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《焼酎》263.雪洲 20度 200ml [9942.長崎県の焼酎]

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製造者 重家酒造株式会社
長崎県壱岐市石田町印通寺浦200

品目:本格焼酎
壱岐麦焼酎
原材料名 二条大麦(九州産)・米麹(九州産米)
麹 白麹
杜氏 横山雄三
内容量 200ml
アルコール分 20度
(以上、ラベルより転記)





壱岐で一番小さな蔵である。創業は、大正13(1924)年。石田町に製造場、郷ノ浦町に貯蔵庫がある。木製の甑(こしき)で原料の米や麦を蒸し、麹(こうじ)を手造りで造る。常圧・減圧蒸留を併用できる蒸留機を使用し、ブレンドという技術を用いて、独自の酒質を追究。長期貯蔵にも取り組んできた。」(※1)
という、重家(おもや)酒造さん。
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その重家酒造さんの焼酎の銘は、“雪洲(せっしゅう)”
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銘の由来ついては、以下の記述がありあした。

壱岐は古来より大八洲(おおやしま)の一つとして数えられ、「雪洲」(ゆきと見まごう白砂のしま)と称されたことに由来し、代表銘柄を「雪洲」としている。」(※2)

ここに“大八洲(おおやしま:大八島とも)”とありますね。
これは、古事記に由来する言葉で、日本の国が誕生した時の領土の範囲を示す言葉のようでした。

イザナギ・イザナミは、「是のただよへる国を修理(つくろ)ひ固め成せ」(この漂っている国土をあるべきすがたに整え固めよ)という、天つ神の命令を受け、与えられたヌホコ(玉飾りをほどこした矛)を指し下ろしてオノゴロ島を得て高天原からそこに降る。そして、
(中略)
婚姻の場所でことを始めて、
(中略)
淡道之穂之狭別島(あはぢのほのさわけのしま)・伊予之二名島(いよのふたなのしま)・隠伎之三子島(おきのみつごのしま)・筑紫島(つくしのしま)・伊岐島(いきのしま)・津島(つしま)・佐度島(さどのしま)・大倭豊秋津島(おほやまととよあきづしま)(淡路島・四国・隠岐島・九州・壱岐島・対馬・佐渡島・本州)を生んだのであった。
(中略)
そして、この八つの島をまず生んだことによって、この国を大八島国というのである。」(※3)

つまり壱岐は大八洲の一つ、すなわち神様によって日本国が誕生した当初から領土であった由緒正しき島の一つであって、その壱岐は“雪洲(雪と見まごう白砂の島)”と呼ばれていたことが、銘とした所以ということでしょう。

そんな由緒正しき雪洲の銘をいただいたこの壱岐麦焼酎。
品質表示は、ご覧のとおりでした。
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話のネタがようやく尽きたところで、いただいてみましょう。

まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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ちょいスーで、ちょいピリ、両者ともそんなに強くはないですね。
それどころか、口当たりがさっぱりしていることが最初にわかりました。

最初に米の風味らしきものをふんわりと感じ、それに麦由来と思われる風味がこれまたふんわりと続くみたいです。
クセや重さ、焦げ臭はまったくなし。
甘みがあって、弱めではあるもののほんのりと感じます。


次に、ちょい水足し程度のみずわりにしてみました。
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最初に甘みが来ました。強くはないですが、よくわかります。
軽い苦みを少し感じますが、麦や米の風味と釣り合っています。
でもやはり口当たりはさっぱりしています


最後に、残りをロックでいただきました。
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ロックで出がちな苦みは出ましたが、それほど強くはないですね。
甘みが苦みを緩和しているようにも感じました。
口当たりはやはりさっぱりしています。
でもロックだと麦や米の風味が口の中でふわりと広がったのち、鼻へと抜けて行きました。


口当たりはさっぱりしているものの、甘みとともに麦や米の風味をふんわりと感じることができる、おいしい壱岐麦焼酎でした。

風味を楽しみたければロックで、甘みとさっぱり感ならば水割りで、といったところでしょうか。
もちろん、どちらもおいしくいただけました。

スイスイと行けてしまい、あっちゅう間でございましたとさ。
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(※1)金羊社発行『焼酎楽園 Vol.18』p.18(2005年8月 星雲社)
(※2)山内賢明『壱岐焼酎 蔵元が語る麦焼酎文化私論』p.213(2007.11 長崎新聞新書020)
(※3)神野志隆光『古事記と日本書紀「天皇神話」の歴史』p.57-59(1999.1 講談社現代新書1436)
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