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WAPIRITS TUMUGI 40度 200ml [変わった酒]

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製造者 三和酒類株式会社
大分県宇佐市山本2231-1

品目 スピリッツ
原材料名 大麦麹(国内製造)、かぼす果皮、レモン果皮、みかん果皮、柚子果皮、ミント
内容量 200ml
アルコール分 40度
(以上、ラベルより転記)




 三和酒類の発足は昭和三三年九月のことである。宇佐市内および宇佐郡下の三つの酒蔵が集まって設立された。参加企業は赤松本家酒造株式会社、熊埜御堂酒造場、和田酒造場の三社である。いうまでもなく今日の社名三和酒類はこの三家の合同(和合)に由来する。そして共同の瓶詰め場をスタートさせる。それぞれ別につくっていた銘柄の酒を一本のビンにし、共通の銘柄を赤松の『和香牡丹』として出荷しはじめたのである。翌三四年には宇佐市の西酒造場がこのプロジェクトに参加する。現在もこの四社は対等な関係として三和酒類を支えている。実質的には四社連合であるが、創立時の社名三和酒類を踏襲し、いまに至っている。」(※1)という、三和酒類さん。
申すまでもないことですが、麦焼酎“いいちこ”の蔵元さんですね。

その三和酒類さんのお酒や焼酎は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】989.本醸造 わかぼたん ぼたんカップ (2回目はこちら
《焼酎》3.いいちこ 25度 200ml
《焼酎》18.西の星 20度 200ml (2回目はこちら
【お酒】1300.わかぼたん 福貴野 300ml
《焼酎》28.いいちこ 日田全麹 225ml (2回目はこちら
《焼酎》39.いいちこパーソン宇佐 30度 300ml
《焼酎》127.いいちこ 長期貯蔵 12度 200ml
《焼酎》150.いいちこ 12度 黄金の國、いわて。
《焼酎》262.西の星 25度 200ml

今日いただくこのお酒は、
“WARIPITS TUMUGI”
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全麹仕込の麦焼酎に、和の『天然ボタニカル』素材を使用した“スピリッツ”
天然“ボタニカル”素材ってとこが、ちょっとルーっぽい?
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スピリッツというのは、酒税法上では第七号から前号までに掲げる酒類以外の酒類でエキス分が二度未満のもの(※2)と定められています。
要するに、ウィスキーや焼酎など、様々なお酒の定義に当てはまらないお酒であって、かつエキス分温度十五度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数(※3))が2%以下の物ということでしょう。

このことを踏まえて品質表示を見てみると、大麦麹のほかに、柑橘類の果皮やミントが原材料として使用されていることがわかります。
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それにしても、このお酒、40度だってさ。
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話のネタが尽きたところで、いただきます。

まずはストレートでちょっとだけ。
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香りはアルコール香だけ。

うわ!
強烈なスース―ピリピリ。
だって40度だもんね。

スーピリが過ぎると、麦の香ばしさをふんわりと感じ、柑橘の香りもほんのりとわかります。
雑味はなく、キレイな口当たりです。


次に、ロックで試してみました。
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甘みが最初にわかります。
そして、トロリとした口当たり。
苦みも少しありました。

麦の風味はわずか、柑橘の香りも然り。


最後は、ソーダ割り。
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爽やかさわかるね。ミントかな?
苦みは出るものの、麦の風味も立ちました。
逆に甘みが引いて、香りも引くかな。


麦の風味ふんわりと柑橘の香りもふんわりの、おいしいスピリッツでした。

味のベースはいいちこ日田全麹とそっくりでした。
ただアルコール香が高いせいか、けっこうなスーピリでした。

ロックで甘みとトロリとした口当たりを、
そしてソーダ割りで爽やかさと麦の風味とを感じることができました。

ただね、40度にする必要があるのかね?
もしかしたら、外国向けの商品なのかな?

(※1)平林千春『奇蹟のブランド「いいちこ」』p.7(2005.6 ダイヤモンド社)
(※2)酒税法(昭和二十八年法律第六号)3条20号
(※3)同法3条2項





そのWARIPITS TUMUGIと合わせた今日のエサはこちら。

鶏肉と豆腐。
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煮物にしてみました。
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鶏を焼いてから煮たことで、香ばしさがいい感じでした。
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いったん冷ましたことで、豆腐に味がしみました。
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ごちそうさまでした。
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むかしながらのにごり酒 カップ [変わった酒]

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製造者 秋田銘醸株式会社
秋田県湯沢市大工町4番23号

品目 リキュール
内容量 180ml
アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 清酒(秋田県製造)、糖類
(以上、ラベルより転記)




大正時代中期に、秋田県の酒造家各氏の出資の下、大蔵省の技師であった花岡正庸氏を中心として設立され、秋田の酒を東京へ進出させるためのタスクフォースとしての役割を担った秋田銘醸さん。

手印は、“美酒爛漫”(びしゅ・らんまん)
“おしゃ、まんべ!”(由利徹より)とまちがえないようにしてくださいね。
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その秋田銘醸さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
【お酒】298.純米原酒ふなおろし 200ml缶
【お酒】348.らんまんカップ(糖類・酸味料添加)
【お酒】355.生貯カップ(糖類添加・酸味料添加なし)
【お酒】408.本醸造 飛切カップ
【お酒】416.美酒爛漫 本醸造原酒 熟成酒 200ml缶2回目はこちら
【お酒】1393.美酒爛漫 普通酒 お燗瓶 180ml
【お酒】1425.美酒爛漫 本醸造 美酒探求七〇一 180ml
【お酒】1426.美酒爛漫 まるごと秋田 純米酒 まなぐ凧 180ml

