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《焼酎》96.白金乃露(しらかねのつゆ) 360ml【追記あり】 [9946.鹿児島県の焼酎]

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白金酒造株式会社E
鹿児島県姶良市脇元1933

本格焼酎
焼酎乙類
原材料 さつまいも・米こうじ(国産米)
アルコール分 25%
容量 360ml
(以上、ラベルより転記)




今日はね、鹿児島県の中部、錦江湾岸に蔵を構える白金酒造さんの芋焼酎をいただきますよ。
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それにしても、南九州へ行くと、二合のペットボトルに詰めて販売されている焼酎を少なからず見かけますね。
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しかもそのキャップはお猪口のようになっていて、そのまま飲めちゃったりするのですよ。
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かつて一度触れたことがありましたが、これってもしかしたら携帯用で、出かけた先で気軽に飲めるようにするための商品なのでしょうか?
しかし、出かけた先で25度の焼酎をストレートで二合も飲んでしまったら、無事に帰ってくることが難しくなってしまいそうですよね。
それとも九州にお住まいの皆様は、この程度の量では決して酔っぱらったりなさらないのでしょうか?


品質表示を見ると、“本格焼酎”と“焼酎乙類”とが併記されておりますね。
焼酎乙類の定義は本格焼酎のそれを包摂することから、こういう表示もありなのでしょう。
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ところで、この焼酎の蔵元さんである白金酒造さんについて、手元にあった文献に以下のような記述がありました。

白金酒造は、桜島北側の錦江湾に面する姶良町にある。創業は130年前の明治2(1869)年。明治10(1877)年の西南戦争以前に酒造りを始めていた。だから西郷(隆盛)さんがまだ健在で、白金酒造の焼酎を愛飲していたという。」(※1)
なんでも、「昭和30年ころまでは、焼酎といえば「白金乃露」がつとに有名であった。」(※1)のだとか。

その焼酎の味わいですが、蔵元さんの言葉によれば「「飲み安さばかり追求して、どこの焼酎かわからないものを造っても価値がない。もっと芋のよさを生かし、いろんな香味が混ざり合ってまろやかな味わいがある焼酎を造っていきます」」とのことでした。

今日いただくこの白金乃露はおそらく白金酒造さんのレギュラー商品でしょうが、その味わいには上記の考え方が果たして反映されているのでしょうか。
それを確かめるべく、いただいてみたいと思います。

なお、25度で二合(360ml)詰めですからね、あたしゃこれを一日で飲み切ることができるほどのアルコール分解能力を持ち合わせてはおりませんよ。
昼酒を我慢していたら飲めたのにな。
そこで今日は半量の一合(180ml)だけをいただいて、残りは明日、別の飲み方で試してみたいと思います。



まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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これは深いね!
芋のふっくら感はそれほど感じないものの、風味自体が深くて複雑ですわ。
かといって重さはそれほど感じず、むしろ後味がスッキリしているのですよ。
ただ、生だとっピリピリがちょっと気になるようです。
それに、酸味を少し感じますよ。

一方で苦みや雑味はなく、甘みもひかえめです。



次に、お湯割りでいただきます。
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深みが若干和らぐものの、それでもかなりはっきりしています。
むしろピリピリ感が引くことで、深みがわかりやすくなったようです。
香ばしさというか、焦げ臭さもちょっとだけ感じますよ。

酸味もやっぱりありますね。
生でも感じたことから、これはきっと割り水に由来するものではないでしょうよ。

また、お湯割りにしたことで、苦みをほんのりと感じるようになりました。



そしてさらにはロックでいただきますよ。
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深みはお湯割りよりもはっきりしています。
それにロックだと苦みが前に出てきて、かなりはっきりと感じますよ。
またアルコールのスースー感もよくわかるようになりました。

これはロックだと“深・苦・スースー”だなこりゃ。
でも、氷が溶けるにつれて、スースーは引いていきました。



翌日。
水割りを、にんじんサラダとつるむらさきのおひたし、そして宇和島のじゃこ天とともにいただきましたよ。
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やや薄まるものの、深みはちゃんと残っておりますね。
苦みも薄まるものの、その存在はわかりますよ。
一方で、甘みが弱めながらにわかるようになりました。

水割りだと、さっぱりしていて口当たりがよいものの、深みや苦みが残っていて飲みごたえを感じるようになりました。
特にこの深みは口の中でふんわりと広がって鼻へと抜けていくので、なかなかいい感じでしたよ。



