のとおり、二段掛けにするみたいです。
全麹仕込ですからね、
表示されている原材料は“麦麹”のみ。
上記リンク先でも紹介しておりますが、大分麦焼酎における全麹仕込は、いいちこが砂糖添加の代替策として、製品に混ぜて味に深みを出すために開発したそうです。
ということは、この黒閻魔でも、深みのある味を楽しむことができるのでしょうか?
それを確かめるべく、いただいたみたいと思います。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
スー穏やかで、ピリピリ感なし。
甘みしっかりですね。
麦の風味は弱めですが、深みがしっかりしています。
苦みや雑味はゼロですね。
次に、お湯割りで。
深みは薄まるどころか生よりもわかるよ。
甘みもしっかり。
ただ、冷めるとぼやけていくみたい。
酸味はほとんど感じません。
もちろん苦みや雑味はゼロのまま。
最後は、ロックで。
甘みすごいね!
深みもよくわかります。
苦みが少し出るみたいですが、引き締まります。
クリアできれいな中に、甘みと深みとをしっかりと感じることができる、おいしい大分麦焼酎でした。
たぶん減圧蒸留で、かつ麦の風味は弱めでした。
それでも甘みと深みとがしっかりしておりました。
減圧蒸留の良さを消すことなく、飲み応えを感じることができました。
私としては、お湯割りで熱いうちのふっくらした風味、そしてロックでの深みがあるのにキリリとした口当たりが好みでした。
おいしいね!
その甘みと深みとを感じる黒閻魔と合わせた今日のエサはこちら。
冷蔵庫の残り物の油揚げと、安売りのナス。
ナスはどうやら大きすぎで、皮が固めでした。
その油揚げとナスとを、煮びたしにしてみました。
ナス、とろっとろ!
弱火で15分かけて煮たことで、とてもやわらかくなりましたよ。
しょっつる!
かなりしょっぱいので、大さじ1杯だけ。
そして等量のみりんも使用しました。
うどん!
しょっつる焼うどん。
まちがいない!
おいしいわ!
ごちそうさまでした。
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黒猫のダンナには、今日もいっぱい遊んでいただけましたとさ。
(友情出演)
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この記事を書きながら、ソーダ割りを試してみました。
ちょっと甘みが強すぎるかな。
大人のサイダーみたい。
《焼酎》197.常圧閻魔(緑閻魔) 25度 300ml [9944.大分県の焼酎]
製造者 老松酒造株式会社
大分県日田市大鶴町二九一二
品目:本格焼酎
アルコール分:25度
原材料名:大麦・麦麹
内容量:300ml
(以上、ラベルより転記)
老松酒造さんの焼酎やお酒は、かつて以下のものをいただいております。
《焼酎》40.田吾作 20度 200ml
【お酒】2008.老松 上撰 カップ
今日いただくこの焼酎は、田吾作と同じく麦麹を使用した大分麦焼酎。
ですがこの緑閻魔は、常圧蒸留なんだってさ。
常圧蒸留の意味についてはかつてこちらで紹介しておりますが、いささか冗長でした。
そこで今回は“味わいのちがい”のみをまとめてみたいと思います。
まず、常圧蒸留に対する言葉としては、減圧蒸留があります。
・常圧蒸留
:外気と同じ気圧の蒸留器で、もろみを100℃で沸騰させて蒸留する方法
・減圧蒸留
:蒸留器内の気圧を下げて沸点を下げ、もろみを50℃くらいで沸騰させて蒸留する方法
江戸時代から続く焼酎造りですが、もともとは常圧蒸留だけでした。
その後、昭和48年に減圧蒸留器が開発されて以来、それが広く普及し、本格焼酎ブームの一因にもなったのだとか。
では、常圧蒸留と減圧蒸留では、味わいにどのような違いが生じるのでしょうか。
このことについては、文献の記載を引用して紹介したいと思います。
「常圧蒸留では芳醇で豊かな風味を、減圧蒸留では軽快で端麗な飲み口を引き出せるという。
(中略)
常圧・減圧の違いによる焼酎の風味の差異は、この温度の差からきている。
焼酎に含まれる成分のうち、華やかな香りの成分は、もろみの温度が低い時に取り出しやすい。逆に、香味に重厚感を生む成分は、加熱して初めて発生する。蒸留方式の決定は、「どんな味や香りを目指すか」の決定でもあるのだ。」(※1)
これは私の感想ですが、具体的には、常圧蒸留では
加熱に因るこげ臭や、
穀物が加熱された際に生じる香ばしさ
などを感じることができると思います。
果たして上記の理屈は、今日いただくこの常圧蒸留の大分麦焼酎にも当てはまるのでしょうか?
