【お酒】1984.奈良萬 純米酒 300ml [07.福島県の酒]
製造者
夢心酒造株式会社
福島県喜多方市字北町2932
原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合:55%
アルコール分:15度
内容量:300ml
(以上、ラベルより転記)
夢心酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
18.夢心 ゆめごころカップ
(2回目はこちら)
今日いただくこのお酒は“奈良萬(ならまん)”。
いやー、すごい時代が来たもんだ!
だって、安酒ばっかりを扱っているこのブログでも、奈良萬を紹介できるようになっちゃったんですからね。
ワタクシの認識では、奈良萬は会津のお酒の中でも飛露喜や会津娘、冩楽などのハイソなカテゴリーにインクルードされるレアアイテムだとレコクナイズしていたものでね。
(なんでカタカナばっかりやねん!)
ある雑誌では、この奈良萬について以下のように紹介されておりましたよ。
「 郷土に根ざす酒蔵として、地元の米で酒を醸したい。そんな酒造りの原点回帰ともいえる流れが広がりを見せるなか、「奈良萬」は平成10年にそのコンセプトで生まれた銘柄だ。酒米は会津産五百万石、水は平成の名水百選に選ばれた栂峰渓流水、酵母は福島県で開発されたうつくしま夢酵母。すべての酒で一貫して、この材料で仕込んでいく。」(※1)
しかもこの奈良萬は、「小売店に直接届けることで、品質を損ねないよう工夫するこだわりで、品薄が続く銘柄となった。」(※2)とのことで、スーパーマーケットでは到底お目にかかれないどころか、そもそも少量瓶の設定すらない銘柄だったのでした。
それが今年の4月に会津若松を訪問した際に、会津若松にある酒屋さん“植木屋商店”にてこの300mlを見つけ、あたしゃたまげましたぜ!
「さすが植木屋商店さん、恐れ入りました!」
と、その時はそう思っていい気になっていたのでした。
ところが後日、酒ブログの大先輩であらせられます丹醸様がこの商品をご自身のブログにて紹介なさっており、その際、
「コープやヨークベニマル等のスーパーで普通に見かけるようになりました。」
と評されていらっしゃったじゃあ~りませんか!
な~んだ!
スーパーでも買えるようになっちゃったのね。
そういえば、コープやヨークベニマルは会津若松駅の北側にありますが、あたしゃ4月に訪問した際には完全に植木屋商店さん狙いだったことから、スーパーは南側のPivotやリオン・ドール(もとライオン堂)くらいしか攻めていなかったのでした。
でもこのことは、おいしいお酒に手が届きやすくなったということでもあるわけですから、むしろ歓迎すべきことなのかもしれません。
あー、気が済んだ気が済んだ。
言いたいことを言いきったところで、いただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
上立ち香はないですね。
含んでも感じません。
うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
米のうまみは広がらないものの、舌の上にふんわりと乗っかって来ます。
苦みゼロ、雑味はいっさいなし。
酒臭さはなく、熟成感も感じません。
純米酒ですがキレはよく、スッと引いて行きますよ。
酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは弱めですが、でも鋭さを感じます。
それに酸味自体の深みも少しあるみたいです。
意外にもちょいスーですが、ピリピリ感はありません。
甘みもややはっきりでしょう。
べとつかず、かなりさらっとしていますが、幅があることがよくわかります。
やや淡麗でちょいすっぱちょい深ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしお酒でした。
米のうまみそのもので、雑味を全く感じませんでした。
やや淡めでしたが、酸味がいい感じに効いていて飲み応えがありました。
甘みもコクを添える程度にうまく働いているようでした。
それでいてキレがよく、ちょいスーも相俟って後味はスッキリしておりました。
これはものすごく上品な味わいですね!
それでいて、飲み応えもしっかりとあるのよね。
適切かどうかはわかりませんが、例えるならば、中野竹子女史の如しかな?
會津の皆さまに怒られるかもしれませんけれど。
ここで、残りを冷たいままいただきましたよ。
冷たいとキリッと引き締まりますが、酸味の深みが出ませんね。
一方で甘みが前に出てきて、より甘くなりました。
冷やすと淡麗甘口のお酒になりました。
これはやっぱり燗がいいな。
おいしくて、あっちゅう間でございましたとさ。
その上品なのに飲み応えのある奈良萬と合わせた今日のエサはこちら。
ペンネとトマトを使って、
ペンネナポリタンを作りました。
予想通りのおいしさでした。
ケチャップだけでなくて生のトマトを使ったことで、酸味が加わって爽やかでした。
ごちそうさまでした。
(※1)pen 2015年11月15日号(No.394) p.36(CCCメディアハウス)
(※2)福島民友新聞社編『ふくしま美酒探訪』p.71(2017.8 福島民友新聞社)
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雨が止んでよかったね。
(友情出演)
しばらく前(個人的記憶)までは、その土地でしか流通しない酒とか、一升瓶しか無いという蔵も、あったような気がします。でも、ネット通販で何でもポチっとできるようになって、一升瓶より手の出しやすい商品が流通しているんですね。旅のロマンもマロンも無いですよ。まぁ、転職して出張も無くなってしまいました。
by hanamura (2021-06-07 09:50)
hanamuraさん、あたしゃネット通販には手を出さないことにしております。
だって、おっしゃるとおり、旅のロマンもマロンもマリリンもリンチンチンもなくなってしまいますからね。
出かけた先での未知なる酒との出会いこそ、この趣味の一番の楽しみなのですよ。
by skekhtehuacso (2021-06-07 21:23)