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【お酒】811.大吟醸純米三千盛 300ml [21.岐阜県の酒]

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株式会社三千盛
岐阜県多治見市笠原町2919

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合45%
NET 300ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)




焼き物のまち岐阜県多治見市笠原、いまはなき東濃鉄道笠原線の終点近くに蔵を構える三千盛さんのお酒は、かつて白磁の徳利に詰められた吟醸酒をいただいております。
今日いただくこのお酒は、同じく白磁の徳利に詰められた純米大吟醸です。
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ところで、このお酒のキャップには“から口”と表示されております。
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この“から口”の表示には、どうやら蔵元さんのこだわりが込められているらしいのです。
このことについて、蔵元さんの講演を記録した文献には以下のような記述がありました。

当社でつくっている酒は、純粋な意味での「吟醸酒」とはちょっと違っています。吟醸タイプの酒とはいえ、みなさんが、品評会などに出品される吟醸酒とは多少異なっています。当社では、むかしからずっと辛口の酒をつくっておりましたが、販売量がだんだん低下していくために、辛口で、しかも飲みやすい酒をつくってみようとなったわけで、吟醸酒というよりは、辛口の酒の商品化と考えていただきたいと思います。
(中略)
去年、ある漫画家の方が、当社の酒を飲んでの批評では「辛口ではない。水くちだ」とおっしゃり、水みたいに、いくらでも飲める、フッと気がついたときには、2本の1升びんが空になっていて、ぐでんぐでんに酔っていた。これは、まさに水くちの酒だ、というように書いておられましたけれども、これが、わたしどものねらいであり、そのように飲んでいただければ、大変ありがたいと思っています。」(※1)


この文献が刊行されてから35年以上経っておりますが、蔵元さんのこの“辛口(辛口は、辛いという意味ではなくて、甘くないという意味だと思います。:ブログ筆者注記)で飲みやすい酒”、すなわち”水くち”の考え方は、今日いただくこのお酒にも反映されているのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
純米大吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、わずかに着いているのがわかる程度でした。
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一口含むと、フルーティーな吟醸香をわずかに感じます。
はっきりしてはいるものの、ひかえめでちょうどよいくらいです。

うまみは濃くはないですね。
というか、むしろ淡めです。
ですが、お米のうまみが豊かで、それがピンと舌を突くような鋭さを感じます。
それでいてキレがよく、スッと引いて消えていきます。
大吟醸を名乗るだけあって、苦みや雑味はまったくありません。

酸味はややひかえめです。
すっぱさを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
でも、まったくないわけではなくて、ほんのわずかに感じます。


キレのよいお米のうまみを堪能できる、やや淡麗で旨辛口のおいしいお酒でした。
酸味や甘みが、お米のうまみを引き立てるために必要最小限のレベルに抑えられていると思います。
しかも雑味がまったくないので、とてもきれいな味わいです。
それでいてお米のうまみが豊かですので、物足りなさはありませんね。
たしかにのみやすい“水くち”でスイスイといけてしまいますが、けっして水っぽくはないですよ。
この味わいこそが、蔵元さんが丁寧に吟味して造った成果なのでしょう。


(※1)水野高吉『7.吟醸酒の商品化について(清酒の伝統と多様化(第21回日本醸友会シンポジウム) )』p.33(醸造論文集35号 日本醸友会 1980年3月)
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あ~酒臭かった! 43

酒くさコメント 2

こいこい

水くちは一番危険なお酒ですね。自分は蔵元さんに狙い通りに泥酔すると思われます。
by こいこい (2016-02-28 16:57) 

skekhtehuacso

こいこいさん、私がいただいたのは300ml瓶ですからそのおそれはありませんでしたが、一升瓶を買ってしまうと、口当たりがよいのでついつい飲みすぎでしまいそうです。
by skekhtehuacso (2016-02-28 21:06) 

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