SSブログ

【お酒】332.妙高山 カップ [15.新潟県の酒]

868.JPG869.JPG
妙高酒造株式会社
新潟県上越市南本町二丁目7番4号

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15度以上16度未満
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


妙高酒造さんのお酒について、ある文献に以下のような記述がありました。
敷地内にいい井戸水があるのに、あえて妙高山の伏流水を清里村から汲んでくるというから、思いの程が分かる。その水は、“超”がつくほどの軟水。口に含んだ時のやわらかな甘みの秘密はここにある。」(※1)

たしかに、同じ上越地方のお酒である君の井千代の光をいただいたとき、淡麗辛口が多い新潟のお酒なのに、甘みがあって珍しいなと思いました。
これは完全に私の推測ですが、このことと上記の記述との双方をふまえて推察するに、上越地方、それも内陸部の妙高山周辺では、軟水の影響で甘口のお酒を造りやすいのかもしれませんね。

なお、酒造りと水質との関係について、簡単にではありますがこの記事の末尾にまとめておきましたので、よろしければご覧下さい。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。


うまみは淡めです。
酒臭さはほとんど感じず、むしろやわらかいうまみです。
苦みや雑味はほとんど感じません。

酸味は強めです。
少しピリッとします。

やっぱり甘みははっきりしています。
ですが、サラッとしていて、クドさやベタつきをまったく感じません。


強めの酸味の裏に、甘みとうまみとが隠れているような、淡麗甘辛口のお酒でした。
私としては、もう少し酸味を弱めたほうが、このサラッとした甘みとよく合うのではないかと思いました。



☆★酒造りと水質との関係について☆★

(1)硬水・軟水の意味について

よく、お酒造りに使われる水について“軟水”“硬水”という表現が使用されます。
これは一体どういう意味なのでしょうか。

一般的には、「ミネラル分の含有量の多い水は「硬水」、少ない水は「軟水」と表現されている」とのこと。
そして「硬水はミネラル分が豊富である、そのため、これを栄養として酵母の働きが活性化すると、アルコール分の多い、辛めの酒に仕上がる」そうです。
一方で「軟水はミネラル分が少ない。それ故、酵母の働きも弱く、発酵が遅くなる。この場合は、どちらかといえば味の穏やかな、やや甘めの酒になる傾向がある。」とのこと(※2)。

ということは、軟水だから甘くなると言っても、それは決して糖分が増えるということではなくて、発酵の進行が遅くなってお酒を辛口に感じさせる成分が少なくなるからということですね。


(2)ミネラルの種類について

ミネラル分の多い硬水のほうが酵母の働きが活発になることはわかりました。
しかし、そうは言っても、ミネラルであればどのようなものが含まれていてもよいわけではないようです。

お酒造りに適した水の代表格ともいうべき“灘の宮水”について、ある文献では以下のように紹介しています。
この水には1リットルあたり2.7mgという多量のリンが含まれているが、これほど多量のリンを含む水は、他のどの酒造地域でも例がないという。リンの他、カリウムカルシウムの含有量も多いが、これらの無機成分は麹カビと酵母の増殖を助けて安定した発酵を行なう重要な役割を持っている。」(※3)

要するに、リン、カリウム、カルシウムが、お酒造りにとって必要なミネラルということですね。


その一方で「酒造用水の大敵は鉄分で、これが含まれていると酒が褐色に着色されてしまうのだが、宮水には鉄分はほとんど含まれていない。」とのこと(※3)。

また、鉄分のほかに有害なミネラルとして、マンガンを挙げている文献もありました(※4)。

(※1)『にいがた地酒王国』p.130(1998.10 新潟日報事業社)
(※2)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.64(2007.1 新風舎)
(※3)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.95(2000.4 柴田書店)
(※4)蝶谷初男『うまい日本酒に会いたい!そのために知っておきたい100問100答』p.31(2004.12 ポプラ社)
あ~酒臭かった!(32)  酒くさコメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

あ~酒臭かった! 32

酒くさコメント 2

yoshida

素人考えで、硬水の方が発酵しにくいのだと思っていました。
逆なんですね。ひとつ賢くなりました。
ちなみに引用文献に挙げられている小泉さんの実家は、私の実家の5、6軒先です。お会いしたことはないですが(^^)
by yoshida (2014-09-17 09:01) 

skekhtehuacso

yoshidaさん、コメントありがとうございます。
小泉先生の本は、今発売されているお酒の本の中では、一番わかりやすくて一番おもしろく、かつ、もっとも網羅的に書かれている最良書だと思います。
私のブログでは、しょっちゅう引用させていただいております。
yoshidaさんのようにご実家が近所だったら、私ならサインをもらいたいくらいです。
by skekhtehuacso (2014-09-17 23:48) 

酒くさコメント、書いちゃう!

お名前:[必須]
URL:
酒くさコメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0