今日いただくのは、
“むかしながらのにごり酒”だってさ。
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でもでもでも!
この“むかしながらのにごり酒”は清酒ではなくて、
リキュールなんだってさ。
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リキュール(混成酒)の酒税法上の定義は、
酒類糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの(第七号から第十九号までに掲げる酒類、前条第一項に規定する溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のもの及びその性状がみりんに類似する酒類として政令で定めるものを除く。)」(酒税法3条21号)だってさ。

要するに、完成した清酒や焼酎などの酒類に、糖類などを混ぜたものってことですね。

それ故、この“むかしながらのにごり酒”の品質表示には、清酒とともに糖類が表示されておりました。
完成した清酒に糖類を混ぜているわけですから、この糖類は増醸目的での添加ではなく、甘味を付けるために使用されているわけでしょうね。
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滓の量は、2割程度。
それにあまり濃くはないみたい。
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それではいただきましょう。
冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

色は白色。
見た目にはとろみはなく、サラサラした感じ。
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ああ、
そういうことか!


口に含んでもとろみはないものの、滓のざらつきを少し感じます。

米のうまみはするものの、ちょっとクセを感じるね。
酒臭さではなくて、重いようなクドいようなクセがありますね。
苦みもあって、ややはっきり。
キレはまあままですが、とろみがないせいか、口当たりはさっぱりしています。

酸味はややひかえめ。
すっぱさは弱めながらも存在するみたいですが、うまみのクセに隠れているようです。
スーなし、ピリもなし。

甘みははっきり。
でも、べたついた感じやクドさはないですね。


口当たりはさっぱりしているものの、味にクセが少しある、甘口のリキュールでした。

これは私の経験に基づく推測ですが、
この味のクセはきっと、原材料として使用している清酒に由来するものでしょう。
なぜならば、この独特な味のクセは美酒爛漫の普通酒で経験済みですから。
美酒爛漫の普通酒は酸味料フル添加のいわゆる“三増酒”ってやつですから。

すなわち、この“むかしながらのにごり酒”の原材料として使用されている清酒は、美酒爛漫の普通酒なのでしょう。
そしてその普通酒を造る際に添加された酸味料によって、この味のクセがもたらされているものでしょう。

あくまでも、私の経験に基づく推測ですけれどね。

遠野どぶろく 河童の舞 180ml [変わった酒]

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製造者 (株)遠野ふるさと商社
岩手県遠野市綾織町新里8-2-1
製造所 たかむろ水光園 酒類加工所
岩手県遠野市土淵町柏崎7-175-2

品目 濁酒
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
内容量 180ml
アルコール分 9度
保存方法 冷暗所(開封後は要冷蔵)
(以上、ラベルより転記)




道の駅遠野風の丘を訪問した際に入手したどぶろくも、これが最後の一本となりました。

どぶろくですから、清酒ではなくて“濁酒”。
この点が、粗漉しではあっても漉してあるにごり酒(故に清酒に分類される)とのちがいです。
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でも、蓋には“にごり酒”だってさ(清酒に分類:不正確ですね)。
しかも蓋の中央には、ガス抜きと思われる穴が!
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もしかして生で、瓶の中で発酵中なの?
と、思いきや、品質表示には生だとか、要冷蔵とかの表示はなし。
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むしろ、飲む前に軽く振れだってさ。
生だったら、そんなことしたら開栓時に吹き出してしまうでしょうに。
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滓の量は、5割ほどでした。
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それではいただきましょう。

安心してください、生じゃないみたいでした。
振ってから開栓しましたが、爆発はしませんでした。
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色は、かすかに象牙色。
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米の粒は大きめ。
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それにこのどぶろく、
盃に注ぐと、液体部分と米の粒とが分かれていることが確認できました。
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香りがありますね。
甘酸っぱい香りをかすかに感じます。

含むと、液体の部分はサラリとしていて、その中で柔らかい米の粒が浮遊していることがわかります。
それ故、飲む過程で、米の粒を歯で噛む必要が生じます。
うまみは米のうまみそのものに、酒臭さをかすかに感じる程度。
苦みや雑味、枯れた感じはまったくありません。

酸味はややはっきり。
すっぱさが少し強めで鋭いものの、突出してはいないみたいです。
少しスーですが、ピリは無し。

甘みはややはっきりかな。
前には出て来ないものの、甘みの存在はわかります。
特に、飲み込んだ後に舌の付け根辺りでじんわりと感じるようです。


つぶつぶサラリでちょいすっぱちょいスー旨やや甘口のおいしいどぶろくでした。

液体の部分と米粒とが分離していて、それぞれ口当たりの異なる感じでした。
ほどよい酸味と甘みとで、甘酸っぱい味わいに仕上がっておりました。
ちょいスーが、アルコールが含まれていることを気づかせてくれました。

うまいね!
これこそ、濁酒なんだろうね。


遠野どぶろくシリーズは、液体部分にも米が溶け込んでいて、全体的にドロリとした口当たりでした。
一方でこの“河童の舞”は、液体部分と米の粒とが完全に分離しておりました。

これは私の予想ですが、こういうものこそが、本来のどぶろくなのではないでしょうか?

