【お酒】467.近江ながはま 六瓢箪(むびょうたん) 180ml [25.滋賀県の酒]
佐藤酒造株式会社
滋賀県長浜市榎木町979番地
原材料/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール度数/15度以上16度未満
容量/180ml
(以上、ラベルより転記)
琵琶湖の東側に位置する佐藤酒造さんは、もともとは“滋賀第一酒造協業組合”という、昭和48年に地元の蔵元8社が設立した企業組合の一員でした。
この組合は「滋賀県にはこの経営形態の蔵はほかにはありません。合理化された巨大な機械を使いながらも、杜氏(中略)を中心に越前糠の蔵人が気持ち合わせて造っているのです。」と文献で紹介されるように(※1)、県内随一の規模を誇る蔵元でした。
しかし、その組合は廃業してしまいました。
その際、一組合員であった佐藤酒造さんが平成23年に酒造免許を取得し、“大湖”(←これはかつて長浜の食堂でいただきました)など、組合の銘柄を継承なさっているようです。
佐藤酒造さん、きっとものすごくご苦労なさったことでしょうね。
長浜観光振興会のWensiteによれば、今日いただくこの“六瓢箪(むびょうたん)”という銘柄は、滋賀第一酒造協業組合の頃に長浜観光振興会と提携して開発されたもののようです。
また、同じく長浜観光協会Website内のページでは、六瓢箪の意味を「瓢箪は、古来より縁起のよいものとして伝わっています。特に、六つ揃った「六瓢箪」は無病(六瓢)息災のお守りになるとされ、さらに蔓が伸びて果実が鈴なりになる様から、開運招福・子孫繁栄の象徴ともされています。」と紹介するとともに、“六瓢箪めぐり”なる巡礼コースをあわせて紹介しています。
これは完全に私の推測ですが、きっと佐藤酒造さんは、“六瓢箪の銘柄を存続させることは長浜観光の振興のために必要である”とお考えになって、使命感を持ってこのお酒を造っていらっしゃることでしょう。
今日は、そんな長浜のためにがんばっていらっしゃる(であろう)蔵元さんのこのお酒をいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
その前に、このお酒ですが、色はほんのわずかに着いている程度です。
一口含むと、酸味が広がります。
これは深いわ。
すっぱさと深みとを感じる酸味です。
また、少しピリッと感じます。
うまみはやや濃いめです。
酒臭さはひかえめで、やわらかいうまみが豊かです。
甘みは酸味に隠れているものの、そこそこ感じます。
深みのある酸味が豊かな、やや濃醇で旨辛口のおいしいお酒でした。
蔵元さんのWebsiteによれば、このお酒は「長期熟成により、絶妙の口当り、芳醇な旨みとキレの良さを造りだしました。」とのこと。
しかし私は、熟成感はそれほど感じませんでしたが、酸味の深さを感じました。
また、ちょいピリですが、わずかな甘みがこれを和らげているようです。
これは酸味を味わうお酒でしょう。
私の好きな味でした。
(※1)滋賀の日本酒を愛する酔醸(よいかも)会編『近江の酒蔵-うまい地酒と小さな旅』p.91(2005.9 サンライズ出版)
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