【お酒】145.上撰 黒松白鹿 クラシックス 本醸造生酒 300ml

辰馬本家酒造株式会社
兵庫県西宮市建石町2番10号

アルコール分 14.0度以上15.0度未満
精米歩合 70%
原材料名 米（国産）・米こうじ（国産米）・醸造アルコール
容量300ml
（以上、ラベルより転記）


灘五郷の一つ、西宮郷にある名家、辰馬本家酒造さんののお酒です。
辰馬本家酒造さんのお酒は、かつて特撰 黒松白鹿 黒松 純米 もち四段仕込をいただいております。


このお酒は、“生酒”です。
生酒とは「製成後、一切加熱処理をしない清酒」を指します(※1)。

加熱処理による殺菌（これを“火入れ”といいます。）をしていないわけですから、酵母が残存している可能性があるわけですし、雑菌が繁殖する可能性もあるわけです。
もっとも、現在の生酒は「一般細菌まで除去できる精密濾過を行ってから出荷するものが多い」そうです(※2)。
このお酒も、きっと濾過によってかなりのレベルまで残存酵母や雑菌を除去できているのでしょう。


ある文献では、「生酒の特徴は、甘い麹の香りを感じさせる、ふっくらとした香りを備え、みずみずしく、味わいに躍動感があることだ。火入れをした一般の酒とは異なる、フレッシュな口中の感触が楽しめる。」と評しています(※3)。


生酒の場合は、「保存若しくは飲用上の注意事項」を必ず表示しなければならないことになっています(※4)。
そのため、このお酒のラベルを見ると、以下のとおり「要冷蔵」の文字をはっきりと表示させてあります。


ところで、生酒と似て非なるものに“生貯蔵酒”というお酒があります。
これは「製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、製造場から移出する際に加熱処理した清酒」を指します(※5)。

この生貯蔵酒について理解するためには、生貯蔵酒誕生の経緯や、お酒の“火入れ”という作業の意義や方法、そしてその歴史までさかのぼって整理する必要があります。
今後、生貯蔵酒をいただく機会はいくらでもありますので、この点については次の機会に整理したいと思います。
（まだまとめきれてねぇだけだろ！）



それでは、この生酒をいただきます。
生酒ですので、冷蔵庫で冷やしていただきます。


やはり生酒らしいフレッシュな風味を感じます。
しかし、それほど強くはありません。
安い生貯蔵酒にありがちな、苦くてとがったような風味ではありません。
フレッシュですが、ふくらみのある風味です。

うまみはけっこうしっかりしています。
フレッシュさもありますが、けっこうまろやかでもあります。

甘みもけっこう感じます。
しかし、べとついたり、くどかったりはしません。
米本来の甘みでしょうか、やわらかい感じがします。
この甘みのおかげでしょうか、お酒にコクが出ています。


生酒のフレッシュな風味と、しっかりしたうまみとがうまく調和している、おいしいお酒でした。


(※1)清酒の製法品質表示基準（平成元年国税庁告示第8号）5(5)
(※2)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.172（2000.4 柴田書店）
(※3)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ！』p.24（2007.1 新風舎）
(※4)清酒の製法品質表示基準（平成元年国税庁告示第8号）3(3)
(※5)同5(6)

酒くさコメント 4

「生」を、ありがたいとは思いません。でも、活性原酒は、キャ～！
・・・という私です。（大家さんに貰った濁酒・・・すごかった。）
今回「鹿」というだけでも、「キャ～！」ですがぁ・・・。
（深い意味はありません。そういう過去の、自称：飲み鉄です。）
by hanamura (2014-02-15 22:19) 

おはようございます！
なるほど～☆
「生」を探して飲んでみよう！
勉強になりました(^^)
by ちゅんちゅんちゅん (2014-02-16 09:00) 

hanamuraさん、この生酒はうまみがしっかりしていたので、火入れしてあってもおいしかったのではないかと思います。
まあ、こういうお酒もあるという紹介でした。
by skekhtehuacso (2014-02-16 21:47) 

ちゅんちゅんちゅんさん、コメントありがとうございます。
生酒と生貯蔵酒とは、味も少しちがいます。
生貯蔵酒は、生の字だけが大きく書いてあって、その下に小さく貯蔵酒と書いてある場合があるので、気をつけてください。
by skekhtehuacso (2014-02-16 21:49)