遠野どぶろくシリーズのような米が液体部分に溶け込んでいるものは、むしろにごり酒(清酒)に近いものであって、精米をして麹菌をしっかりと突き破精でつけ、かつ酵母が活動しやすい環境で製造したが故の結果なのではないでしょうか。

一方でどぶろくはもともと自家製のお酒ですから、精米は糠を取り除く程度で、かつ麹の育成も酵母(そもそも酵母の存在すら知らなかったはず)も仕込みもみな経験則に基づく我流でするが故に、米の溶解(糖化)もアルコール発酵もそれほど進まず、結果としてアルコール度数が清酒よりも低く、かつこのような液体のなかに軟化した米が浮遊する状態になるのではないかと推測いたします。

いずれにせよ、今後どぶろくを入手した際には、この点について留意しながらいただくことにいたします。
良い経験をさせていただきました。


最後に、

飲み終わった後も、瓶には米粒が付着しておりました。
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ちょっとだけ水を入れて蓋をし、振ってからラッパ飲みしてみました。
米の風味がしっかりで、最後までおいしくいただけましたとさ。
めでたし、めでたし。

遠野 どぶろく 50%精米吟醸仕上げ 180ml [変わった酒]

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製造者 農事組合法人 宮守川上流生産組合
岩手県遠野市宮守町上宮守4-80-1
製造所 濁酒製造場
岩手県遠野市宮守町下宮守38-3-14

名称 濁酒
原材料名 米(岩手県遠野市産)、米麹
内容量 180ml
アルコール分 14度
(以上、ラベルより転記)





遠野 どぶろく あまくち 180ml
遠野 どぶろく からくち 180ml
に引き続き、

今日も先月に遠野へ行った際に入手した“遠野どぶろく”をいただきます。
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今日いただくこのどぶろくは、“50%精米吟醸仕上げ”だってさ。
どぶろく(濁酒)が吟醸(清酒の特定名称)を名乗るのは、どうなのかな?
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もちろん精米歩合の表示は不要。
度数はあまくち(12度)とからくち(15度)との中間(14度)でした。
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それではいただきます。
冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに象牙色。
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盃の側面に付着した滓。
あまくち/からくちほどではないみたい。
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香りはなし。
含むとアルコールの香りがはっきり。

とろりとした口当たりはあるものの、あまくち/からくちほどではないみたい。
つぶつぶもあまくち/からくちより小さくてやわらかく、ザラつきはありません。
うまみは米の風味そのものに、酒臭さをかすかに感じます。
軽い苦みをかすかに感じるのは、“吟醸”だから?

酸味ははっきり。
すっぱさが強めで、鋭さを感じます。
スース―ですが、ピリはなし。

甘みはひかえめ。
まったく感じません。


とろり濃醇ですっぱスー旨辛口のおいしいにごり酒でした。

あまくち/からくちよりも若干さらりとしていて、つぶつぶも細かいみたい。
これは精米歩合50%だからでしょうか?
あまくちにはあってからくちにはなかった酒臭さをかすかに感じました。
一方で甘みはゼロで、かなりキリッとしておりました。

あまくち/からくちのほうが、飲み応えはあったでしょう。
もちろんこちらもおいしいとは思います。
でも、どぶろくなのに、50%精米にすることで得られる効果って、あるのかな?

むしろ丸米のままで仕込んだほうが飲み応えもあるし腹持ちもよく、どぶろくが果たした“重要な栄養補給源”としての役割に沿うとおもいますが、いかがでしょうか。
もっとも、今日においてはそんな役割よりも、売れるかどうかのほうが重要でしょうけれどね。

遠野 どぶろく からくち 180ml [変わった酒]

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製造者 農事組合法人 宮守川上流生産組合
岩手県遠野市宮守町上宮守4-80-1
製造所 濁酒製造場
岩手県遠野市宮守町下宮守38-3-14

名称 濁酒
原材料名 米(岩手県遠野市産)、米麹
内容量 180ml
アルコール分 15度
(以上、ラベルより転記)





昨日の遠野 どぶろく あまくち 180mlに引き続き、
今日も先月に遠野へ行った際に入手した“遠野どぶろく”をいただきます。
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今日いただくのは、“からくち”。
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どぶろくですから、清酒ではなくて“濁酒”です。
この点が、清酒に分類されるにごり酒との違いです。
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遠野 どぶろく あまくち 180mlは12度でしたが、こちらの“からくち”は15度でした。
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滓の量は同じく8割5分といったところでした。
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冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、かすかに象牙色かな?
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やはり盃の側面には、滓のつぶつぶが付着いたしました。
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香りはなし。
含むとアルコールの香りを感じます。

どっしりというか、ドロリとした口当たり。
つぶつぶですが、ザラつきは感じません。
米のうまみそのもので、酒臭さは感じません。
苦みも雑味もなし。
ドロリとしてはいるものの、しつこくは感じませんでした。

酸味はややはっきり。
すっぱさがあるが、鋭さは少し感じる程度。
スー少しですが、ピリはなし。

甘みはひかえめ。
まったく感じません!


