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【お酒】364.雪の茅舎 純米吟醸 純米蔵 300ml【追記あり】 [05.秋田県の酒]

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株式会社齋彌酒造店
秋田県由利本荘市石脇字石脇53

アルコール分/15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合55%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)





齋彌酒造店さんの雪の茅舎シリーズは、以下のものをいただいております。
山廃純米
秘伝山廃 山廃純米吟醸
奥伝山廃 生貯蔵酒(普通酒)
純米吟醸

今日いただくこのお酒ですが、蔵元さんのWebsiteでは生貯蔵酒と紹介されています。
しかし、このお酒のラベルには、生貯蔵酒である旨の表示はありません。
それどころか、私にはその意味がよくわからない表示がなされています。
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「生詰火入れ」って、いったいどういう意味なのでしょうか。

“生詰”は、「上槽後、貯蔵する前に一度火入れを行ない、瓶詰など出荷前には加熱しない日本酒」(※1)ですよね。
じゃあ、“生詰火入れ”ってことは、火入れせずに瓶詰めした後で火入れしているということでしょうか。
それとも、貯蔵前の火入れはしているが、瓶詰前の火入れはしていないという意味なのでしょうか。
“火入れ”については、こちらをご覧ください。

たしかに、“瓶燗”という火入れの方法があることを、かつてある蔵元さんを見学させていただいた際に見せてもらったことがありました。
瓶燗とは、お酒の「品質を損なわないために、瓶詰めしてから加温する方法」なのだとか(※2)。
要するに、お酒を詰めた瓶ごとお湯の中に入れて加熱する火入れの方法ですね。

では、このお酒の「生詰火入れ」という表示は、瓶燗していますという意味なのでしょうか。
でも、そんなこと、あえて表示する必要はないですよね。

すみません。
今の私の知識では、この表示の正確な意味はわかりません。


☆★☆★【2016/10/23追記】☆★☆★

この記事を書いた後で、火入れを一回だけとして二回目の火入れを省略する手法があることを、以下の文献の記述から知ることができました。

また、最近では「瓶貯1回火入れ」の商品も増加しています。瓶貯とは瓶詰め貯蔵のことで、できあがった日本酒を火入れしてからすぐ瓶に詰め、その後瓶のまま貯蔵します。瓶貯1回火入れは、先に瓶詰めすることで殺菌のために行う2度目の火入れを省略でき、吟醸酒などで行う冷蔵貯蔵がしやすいというメリットがあります。生貯蔵酒や生詰め酒と同様に、フレッシュさが感じられる味わいです。」(※3)

上記の記述から推察するに、もしかしたらこのお酒は、搾ったままの生酒をすぐに瓶詰めし瓶燗して発酵を止めて、瓶詰め状態で貯蔵して、2回目の火入れをすることなく出荷しているのかもしれません。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



そんな不可解な表示がなされているこのお酒をいただきます。
冷やして飲めと書いてありますので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
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フルーティーな吟醸香が少しします。
このくらいでちょうどよいと思います。

うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
お米の味を凝縮したようなうまみです。
吟醸酒らしい苦みをわずかに感じますが、それ以外には雑味を感じません。

酸味は強くはないですが、はっきりしています。
すっぱさが豊かで、深みがあります。
でも、さすが吟醸酒だけあって、刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
でも、ドライな感じはしませんね。


豊かな酸味に、お米のうまみが凝縮されたうまみがよく合っている、やや淡麗でやや辛口のおいしいお酒でした。
甘みが少ないですが、刺激がないのとお米のうまみがしっかりしているせいか、辛さは感じませんね。
夏の暑い日にいただいたら最高だと思います。


(※1)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.173(2000.4 柴田書店)
(※2)篠田次郎『日本酒ことば入門』p.204(2008.7 無明舎出版)
(※3)公益財団法人日本醸造協会/日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)監修『日本酒学』p.119(2016.6 洋泉社)
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あ~酒臭かった! 28

酒くさコメント 4

ときどき

「生詰火入れ」、初めて見ました。
確かに不可解な表示ですね。
by ときどき (2014-10-19 00:58) 

skekhtehuacso

ときどきさん、こういう不可解な表示の意味を探ることも、お酒の楽しみ方の一つじゃないかと思います。

by skekhtehuacso (2014-10-19 21:19) 

こっこ

はぁ~奥が深い。
ほんま、毎回 感心します。
ありがとうございます。
ほんま、すばらしい。
by こっこ (2014-10-21 11:37) 

skekhtehuacso

こっこさん、日本のお酒は奥が深いです。
そして、それを探るのがまた面白いんですね。
といっても、ただの酒好きが自分の趣味を正当化するためのいいわけに過ぎないかもしれませんが。
by skekhtehuacso (2014-10-21 23:08) 

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