それを確かめるべく、いただいてみたいと思います。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
けっこうなピリピリで、しかもスースー!
こげ臭は感じませんよ。
香ばしさはかすかだね。
甘みをちょっとだけ感じます。
次に、お湯割りで。
こげ臭出るね!
強くはないものの鋭いですね。
香ばしさはと甘みとは、生(き)と変わらないね。
酸味が少し出るかな。
ちょいスーでちょいピリでした。
最後に、ロックで。
苦みと共に、こげ臭を感じます。
甘みは弱めながらによくわかります。
雑味がなくてきれいではあるものの、こげ臭をほんのりと感じる麦焼酎でした。
こげ臭はあったものの、強くはなくてほんのりと感じる程度でした。
一方で雑味がなくてキレイではあったものの、それ故か麦の風味はかなり弱めでした。
キレイで透明感のある大分麦焼酎の良さと常圧蒸留由来のこげ臭とを兼ね備えた、大分麦焼酎らしい常圧蒸留の麦焼酎でした。
ただワタクシといたしましては、
どっちつかず、
二兎を追うものは・・・、
のような気がいたしました。
そのどっちつかずの麦焼酎と合わせた今日のエサはこちら。
切り昆布。
もちろん煮物にいたしました。
こういうのは、冷めた頃がおいしいんですよ。
さば缶。
さば缶の味噌煮にいたしました。
(NHK:きょうの料理より)
下処理は一切不要で、しかも骨までおいしく食べられるのでした。
ごちそうさまでした。
(※1)鮫島吉廣監修 メディアファクトリー編集『ゼロから始める焼酎入門』p.94(2014.4 株式会社KADOKAWA)
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黒猫のダンナは、駐車場でお昼寝中でした。
それでも遊んでいただけるのが、ダンナの懐の深さなのでした。
(友情出演)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
この記事を書き終えたのち、残っていたものをソーダ割りで試してみました。
爽やかで、こげ臭ほんのりで、麦の香ばしさもほんのりとわかる。
この飲み方が、一番おいしいかも。
《焼酎》196.耶馬美人 25度 180ml [9944.大分県の焼酎]
旭酒造株式会社
大分県中津市中殿町三丁目三番地六号
純米本格焼酎
アルコール分25%
原材料名 米(国産)米麹(国産米)
180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)
今日は、“耶馬美人(やばびじん)”なる米焼酎をいただきます。
その名はきっと、“耶馬渓(大分県北西部にある景勝地)”に由来するのでしょうね。
「ヤバいくらい美人」という意味ではなさそうです。
そういえば、
大分県の焼酎なのに、麦焼酎じゃなくて米焼酎なのね。
文献によれば「中津市の『旭酒造』は昭和10年創業の焼酎蔵。」(※1)なのだとか。
ということは、、旭酒造さんの米焼酎造りは、昭和49年の“二階堂”の登場に端を発し、昭和54年から始まった“一村一品運動”によって広まった大分麦焼酎よりも歴史が深いのでしょうね。
そんな大分の米焼酎、いただいてみたいと思います。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
含むと、米の風味が口の中でパッと広がりますね。
こげ臭や苦みはゼロです。
甘みは弱めです。
それにスースーでちょいピリです。
次に、お湯割りで。
スースーやピリピリがとれて、まろやか。
米の風味はしっかりそのまま。
酸味はちょっとだけ出るみたいです。
甘みはやっぱり弱めです。
最後は、ロックでいただきます。
ロックで出がちな苦みは少し出て、少し鋭いですね。
米の風味はしっかりそのまま。
甘みはやっぱり弱めです。
米の風味満載でキリッと引き締まっている、辛口のおいしい米焼酎でした。
こげ臭がないところから察するに、きっと減圧蒸留なのでしょう。
でも減圧の良さ、すなわち米の風味そのものが満載で、とても風味豊かでした。
甘みは弱く、辛口でキリッと引き締まっておりましたよ。
これ、なかなかうまいじゃあ~りませんか!