ドロリとしていて濃醇で、ちょいスーちょいすっぱ旨辛口のおいしいどぶろくでした。

たしかにドロリとはしておりましたが、“あまくち”よりも口当たりがさっぱりしていて、かつ酒臭さを感じなかったことから、味わいが洗練されているようでした。
酸味も“あまくち”ほどではないみたい。
しかし甘みを全く感じないほどの辛口で、キリッと引き締まった感じがいたしました。

これね、似たようなお酒を知っていますよ。
久保本家酒造さんの“生酛のどぶ”!
ただし生酛のどぶは時期によって枯れた感じがありますが、こちらの“からくち”にはそれは無し。


味が生酛のどぶに似ているということは、燗にしてもおいしいはず!
そこで、燗にしてみましたよ。
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酸味が立つ!
すっぱさに鋭さが出るのみならず、酸味自体に深みを伴うね!
枯れた感じもかすかに出るかな。

これはおいしい!
燗もいけました。


“遠野 どぶろく からくち”は、冷たくても燗でもおいしくいただけました。
両方とも、食事に合うと思います。

遠野 どぶろく あまくち 180ml [変わった酒]

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製造者 農事組合法人 宮守川上流生産組合
岩手県遠野市宮守町上宮守4-80-1
製造所 濁酒製造場
岩手県遠野市宮守町下宮守38-3-14

名称 濁酒
原材料名 米(岩手県遠野市産)、米麹
内容量 180ml
アルコール分 12度
(以上、ラベルより転記)




先月、遠野に行った際に、道の駅遠野風の丘にて入手した“遠野 どぶろく”の3種。
今週はこれをいただきます。
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なお、どぶろくについては、かつて國盛 どぶろく 純米造り 微発泡 300mlをいただいた際にさんざん講釈をたれております。
どぶろくの何たるかについてお知りになりたい御仁は、どうか上記リンク先の記事をお読みいただきたく存じ奉ります。


今日は、“遠野どぶろく あまくち”をいただきます。
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どぶろくですからね、濁酒(もろみを漉し取らない濁った酒)ですよ。
この点が、にごり酒とのちがいですね。
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お米は遠野産なんだってさ。
米麹に産地表示がないのは・・・。
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加熱殺菌してある旨表示されておりました。
要するに酵母の活性を止めてあるので、爆発する心配はなし。
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度数は12度だってさ。
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滓の量は、8割5分?
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それではいただきましょう。
冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほぼ白色。
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盃の側面に、滓が付着しました。
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香りはなし。

含むとかなりドロリとした感じです。
滓のつぶつぶ感はあるものの、ザラつきはそれほどでもないみたいです。
米のうまみのカタマリですね。
酒臭さはかすかに感じる程度。
苦みや雑味は感じません。
ただ、12度の割には、アルコールの香りがけっこうはっきりしています。

酸味ははっきり。
けっこうすっぱくて、かつ鋭さを感じます。
スース―ですが、ピリはなし。

“あまくち”とありましたが、
甘みはそれほどでもないですよ。
前に出て来ない甘みをほんのりと感じる程度です。
べとついた感じもいたしません。


濃醇どろどろでスース―すっぱ旨口のおいしいどぶろくでした。

“あまくち”とありましたが、それほどしつこくはなく、甘み自体がわかりにくいくらいでした。
米の風味が豊かで、かつヨーグルトのようなすっぱさを感じました。
12度にしてはアルコールの風味が目立っており、酒を飲んでいるという実感がありました。

おいしいね。
甘ったるくないところに好感が持てました。
それにアルコールの香りがはっきりしていて、オイラの好みでした。

菊正宗 瀬戸内れもん冷酒 ネオカップ [変わった酒]

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製造者:菊正宗酒造株式会社
神戸市東灘区御影本町一丁目7番15号

品目:リキュール
内容量:180ml
原材料名:日本酒(国内製造)、れもん果汁、シークワーサー果汁、かぼす果汁、醸造アルコール、糖類
アルコール分 10%
(以上、カップの印刷事項より転記)




灘五郷は御影郷に蔵を置く菊正宗さん。
そのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
菊正宗 生貯蔵酒 300ml(普通酒)
菊正宗 上撰 生酛・本醸造 ハイグラス
菊正宗 特別純米酒 超特撰嘉宝蔵 雅(みやび)
菊正宗 生酛純米酒 特撰 嘉宝蔵 灘の生一本
菊正宗 超特撰 嘉宝蔵 生酛吟醸
菊正宗 超特撰 生酛大吟醸 300ml
菊正宗 樽酒 純金箔入カップ
菊正宗 上撰 本醸造 お燗瓶 (二回目はこちら
菊正宗 上撰 普通酒 紙カップ
菊正宗 純金箔入 しぼりたてカップ
菊正宗 スーパーカップ 上撰 生酛・本醸造
菊正宗 上撰 樽酒 カップ (普通酒)
1377.菊正宗 純米樽酒 カップ
2007.菊正宗 上撰 純米 樽酒 720ml
2093.菊正宗 しぼりたてギンカップ
2094.菊正宗 上撰 しぼりたて純米キンカップ
2095.菊正宗 〈超特撰〉 しぼりたて純米大吟醸 300ml
2163.菊正宗 〈超特撰〉 しぼりたて大吟醸ネオカップ 
2164.菊正宗 〈上撰〉 しぼりたて純米酒 (純米・香醸) 300ml

なお、菊正宗さんには樽酒カップ55個を頂戴したりその熟成具合を試させていただいたりと、勝手にいろいろと楽しませていただいております。


今日いただくこのお酒は、
“瀬戸内れもん冷酒”だってさ。
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レモンだけではなくて、シークワーサーやかぼすも使っているのね。
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品目は、リキュール(混成酒)だそうです。
酒税法上の定義では「酒類と糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの(第七号から第十九号までに掲げる酒類、前条第一項に規定する溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のもの及びその性状がみりんに類似する酒類として政令で定めるものを除く。)」(酒税法3条21号)だってさ。
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品質表示を見ると、たしかに日本酒と果汁、糖類を混ぜていることがわかりますね。
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アルコール度数は10度。
いわゆるひとつのストロング金剛・・・、いや金剛地武志・・・、
じゃなくて、“ストロング系”ってやつ?
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能書きがありましたので、ご紹介しておきます。
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実はこの“瀬戸内れもん冷酒”、製造販売が開始されたのは今年になってからなのです。

