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【お酒】521.播州一献 本醸造 カップ [28.兵庫県の酒]

1585.JPG
山陽盃酒造株式会社
兵庫県宍粟市山崎町山崎28

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 14度
精米歩合 70%
容量 200mL詰
(以上、ラベルより転記)


山陽盃酒造さんは、かつて錫を採掘していた明延鉱山の坑道跡で、お酒を貯蔵しているそうです。
明延鉱山といえば、一円電車が走っていたところですね。

そのことについて文献では、以下のように紹介しています。
23年前の昭和62年に閉山した養父市大屋町の明延鉱山の旧坑道。その中にある山陽盃酒造の貯蔵庫を訪れたのは6月下旬だった。
夏は涼しく、冬は暖かく…。年間を通じて11~15度に保たれている天然の低温倉庫なのだ。かつて掘削作業に使われ、今は見学用に展示されている機械のそばを通り、「明壽蔵」と書かれた貯蔵庫に着いた。
酒の出し入れや見学者の対応で明かりがつけられる時以外は全くの暗闇の世界。壺坂社長は「一定の温度がキープされているのと、この光が入らない環境が日本酒の熟成に非常にいいんです」と力説した。
その中には今年の全国新酒鑑評会で3年連続の金賞に輝いた“播州一献”や、平成13年製造の9年ものも置かれている。」(※1)

そういえば、東力士の島崎酒造さんも、同じように洞窟の中でお酒を貯蔵していました


もっとも、今日いただくカップ酒のような安いお酒は、わざわざこんな貯蔵をしたりはしないことでしょう。

しかし一方で、同じ文献には、以下のような記述がありました。
壺坂社長の熟成酒造りは、ブームになった“淡麗辛口”とは異なる味わいへの挑戦がある。
「私自身はサラッとしているより、しっかりしていて飲みごたえのあるお酒が好き。淡麗辛口を否定するのではなく、自分がおいしく飲める酒を造りたいだけです。」」(※2)

果たしてこの考え方は、今日いただくこのカップ酒にも活かされているのでしょうか。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
その前に、このお酒ですが、少し色がついています。
1586.JPG


うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じます。
それに、やはり熟成感というか、豊かな深みを感じます。
それでいて、苦みや雑味を感じません。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが主となっている酸味です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはけっこうはっきりしています。
でも、クドくはなくて、サラッとした自然な甘みです。


深みのあるうまみに、酸味と甘みとがよく合っている、やや濃醇で旨口のおいしいお酒でした。
酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)と熟成感とが豊かな、飲み応えのあるお酒だと思います。
しかし、それでいて味わいにクドさを感じないのは、加水量が多めだからでしょうか?
いずれにせよ、本醸造を名乗るにふさわしいお酒だと思います。



(※1)神戸新聞総合出版センター編『播磨の地酒 こだわりの酒蔵めぐり』p.62-63(2010.10 神戸新聞総合出版センター)
(※2)(※1)p.63
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