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ウマノスズクサとジャコウアゲハ、そしてアゲハモドキの不思議な関係 [雑感]

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ウマノスズクサの若葉


ある日、黒いアゲハチョウが飛んでいるのを見た。
クロアゲハか?、あるいはカラスアゲハか?。
そのアゲハチョウは、ツツジの木に絡まっていたつる草にとまった。
そのつる草をよく見ると、葉の裏に、チョウが産んだと思われる卵がついていた。

何日かして、そのつる草に芋虫がついているのに気づいた。
その芋虫は鳥の糞のような色をしていた。
つる草は、葉だけでなく茎まで芋虫に食べられて、日ごとに小さくなっていった。
芋虫は、鳥の糞のような色のまま、どんどん大きくなっていった。

何かおかしい気がする。

子どもの頃住んでいたところに、カラタチの木があった。その木には、アゲハチョウの幼虫がたくさんついていた。そうだ、クロアゲハやカラスアゲハは、カラタチやサンショウなど、柑橘系の植物を好むのではなかったか?。
このつる草は、はたして柑橘系なのか。

それに、たしかアゲハチョウの幼虫は、最初は鳥のフンのような色をしているが、成長するにつれて脱皮し、緑色になるのではなかったか。

このことについて、ネットで検索して調べてみた結果、以下のことがわかった。

“このチョウは、ジャコウアゲハというらしい。つまり、クロアゲハでもカラスアゲハでもない。”

“ジャコウアゲハは、ウマノスズクサ(上記写真)というつる植物に卵を産み、幼虫はそれを食べて成長する。”

“ジャコウアゲハの幼虫は、鳥の糞のような色のまま成長する。”

さらに、もっと興味深いこともわかった。

ウマノスズクサには毒があり、それを食べるジャコウアゲハの体内にはその毒が蓄積される。この毒は、ジャコウアゲハが成虫になっても消えない。

ジャコウアゲハを食べた鳥は中毒を起こし、二度とジャコウアゲハを食べなくなる。

ウマノスズクサは、一度ジャコウアゲハに食いつくされたほうが、かえってよく成長する。

アゲハモドキという蛾は毒をもたないが、ジャコウアゲハに擬態して、鳥による捕食を免れている。

そもそも、なぜジャコウアゲハはウマノスズクサを食べるようになったのだろうか。毒草なんかを食べたら、自分だって死んでしまうかもしれなかったのに。
もしかして、最初はもっとおいしいものを食べていたが、何かのきっかけでウマノスズクサを食べたところ、鳥に襲われなくなったことに気が付いたのだろうか。しかし、この防衛策は、すべてのジャコウアゲハがウマノスズクサを食べなければ成り立たない。ジャコウアゲハの世界では、ウマノスズクサ以外の植物を食べてはいけない掟でもあるのだろうか。

それにしても、アゲハモドキはちょっとずるい。
そんなに鳥に襲われたくなかったら、擬態ではなくて、自分でウマノスズクサを食べればいいのに。
もし、鳥が生まれてはじめてエサを食べるときにアゲハモドキを食べたら、次はジャコウアゲハをアゲハモドキだと思って食べて中毒になってしまうかもしれない。食べられてしまったジャコウアゲハにとっても、アゲハモドキだと思ってうっかり食べてしまった鳥にとっても、甚だ迷惑な話だ。
しかし、もしかして、アゲハモドキはわざと擬態しているのではなくて、たまたまジャコウアゲハにそっくりだった個体だけが生き残って、今のアゲハモドキ一群を形成しているのかもしれない。

こんなウマノスズクサとジャコウアゲハ、そしてアゲハモドキの関係って、本当にすごいと思う。
ものすごく長い間に、たくさんの偶然が重なって関係づけられた結果なのだろうけれども、それを見守って容認してきた自然に、神秘的な何かを感じます。
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