【お酒】2139.根知男山 本醸造 自社栽培 300ml [15.新潟県の酒]
製造者 合名会社渡辺酒造店
新潟県糸魚川市大字根小屋1197番地1
アルコール分 15度
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
精米歩合60%
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)
“根知男山(ねちおとこやま)”
「市町村合併で今はなくなってしまった旧根知村。」(※1)は、「新潟県と長野県に隣接する山あいの小さな谷、根知。標高1487mの駒ヶ岳と1963mの雨飾山、日本百名山に数えられる2つの急峻な山を背景に、ゆるやかな勾配が続く美しい谷を形作っている。民家は両端の山際に点在し、中心には見事に区画が整備された田んぼが見渡す限り広がっている。畦道に立っていると、爽やかな風が谷の底から吹き上がってきて、サワサワサワと稲穂を揺らす。」(※2)とあるとおり、山間に広がる田園地帯だそうです。
そんな根知谷に蔵を置く渡辺酒造店さんのお酒は、かつて普通酒の814.根知男山(ねちおとこやま) カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は本醸造ですが、
“自社栽培”なんだってさ。
この自社栽培について、同じ文献には以下のような記述がありました。
「 谷の中腹に位置する渡辺酒造店は、1868(明治元)年創業。いわゆる地主の家系ではなく、地元の農家から米を分けてもらって、酒造りを始めた。その後も、主に地元の農家の米を農協を経由して仕入れ、地元向きに酒を造ってきた。だが、年々、米の質が低下し、必要な量も確保できなくなってしまった。
そこで米の栽培と流通に関する規制を緩和する食糧法が施行された1995年を契機に、地元の農家7軒と直接契約栽培を始めた。その結果、米の質が良くなり、酒の質もぐんと良くなくなったことを実感する。酒造りにおける米の重要性を思い知ったという。だが近年、契約農家の高齢化が深刻化していると、渡邉さんは悲痛な顔で言う。
(中略)
やむなく2003年から自社で、社員とともに栽培を開始した。一枚の小さな田んぼから耕作を始め、離農する農家から田んぼを引き受けながら徐々に作付けを広げていき、2012年現在では10・5ヘクタールで酒米を栽培しているという。3年前に来たときには7ヘクタールほどだったので、年々着実に増えている。その半面(ママ)、7軒からスタートした契約農家は、2軒になってしまった。」(※3)
なお、2019年に発行された文献では「全社員10名が栽培に携わり、今は15ヘクタールまでに拡大。蔵で必要な酒米をほぼ自分たちで生産し、半年は米作り、もう半年は酒造りという1年を送っている。」(※1)とあるとおり、酒造りに必要な酒米のほぼすべてを自社栽培していることが紹介されておりました。
そんな自社栽培のお米を使用した本醸造の精米歩合は60%。
それでも“特別-”を名乗らないところが奥ゆかしいじゃあ~りませんか!
それではいただきます。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
うまみはやや淡め、いや、ちょい濃いめ。
米のうまみに厚みを少し感じます。
軽い渋みが少しあります。
熟成感はなく、酒臭さも感じません。
キレはよいですね。
酸味はややはっきり。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを感じます。
ちょいスーですが、ピリピリ感はありません。
甘みはややひかえめ。
それでもじんわりと感じます。
ちょい濃醇でちょい渋ちょいすっぱちょいスー旨やや辛口のおいしいお酒でした。
濃いわけではないものの、米のうまみしっかりで飲み応えを感じました。
ちょい渋とちょいすっぱとがいい感じに引き締め、キレよくてちょいスーも相俟って後味はスッキリでした。
やや辛口と評したものの、甘みの存在はよくわかり、コクを添えているようでした。
これはうまいね。
食事に合う。
海の物にも山の物にも合うと思います。
その自社栽培の根知男山と合わせた今日のエサはこちら。
たこときゅうりとで、
酢の物。
たこは臭みやクセがないから、いかよりも食べやすいね。
きゅうりもおいしくいただけました。
卵で、
出汁巻き卵(ねぎ入り)。
やっぱり出汁をこんぶとかつおとでしっかりとったほうがおいしいね。
ごちそうさまでした。
(※1)『Book of Sake にいがた日本酒大図鑑』p.107(2019.02 株式会社ニューズ・ライン)
(※2)山同敦子『極上の酒を生む土と人 大地を醸す』p.257(2013.2 講談社+α文庫)
(※3)(※2)p.261-263
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黒猫のダンナには、今日もいっぱい遊んでいただけました。
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オイラはこのつらい世の中をなんとか生きて行けそうです。
(友情出演)