【お酒】６０．菊正宗 特別純米酒 超特撰嘉宝蔵 雅（みやび）

菊正宗酒造株式会社
神戸市東灘区御影本町一丁目7番15号

原材料名　米／米こうじ
国産米100%使用
兵庫県三木市吉川特A地区産山田錦100%
精米歩合65%
アルコール分17.5%
720ml詰
（以上、ラベルより転記）

今日は休肝日のため、先日いただいたお酒について紹介させていただきます。

ここ数日のニュースでは、あるセンセーのおかげで、秋の園遊会での出来事が話題となっています。
その秋の園遊会で出されるお酒が、この“雅”なのだそうです。
（ちなみに、菊正宗酒造記念館の方のお話では、春の園遊会では櫻正宗のお酒が出されるそうです。）


このお酒には、原料米として“兵庫県三木市吉川特A地区産山田錦”を100%使用しているとのこと。

私たちが普段食べるお米（飯米）には、でんぷんの他に、うまみ成分となるたんぱく質や脂質が米粒全体にまんべんなく含まれています。
しかし、「これらの成分は日本酒となると雑味が生まれてしまう」のです(※1：ママ)。
一方、酒造りによいとされている山田錦などの”酒造好適米”は、中心部分に近付くほどでんぷん質が濃く、逆にたんぱく質や脂質は薄くなっています。
そこで、酒造好適米の米粒の外側を精米機で削って、でんぷん質の濃い中心部分だけを使用すると、おいしいお酒ができるといわれています。
（この中心部分を“心白(しんぱく)”といいます）。

酒造好適米の中でも、山田錦は「心白の大きさがほどよく、麹が造りやすい。また軟らかく、溶解性にも優れているため、味がのりやすい。造り手にとってみれば、まず絶対の安心感を持って酒造りが進められる、扱いの容易な米」であるとともに「味わいの面でも、非常に優れている」のだそうです(※2)。

山田錦が採れる産地には、ランク付けがなされています。
兵庫県三木市吉川町は、特に優良な山田錦が採れるということで。特Aランクが付されているようです。
ですが、私は、このランク付けがいったい誰によって、どのような根拠規範に基づいてなされているのか知りません。
（農産物検査法関係でしょうか？）
どなたかご存知の方がいらっしゃったら、ご教示いただきたく存じます。
【追記】その後調べました。こちらをご覧ください。


と、まあ、小難しいことはここまでとして、このお酒の感想をご紹介しましょう。

おっと、その前にひとつだけ。
このお酒ですが、720mlで2,100円でした。
高いといえば高いのですが、すごい酒である割には良心的な価格設定です。
このお酒は、以前、神聖の純米大吟醸を提供していただいた御仁に、また買ってもらっちゃいました。
こんなすごいお酒を良心的な価格で提供してくださった菊正宗さんと、このお酒を買ってくださった御仁とに、お手手をあわせて感謝しつつ、今日は冷やしていただきたいと思います。


一口含むと、豊かなうまみと甘みが広がります。
かといって強すぎない、やわらかなうまみと甘みです。
これらは米由来のものでしょうか。
酸味はまったく感じません。
アルコール度数は高めですが、それでもアルコールの香りは感じません。

刺激のまったくない、とても上品なお酒でした。

しかし、私には、いささか上品すぎるような気もしました。
なんかこう、飲み応えが軟らかすぎるというか…。
私のような貧乏人にとっては、菊正宗上撰で十分なのかもしれません。


(※1)佐々木ゆみ子+恒文社編集部『八海山 魚沼 雪の中の酒蔵』p.112（2009.7 恒文社）
(※2)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ！』p.55（2007.1 新風舎）

酒くさコメント 2

山田錦の特Aランクですが、旧吉川町近辺での生産が全国の9割を占めると言われます。
そしてそのほとんどが、いくつかの酒蔵さんで押さえてしまっているのが現状で、他の酒蔵にはまず供給されません。
いまから7年前に、私の所属しているグループが奇跡的に分けていただき（この経過も書けば長くなるので割愛）、
その特A米で日本酒を作りました。
杜氏さん泣かせでしたが、上品でこれぞ山田！っていうお酒ができました。
肝腎なそのランク付けに関しての資料が手元にないので（涙）、
明確なコメントをすることができず、忸怩たる思いです（爆）
長文でスミマセン・・。
by 式守錦太夫 (2013-11-05 23:13) 

式守錦太夫さん、コメントありがとうございます。
とてもよい体験をお持ちですね。
ランク付けの件は、今後の勉強の課題としたいと思います。
by skekhtehuacso (2013-11-06 21:42)