【お酒】1260.春一番地 純米しぼりたて生原酒 300ml [21.岐阜県の酒]
山内總太郎
岐阜県中津川市上野134番地1
原材料 米・米麹
アルコール分 18度
酒造好適米ひだほまれ(国産)100%使用
精米歩合55%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
中津川駅の駅前にある老舗の酒屋さんで勧められて入手したお酒です。
この蔵元さんは、個人事業主(自然人商人)でした。
普段は“山内酒造場”という屋号で酒造りをなさっているようですね。
これを入手した酒屋さんのお話では、この蔵元さんはかつて地元で開催されていた音楽イベントである中津川フォークジャンボリー(全日本フォークジャンボリー:1969-1971)で実行委員をしていたそうです。
このお酒ですが、“ひだほまれ”なる酒造好適米を100%使用しているとのこと。
ひだほまれは1981年に岐阜県で独自に育成された酒米のようですが、「大粒で心白発現が良く酒造適性が高いが、心白が大きくて高精白には向かない。」(※1)のだとか。
でもね、このお酒は精米歩合55%ですから、なかなかの高精白ではないでしょうか。
生酒ですし、度数18%の原酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、少し茶色がかっているようでした。
生酒らしいフレッシュな風味がありますね。
少しはっきりしてはおりますが、クドさはないみたいです。
原酒だけあってか、うまみは濃いめです。
米のうまみは広がらずに舌をピンと突く程度ですが、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみのほうがしっかりしています。
熟成感もちょっとだけあるようです。
また、軽い苦みがあって、強くはないものの角を少し感じます。
酸味ははっきりしています。
すっぱさが強くはないものの、鋭くて、かつ深みを感じます。
でも刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりしています。
さらっとしてはいるものの、甘みに厚みを感じます。
米のうまみに酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)とを、軽めの苦みと深みのある酸味とが引き締めて、甘みがコクを添える、濃醇ちょい苦ちょいすっぱ旨口のおいしいお酒でした。
味わいがとても複雑ですね。
いろいろな要素が絡み合ってこの味わいを作り出しているように感じました。
フレッシュな風味はあるものの、スイスイといけるような味わいではなくて、かなり濃くて深い味わいでした。
原酒ということで、ここでロックにしてみましたよ。
ロックにしても、複雑な味わいは変わりませんね。
ただ、氷で冷やされたせいか、少しだけキリッと引き締まってきたみたいでした。
それにロックにすると、ストレートの時には感じなかった香ばしさが他の味わいの要素を超えて前に出てきましたよ。
このお酒は、こういう味わいの変化を楽しむこともできるのですね。
(※1)副島顕子『酒米ハンドブック 改訂版』p.68(2017.7 文一総合出版)
初めて知りました。岐阜にもまだまだ知らない日本酒がありますね。
by エクスプロイダー (2017-08-29 21:31)
エクスプロイダーさん、わても知らんかったわ。
by skekhtehuacso (2017-08-31 21:43)