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【お酒】70.71.櫻正宗 大吟醸カップ&特撰吟醸 飲み比べ [28.兵庫県の酒]

櫻正宗株式会社
神戸市東灘区魚崎南町五丁目10番1号

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大吟醸カップ
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
山田錦100%使用
アルコール分15度以上16度未満
精米歩合50%
180ml詰
(以上、フタおよびラベルより転記)


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特撰 吟醸
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分14.0度以上15.0度未満
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


櫻正宗の蔵開きへ行った際に購入したお酒です。
どうせ明日も休みですので、今日は2本を飲み比べてみたいと思います。


その前に“吟醸”あるいは“大吟醸”とはどういうお酒なのか、確認しておきます。

吟醸酒
精米歩合60%以下の白米、米こうじ及び水、又はこれらと醸造アルコールを原料とし、吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの(※1)

大吟醸酒
吟醸酒のうち精米歩合50%以下の白米を原料として製造し、固有の香味及び色沢が特に良好なもの(※2)

法的には、これらの基準を満たしたお酒にについて、吟醸または大吟醸の名称を称することができることになっています。
よく、大吟醸酒または吟醸酒の基準として精米歩合だけに着目するきらいがあると思います。
しかし、私はむしろ、大吟醸酒または吟醸酒の本質は、吟味して製造することにあると思います。

では、どういう製造方法を採れば、“吟味して製造”したと言えるのでしょうか。
この点について、ある文献(※3)を参考に、私の見解を加えて下記(1)~(9)にまとめてみました。

(1) 原料米には、大粒の酒造好適米(山田錦、五百万石、美山錦、雄町など)を使う
(2) 米を60%以上(大吟醸は50%以上)精米する
(3) 米を水に浸す際には、秒単位で時間を区切って限定浸漬させる
(4) 米を蒸す際には、内部に水分を蓄えて、外側を少し乾燥させた状態(外硬内軟)に仕上げる(特に麹米)
(5) 麹は、米の表面にびっしり付く(総破精:そうはぜ)ようにするのではなく、米の内側へ突き進むように育てる(突き破精:つきはぜ)
(6) 酵母は、きょうかい酵母9号(熊本酵母)のような芳香性酵母を使う
(7) 醪は、低温で、かつ長期間(およそ30日)かけてゆっくり仕込む
(8) 雑味を避けるため、仕込んだ醪はしずく(袋つり)またはで搾る
  (自動圧搾機は使わない)
(9) 搾った清酒は、冷蔵貯蔵する


とまあ、ここまで難しいことを書きましたが、とにかく今日はその大吟醸酒と吟醸酒とを比較していただいてみたいと思います。
今日はいずれも冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

  大吟醸カップ  
いわゆる吟醸香(フルーティーな香り)はしません。
しかし、うまみがグッと迫ってきます。
櫻正宗さんのお酒らしいスッキリしたうまみですが、けっこうはっきりしています。
これは醸し出されたうまみだと思います。

やわらかい酸味も感じます。
すっきりしたうまみと調和する、いい塩梅の酸味です。

甘みはほとんど感じないくらいです。

吟醸香はしないものの、うまみがはっきりしていて、かつ、酸味との調和がとれています。
やや淡麗旨口のおいしいお酒でした。


  特撰 吟醸  
このお酒も吟醸香はしません。

かなりやわらかいうまみを感じます。
大吟醸とちがって、お米由来のうまみのようです。
酸味と甘みとは、さらにやわらかくて、ほとんど感じないくらいです。

うまみも酸味も甘みも、みなやわらかくて淡いようです。
しかし、このお酒は、辛味とか、すっぱさとか、あるいは苦味といった雑味がまったくありません。
この点が、まさに吟味して製造した成果だと思います。
雑味がないので、うまみや酸味、甘みが淡くても、ちゃんと感じることができます。

スッキリした、淡麗旨口のおいしいお酒でした。


櫻正宗さんの大吟醸酒も吟醸酒も、いずれもいわゆる吟醸香はしませんでした。
しかし、私は、フルーティーな吟醸香がしないほうが、食事には合うと思います。

むしろ、今日いただいた櫻正宗さんのお酒ように、大吟醸酒のうまみ、そして吟醸酒の雑味の無さこそ、吟味して製造したことの成果として賞賛されるべきではないでしょうか。


(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1の表
(※2)同2(2)
(※3)秋山裕一『日本酒』p.125-126(1994.4 岩波新書)




2022/03/14
“特撰 吟醸”をまた飲んでみました。


2022/03/16
“大吟醸カップ”をまた飲んでみました。
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あ~酒臭かった! 28

酒くさコメント 4

hanamura

宴の多い時期になってきました。毎週金曜日に通う栃木県酒造組合「酒々楽」を、お休みすることもあります。「ついに酒で身体をこわしたか?」と、心配されるとイケナイので、月曜日か木曜日にも、行ってみようかと思っています。
by hanamura (2013-11-17 09:43) 

skekhtehuacso

hanamuraさん、コメントありがとうございます。
酒々楽への出撃の様子を紹介してくださることを楽しみにしております。
by skekhtehuacso (2013-11-17 22:13) 

とんちゃん

吟醸と大吟醸の飲み比べなんて、豪勢ですね。(笑)
吟醸香は香りを人工的に添加するものがあるようで、
それよりは素直な香りの方が好ましいと思います。

by とんちゃん (2013-11-22 03:43) 

skekhtehuacso

とんちゃん様、コメントありがとうございます。
櫻正宗さんは、大吟醸や吟醸でも一合詰の製品を出してくださっているので、比較的購入しやすいと思います。
しかし、あまり広くは流通していないのが難点です。
吟醸香を人工的に添加する方法ですが、いわゆる“ヤコマン”のことでしょうか。
私は、吟醸香があまりしないお酒のほうが、食事に合わせやすいと思います。
by skekhtehuacso (2013-11-22 23:03) 

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