【お酒】298.美酒爛漫 純米原酒 ふなおろし 200ml缶 [05.秋田県の酒]
秋田銘醸株式会社
秋田県湯沢市大工町4番23号
アルコール分17度以上18度未満
原材料名 米（国産）・米こうじ（国産米）
精米歩合 麹米65%・掛米70%
200ml詰
（以上、缶の印刷事項より転記）
秋田銘醸さんは、大正11年創業の、酒造業者としては比較的新しい会社です。
そのはじまりは、ある人が酒造りをしようと思い立ったというわけでなくて、秋田「県内の主な酒造家、政財界人など八十八人の出資者による株式会社」として設立された「当時でも異例中の異例」の創業だったそうです(※1)。
なぜ、そのような形態で創業したのでしょうか。
それはひとえに、「県を挙げて秋田の美酒を東京に送り出す酒蔵を作ろう」という、秋田の酒の売り出しに特化した酒蔵が必要だったからだそうです。
というのも、当時は「秋田の酒は評判が上がりつつある。東京市場から引き合いがあっても、これに応じることができる酒蔵がない。秋田の評判をここまで上げた「両関」は、地元の要望と東京・一木商店の注文に応じるだけで精一杯だった。」(※2)とのこと。
たしかに秋田銘醸さんは、秋田の酒を東京へ売り出すための特殊部隊（task force）としての積極的な役割を期待されていたことでしょう。
しかし、これは私の推測ですが、仮に秋田の酒の売り出しに失敗した場合に、その損失が出資者に直接に及ばないようにするためのリスク回避策という消極的な意味もあったのではないかと思います。
だって、もし絶対に儲かるんだったら、みんな自分でやりますよね。
このお酒には“ふなおろし”という名前が付いています。
これはいったいどういう意味でしょうか？
似たような言葉として、“槽掛け”（ふながげ：「圧縮工程のこと。もろみを酒袋に入れ、圧搾槽に積むのをいう。」(※3)）とか、“ふなぐち”（菊水酒造のお酒、搾りたての生原酒のこと）といった言葉は知っていましたが、“ふなおろし”ははじめて見ました。
蔵元さんのWebsiteによれば、「しぼりたての風味を生かした純米ふなおろし。」と書いてありますので、きっと（生酒ではないものの）しぼりたての原酒という意味なのでしょう。
このお酒は、缶入りです。
缶入りのお酒って、プルタブではなくて、缶詰と同じようにパカッと開ける方式のものがほとんどですよね。
でも、これって、このまま口を付けると、縁の鋭くなった部分で唇を切りそうな気がするんです。
やはり缶のままいただくのは怖いので、グラスに移し変えることにします。
そして、上記の蔵元さんのWebsiteによれば冷やしていただくのがおすすめのようですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
アルコールの香りが強めです。
お酒をすすると、むせてしまいます。
（それはオマエの飲みかたのせいだろ！）
純米原酒だけあって、うまみは濃いめで、しっかりしています。
酒臭さはほとんどせず、むしろやわらかいうまみです。
吟醸酒のような苦みを少し感じますが、それ以外に雑味は感じません。
甘みはあまり強くはないですが、しっかりしています。
うまみの濃さをさらに引き立てているようです。
一方、酸味はひかえめです。
少しスッキリする程度で、刺激やピリピリ感はありません。
しっかりしたうまみを、甘みがより引き立てる、濃醇でちょい甘口のおいしいお酒でした。
純米酒で、しかも原酒なのに、雑味がなくて酸味がひかえめです。
このことは、このお酒が丁寧に造られている証拠だと思います。
(※1)秋田魁新報社事業局出版部編『あきた地酒の旅』p.128-129（1995.9 秋田魁新報社）
(※2)篠田次郎『吟醸酒の来た道』p.44（1999.1 中公文庫）
(※3)篠田次郎『日本酒ことば入門』p.208（2008.7 無明舎出版）
おはようございます！
冷やなのに「むせる」とは
かなり濃いということですね(゜o゜)
skekhtehuacsoさんの飲み方は・・・別としても(笑)
グラスになみなみのお写真 すすりたい衝動に駆られます♪
by ちゅんちゅんちゅん (2014-08-08 06:38)
ちゅんちゅんちゅんさん、アルコール17-18度といささか高めですが、アルコールの香りはそれ以上に強めでした。
by skekhtehuacso (2014-08-08 23:10)