これまで菊正宗さんでは、ずっと“すだち冷酒”なるものを製造販売していらっしゃったのでした。
しかし今年はすだち冷酒の製造はなく、代わりとして瀬戸内れもん冷酒を製造販売し始めたのでした。

なぜ、すだち冷酒の製造販売をやめて、瀬戸内れもん冷酒に代えたのか?
このことについて、先月、菊正宗酒造記念館を訪問した際に、職員の方に伺ったところ、
すだちが記録的な不作で必要な量を確保できなかったので、急遽変更した。」と教えていただけました。

調べてみたら、2022年から2023年にかけて、徳島ではすだちが記録的な凶作となってしまったのだとか。
そのレベルは、なんでもここ10年で最も少ない量しか採れなかったほどとのことでした。

急遽変更したということは、もしすだちの収穫量が回復したら、また元のすだち冷酒の製造販売を復活させるかもしれませんね。
そうしたら、この瀬戸内れもん冷酒は、今年限りの幻の商品になってしまうかも。

これはいただいておく価値ありと判断し、本日のこの記事でのご紹介と相成りました次第にて御座候。


それでは、いただいてみたいと思います。
冷酒と書いてあるので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し白濁しておりました。
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香りは、鼻を近づけると、レモンの香りをかすかに感じる程度です。

含むと、レモンの風味とともに、お酒の風味もと感じることができます。
レモンの風味には角がなく、穏やかです。
お酒の風味は米のうまみそのもので、酒臭さや枯れた感じはありません。
それに、甘みもはっきりしています。


米のうまみとレモンの風味とを感じることができて、かつ角がなくて穏やかな甘口のお酒でした。

レモンの風味ははっきりとわかるものの、「角がない=すっぱく感じない」風味で穏やかでした。
それでいて米のうまみもよくわかるので、清酒の風味もしっかりしていました。
さらに甘みがはっきりしておりましたが、これは原材料(増量策ではなくて味付け)として使用されている糖類の甘みでしょうか?

甘いチューハイや甘口ワインを飲みながらお食事できる人には、食中酒として合うかもしれません。
オイラはそれができないので、暑い日の昼間に飲みたいね。
ただし度数はストロング系ですから、要注意でしょう。

春玉の白 330ml [変わった酒]

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製造者 末廣酒造株式会社+T
福島県会津若松市日新町12-38

品目 日本酒(発泡性)①
アルコール分 8度
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
内容量 330ml
(以上、ラベルより転記)




今日は、会津若松市にある末廣酒造さんの嘉永蔵で入手したお酒をいただきます。
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蔵元さんのwebsiteでは、この“春玉の白”について以下のように紹介されておりました。
韓国において古来飲まれてきたにごり酒「マッコリ風清酒」
末廣の技術により、発酵炭酸ガス含有のままお届けします。

ラベルには、マッコリに関する蘊蓄が書かれておりました。
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そんなマッコリ風清酒“春玉の白”は、
アル添なしで、かつ低濃度(8度)。
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“日本酒(発泡性)①”の表示の根拠が気になるところですが、
ここでは適用となる法令・通達のみを紹介しておきます。
かつては読み説いていたのに、面倒くさくなったんだな。
・酒税法附則(平成29年3月1日法律第4号)36条2項4号
・酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の5 酒類の品目等の表示義務 36条2項四号

また、“炭酸ガス含有のまま”なのに原材料名に炭酸ガスの表示がないということは、その炭酸ガスが酵母によるアルコール発酵の効果として発生したもののみ(炭酸ガスを添加していない)ということでしょう(食品表示基準第3条第1項)。


それではいただきます。
蔵元さんのWebsiteでは冷やして飲めと書いてありましたので、
冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

滓の量は、1割くらいでしょうか。
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お酒の色は、ほぼ白色。
にごり酒によくある象牙色っぽさは確認できず。
わかりにくいかもしれませんが、けっこうシュワシュワしています。
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上立ち香はなし。
含むと、ヨーグルトのような酸味をハッキリと感じます。
滓のザラつきはゼロですね。

うまみはやや濃いめ。
米のうまみそのもので、酒臭さや枯れた感じはゼロ。
苦みや雑味もありません。

甘みはややはっきりかな。
前に出て来ないものの、お酒が喉を通った後で舌の奥のほうでじんわりと感じる程度です。


やや濃醇で爽快シュワシュワちょいすっぱ旨口のお酒でした。

滓の量が1割くらいだったこともあってか、そんなに濃くは感じませんでした。
シュワシュワだったことも影響しているのかもしれません。
酸味ははっきりと感じました。
ただ甘みは、一応わかるものの前に出て来ませんでした。

夏の暑い日にはいいかもね。
にごり酒と比べると、こっちはかなりさっぱり爽やかといったところでしょうか。





その春玉の白と合わせた今日のエサはこちら。

冷蔵庫の残り物野菜に、ひき肉を合わせて、
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肉野菜炒め。
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ごちそうさまでした。
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うらやましいことこの上ない!
黒猫のダンナは、午前中から午後2時半くらいまでずっとおねんね。
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それでも遊んでいただけるのが、ダンナの懐の深さなのでした。
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(友情出演)

國盛 どぶろく 純米造り 微発泡 300ml [変わった酒]

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中埜酒造株式会社
愛知県半田市東本町2丁目24番地

内容量300ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
アルコール分9度
(以上、包装フィルムより転記)





今日は清酒ではなく、“どぶろく(濁酒)”をいただきますよ。
しかもこのどぶろく、微発泡なんだってさ。
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どぶろくって、いったいどんなお酒なのでしょうか?