最後は、これも水割りで?
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実はこれ、前日の夜に水割りにして、冷蔵庫の中で保管しておいたのです。
いわゆる一つの(←長島さんより)“前割り”ってやつですね。
使用した水は、今日水割りで用いたものともちろん同じものですよ。
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前割りは、「名前のとおり、あらかじめ焼酎を水で割り、しばらく寝かせてから飲む方法」(※3)で、「その場で割る水割りに比べ、焼酎と水がじっくりとなじむため、焼酎の口あたりがまろやかになり、芋焼酎の本当のよさが味わえる」(※3)のだとか。

これは単なる感覚の問題だけではなく、「焼酎に含まれるアルコール(エタノール分子)と、水の分子の混ざり方に関係します。数日寝かせる間に、水分子がエタノール分子の周りを取り囲み、このことが飲み手に「アルコールの刺激が弱く、まろやかだ」と感じさせる要因になるようです。」(※3)とのこと。


あたしゃ実はね、たかが前日に水割りにしておいただけで焼酎の味わいが変わるなんてことは、到底信じ難かったのですよ。
だってさ、同じ水で割っているのに、割ってすぐに飲むものと時間を置いたものとで味わいにちがいが生じるだなんて想像できないじゃないですか。
そこで今回は、本当に味わいにちがいが生じるのかどうか、実際に実験してみようと思ったのでした。


ありゃ!
たしかにこれはちがうぞ!!

前割りのほうが、角がとれた味わいになっておりますよ。
苦みの存在はわかりますが、水割りよりも確実に和らいでいていますよこれは。
それに深みも穏やかになっていて、かなりまろやかですよ。

へー!
これは面白いね!!
割ってから時間を置いただけで、こんなに変わるのですね!!!



《まとめ》
深みを感じるもののすっきりしている、おいしい芋焼酎でした。
“深み”と簡単に表現しましたが、芋のふっくらさや華やかさ、それに香ばしさや重さといった単一の表現では言い表せない複雑な香味なのでした。
しかもそれが鼻へと抜けていったあとは、口の中はいたってさっぱりしていたのでした。

私としては、その深みがわかりやすくなったお湯割りと、そしてびっくりするほどまろやかになった前割りの水割りとが好みでした。

この二合ボトルに出会うまで”白金乃露”なんて銘柄はあたしゃまったく知りませんでしたが、こういう出会いがあるからこそ、この趣味はすこぶる楽しいのですよ!
きっと九州には、まだまだ未知のおいしい焼酎がたくさん存在するのでしょうね。
あー、また九州に行きてぇ~なぁ~!


(※1)株式会社フード・ビジネス発行『薩摩焼酎・奄美黒糖焼酎』p.20(2001.5 柴田書店MOOK)
(※2)(※1)p.21
(※3)鮫島吉廣監修 メディアファクトリー編集『ゼロから始める焼酎入門』p.24(2014.4 株式会社KADOKAWA)

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買っちゃった買っちゃった!
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どこへ行くかは、決して言いませんよ。
だって、行く場所を公表すると、そこで雨を降らせて嫌がらせをする輩がいるからね。
出かけると言った時点で雨確定だろ。
あ~酒臭かった!(41)  酒くさコメント(6) 
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あ~酒臭かった! 41

酒くさコメント 6

あとりえSAKANA

お~でか~けで~すか~?れれれのれ~!
( ̄m ̄〃)ぷぷっ☆連休は各地雨模様の
ようですねえ~。曇りの天気で済むように
祈ってます。
by あとりえSAKANA (2018-09-15 21:18) 

やなぼー

念じただけで、行く方向に雨を降らせるとは・・・
特殊能力をお持ちのようですね~(^_-)
by やなぼー (2018-09-16 05:24) 

skekhtehuacso

あとりえSAKANAさん、出かけるのは来月の連休なのです。
まあでも、どうせまた雨が降るんだろうに。
by skekhtehuacso (2018-09-16 20:13) 

skekhtehuacso

やなぼーさん、雨乞いに転職したほうが稼げるのかも。
でもね、そういう生臭い考えを持つと、きっと一切降らなくなるんだろうね。
by skekhtehuacso (2018-09-16 20:14) 

八犬伝

前割りって、そんなに違うものなんですか
まだ、飲んだことがありませんでした。
by 八犬伝 (2018-09-16 21:12) 

skekhtehuacso

八犬伝さん、たしかにちがいました。
私も驚きでした。
by skekhtehuacso (2018-09-16 21:42) 

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