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【お酒】1016.東一(あづまいち) 山田錦純米酒 300ml [41.佐賀県の酒]

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五町田酒造株式会社
佐賀県嬉野市塩田町五町田甲2081

アルコール分 15度
原材料 米(国産)・米麹(国産米)
原料米 山田錦100%使用
精米歩合64%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




東一(あづまいち)という酒銘について、以下のような記述が文献にありました。
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 五町田酒造は1922年、瀬頭本家から分家して創業。「日本一」という銘柄でしたが、その後東洋で一番になるという意味で「東一」を追加しました。」(※1)
この“瀬頭本家”というのは、もしかして“東長”の瀬頭酒造さんのことでしょうか?


ところで、五町田酒造さんの酒造りについて、上記と同じ文献にはこのような記述がありました。

 「米から育てる酒造りがモットー。」味のある米の旨みがのった酒を目指しています。「東一」が全国的に知られる五町田酒造の社長瀬頭一平さん。「米と酵母の相性が一番大事」と言います。本物の酒は良質の米から生まれるとして酒米の最高峰とされる山田錦を蔵周辺の田んぼで“自家栽培”するこだわりよう。」(※2)

今日いただくこのお酒は山田錦を使用した純米酒ですが、その産地については表示されておりませんでした。
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もしかしたら、蔵元さんが自家栽培なさった山田錦も使われているかもしれませんね。
なお、山田錦については、簡単にではありますがかつてこちらで触れておりますので、ご参照下さい。


このお酒ですが、ラベルには冷でもぬる燗でもOKと書いてありました。
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ですが、購入したスーパーでは冷やして販売されておりましたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、無色でした。
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一口含むと、吟醸香のような香りをほんのりと感じます。

うまみはやや濃いというか、広がる感じがします。
これまでにいただいた山田錦のお酒で感じたように、お米のうまみが口の中でパッと広がります。
しかもそれが、雑味がまったくなくてきれいなのです。
キレはそれほどでもないみたいですが、うまみ自体にクドさがなくてきれいなので、ちょうどよい感じです。

酸味はややひかえめです。
角のないすっぱさをちょっとだけ感じます。
刺激やピリピリ感はまったくありません。

甘みはややはっきりしています。
べとついた感じはなく、さらっとしています。


お米のうまみを酸味と甘みとが引き立てる、旨やや甘口のおいしいお酒でした。
うまみと酸味、甘みとのバランスがとてもよいと思います。
香りも穏やかで、ケバケバしさを感じません。
しかも苦みや雑味がまったくなくて、きれいな味わいです。
山田錦を使ったお酒にもピンからキリまであるとは思いますが、私としては、このお酒はかなりいけるのではないかと思います。

今年のお歳暮の候補としておきます。
となると、こっちで取り扱っているお店を探さなきゃ。


(※1)平尾茂『佐賀酒ものがたり』p.63(2014.1 西日本新聞社)
(※2)(※1)p.62

【お酒】1014.竹の園 上撰 カップ [41.佐賀県の酒]

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矢野酒造株式会社
佐賀県鹿島市大字高津原3903-1

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類
アルコール分15.0度以上16.0度未満
200ml詰
(以上、フタより転記)




佐賀県鹿島市の街中に蔵を置く蔵元さんのお酒です。
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上撰の小印が付けられておりますが、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめです。
ウィスキーみたいな風味を少し感じます。
それに渋みも少しありますね。
それでもキレがややよいことが、クドさを回避してくれているみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさをちょっとだけ感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはやっぱりはっきりしています。
糖添三増酒にありがちなとろみのような舌触りもありますし、ちょっとべとついた感じもします。


やや濃醇でちょい渋甘口のお酒でした。
この風味は、かつて扶桑鶴の佳撰カップで感じたことがありました。
酸味料由来の風味ではないと思いますが(酸味料の表示がないのでそう信じたい!)、ちょっとクセのようにも感じました。
でも、キレがよいことで、クドさは回避できていると思います。

【お酒】1011.天吹 上撰 カップ [41.佐賀県の酒]

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天吹酒造合資会社
佐賀県三養基郡みやき町大字東尾2894

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
200ml
(以上、ラベルより転記)




