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【お酒】1517.オバステ正宗 信州の純米酒 カップ [20.長野県の酒]

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長野銘醸株式会社
長野県千曲市八幡275


アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合 70%
内容量 180ミリリットル
(以上、カップの印刷事項より転記)




“オバステ”の酒銘は、蔵元さんが蔵を置く場所に由来するみたいでした。
このことについて、文献では以下のように紹介されておりました。
 千曲市八幡にある長野銘醸の造り蔵は、ひっそりとした集落の中に「ヲバステ正宗」と記したひときわ高い煙突をみせる。歴史をにじませた蔵の壁の色、松の木に囲まれた重厚な事務所の構えが元禄2(1689)年創業の暖簾を印象づける。田毎の月で知られる姨捨の山麓にあるこの蔵の酒は、それより20.年ほど前の寛文年間からすでに造られており、元禄2年の石高は九十二石だったという記録も残っている。」(※1)

このカップに描かれている絵こそが、もしかしたら姨捨の山麓に出る“田毎の月”なのでしょうか?
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ところでこのカップ酒ですが、純米酒でした。
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代表銘柄『姨捨正宗』は「普段呑みこそ、純米酒を飲んで欲しい」との想いから、2007年にすべて純米化され、地元では飲食店や贈答はもちろん、家庭での晩酌酒としても親しまれている。」(※2)とあるとおり、長野銘醸さんは全量純米蔵になられたみたいでした。

けっしてこのお酒にけちをつけるわけではございませんが、アル添酒の持つ軽快さが好きなワタクシといたしましては、大手蔵をも巻き込んだ妄信的とも思われるような昨今の純米回帰の傾向には、いささか疑問を持たざるを得ませんよ。
純米回帰の傾向ってのは、おそらく“余計なもの=醸造アルコールを混ぜずにお米だけで造った純粋なお酒”であることをアピールしたいが故のことなのでしょう。
でも醸造アルコールの添加がダメならば、速醸酛でなされる乳酸の添加だってダメでしょうし、それに蔵付き酵母を使わずに培養酵母を用いることだって問題にすべきでしょうよ。
それらを容認しつつも、(特定名称酒に限って言えばもはや増量策ではなくて)酒造りの一技法として確立しつつある醸造アルコールの添加だけを忌み嫌う傾向ってのは、なんかおかしいように思いますよ。
お酒は飲み物ですからね、大事なのは純米かどうかではなくて、実際に飲んでみておいしいかどうかじゃないのかな。
十分にけちをつけているじゃないか。


昨今の傾向に文句を言うのはこのくらいにして、このお酒をいただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ごくかすかに茶色がかっているようでした。
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うまみは濃くはないですね、むしろちょっとだけ淡めでしょうか?
酒臭い(←ほめ言葉です)うまみが穏やかに効いていますね。
熟成感もかすかにあって、軽い苦みもちょっとだけ感じます。
純米ですがキレはよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はないものの、スースー感が少しあるみたいです。

甘みはややひかえめでしょうか。
弱めではあるものの、幅を感じる甘みがありますね。


しっかりしているもののまとまっていてキレのよい、スッキリちょいすっぱ旨口のおいしいお酒でした。
酸味は少し目立ちましたが、苦みや熟成感は穏やかで、また刺激を感じませんでした。
甘みもわずかに感じましたが、どうやらそれが味わい全体を穏やかにまとめてくれているように感じました。
またキレがよくてスッキリしており、飲みやすさを感じました。

こういうスッキリしているものの酸味の鋭さを少し感じる純米酒って、昨今では大手蔵の純米酒にもありますね。
こういう味わいが、最近の“流行り”なのでしょうか?


(※1)川崎史郎:文・小林敬一:写真『酒蔵で訪ねる信州』p.66(2008.5 信濃毎日新聞社)
(※2)『ようこそ日本酒の國へ』p.185(2014.5改訂 合同会社デザインファームアンドリゾート)
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酒くさコメント 2

よしころん

オバステとは^^;
わたし捨てられちゃう~~~
by よしころん (2019-02-12 22:12) 

skekhtehuacso

よしころんさん、私はすでに世の中から見捨てられているみたいです。
by skekhtehuacso (2019-02-13 21:29) 

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