【お酒】359.竹鶴 純米カップ

竹鶴酒造株式会社
広島県竹原市本町三丁目10番29号

アルコール分15度以上16度未満
原料米はすべて国産
原材料名 米・米こうじ
精米歩合70%
180ml詰
（以上、ラベルより転記）


竹鶴酒造さんについて、ある文献では以下のように紹介していました。
「創業は江戸時代中期にさかのぼる。当時が製塩業が中心だった。酒づくりは享保十八（1733：ブログ筆者追記）年からで、二百六十年の歴史がある。」
「ニックウヰスキー創業者竹鶴政孝の生家であることでも知られる。」(※1)

はからずも、ある意味タイムリーなお酒に出会ってしまいました。


朝ドラのことよりも、大事なのはこのお酒の味です。
竹鶴酒造さんのお酒の味は、「一言で言えば、濃醇で小味のきいた、飲んだという実感のあるタイプの酒です。」とのこと(※2)。

この味には、どうやら竹鶴酒造さんの杜氏さんの経歴も影響しているのかもしれません。
ある文献では、その杜氏さんのことを以下のように紹介していました。
「杜氏の石川達也さんは、早稲田大学在学中に「神亀」に魅せられ、蔵人として4年間修行したあと、郷里の広島にあるこの蔵に入り、3年目には杜氏に就任。」(※3)

また、別の文献では、石川杜氏さんが神亀と出会ったときの心境を以下のように紹介していました。
「それまでは酒は構えて飲むものという感じだったが、神亀を味わうと、体も精神も解放される気分だった。自分には純米のひこ孫だけあれば、もう他の酒はいらないとまで思い詰めるようになってしまった、と石川は告白する。」(※4)


神亀に惚れ込んで、実際に神亀で修行した杜氏さんでしたら、最初の文献が「濃醇で小味のきいた、飲んだという実感のあるタイプの酒」と紹介していたことは嘘ではないように思います。
実際に、お酒の色だけを見ても、神亀どころかそれ以上に濃厚な感じがします。


そんな杜氏さんの下で造られたこのお酒を、今日もぬる感でいただきます。


おお、
お燗にすると、酒臭い（←ほめ言葉です）香りをふわっと感じます。
これは期待できますよ。

やっぱりうまみはかなり濃くて、しっかりしています。
完全に、醸し出された酒臭い（←あくまでもほめ言葉です）うまみそのものです。
そのうまみが口の中にフヮーっと広がって、そのあとスーッと切れていきます。
そのせいか、濃いけれどクドくは感じません。
しかもこのお酒、クドいお酒にありがちな雑味を感じません。

酸味もかなりしっかりしています。
強めのすっぱさがグッと迫ってきます。
でも、それなのに、刺激やピリピリ感はまったくありません。

甘みはひかえめです。
わずかにあって、お酒の味にコクを添えています。


とても濃厚だがキレのよいうまみに、すっぱさの際立つ酸味がよく合っている、濃醇やや辛旨口のおいしいお酒でした。
やっぱり神亀のような、いやそれ以上に濃醇で深い味わいのお酒でした。
それなのに、雑味や刺激をほとんど感じませんでした。
飲みやすさや軽快さとは無縁ですが、手間をかけて造ってあることがよくわかるお酒でした。


(※1)中国新聞社メディア開発局出版部編『広島の酒蔵』p.100（1995.2 中国新聞社）
(※2)同p.101
(※3)山同敦子『愛と情熱の日本酒―魂をゆさぶる造り酒屋たち』p.335（2011.3 ちくま文庫）
(※4)上野敏彦『闘う純米酒　神亀ひこ孫物語』p.119（2006.12 平凡社）

酒くさコメント 6

神亀も好きですが、竹鶴も好きです。日本酒はこれ！という味が良いですね。
by newton (2014-10-14 11:22) 

あまりにタイムリーなお酒ですね。
なんだかんだで見てますよ、マッサン。
by 遠霞（とおがすみ） (2014-10-14 18:05) 

newtonさん、コメントありがとうございます。
たしかに神亀も竹鶴も、熟成された濃厚な味わいですね。
るみ子の酒もそうだったと思います。
by skekhtehuacso (2014-10-14 23:01) 

遠霞さん、コメントありがとうございます。
今までの朝ドラはそれほど関心がなかったのですが、私もマッサンは見てしまいます。
酒に関する話だからか、あるいはエリーがかわいすぎるからかも。
by skekhtehuacso (2014-10-14 23:03) 

こんばんは！
金の雫ですね～✿
見ただけでも濃いとわかります(^^)
by ちゅんちゅんちゅん (2014-10-15 18:00) 

ちゅんちゅんちゅんさん、これはきっと、熟成させた成果だと思います。
by skekhtehuacso (2014-10-15 23:42)