花酵母の利用に熱心に取り組んでいらっしゃる天吹酒造さんのお酒は、かつて天吹の超辛口特別純米酒と吟乃紅衣との飲み比べと、三社祭の御神酒である“浅草三社権現社 御神酒300ml”とをいただいております。

今日いただくこのお酒ですが、上撰の小印が付けられているにもかかわらず、誠に残念ながら糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、けっこうはっきりしておりました。
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うまみは濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみも一応感じます。
クドさはないものの、このお酒、渋みがかなり強めです。
それに、キレのよさはないみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさに鋭さを感じます。
それに、ちょっとピリッと感じます。

甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌触りはわずかに感じる程度ですが、ちょっとべとつくようです。


濃醇渋すっぱやや甘口のお酒でした。
かなりクセのある個性的な味わいのお酒でした。
これなぁ、かなり濃い味の料理や、磯の香が高い海産物などでないと、合わせるのが難しいんじゃないでしょうか。

【お酒】544.浅草 三社権現社 御神酒 300ml [41.佐賀県の酒]

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販売者 酒の大枡
東京都台東区浅草4-22-9

製造者 天吹酒造合資会社
佐賀県三養基郡みやき町大字東尾2894

アルコール分15度
原材料名 米・米麹・醸造アルコール
300ml詰
(以上、ラベルより転記)



三社権現社は、浅草神社の別名です。
この由来については、このお酒の箱に詳しく記載されていました。
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浅草神社は、浅草寺の本堂の東隣にあります。
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浅草寺の本堂の大きさに比べると、浅草神社の拝殿はいささか小さめに見えます。
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境内では、三社祭で使用するお神輿が展示されていましたよ。
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ところでこのお酒ですが、なんと佐賀県の天吹酒造(あまぶきしゅぞう)さんが造っているのだとか。
天吹酒造さんのお酒は、かつて天吹の超辛口特別純米酒と、古代米で仕込んだ吟乃紅衣とをいただいております。
いずれも花酵母を使用した、香り高いお酒でした。

なぜ、この東京にある浅草神社のお神酒を、佐賀県の蔵元さんが造っているのでしょうか?
その経緯を調べてみると、面白いかもしれませんね。
だったら調べておけよ!


今日いただくこのお酒のラベルには、花酵母を使用した旨の表示はありません。
精米歩合を表示していないので普通酒でしょうから、今日もぬる燗でいただきます。
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このお酒ですが、色はわずかについている程度でした。
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一口含むと、華やかな香りが豊かであることがわかります。
吟醸香のような香りです。
もしかして、この香りは花酵母に由来するものでしょうか?

うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
酒臭さや熟成感はなくて、むしろやわらかいうまみです。
ほんのわずかに苦みを伴うようです。

酸味は少し感じる程度です。
すっぱさをわずかに感じる程度です。

甘みはひかえめです。
ほんのわずかにわかるくらいです。


華やかな香りに、柔らかいうまみがしっかりした、やや濃醇で辛口のおいしいお酒でした。
それに、わずかな酸味がすがすがしさを添えているようです。
二週間後の三社祭では、このお酒が祭りの盛り上がりに一役買うことでしょうな。

【お酒】424.425.天吹 超辛口特別純米酒&吟乃紅衣 飲み比べ [41.佐賀県の酒]

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天吹酒造株式会社
佐賀県三養基郡みやき町大字東尾2894



今日いただくこれらのお酒は、“花酵母”なるものを使用して醸造されているようです。
これはどうやら、自然の花から採取した清酒酵母であるとのこと。
この花酵母については、東京農業大学が主宰し、全国の蔵元さんが参加する“花酵母研究会”なる集まりもあるようです。


佐賀の酒を紹介している文献では、天吹酒造さんの花酵母を使用した酒造りについて、以下のように紹介しています。
天吹酒造(あまぶきしゅぞう:ブログ筆者追記)では2000年から、花酵母「なでしこ酵母」をスタート。(中略)ナデシコやベゴニアなど9種類で、山田錦などの酒米との組み合わせが味わえます。」(※1)
また、天吹酒造さんのWebsiteでは、この9種類の花と、それらを使ったお酒を紹介しています。

