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《焼酎》55.明月 200mlハイカップ [9945.宮崎県の焼酎]

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明石酒造株式会社
宮崎県えびの市大字栗下61番地1

本格焼酎
原材料名/さつまいも、米麹、米
アルコール分 20%
内容量 200ml
(以上、ラベルより転記)




今日は、宮崎県えびの市に蔵を置く蔵元さんが造った“芋焼酎”をいただきます。
ピンは外してありますが、下記地図の中心がえびの市です。
北隣には熊本県の人吉、すなわち球磨焼酎(米焼酎)で有名な球磨地方がありますね。




品質表示を見ると、度数が20度であることと共に、原材料名の末尾に“米”と表示されていることがわかります。
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芋焼酎で米麹を使用することは一般的なことのようですが、ここには米麹と米とが各別の原材料として併記されております。
これはもしかしたら、米麹とは別に麹菌を植えつけていない米そのものを主原料として芋と併用しているということでしょうか?

このことについて蔵元さんのWebsite上にあった商品説明では「南九州産さつまいも「コガネセンガン」を主原料に、白麹で仕込んだ芋焼酎に、米焼酎をブレンドすることにより、芋の香りを和らげ、ほんのりとした香りと口当たりのよい本格焼酎に仕上がりました。」と紹介されておりました。


主原料に芋と米とを併用しているのではなくて、別途米焼酎を造ってそれを芋焼酎にブレンドしていることから、結果として米そのものを原材料として使用していることになるわけですね。

なーんだ、それじゃ芋焼酎じゃなくて、芋と米とのブレンド焼酎じゃないか!
と怒り心頭の御仁もいらっしゃるかと思います。
いねぇよ!

しかし、日本酒造組合中央会が定めた公正競争規約によれば、“芋焼酎”のような冠表示特定の原材料の使用を強調する表示)は、その原材料が「イ 使用されている原材料の全部又は大部分(50%以上)を占めるとき」や、「ロ 使用比率が使用原材料のうち最大であるとき」、あるいは「ハ 原材料の使用比率を施行規則の定めるところにより冠表示に併記して表示するとき」のいずれかに該当する場合には可能なのだとか。(※1)

一方で品質表示は「使用量の多い順に表示する。」(※2)ことになっておりますので、この焼酎では、きっと“さつまいも”の使用量が50%以上、あるいは最大なのでしょう。
それ故、私はこの焼酎を芋焼酎と呼ぶことは適切であると判断いたします。


ところで、米焼酎をブレンドすれば、芋の香りはたしかに和らぐ(薄まる)ことでしょう。
しかし、蔵元さんのWebsite上にあった商品紹介の文言どおり、口当たりもよくなるのでしょうか?

一方で、手元にあった文献では、この焼酎の味わいを「力強いアタックとほんのりした香り、ほのかな苦みがクセになる。」(※2)と評されておりましたよ。

口あたりがよいのか、それとも力強いアタックがあるのか、いったいどっちなんでしょうね?
これは実際にいただいてみて、自分の舌で確かめるしかありません。
ということで、いただいてみたいと思います。



まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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盃に注ぐと、芋の香りがフワッと漂ってまいりました。

まずピリが来ますが、それほど鋭くはないみたいです。
アルコール香はあまり感じません。

芋の香りに重さはなく、穏やかです。
それに、米焼酎のようなキリッとした風味がありますよ。
甘みは少なめですが、かすかにあることがわかります。



次に、お湯割りで。
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芋の香りがはっきりしてきました。
華やかではなくて、ふかし芋のようなふっくらした感じです。
それに、お湯割りにありがちな酸味も少し出てきました。

一方で、減圧蒸留の米焼酎みたいな米の風味がしっかりしてきました。
それに甘みが引くとともに、アルコール香が立ってきて、キリッと引き締まってまいりましたよ。



最後は、残ったものをロックでいただきます。
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芋の香りに重さが出てまいりましたよ。
ズシリと来る重さです。

米の風味は引いて、むしろ芋っぽい風味が前に出てきたようです。
甘みと共に、軽い苦みもちょっとだけ出てきました。



生(き)ではピリピリ感があったものの、お湯割りやロックでは感じませんでした。
また、お湯割りだと米の風味がはっきりしておりましたが、ロックだと芋の風味や重さが前に出て来るようでした。
ロックの場合には「力強いアタック」(※3)という表現は適切かもしれませんが、それ以外ではむしろ蔵元さんがおっしゃるとおり「芋の香りを和らげ、ほんのりとした香りと口当たりのよい本格焼酎」だと感じました。
これはもう、芋焼酎と米焼酎とのおいしいハイブリットや~!

ああ、そうか!

これは完全に私の予想ですが、蔵元さんが蔵を置くえびの市は熊本県の球磨地方に近いことから、米焼酎(球磨焼酎)の味に慣れている熊本県の人にも芋焼酎を楽しんでもらうべく、米焼酎をブレンドして球磨焼酎の味わいに近づけているのではないでしょうか?

(※1)単式蒸留しようちゆう製造業の表示に関する公正競争規約4条(1)イロハ、同施行規則3条(不当景品類及び不当表示防止法31条1項)
(※2)同施行規則2条(2)イ
(※3)『焼酎一個人 vol.1 今、最高においしい焼酎(BEST MOOK SERIES 47)』p.11(2017.7 KKベストセラーズ)
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