あたしゃまったく知らなかったので、いろいろと調べてみましたよ。
その結果を、以下に報告させていただきます。
いささか冗長ではございますが、どうかお付き合いくださいませ。


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1.どぶろくとは何か

そもそも、どぶろくとはいったいどのようなものなのでしょうか?

文献によれば「どぶろくとは、古くからある濁り酒の異称である。民間での密造酒を指す場合も少なくなかった。(中略)文字通り、もろみ(醪)を漉し取らない濁った酒という意味である。」(※1)とありました。
また酒税法上は“その他の醸造酒”穀類、糖類その他の物品を原料として発酵させた酒類(第七号から前号までに掲げる酒類その他政令で定めるものを除く。)でアルコール分が二十度未満のもの(エキス分が二度以上のものに限る。))(同法3条19号)に該当し、かつては“濁酒”、あるいは“その他の雑酒”という名称が用いられていたこともあったようでした。

一方で、清酒の定義をは以下の通りです(※2)
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(イ又はハに該当するものを除く。)。但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量をこえないものに限る。
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

ということは、どぶろくと清酒とのちがいは、
“漉すこと=濾過”の有無
にあるのでしょう。


なお、いわゆるにごり酒については、「清酒もろみの中の蒸米や,こうじの粒を細かく砕いて目の粗い布などでこすと白く濁った清酒ができる.形状はいわゆる濁酒に似ており,(中略)加熱殺菌したものをにごり酒と称している場合もある.」(※3)という記述にあるとおり、粗ごしではあるものの“こす”という工程を必ず経ているのでしょう。



2.なぜ造られてきたのか

そもそもどぶろくは酒造業者によって造られるものではなく、
家庭で自家用として製造されるもの
だったそうです。

このことについては、下記の記述が参考になります。
 農村では、昔から必要な物は自分でつくるという自給自足が基本で、つつましく暮らしてきました。食料として必要な穀物はもちろん野菜、果物、味噌、漬物、居間・寝室に敷くムシロ、雨具、衣類だって機(はた)で女たちが織りました。たいがいの物がお金で買える時代になっても、倹約して、できるだけ自給自足で生活してきたのです。
 貧しい家計をさいて酒を買うことができないから、酒も自給自足、農民はどぶろくを造って飲んでいたのです。」(※4)


しかも自家製造は、単に倹約のためという消極的な理由だけではなかったのです、
農家にとって「この頃濁酒は単なる嗜好品ではなく、生活や日々の仕事に不可欠な「食料」と認識されていた。」(※5)とあるとおり、
重要な栄養補給源
であったのだとか。

その意味については、以下の記述が参考になると思います。

濁酒は発酵の進んでいない酸の強い荒い酒ではあるが、農作業をこなすのに必要な栄養分を吸収するのに有効な酒とされていた。(中略)平野部の農作業よりもハードな作業が要求される山仕事をこなし、一日の温度差も激しい山間部の人々にとっては、濁酒が日常生活を送る上で、より不可欠なものであることが数字上でも示されているのである。」(※6)

 自家醸造のどぶろくは、貧しい農家にとっては、なくてはならない暮らしの必需品でした。冠婚葬祭に必要なばかりでなく、どぶろくを飲めば食う飯の量が減ると、農家ではいっていたものです。いまでも「どぶろくの晩酌をやると飯を食べなくてもよかった。どぶろくを飲みつけているものは、清酒なんて物足りなかった。力仕事をするものには、どぶろくはいい酒だったよ」と懐かしがっていう人もいます。」(※7)

中には、「昼飯でどぶろくを飲んで、ご機嫌で鼻歌なんか歌いながら田に出ている人もあった。昔の田仕事は重労働だったけど、どぶろくを飲むと疲れがとれたもんだ。」(※8)などといった記述もみつかりましたよ。
飲みながら仕事だなんて、なんともうらやましいかぎりです罠。


さらにそのどぶろくは、酒造りの素人である農家でも簡単に造ることができたみたいです。
これについては、下記の記述が参考になると思います。

 秋田県の農村では、昔から自分の家で味噌を造る家がたくさんありました。貧しい農家でも、二、三年分ぐらいの味噌を樽で仕込み、飢饉に見舞われても味噌があれば何とかしのげるといわれたものです。
 味噌造りに必要なのは、大豆と米麹。畑地の少ない県内では大豆があまりとれないために米麹を大目に使ったから、麹屋がどこの村にもありました。どぶろく造りに必要な麹が、どこでもたやすく入手できたということです。
 麹屋は麹を買う客の住所、氏名、用途を聞いて記録することになっていて、(中略)「酒調べ」の税務署員は、麹屋に寄って、大量に買い込んだ家を調べて踏み込んだりしたものです。
 そのためどぶろくの仕込みに必要な麹まで、自分の家で造る人もいました。無許可で麹を造ることも密造でしたが。
 どぶろくを造る人は、家庭の必需品である味噌を造るような感覚で仕込みをやっていたのです。」(※9)