この花酵母については、この記事の最後でまとめておきましたので、ご覧いただければと思います。




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天吹 超辛口特別純米酒 山田錦
酵母 ベゴニア酵母
原材料 山田錦100%使用
精米歩合 60%
アルコール分 15度
原材料名 米、米こうじ
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)


蔵元さんのWebsiteでは、私の記事など要らないくらいに、このお酒の味について詳しく紹介されています。
(特別)純米酒ですが、常温または冷やして飲めと紹介されていますので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
その前に、カメラが安物なせいでわかりづらいですが、このお酒にはほんの少し色がついています。
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一口含むと、吟醸香のような華やかな香りを感じます。
しかもけっこうしっかりしていて、口の中に残ります。

うまみは淡めです。
酒臭さはひかえめで、お米のうまみそのものです。
苦みや雑味はまったく感じません。

酸味はどちらかというとひかえめです。
すっぱさを少し感じ取ることができるくらいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはほとんど感じません。


華やかな香りに、お米のうまみとさわやかなすっぱさとを感じ取ることができる、淡麗辛口のお酒でした。
甘みをほとんど感じないことから、たしかに“辛口の=甘くない”お酒だと思います。
しかし、刺激がないので、辛くは感じませんでした。
上品な味わいのお酒だと思います。





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天吹 吟乃紅衣(ぎんのくれない) 紫黒米
酵母 なでしこ酵母
アルコール分 16度
原材料名 米、米こうじ
内容量 180ml
醸造責任者 木下大輔
(以上、ラベルより転記)


蔵元さんのWebsiteには、このお酒には古代米を使用していることが紹介されています。
それとともに、「製造方法は吟醸造りですが古代米は農産物検査法の適用が無いので純米吟醸とは名乗れないのです。」と記載されています。

たしかに吟醸酒は「精米歩合60%以下の白米、米こうじ及び水、又はこれらと醸造アルコールを原料とし、吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの」と定義されており(※2)、その白米は「農産物検査法(昭和26年法律第144号)により、3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したものをいうものとする。」と定められています(※3)。

この農産物検査法は古代米を規格の対象としていないことから、それを使用して造られたお酒は吟醸酒を名乗ることができないのでしょう。


このお酒も常温または冷やして飲めと紹介されていますので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
その前に、このお酒には古代米由来と思われる赤い着色とともに、わずかに滓りがあるようです。
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このお酒も、一口含むと華やかな香りを感じます。

うまみはやや濃いめです。
酒臭さはなくて、お米のうまみがそのまま出ているようです。
ほんのわずかに苦みを感じますが、それ以外に雑味はありません。

酸味はこれもひかえめです。
すっぱさはややはっきりしています。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みは強くはないですが、けっこうはっきりと感じます。


華やかな香りとお米のうまみとに、すっぱさと甘みとを感じる、やや濃醇でやや甘口のお酒でした。
古代米を使ったことで、うまみがやや濃厚になっているのでしょうか。



ところで、今日いただいたお酒は、いずれも華やかな香りが豊かなものでした。
一方、酵母の働きについて、(主たる働きがアルコール発酵であることを前提として)「アミノ酸を体内に取り入れて、菌体をつくり増殖しつつ、フレーバー物質としての高級アルコール類を生成し、なお、これらの成分と酢酸や脂肪酸とを結合させて芳香成分のエステル類をつくる。」と述べている文献がありました(※4)。

もしかして、今日いただいたお酒の華やかな香りこそが、花酵母の特徴なのでしょうか。




☆★花酵母について☆★


(1)酵母≒きょうかい酵母

酵母は、糖分をアルコールに変える働きをする微生物です。
日本の酒造りでは、ほとんどの蔵元さんが“きょうかい酵母”というものを使用しています。

きょうかい酵母とは、「(公財)日本醸造協会が純粋培養、頒布している優良酵母」のことで、「主として優良酒を醸造した酒蔵のもろみ、または酒母から酵母を分離し、それを純粋培養したもの」です(※5)。
きょうかい酵母が登場した事情については、かつてこちらでまとめておりますのでご覧ください。

多くの蔵元さんできょうかい酵母が使用されるのは、それが優秀で安定した酒造りをすることができるからでしょう。
特に、吟醸酒の繊細な風味を出すためには、きょうかい酵母は有効であると思います。


