【お酒】2258.雪の松島 大吟醸 180ml [04.宮城県の酒]
製造者 大和蔵酒造株式会社
宮城県黒川郡大和町松坂平八丁目一番
品目 日本酒
内容量 180ml
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
精米歩合 40%
アルコール分 16度
(以上、ラベルより転記)
このお酒は、JR難波駅(大阪市浪速区)の駅ビル“OCAT”に入っている酒店“やまや”で見つけたものでした。
造っているのは、宮城県黒川郡大和町(たいわちょう)に蔵を置く、大和蔵酒造さんでした。
なぜ?
大阪で宮城県のお酒、しかもこんな小瓶が販売されていたのでしょうか?
手元にあった文献をあたってみたところ、大和蔵酒造さんに関する以下の記述を見つけました。
「東北から全国まで店舗展開する酒類・食品類輸入販売チェーン「やまや」グループの清酒醸造工場として1996(平成8)年に創業した。」(※1)
なーんだ。
要するに、自社製品だからってことね。
それにしても昨今では、清酒の製造免許を新規に取得することはかなり難しいみたいですよね。
清酒は消費量が下がる一方なので、財務省の裁量で免許発行を抑制しているとかなんとか。
それなのに、どうして平成に入ってから創業できたのでしょうか?
このことについて別の文献には、以下の記述がありました。
「寛政年間に創業した老舗蔵の伝統の技と風味を受け継ぎながら、山形県高畠町から移転して、平成八年に新しい工場を建設した。」(※2)
要するに、寛政年間に山形県高畠町で創業した蔵元さんの清酒製造免許を引き継いで、宮城県大和町で平成8年に清酒造りを始めたということですね。
では、その“寛政年間に創業した老舗蔵”って、いったいどの蔵元さんだったのでしょうか?
このことについて調べるべく、1956(昭和31)年に出版された「山形の酒」なる古文書?(※3)を紐解いてみましたよ。
かつて高畠町にあった蔵元さんで、かつ寛政年間創業のところは、“合資会社大勘酒造店”さんだけでした。
ネット上では大勘酒造店さんを“大観”と表記する情報もありました。
でもご当主が安部勘七さんですから、“大勘”が正しいのではないかと推測いたします。
手印は、“花心(ハナゴコロ)”だったみたいです。
なお、今日いただくこの“雪の松島”なる手印については、(※1)の文献に以下の記載がありました。
「製造事情も関係した。「雪の松島」は醸造工場「宮城酒類」の看板銘柄として県内外で人気を博していた商品。しかし2007年に工場が閉鎖され、銘柄は大和蔵酒造にそのまま引き継がれた。」(※4)
なーんだ。
パクリばっかりじゃないか!
いかんいかん!
そんなことを言うと、宮城県を愛してやまない諸兄から敵視されてしまいます。
余計なことを考えず、さっさといただいてみたいと思います。
おっと、その前に、
この“雪の松島”は、アル添大吟醸でした。
それではいただきます。
大吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
上立ち香はなし。
でも、含むとフルーティーな風味をふわりと感じます。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみそのもので、かつ厚みを少し感じます。
熟成感はなく、酒臭さもありません。
吟醸酒にありがちな苦みを少し感じますが、重さやクセはまったくありません。
キレはそれほどでもないみたいです。
酸味はややはっきり。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを感じます。
ちょいスーで、かつちょいピリです。
甘みははっきり。
べとつきはないものの、幅を感じる甘みです。
やや濃醇でちょい苦ちょいすっぱちょいスーちょいピリ旨甘口のおいしいお酒でした。
フルーティーさはあったものの、上立ち香ではなし。
含むと感じるものの、喉を通ると消えたので、しつこさを感じませんでした。
味わいは米のうまみそのもので、厚みを感じました。
それでいて吟醸酒らしい苦みを少し感じたものの、雑味はゼロ。
これが大吟醸たる所以、すなわち「吟味して製造した清酒」(清酒の製法品質表示基準(平成元年11月22日国税庁告示第8号)1)でかつ「固有の香味及び色沢が特に良好なもの」(同2(2))と評し得るお酒であるということでしょう。
ちょい苦ちょいすっぱちょいスーちょいピリで、荒々しさを少し感じました、それらが味わいをうまく引き締めているように感じました。
また甘みが味わいを和らげてくれていることがよくわかりました。
アル添酒にしてはキレがイマイチでしたが、しつこさは感じませんでした。
これ、うまいね。
米のうまみがしっかりしていて飲み応えがあったのに、味わいは決してしつこくない。
「パクリばっかり!」という発言を撤回し、陳謝いたしたく存じます。
<(_ _)>
(※1)『宮城の蔵元訪ね歩き』p.85(2009.4 エーシークリエイティヴ)
(※2)『みやぎ地酒の旅』p.56(2000.3 河北新報社)
(※3)武田好吉『山形の酒』“附録 山形県優良銘酒案内”(1956.1 三省堂出版部))
(※4)(※1)p.83
やまやさん・・・我が家から徒歩圏内(約200m)にあります。
お陰でお酒には苦労しなくなりました^^;Aアセアセ
なるほど、雪の松島推しなのは・・・そう云う理由だったのですね(゚ω゚)
さて、防災地下神殿の掃除の件ですが
土砂の流入が多い時は、ブルドーザーをクレーンを使って降ろして
土砂を片付けるとも説明してくれました。ブルドーザーの搬入口も
普段は閉まっていますが・・・その都度開けて入れるそうです。
by kontenten (2024-02-22 12:07)
kontentenさん、近くに酒屋があると便利ですが、ついつい買いに出かけてしまって飲みすぎ注意です。
私がかつて住んでいた部屋は道路を挟んで向かい側にコンビニがあったので、夜中でも酒を求めて夢遊病者のように買いに行って飲んでしまい、翌朝気が付くと空き缶空き瓶が山のように残っていたことがありました。
バカだよね!
掃除はさすがに人海戦術じゃなくて、重機を入れてやるのですね。
それでもあれだけの空間を掃除するのは、やはり大変でしょう。
by skekhtehuacso (2024-02-23 19:43)