3.どぶろく製造の原則禁止

魏志倭人伝に倭人は「人性酒ヲ嗜ム」とあることから察するに、わが国においてどぶろくを自家醸造する伝統は、おそらく古代、中世、近世、近代と続いてきたのでしょう。

ところが、明治32年(1899)1月以降は、濁酒・焼酎も自家用酒としての醸造は禁止され、販売用でない酒は全て密造酒とされ、処罰(罰金・投獄)の対象となった」(※10)とあるとおり、明治時代後期になって、これが禁止されてしまったのでした。

明治27(1894)には日清戦争が起こり、政府には軍事費を賄う必要が切迫していたのでした。
また、「明治時代は産業があまり発達していないこともあって、税収全体のなかで酒税の占める割合はかなり大きかったのです。明治三三年でみると約三分の一を占めています。軍事力増強のために酒税がつり上げられ、密造の摘発が厳しくなったわけです。」(※11)とあるとおり、政府にとって酒税の増収は国家の財政を潤すことに直結したのでした。

察するに、政府は農民によるどぶろくの自家醸造までも一切禁止して、“酒は買うものだ”という観念を国民に植え付けようとしたのではないでしょうか。


一方、現代では、税収全体に占める酒税の割合は2-3%程度に過ぎません。
それにもかかわらず、どぶろくの自家醸造を禁止する制度は、今日においても連綿として継続されているのです。


もっとも今日においては“どぶろく特区”なる制度、すなわち「小泉純一郎首相の肝いりによって、二〇〇二年の構造改革で誕生した新しいシステムで、それまで豊穣祈願など宗教行事にかぎってゆるされていたドブロク製造を、地域振興の観点から特定の地域に拡大しようというこころみ」(※12)があって、それに基づいて各地でどぶろくの製造が再開されている例も散見されます。

しかし、どぶろく特区が創設されたからといって、その域内では誰もがどぶろくを自由に造ることができるわけではないのです。

どぶろくを含むあらゆるお酒の酒造免許には、「最低製造数量(1年間に最低限作らなければならない製造量)を満たす」(※13)ことが要件として定められています。

そしてどぶろくに関しては、「最低製造数量はお酒の酒類によって定められており,どぶろく(酒税法上は「その他の醸造酒(2)」)は年間6,000klと定められている.どぶろく特区はこの最低数量が外されただけで,税率や納税方法,各種手続きなどは酒造会社と変わら」(※13)ないとされているのです。


すなわち、明治の禁令から120年以上も経過した今でも、我々日本国民は、たとえ自分で飲むためであってもどぶろくを製造することは許されていないのです。



4.どぶろくの味

では、その“どぶろく”は、いったいどのような味がしたのでしょうか。
この点について、文献には以下のような記述がありました。

 清酒のアルコール分は一五度から一六度、これに対してどぶろくは八度前後と飲みやすいので、寄り合いなどでも女も一緒に飲めたから、親睦には効果があったという人が多くいます。」(※14)

 さわやかな酸味と白濁のとろみ、そしてほどよい甘さ。それらが絶妙にミックスされたドブロクはのみやすく、左党ならずともグッとくる。」(※15)


(おしまい)


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これらのことを踏まえた上で、今日いただくこのどぶろくについて触れてみます。

もちろんこのどぶろくは密造酒ではなく、「酒造会社が正規の手順をふんでつくりあげた、いわばメーカー製ドブロクともいうべき存在」(※16)です。
しかも造っていたのは、中国酒(尾州知多半島=江戸と上方との中間で造られた酒)の流れを汲む尾張半田の國盛(中埜酒造)さんでした。
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それではいただいてみたいと思います。
冷蔵庫で冷やして飲めと書いてありますので、仰せの通りにいたします。

色は白色です。
それに見た目にはとろみを感じません。
注いだ様子を撮影することを忘れてしまいました。

でも注ぐと、ヨーグルトのような香りがフワッと立ってまいりました。
含むと、軽いシュワシュワ感とともに、ヨーグルトのような風味そのものが口の中に広がりましたよ。
口当たりでもとろみはなく、米の粒もなければ滓のざらつきもいっさいなく、かなりさらっとしております。

うまみはやや濃いめ。
米のうまみでしょうけれど、ヨーグルトのような風味に負けておりますね。
熟成感や酒臭さはゼロ。
軽い苦みをかすかに感じます。

酸味ははっきり。
これもヨーグルトのようなすっぱさを感じますが、角はありません。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややはっきりかな。
べとついた感じはまったくなく、かなりさらっとしております。
幅も感じません。


爽快ちょいシュワ旨やや甘口のおいしいどぶろくでした。
ヨーグルトのような風味とちょいシュワとで、とても爽やかでした。
その反面、米のうまみは負けているように感じました。
甘みはありましたが、しつこさはまったく感じませんでした。
また軽い苦みがかすかにあって、いい感じに引き締めておりました。


これはまさに、
“ヨーグルト風味の飲み物(アルコール含有)”
でしょうよ。
度数が低いせいかもしれませんが、ものすごく飲みやすいわ!
アルコールの香りゼロ、酒臭さゼロで、スイスイと行けてしまいましたよ。

ただ、私としては米の粒が入っていることを期待していただけに、それがなかったことが残念でした。
こしていないはずのどぶろくでこんなにさらっとしているということは、もしかしたら米を挽いて粉にしてから仕込んでいるのでしょうか?