大分にはおいしい米焼酎があったのですね。
その耶馬美人と合わせた今日のエサはこちら。
豚ロースの薄切り肉。
野菜と共に、しょうゆ・にんにく・しょうがで炒めて、“スタミナ焼き”にしてみました。
今日は濃い味のものを食べたかったので、願ったりかなったりでした。
それに辛口の米焼酎ともバッチリでした。
ごちそうさまでした。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
車の陰でお昼寝なさっていらっしゃった黒猫のダンナ。
それでもいっぱい遊んでいただけましたとさ。
(友情出演)
(※1)『九州十色シリーズ 大分の酒蔵』p.112(2005.2 おおいたインフォメーションハウス)
《焼酎》195.常徳屋 カップ [9944.大分県の焼酎]
製造元 有限会社常徳屋酒造場
大分県宇佐市四日市1205の2
本格焼酎
原材料 ハダカ麦・ハダカ麦麹
アルコール分 十六度以上十七度未満
容量 一八〇ミリリットル
(以上、ラベルより転記)
今日は、常徳屋酒造場さんの“大分本格むぎ焼酎”をいただきます。
16度台の前割り麦焼酎。
原材料は“ハダカ麦”だってさ。
“ハダカ麦”については、文献に以下の記述がありました。
「大分の麦焼酎の原料は二条大麦が大半だが、『常徳屋酒造場』が醸すこの焼酎は地元・宇佐産100%の六条大麦(通称・裸麦)。」(※1)
「オオムギの主要な一変種。果実と穎(えい)とが離れやすいのでこの名があり、離れにくいものは皮麦(かわむぎ)と呼ぶ。西日本に多く栽培する。」(※2)
しかもこの焼酎、常圧蒸留なんだってさ。
どうやら常徳屋酒造店さんは、昔ながらの常圧蒸留にこだわっていらっしゃるみたいですね。
きれいでクリアな風味が売りの大分麦焼酎にあっては、異色の存在ではないでしょうか?
「 毎日の晩酌にはスッキリした飲み口の焼酎が向くと言われているが、四代目の求める味は「飲みごたえ」。そのため、蒸留方法は一般的な減圧蒸留ではなく、原料(麦)の香りを引き出す「常圧蒸留」を。その上で、「飲みやすさ」を引き出すために小粒で雑味成分が少ない六条大麦をさらに削り、個性を出しつつもスッキリと飲みやすい焼酎に仕上げた。」(※3)
なかなか面白そうじゃあ~りませんか!
それではいただいてみましょう。
前割りですからね、薄めずにこのまま燗にしましたよ。
常圧蒸留特有の焦げ臭さはかなり穏やかです。
一方で、麦の風味が満載で、厚みすら感じます。
甘みもほんのりと感じますよ。
ピリピリ感はなく、スースー感はかすかです。
これ、ものすごくうまいね!
麦の風味がしっかりしていて、「これぞ麦焼酎!」って感じでしたよ。
それに飲み応えバッチリなのに、角がなくてとても穏やかでした。
これはぜひとも、25度のやつを入手してロックで試してみたいところですよ。
あ~あ♪
また大分県へ行く口実ができちゃったじゃないか!
(※1)『九州十色シリーズ 大分の酒蔵』p.19(2005.2 おおいたインフォメーションハウス)
(※2)広辞苑 第五版 電子辞書
(※3)(※1)p.19-20