(2)きょうかい酵母を使用することの弊害:多様性欠如による日本酒離れ

ある文献では、きょうかい酵母を使用し続けることの弊害について、以下のように述べています。
きょうかい酵母の頒布は1906年に始まったが、(中略)この限られた種類の酵母で醸造するために今日の日本酒の多様性が狭まっているように考えられる。」(※6)

またこの文献は、このことが日本酒離れの原因であるとも述べています。
成人一人あたりのアルコールの消費数量は、平成十一対して六年度比で九九・一%、やや減少しているもののほぼ変化なしと言っていい。一方、清酒(日本酒)の同消費量は、平成十一年度(対平成六年度)比は八一・九%であり、激減している。
清酒激減の理由としては(中略)いろいろ考えらえる。しかし、清酒メーカーとしてさまざまな消費者の飲酒ニーズに添った商品を開発してきたかということを自問自答すると十分だったとは言えない。
今までの清酒に欠けているものはなにかということを考えた場合、ひとつとして清酒の多様性の欠如が挙げられる。」(※7)


(3)花酵母採用の意義:地酒の個性復活

同じ文献では、花酵母を採用することの意義について、以下のように紹介しています。
自然の花から清酒酵母を採取して清酒を醸造する試みは、まだ始まったばかりであるが、この手法によりさまざまな個性ある清酒が登場する可能性がある。
さらに、この方法は、きょうかい酵母が頒布される以前の蔵付き酵母を使っていたころの地酒を復活させる試みであることを指摘しておきたい。生酛(きもと)という伝統的な酒母造りの手法は、野生清酒酵母を集積する手法であり、蔵付き酵母というのも元は野生の酵母である。野生の清酒酵母を使用することにより、かつてあった地酒の個性を復活させる手法としてこの花からの清酒酵母を分離させる試みは有効であると言える。」(※8)


(4)なぜ、花からなのか?:清酒酵母が集りやすい

これについて別の文献では、以下のように説明しています。
清酒酵母が自然界で最も集積される環境は、糖源の存在する場所、すなわち果実、花と考えられる。果実ではワイン酵母と考え、花に着目した。」(※9)

そして、花から清酒酵母を分離する方法については、以下のように書かれています。
自然界では、Pichia, Hansenula属のようなビタミンを要求しない雑食性の酵母が支配的であり、直接分離するの困難であるため、清酒酵母が優先的に集積する培地(中田 ・他、1979)へ試料を添加し、培養を行った後に清酒酵母を選択的に分離した。」(※9)



(※1)平尾茂『佐賀酒ものがたり』p.22(2014.1 西日本新聞社)
(※2)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1
(※3)同1(2)
(※4)秋山裕一・熊谷知栄子『吟醸酒のはなし』p.86(技報堂出版 1987.5)
(※5)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.106(2000.4 柴田書店)
(※6)東田雅彦・岡賢太郎・南條倫夫『花酵母を利用した日本酒の開発』p.92(食品と化学 43巻10号(通号558) 2001.10 食品と科学社)
(※7)(※6)p.92
(※8(※6)p.95
(※9)中田久保『花酵母の利用と商品開発』p.37(農林水産技術研究ジャーナル 29巻6号 2006.6 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会)

【お酒】144.東長 カップ [41.佐賀県の酒]

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瀬頭酒造株式会社
佐賀県嬉野市塩田町大字五町田甲3117

アルコール分15度
180ml詰
原材料名・米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
(以上、フタより転記)


佐賀県のお酒をいただくのは初めてです。
どんな味がするのか楽しみです。
今日もぬる燗でいただきます。


アルコールの香りと共に、甘みとうまみとを感じます。

けっこう甘めです。
しかし、べとついたり、くどかったりはしません。
さらっとした甘みです。

うまみはかなりしっかりしています。
濃くはないようですが、甘みが味にコクを出しているようなので、しっかりしたうまみになっています。
醸し出された、酒臭い(←ほめ言葉です。)うまみです。

酸味はすこしだけあるようですが、ほとんど気にはなりません。


甘みがコクを出している、やや濃醇で甘口のお酒でした。
こういうお酒も、たまにはいいとおもいます。
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