これを契機として、今後はどぶろくにも手を出してみたいと思います。
次はぜひとも、米の粒を感じられるどぶろくに出会いたいものです。





そのどぶろくに合わせた今日のエサはこちら。


“ゆで干し大根”。
先日、山形へ行った際に買ってきたのでした。
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作り方が書いてありました。
だしを使わずに、もどし汁で炒め煮にするんだってさ。
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“5倍に増えるぞ!”と脅かされましたので、
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今日は半分だけ使いました。
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もどしてみました。
5倍は言い過ぎで、どうみても1.5倍程度だろ!
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もどし汁はとっておきました。
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ゆで干し大根のほかに、にんじん、しいたけ、油揚げも入れました。
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山形の素材ですから、“味マルジュウ”で味付け。
山形県民の皆さまが愛してやまないだし醤油です。
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こんなん出ましたけど!(泉アツノさんより)
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大根を干したことでうまみが蓄積されているのね。
そのうまみが出たもどし汁で煮ているので、けっして物足りなくはありませんよ。
むしろ素朴な味に仕上がっておいしゅうございますね。
あたしゃ子供の頃にばあちゃんの家で“たくあんの煮物”を食べたことがあったのですが、その味を思い出しましたよ。
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このほかに、九条ねぎと笹かまとのぬたもいただきまして、
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ごちそうさまでした。
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(※1)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.186(2000.4 柴田書店)
(※2)酒税法3条3号イロハ
(※3)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.253(1997.10 灘酒研究会)
(※4)無明舎出版編『どぶろく王国』p.22-23(2006.5 無明舎出版)
(※5)安藤優一郎『日本酒文化における濁酒醸造の歴史-清酒との比較から-』p.72(食生活科学・文化及び地球環境科学に関する研究助成研究紀要 16巻 2000年度 p.65-72 アサヒビール学術振興財団)
(※6)(※5)p.69
(※7)(※4)p.37
(※8)(※4)p.41
(※9)(※4)p.45-46
(※10)(※5)p.71
(※11)(※4)p.31
(※12)斉藤光政『受け継がれるドブロクの記憶』p.23(季刊民族学 41巻1号 p.22-24 2017 千里文化財団)
(※13)吉川修司『構造改革特別区域制度を活用したどぶろくの製造』p.504(生物工学会誌 89巻8号 p.504-505 2011.8 日本生物工学会
(※14)(※4)p.49
(※15)(※12)p.22
(※16)(※12)p.24

さつま白波 ハイボール [変わった酒]

今日は朝からずっと、夕食のことばかり考えておりました。
というのも、2つのものをどうしても食べたくてしかたがなかったものですから。


そのうちの一つは、カレーライス
といっても、レトルトですけれどね。
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カレーを食べると、お酒の味がわからなくなってしまいます。
それ故、いつもであればチューハイかビールを買ってくるところですけれど、今日は在庫のお酒を合わせてみようと試みましたよ。


それがこれ。
さつま白波のハイボール缶ですよ。
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●製造所:三幸食品工業株式会社
広島県東広島市安芸津町三津4215番地3
●販売者:薩摩酒造株式会社
鹿児島県枕崎市立神本町26番地

●スピリッツ(発泡性)①
●原材料名:本格焼酎(国内製造)/炭酸、酸味料
●アルコール分:7%
●炭酸ガス含有
●内容量:350ml




言わずと知れた“さつま白波”を使用したハイボール、すなわち“酎ハイ”です。
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さつま白波は鹿児島県は枕崎の焼酎ですが、この缶は広島の市内を徘徊していたときに見つけました。
このめぐりあわせは、この商品の製造所が広島の会社だったが故の必然だったのでしょうか。
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昨今では、軽さや芋の風味を活かした飲みやすい焼酎が好まれているようですね。
そんな流行とは一線を画し、昔ながらのどっしりと重くて飲み応えのあるしっかりした味わいをかたくなに維持しているのがさつま白波だと、あたしゃそう思いますよ。
それ故に、そのさつま白波を使用したハイボール缶であれば、カレーライスと対等に渡り合えるのではないかと思い、選んだ次第でございました。
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氷を入れていただきます。
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さつま白波のどっしりとした風味がよくわかりますよ。
でも、幾分軽めなのは、アルコール度数が7度と低めに設定されているからでしょうか。
ほんのりと甘みを感じますが、これは焼酎由来のものでしょうか?

“さつま白波 ハイボール”は、さつま白波のおいしさと軽さとを併せ持ったおいしい酎ハイ缶でした。

しかもこのハイボール、カレーの風味にけっして負けておりませんでしたよ。
香辛料の香りが広がった後にも、白波の風味はしっかりと残って鼻へと抜けていきました。
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もう一つの食べたかったもの。

それは、長芋
仕事帰りに立ち寄ったスーパーで、最後の一本を無事GET!
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1cmくらいの厚さに切って、両面に塩こしょうを少しと、小麦粉を軽く振っておきます。
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油を引いたフライパンで焼きます。
火加減は弱めの中火です。
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調味料は、しょうゆ、みりん、バター。
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長芋に焦げ目がついたところで、味を付けます。
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できあがり。
いい香りです。
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外はホクホクで、中がシャリ!
もともと生で食べられる食材なので、火の通り具合はこの程度でバッチリです。
しょうゆの香りに、バターと小麦粉とによる香ばしさや深み、そしてみりんの甘みが効いていて、おいしゅうございました。
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ごちそうさまでした。
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