【お酒】675.菱正宗 超辛口純米酒 300ml [34.広島県の酒]
久保田酒造株式会社
広島県安佐北区可部2-34-24
原材料 米・米麹
原料米 中生新千本 国産(広島県産米)100%使用
精米歩合 8割
アルコール分 17度以上18度未満
日本酒度 プラス12
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
今日は、広島の“超辛口”と銘打たれたお酒をいただきます。
このお酒ですが、原料米に中生新千本(なかてしんせんぼん)なるお米を使っているようです。
この中生新千本について、文献では以下のように紹介していました。
「中生、耐倒伏性に強い短稈である。食味の良い多収のの品種として昭和40年代に普及したが、作付品種の早生化などにともない減少している。心白はほとんどでないが、低タンパク質で酒米としての需要がある。」(※1)
そういえば、米に「タンパク質が多いと、酒になった際にアミノ酸が多すぎて、味が重くなってしまう。」(※2)という文献の記述をかつて紹介したことがありました。
しかし、心白がほとんど出ないということは、酒米としてはどうなのでしょうか?
一方、別のある文献では、この中生新千本について「掛米としての適性が高い」(※3)と紹介していました。
これは私の推測ですが、この文献の記述は、心白がないと麹の破精込みがうまく行きにくいが故に、麹米ではなくて掛米として使用することに向いているという意味なのでしょうか?
結論を出せないまま、この点についてはこれで終わらせていただきます。
このお酒の日本酒度は、プラス12度なのだとか。
これは完全に私の感想ですが、日本酒度って、マイナスの表示については概ね信用できる(マイナスが大きければほぼ甘いと考えてよい)ものの、プラスの表示についてはたとえプラスが大きくても辛く感じない場合が多々あって、あまり信用できないと思うんです。
日本酒度のプラス側のことについては、かつてこちらで紹介した文献の記述にも書いてありましたので、合わせてご参照ください。
恐竜ほどの脳みそしかない私の頭の中でいろいろと考えていても、下手の考え休むに似たりです。
そろそろ実際にいただいてみて、味を確認してみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色でした。
一口含んで、アルコールの香りが強めであるように感じました。
純米酒で17-18度ということは、原酒なのでしょうか?
このお酒ですが、酸味が強烈でした。
かなりすっぱいですし、それに少しピリッと感じました。
これは口の中に残る酸味ですよ。
うまみは濃くはないですが、しっかりしていました。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみが口の中に広がります。
ですが、キレはよく、スッと引いていきます。
それに、苦みや雑味はないみたいです。
ほんのかすかですが、木香があるかもしれません。
甘みはひかえめでした。
でも、ドライな感じはしませんね。
ほんのわずかに存在するみたいです。
酸味が強烈な、たしかに辛口のお酒でした。
こちら以来の、ひさびさかもしれません。
タンパク質の少ないお米を使っているはずなのですが、いったいどういうことなのでしょうか?
それに、この酸味に合わせるには、いったいどんな料理がよいのでしょうか?
謎だらけのお酒でした。
(※1)副島顕子『酒米ハンドブック』p.51(2011.7 文一総合出版)
(※2)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.21(2007.1 新風舎)
(※3)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.134(2000.3 養賢堂)
ああ、米焼酎「紅葉天狗」の蔵ですね。
酸味が強い日本酒ですか。意外と洋食と合ったりして。
フレンチ、イタリアンにチーズとか。
by エクスプロイダー (2015-09-23 22:19)
エクスプロイダーさん、そうですか、知りませんでした。
by skekhtehuacso (2015-09-24 23:38)