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【お酒】517.坤滴 純米酒 特別栽培米「山田錦」 180ml [26.京都府の酒]

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東山酒造有限会社S
京都市伏見区塩屋町223

180ml詰
アルコール分/16度
原材料名/米・米麹
精米歩合60%
山田錦100%使用
※国産米100%使用
(以上、ラベルより転記)



申し訳ございません。
このお酒について、私はなんら情報を入手することができませんでした。
蔵元さんはWebsiteを開設していないようですし、手元の文献や雑誌を当たっても載っていませんでした。
伏見酒造組合のWebsiteが唯一の情報源といったところでしょうか。


瓶にはいろいろな表示がなされています。
これは造りにこだわっていることのアピールでしょうか。
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山田錦100%使用ですか。
そういえば、“山田錦”で思い出したことがあります。

山田錦という酒米は、単一の品種ではなくて、14種類のお米の集団に与えられた名前なのだとか。

このことについて、ある文献では以下のように紹介しています。
単に「山田錦」と言っているが、実は現在の「山田錦」は14系統からなる系統群という集団から構成されている。見た目では全く同じである14種類の系統のそれぞれの種子を等量混合して原々種は作られている。1系統をずっと維持するのではなく、あえて14系統という複数の系統で維持されている。なぜこのようにするのかという理由には大きく3つある。
一つは、突然変異や他品種との自然交配などで、もとの系統の遺伝的な特性が変わってしまう危険性がある。仮に1系統だけしかない場合に、突然変異で形質が変わってしまえばその時点でその品種は終わってしまう。このような危険を回避、分散するために複数の系統で特性を維持する。
二つ目の理由は、自殖弱勢(じしょくじゃくせい)という遺伝的にさけられない特性の低下を軽減するためである。毎年自殖していくと遺伝子がどんどん同じものになるホモ化が進んでいく。ホモ化により、主な特性は固定されるが、遺伝子を小さな単位まで見るとわずかではあるが、世代毎に遺伝子は異なっている。自殖弱勢とは自殖を繰り返す毎に遺伝子がホモ化し、特性が少しずつ低下することをいう。複数の系統で維持するというのは、見かけ上差はないけれども遺伝子レベルで見れば系統間でも差があり、遺伝的に違いを残して集団として品種を維持したほうが特性の低下を軽減できるのではないかという原理から行われている。
三つ目の理由は、農家が栽培するのに必要な種子の量を確保するためである。(中略)種子の生産は常に危険分散のため、必要量と同量の備蓄を行ったり、原原々種、原々種も全て使い切らず、次の原原々種、原種が生産されるまでは必要量程度は保存しておくため、必要な原々種の系統数は余裕を見て多くしている。」(※1)

しかし、このように一つの品種を複数の系統群で維持することは、どうやらお米ではそれほど珍しいことではないみたいです。
このことについて、同じ文献では「ちなみに、「山田錦より作付け面積の多い「コシヒカリ」や「キヌヒカリ」は20系統である。」と紹介していました。(※2)


山田錦に関する小ネタを披露してお茶を濁したところで、そろそろこのお酒をいただきたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
その前に、このお酒ですが、色はそれほど着いていませんでした。
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一口含んで舌の上に乗せると、最初に酸味を感じます。
スーッと感じる、とてもさわやかな酸味です。
でも、すっぱさはほとんど感じません。
それに、刺激やピリピリ感はありません。

うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
深みのあるうまみが豊かです。
醸し出された酒臭さ(←ほめ言葉です)もわずかに感じます。
また、わずかに苦みを伴うようです。

甘みは少し感じます。
でも、前に出て来ずに隠れているようです。


さわやかな酸味と深みのあるうまみとを、甘みが裏で支えているような、やや淡麗で爽快旨口のおいしいお酒でした。
この深みのあるうまみは、山田錦の為せる業なのでしょうか?


(※1))兵庫酒米研究グループ編著『山田錦物語 人と風土が育てた日本一の酒米』p.149-151(2010.4 神戸新聞総合出版センター)
(※2)(※1)p.151
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